すみれ通り商店街の起死回生をかけた「すみれ印の唐揚げロール」の販売当日。
商店街の一角には長蛇の列ができ、活気と笑顔を取り戻した人々の熱気が満ち溢れていた。
その様子を冷ややかな視線で見つめていたのは、駅前に進出し商店街を徹底的に追い詰めた大手唐揚げチェーン『もず屋』の社長、中百舌鳥きぬであった。
高級なスーツに身を包み、鋭い目つきと大人の色気を漂わせる彼女は、徹底的な合理主義とえげつないまでの金への執着で食の世界を支配してきた腹黒いキャリアウーマンである。
「フン……商店街の悪あがきもここまでやわ。たかが素人の思いつきで作った唐揚げが、ウチの『もず屋』が誇るシステム化された完璧なビジネスに勝てるわけないやろ。貧乏商店街が調子乗ったらあかんで」
高飛車かつがめつい口調で言い放つきぬに対し、調理場で白いバンダナをきゅっと解いた幸平創真が、ニッと不敵で力強い笑みを浮かべて歩み寄った。
「へえ、なら実際に食べてみてから文句を言ってくれよ、もず屋の社長さんよ!」
創真が差し出したのは、香ばしく揚げられた唐揚げと色鮮やかな野菜や漬物が、もちもちの生地で美しく巻かれた熱々の『すみれ印の唐揚げロール』。
「フン、生意気なクソガキやね……ええわ、金も人脈もないあんたらを徹底的に叩き潰したるわ」
きぬは腹の中で嘲笑を浮かべながら創真を睨みつける。創真は胸を張り、堂々とその包みを突き出した。
「おあがりよッッッ!」
威勢の良い決め台詞とともに提出された一品。きぬは気乗りしない様子で一口、その唐揚げロールをかじり取った。
その瞬間——きぬの脳裏と全身を、雷に打たれたかのような強烈な衝撃が駆け抜けた。
「っ……!? な……なんやこれ……っ!? 外はパリッと香ばしくて、中はあふれ出すジューシーな肉汁……! それを包み込む生地のもちもち感と、和風ソースの絶妙な食感が口の中で弾けて……っ!」
一口噛み締めるたびに広がるのは、単なる「旨味」だけではない。商店街の肉屋、漬物屋、パン屋の想いがひとつに合わさった、圧倒的な温もりと人情の味。
効率や利益、金儲けばかりを追い求め、いつしか冷ややかなビジネスの氷の世界に身を置いていたきぬの心が、創真の料理が持つ圧倒的な熱によって一気に溶かされていく。
「こんなん……利益率も効率も無視した無茶苦茶な料理やんか……! なのに……なんでこんなに身体の奥が熱くなって……心が満たされていくんや……ッ!?」
驚愕に目を見開くきぬ。がめつい計算や効率重視の損得勘定など、創真の情熱と美味しさの前には何の意味もなさなかった。
きぬは自分の敗北を悟ると同時に、目の前で胸を張り、眩しいほどの男らしさと才能を放つ少年・幸平創真という存在に、激しく胸を打ち抜かれたのだ。
「ウチの負けや……。完璧やったウチのビジネスが……このクソガキの熱量に……完全に打ち砕かれたわ……ッ」
カッと顔を朱に染め、高飛車だった瞳は潤み、一人の恋する女性のようにうっとりと創真を見つめるきぬ。
創真が優しく微笑み、彼女の細い腰を引き寄せて抱きかかえると、きぬは溢れ出る胸のときめきを抑えきれず、自ら創真の胸元へと身を委ねたのだった。
店奥にある豪華なVIP応接室。暗めの照明が灯る中、きぬは創真の膝の上に背後から抱きかかえられるようにして座らされていた。乱れた黒髪と高級スーツの隙間から覗く艶めかしい肌が、室内を満たす熱気と汗で湿り気を帯びている。
「もう……堪忍してちょうだい。あんたにだけは勝てへんって……ウチの身体が覚えてもうたわ……」
いつもの高飛車でがめつい態度は跡形もなく、甘く溶けたような関西弁で囁くきぬ。潤んだ瞳で創真を見つめ返すその顔は、一人の女として完全に屈服していた。
「へへ、まだまだだろ? 俺も社長さんからまだ搾り取り足りないんだぜ」
「ひぅっ!? また……っ! 創真くんの指……っ」
スーツのタイトスカートの中に滑り込んだ創真の大きな手が、しっとりと湿り気を帯びた秘裂を探り当てる。先ほど一度果てたばかりの敏感な肉襞に直接触れられ、きぬの身体がびくんと大きく跳ね上がった。
くちゅ…… くちゅくちゅっ……
「社長さんがこんなに感じやすいなんて意外だな。もず屋の誰も知らないだろ?」
「言わんといてぇな……っ! もう……ウチのプライドも金儲けもどーでもええから……あんたの好きにして……っ!」
すべてを委ねるように体重を預けるきぬ。はだけた高級シャツの隙間から零れ落ちる豊満な乳房が、創真の目の前で淫らに揺れていた。
「すげぇ眺めだぜ……。高飛車な社長のこんな姿、俺だけの特権だ」
「うぅ……創真くん……っ。あんたが欲しい……ウチをめちゃくちゃにしてぇな……っ!」
強欲な素直さを露わにするきぬの太腿を、創真が両手で力強く抱え上げる。高級スカートが大きくめくれ上がり、愛液でぐっしょりと濡れた薄いショーツが露わになった。
「こんなにぐっしょり濡れてる……準備万端ってことだな?」
「そうよ……全部創真くんのせいなんやから、ちゃんと責任取ってぇよ……っ!」
創真はショーツを横にずらすと、硬く怒張した肉棒の先端をきぬの濡れそべる秘部にあてがい、そのまま一気に突き上げた。
ぐぷぷ…… ずぶずぶぅっ!
「ひぃぃんっ! もう……っ! 来てくれたんやね……っ! すご……奥まで届いてるわ……っ!」
ソファの上で背面座位の体勢のまま貫かれたきぬは、快感の衝撃に耐えかねて創真の首元に両腕を回し、縋り付いた。
「社長さんの中……最高に気持ちいいぜ。俺を搾り取ろうと締め付けてきてる」
「あぁっ……締め付けてなんか……っ! あ、あんたが勝手に突き上げてくるからやろ……っ! バカ……っ! そもそもウチを誰や思ってるのよ……っ! 関西中に店を持つ外食チェーンを束ねる社長やぞ……ッ! 年下の青二才のくせに……そんな生意気な口の利き方しはって……ッ!」
高飛車な口調で突っぱねようとするものの、動くたびに突き上げられる膣奥の快感に声が上ずってしまう。創真はそんな強がりを嘲笑うかのように、ニッと意地悪く口角を上げ、さらに深く腰を叩きつけた。
ぱちゅ…… ぱちゅっ…… くちゅぅぅっ!
「はぁっ! はぁっ……創真くん……っ! ほんま罪深い男やわ……こんな気持ちええことウチに教え込むなんて……っ!」
「社長さんが強がりすぎるからだろ。ほら、プライドも何もかも忘れて溶けちまえよ」
創真の大きな手がはだけたシャツの中に潜り込み、きぬの豊かな胸を力強く揉みしだいた。
ぎゅむっ! もみゅもみゅっ!
「いやあぁんっ! 先端だめぇ……っ! そこ弄られたら頭おかしくなるぅ……っ!」
揉みしだかれ、指先で先端を摘み上げられるたびに甘い悲鳴が漏れる。普段の冷徹でがめつい雰囲気は微塵もなく、ただ男に愛される快楽に酔い痴れる淫靡な表情へと変貌していく。
「俺の前ではただの可愛い女でいろよ。社長っていう役職なんて忘れてさ」
「創真くんのイジワル……っ! でも……好きに……好きにしてぇ……ッ!」
完全に屈服したきぬの身体が激しく弓なりに反り返る。
「へへ、そうこなくっちゃな! 社長さんの強情なトコ、全部搾り取るまで絶対逃がさねぇからな!」
創真は腰の回転を速め、きぬの最奥へと容赦なく肉棒を突き刺していった。
ずんっ! ずんっ! どちゅどちゅっ!!
「ああぁぁぁっ! イクッ! 社長やのにイっちゃうわぁ……っ! 創真くんも出してぇっ! ウチの中にあんたの熱いのを全部刻み付けてッ!!」
「うおぉぉ! 出るぞ社長さん……っ!」
最奥を深く突かれた瞬間、創真の精液がきぬの膣内へと勢いよく解き放たれた。
ぷしゅっ! びゅるるるぅっ!! ぶしゃあぁぁっ!!
「あはあぁぁっ! 溢れてるぅ……っ! 創真くんの熱いのがいっぱい入ってきてるわ……っ!」
応接室が女の甘く情熱的な嬌声で満たされ、二人は互いの体温を貪り合いながら深い絶頂へと沈んでいったのだった。
静まり返った店奥のVIP応接室。
甘く濃厚な情熱の余韻が漂う中、きぬは乱れた高級スーツを肌けさせたまま、創真の膝の上にすっぽりと収まり、彼の首元へしがみついていた。
かつて「冷酷ながめつい社長」と恐れられた面影はどこにもなく、紅潮した頬と潤んだ瞳で、うっとりと創真の胸元に顔をうずめている。
「……はぁっ……ふふ、信じられへんわ。このウチが……こんな若い男の子にビジネスでも、夜の営みでも完全に負けてぐちゃぐちゃにされちゃうなんてな……」
きぬは甘い吐息を漏らしながら、創真の胸元を愛おしそうに撫で上げ、照れくさそうに微笑んだ。
「でも……すごく温かくて、幸せやったわ。あんたの料理と同じように……ウチを強引に包み込んで、溶かしてくれたやん……ッ」
「へへ、もず屋の社長さん。商店街のみんなの想いが詰まった味、伝わっただろ?」
創真がぽんぽんと優しく彼女のしなやかな背中と豊かな腰を撫で上げると、きぬは「ん……っ」と身をよじらせ、上目遣いに愛おしそうに創真を見つめた。
「ええ……降参やわ。商店街からは手ぇ引いたる……。その代わり……これからはウチのことも、あんたのその逞しい腕でずっと繋ぎ止めておいてぇな……ッ」
大人の色気と敗北を認めた素直な甘えを覗かせるきぬの姿に、創真は胸を張り、力強い笑顔で手をとった。
「お粗末!」
その決め台詞とともに、きぬはとびきり艶やかな笑顔を浮かべ、創真の唇へとそっと甘く濃厚なキスを落としたのだった。
(第23話 おわり)