『秋の選抜』予選Aブロックの激闘が終わり、観客たちが去った後のアリーナ舞台裏。
華やかな衣装に身を包んだ遠月学園のアイドル司会者・川島麗は、楽屋裏のパイプ椅子にドサリと座り込み、盛大な溜め息をついていた。
「はぁ〜〜〜……マジで疲れた……っ。大声出しすぎて喉はカラカラだし、ヒール履きっぱなしで脚もパンパン……。観客の前ではキャピキャピ笑ってみせてるけどさぁ、司会の苦労も知らないで呑気に料理食ってる奴らは気楽でいいわよね……っ」
腹の中で毒づきながら、マイクをテーブルにドサリと放り投げる麗。表向きは可憐で愛らしいアイドル生徒として振る舞っているが、裏では非常に計算高く、腹黒い本音を隠し持っているのが彼女の真の姿であった。
「はぁ……お腹空いたなぁ。かといって、今さら学園の食堂まで行く元気もないし……」
麗がぐったりとテーブルに伏したその時、ふわりと鼻腔をくすぐる香ばしく温かな香りが漂ってきた。
「おう、川島! 長時間の司会進行、本当にお疲れ様だったな!」
「きゃはっ☆ ……って、幸平創真ぁ!?」
素早くアイドルスマイルを作った麗だったが、入ってきた創真の手元を見て目を丸くした。
創真が持っていたのは、湯気が立ち上る一皿の温かな賄い料理だった。
「はいこれ、長時間の司会で喉も腹も疲れ切ってると思ってさ。特製の『薬膳和風だしスパイスおじや』だ。がっつり食って元気出してくれよ!」
「え……? 私に……賄い……?」
麗は一瞬、営業スマイルを忘れて呆然とした。
これまで大勢の男子生徒からチヤホヤされてきた麗だったが、それらはすべて「アイドルとしての自分」に向けられた下心やファン心理だった。だが、創真の瞳にあるのは、大会を陰で支えてくれた司会者への純粋な労いと尊敬の念だけだったのだ。
「裏で一生懸命大会を盛り上げてくれたお前が一番の功労者だろ? ほら、熱いうちに召し上がれ!」
創真は白いバンダナをきゅっと締め直すと、不敵で眩しい笑顔を浮かべ、一皿を堂々と突き出した。
「おあがりよッッッ!」
威勢の良い決め台詞とともに提出された一品。麗は戸惑いながらも、漂う出汁とスパイスの優しい香りに抗えず、レンゲを取って一口口へと運んだ。
その瞬間——麗の全身を、じわじわと身体の芯まで染み渡る温かな感動が包み込んだ。
「っ……!? な……なにこれぇぇぇっ!? 昆布と鰹の優しい和風だしの中に、生姜と微量のカルダモンが利いていて……喉と胃袋がスーッと癒されていく……っ!!」
一口食べるごとに、長時間の司会で疲れ切っていた喉と身体が解きほぐされていく。
計算や裏表のない、純粋に「食べた人を労い、元気にしたい」という創真の温かな情熱が、麗のひねくれた心を優しく包み込んでいく。
「なによこれ……っ! こんなのズルいじゃない……っ! 私がどれだけ疲れてたか……一番分かってくれてるなんて……ッ!」
麗のカッと赤く染まった頬から、ポロポロと涙がこぼれ落ちた。
計算高さも腹黒い本音も全て吹き飛び、目の前で自分を気遣い、力強い笑顔を向けてくれる幸平創真という男に、身も心も一気に奪われてしまったのだ。
「創真くん……っ! 私、もうアイドルぶるのなんてどうでもいい……っ! 創真くんのことが……大好きなの……っ!」
麗は潤んだ瞳で創真を見つめると、自分から創真の胸元へと飛び込み、甘く激しくしがみついたのだった。
控え室に二人きりになった瞬間——麗の取り繕っていたアイドルモードが完全に崩壊した。
「くっ……創真くんのバカ! あんなに美味しい賄い食べさせた後に、私を置いて一人で帰るつもりだったの!?」
麗がテーブルに両手をポンと突き、創真を強い眼差しで見つめ直す。普段の計算高い営業用の表情とはまったく違い、朱に染まった両頬と潤んだ瞳には、隠しきれない焦燥感と熱い独占欲が滲み出ていた。
「おっと、どうした川島? まさか俺が作った賄いに文句でもあるのか?」
「文句じゃないよ……っ! こんなに心が温かくなって……こんなに創真くんのこと好きになっちゃったら……もう一人で帰れるわけないじゃないかよ……っ!」
麗が創真の着ているシャツの裾を、両手で縋りつくように必死に掴み取る。その指先が快感と情念に苛まれて微かに震えているのがはっきりと見て取れた。
「ほう……つまりどういうことだ? アイドル様が俺に一体何を望んでいるんだ?」
「うぅ……意地悪ぅ……っ! わ……分かってるくせに言わせようとして……っ!」
真っ赤に染まった顔を俯かせる麗。そんな彼女の動揺を楽しむかのように、創真はニヤリと不敵に笑いながら、指先で彼女の顎をそっと持ち上げた。
「ほら言えよ……俺にどうして欲しいんだ? 川島麗」
「ひぁっ! そんな近くでじっと見つめられたら……っ」
瞳を揺らしながら呼吸を乱す麗の唇に、創真の温かい指先が優しく触れる。
さわ……
「素直になれよ……お前の隠してる本当の本音、俺に聞かせてくれ」
「も……もう無理ぃ……っ! 創真くんが欲しくて欲しくてたまらないんだもん……っ!」
涙目の瞳で素直な欲望を打ち明ける麗。創真の手は彼女の可憐なアイドルの衣装の背中へ回され、結ばれていたリボンを解き始めた。
しゅるぅ……
「や……っ! まだ心の準備が……っ!」
「準備なんてもういらねぇだろ?」
リボンが解け、緩んだスカートがハラリと足元へ落ちていく。露わになったしなやかで細い脚線美に、創真の大きな掌が滑り込むように触れていった。
すぅーっ……
「ひあぁっ! 脚触らないでぇ……っ! 敏感なとこ知ってるくせに……っ」
「そうか? じゃあ……ここはどんな感じなんだ?」
掌はそのまま腿の滑らかな肌を滑り、太腿の内側の柔らかい箇所へと移動していく。
くすぐるように……
「ひぃっ! そこダメぇ……っ! 感じすぎちゃうよぉ……っ」
言葉とは裏腹に、身体の奥から湧き上がる熱に抗えず、麗の腰は勝手に創真の手を求めて浮き上がってしまう。創真は彼女の細い腰を正面から力強く引き寄せ、逃がさぬように唇を重ね合わせた。
ちゅぅ……
「んんっ!? また突然……っ」
驚きに目を見開く麗の歯列を、創真の熱い舌が強引に押し開いて侵入する。
じゅる……れろぉ……
「んふぅ……創真くんのキス……すごく気持ちいいよぉ……っ」
濃厚な吐息の交わし合いが終わり、唇が離れた時、麗の瞳はトロンと蕩けて熱気を帯びていた。
「どうだ? 少しは素直になったか?」
「うん……私、もうカメラの前みたいに演じなくていいんだよね……? 本当の私を……創真くんに丸ごと見てもらえるんだよね……?」
創真が優しく彼女の頭を撫で上げると、力強く頷いた。
「当然だろ。お前の全部、俺がちゃんと受け止めてやるよ」
その温かい言葉に心の底から安堵したのか、麗は自分から進んで積極的に創真の首元へ抱きついた。
「創真くん……もっとちょうだい……私の全部……愛してほしいの……っ」
創真は麗を控え室の柔らかいソファへそっと押し倒した。そして彼女の白い首筋に吸い付くように熱い唇を寄せていく。
ちゅぅぅっ……
「ひぁっ! そこ弱いのぉ……っ!」
可憐な首筋から鎖骨へと滑り、赤く甘い痕を残すように吸い上げていく。
ちゅぷっ!
「あぁん! アイドルの体に……そんな赤い痕ついちゃうぅ……っ」
そのままブラジャーのホックを指先で外し、豊かに実った乳房を空気に晒す創真。
ぷちり……
「やん……っ! そんなにじっくり見ないでよぉ……っ」
むき出しになった乳房の先端に輝くピンク色の突起を、創真の指先が優しく摘み上げた。
くりくりぃ……
「きゃふっ! 強いのダメぇ……っ! すぐ感じちゃうぅっ!」
さらに、もう片方の乳首へと頭を下げ、熱い舌先で転がすように舐めしゃぶる。
ぺろ……ちゅぅっ……
「ひあぁっ! 両方同時は反則ぅ……っ! アタマおかしくなっちゃうぅっ!」
上半身への激しい責めと同時に、創真の指が下着越しに彼女の秘裂を優しく撫で上げた。
すりすり……
「ひぃっ! そこも触らないでぇ……っ!」
しかし、手触りだけでわかるほど下着の布地はすでに蜜でぐっしょりと濡れ広がり、熱気を放っていた。
「おいおい……もうこんなにびしょ濡れになってんじゃねぇか」
「う……うるさいなぁ……っ!」
創真の指先が、濡れた布地の上から割れ目に沿って上下に往復する。
くちゅ……くちゅっ……
「いやぁっ! そんなエッチな音立てないでぇ……っ!」
濡れそぼったショーツを強引に脇へ引きずり下ろし、むき出しになった秘裂へダイレクトに触れる。
ぬるぅっ……
「はぅうっ! 生の手で触られたらダメだってぇぇっ!」
熱く湿った蜜穴へと、創真の極太な指が滑り込んでいった。
ずぶぅ……
「あひっ! 指入ってきたぁ……っ」
「すごいな……指を包み込んで、こんなに締め付けてくるぞ」
創真の指が膣内で押し引きを繰り返し、奥の敏感な壁を擦り上げる。
くちゅ……ぐりぐりぃっ!
「ひぁぁん! 壊れちゃうぅ……っ! 指だけでイッちゃうよぉっ!」
二本の指が激しく愛液を掻き回すように出入りを深めていく。
ぢゅぷっ! ぢゅぷぷっ!
「やだぁ……っ! イグッ! イッちゃうぅぅっ!!」
麗は背中を反らせて激しく身体を跳ねさせ、絶頂の波へ飲み込まれた。結合部から勢いよく溢れた愛液が飛散し、腿を濡らしていく。
ぷしゅあぁっ!
「はぁ……はぁ……もう無理ぃ……っ」
快感の余韻でぐったりと身体を沈める麗の目の前で、創真はカチャカチャとベルトを外し、ズボンを下ろした。
露出した凶悪な肉棒の迫力に、麗はゴクリと唾を呑み込んだ。
「ひ……っ! そんな大きいの……私の中に入らないよぉ……っ」
「心配すんな……壊れないようにゆっくり挿れてやるから」
創真は秘裂の入り口に固い亀頭を宛がった。
ぐぷぷ……
「ひゃぁっ! めっちゃ熱いのが当たってるぅ……っ」
「行くぞ……奥まで全部受け止めろよ」
ずぶずぶずぶぅぅっ!
「ひぎぃぃん! 入ってきてるぅ……っ! 創真くんの熱いのがぁぁっ!」
ミチミチと肉壁を押し開きながら、太い肉棒が一気に奥へ入り込んでいく。
ずぼんっ!
「お゛ぉ゛っ! 奥まで届いてるぅ……っ! お腹の中が創真くんでいっぱいだよぉ……っ」
「よし……動くぞ……覚悟決めろよ」
創真は力強い腰つきで強烈な抽送を開始した。
ぱちゅ……ぱちゅっ……
「あんっ! いきなり激しく動いちゃダメぇ……っ! 気持ちよすぎて泣いちゃうよぉっ!」
創真は彼女の身体を起こし、向かい合って抱き合う対面体位へと体位を移行させた。
ぎゅいぃ……
「ふあぁっ! 密着してるぅ……っ! 創真くんの全部を感じちゃうよぉっ!」
身体の芯まで結合した状態のまま、麗は創真の首に自ら腕を強く回した。
「離れないでぇ……っ! このまま私をずっと抱いててぇっ!」
「もちろんだ……ずっと離さねぇよ」
創真が下から突き上げるような力強いピストンで最奥を直撃する。
どちゅんっ!
「ひぃっ! 深いぃ……っ! 子宮口に直接当たってるぅっ!」
ぐりぐりぃ……ずちゅぅっ!
「好きぃ……っ! もっと奥突いてぇっ! 私のこと滅茶苦茶にしてよぉっ!」
「お前の望み通り……全身滅茶苦茶にしてやるよ」
さらにピストンの速度と重みを加速させる創真。
ぱんっ! ぱんぱんっ!
「あぁぁんっ! 来るぅ……っ! また凄いのがイッちゃうよぉっ!」
二人とも同時に限界の頂点へと登りつめていく。
どちゅっ! どちゅんっ! ずぼぉぉっ!
「創真くぅん……っ! 私もうダメぇ……っ! 一緒にイッてぇっ!」
「ああ……よし、一緒に行くぞ!」
どぴゅるるぅっ! ぶしゃあぁぁっ!
「イグッ! イッグゥゥッッ!!」
ドクドクドクンッ……!
「はぁ……はぁ……出てるぅ……っ。私の奥深くに……全部注がれてるよぉ……っ」
激しい爆発のあと、二人は固く抱き合ったまま、しばらく熱い余韻を全身で噛み締めていた。
「……創真くん」
「ん?」
「ありがとう……私……こんなに幸せになれたの、生まれて初めてだよ……」
「こっちこそありがとな。司会でお世話になったし、これからもよろしく頼むぜ?」
「うん……ずっと創真くんと一緒だよ」
麗は涙を浮かべながら可愛らしく微笑み、創真へ愛おしそうに抱きついたのだった。
静まり返ったアリーナ裏の控え室。
甘く濃厚な情熱の余韻と、ほのかな薬膳だしの香りが漂う中、麗は乱れたアイドルの衣装を肌けさせたまま創真の膝の上にすっぽりと収まり、彼の首元へ甘く抱きついていた。
かつて見せていた計算高さや毒舌な面影は微塵もなく、朱に染まった頬ととろけた瞳で、うっとりと創真の胸元に顔をうずめている。
「……ふあぁっ……創真くん……っ。私、あんなに強がってたのに……創真くんにこんなに甘えさせてもらっちゃって……もう戻れないよ……っ」
麗は甘い吐息を漏らしながら、創真の首筋に何度も小さくキスを重ね、照れくさそうに頬を擦り寄せた。
「でも……すごく温かくて、心の底から幸せだったの……。私をアイドルとしてじゃなく……一人の女の子として優しく抱きしめてくれて……本当にありがとう……っ」
「へへ、川島。お前、素直な方が何倍も可愛いぜ。司会もお疲れ様だったな」
創真がぽんぽんと優しく麗の頭となで肩を撫で上げると、麗は「ん……っ」と愛おしそうに身体を擦り寄せ、上目遣いに創真を見つめた。
「もう……創真くんが格好良すぎるのが悪いんだからね……っ。これからは誰の前でも見せない、私の一番可愛いところ……全部創真くんにだけ見せてあげるんだから……っ」
裏表の仮面を脱ぎ捨て、一途で素直な恋心を爆発させて甘えてくる麗の姿に、創真は胸を張り、力強い笑顔でその手を握りしめた。
「お粗末!」
その決め台詞とともに、麗はとびきり可憐で眩しい笑顔を浮かべ、創真の唇へとそっと甘く濃厚なキスを落としたのだった。
(第29話 おわり)