編入試験が終わり、夕闇が包み込み始めた遠月学園の調理実習室。新戸緋沙子は、一人黙々と厨房の片付けを進めていた。
「えりな様の身の回りのお世話に、試験の取り仕切り……。絶対にミスは許されないわ」
凛とした表情で作業をこなす緋沙子だったが、その肩はかすかに重く落ち、疲労の色を隠しきれていなかった。薬膳のスペシャリストとして常に自身の体調管理にも気を配っているはずの彼女だが、敬愛するえりなのために全力を尽くすあまり、自らの限界を超えて無理を重ねていたのだった。
そこへ、調理道具の片付けを終えた幸平創真が通りかかる。
「ん? なんだ、秘書子じゃん。まだ残ってたのか?」
「秘書子ではありません、新戸緋沙子です! ……あなたこそ、早く退出してちょうだい。ここはもう閉めるわ」
創真の気さくな態度に、眉をひそめて突っ撥ねようとする緋沙子。しかし、次の瞬間に大きく体を揺らし、その場にぐらりとよろめいてしまった。
「くっ……!?」
「おっと、危ねぇな!」
創真が素早く手を伸ばし、倒れそうになった緋沙子の身体をすんでのところで受け止める。腕の中に伝わる彼女の身体は思いのほか冷たく、呼吸もどこか浅くなっていた。
「あなた……離しなさい。私はただ、少し立ちくらみがしただけで……」
「無理すんなって。お前、自分の体調を後回しにしてただろ。ちょっと待ってな」
創真は緋沙子を椅子に座らせると、迷いのない手つきで厨房に残っていた食材を手際よく刻み始めた。鶏ガラベースのスープに、生姜やニンニク、ハーブ、そして薬膳の要素を取り入れた香辛料を絶妙な火加減で煮込んでいく。
「な、何をしているの? 薬膳の知識もない大衆食堂のあなたが、適当な料理を作っても……」
「薬膳の専門知識ならお前の方が上だろうさ。けどな、疲れた奴に食わせる『まかない』の工夫なら、俺も負けてねぇよ」
創真は手ぬぐいで汗を拭うと、湯気立つスープボウルを緋沙子の目の前に置き、彼女のすぐ隣の席へと腰掛けた。ふわりと鼻腔をくすぐる、優しくも食欲を激しくそそる芳しい香り。
「おあがりよッッッ!」
力強い声とともに差し出された一皿——『特製まかない薬膳スープ』。
「……ッ!」
あまりの香りの良さに、緋沙子は吸い寄せられるようにレンゲを取り、スープを口に運んだ。
その瞬間、驚愕の表情が彼女の顔に広がる。
「な……なに、これ……!? スープが舌に乗った瞬間、体に染み渡るような温もりが……!」
じっくり引き出された鶏のコクと、生姜や香辛料の柔らかな刺激。それらが絶妙なバランスで調和し、過剰な薬臭さを一切感じさせない、圧倒的に滋味深い味わいとなって五臓六腑へ染み渡っていく。飲むたびに体幹からぽかぽかと温かな熱が広がっていった。
「生姜とハーブの効能を、スープの旨味で完全に包み込んでいる……。薬膳としての効能を最大限に高めながら、こんなにも温かく、優しい味に仕上がるなんて……!」
いつも「えりな様のため」と肩肘を張り、緊張の糸を張り詰めていた緋沙子の心が、創真の作ったスープの温もりによってみるみると解き放たれていく。
「あ……温かい……。どうして……涙が……っ」
「疲れてる時は、美味いもん食って温まるのが一番だろ」
創真が隣で優しく微笑みかける。その飾らない真っ直ぐな瞳と男らしい包容力に触れた瞬間、緋沙子の胸の奥で、これまで感じたことのない激しいときめきが芽生えた。
「創真……くん……。私……私、あなたに……っ♡」
緋沙子は赤く染まった顔を伏せ、微かに震える手で創真の袖をしっかりと掴みしめたのだった。
「わ、わたし……は…」
緋沙子の声は震えていた。いつも冷静沈着で「えりな様のために」という規範で自分を律してきた彼女にとって、今の状況は未知の領域だった。
隣に座っていた創真は、戸惑う緋沙子の身体をすっと抱き寄せる。近くで見ると、疲労の浮かんだ彼女の肌には微妙な汗が滲んでいた。
「なぁ秘書子……いや、緋沙子」
「ひっ!? なっ、何をするのですか……!?」
突然肩を引き寄せられ、緋沙子の身体がビクンと跳ねる。抵抗しようにも、創真の逞しい腕の中では無力だった。
「俺の料理を食って温まったはずなのに、こんなに肩が冷たいのはおかしいだろ」
創真は指を緋沙子の首筋に添わせる。冷たい鎖骨あたりを揉みほぐすように擦ると、熱いスープで火照った体内の熱が皮膚を通して伝わってきた。
くりくり……ぐにゅっ……
「くっ……うぅん……っ。そこ……触らないでください……」
「ほら見ろよ。こんなに凝って固くなってるぜ。ちゃんと休めてない証拠だ」
言葉通り緋沙子の筋肉は凝り固まっており、解すたびに彼女の口からは小さな吐息が漏れる。普段なら絶対に許さないであろう他者の接触に、今はスープの効用も相まって奇妙な心地よさを覚え始めていた。
「やぁ……っ。もう結構ですから……離してくださいませ……」
「まだダメだ。きちんと温めておかねえとな」
創真はより大胆に両手を緋沙子の背中へ回し、制服越しに背骨のラインを優しく撫で下ろした。
さわさわ……ぬりゅっ……
「ひゃっ!? そっ……そこは……!」
ブラウスの隙間から忍び込んだ創真の掌が直接背中を撫でる。汗でしっとりとした肌理細かな肌は想像以上に滑らかで柔らかい。上下に往復する指先の動きに合わせて緋沙子の背筋がピクンピクンと波打った。
「薬膳の知識がある奴なら分かるよな? 身体を芯から温めると血行が良くなって老廃物が排出されるんだ」
「そんなこと分かっていますけど……! これはやりすぎですっ……」
口では抗議しつつも創真の手を振り払うことはしない。むしろ触られた部分がジワジワと熱を帯びてくる感覚に陶酔し始めていた。
創真の唇がそっと緋沙子の耳元へ近づく。
「じゃあ別の方法で温めてやるよ」
「えっ……? ひゃあっ!?♡」
突如として耳穴に生温かい舌が侵入してきた。卑猥な水音を立てながら軟骨部分を舐め上げる。
れろれろっ……ちゅぷっ……ぐちゅっ……
「あっ……そんな所舐めないでぇっ! ぞくぞくするからぁ……っ♡」
過敏な器官である耳への直接攻撃に緋沙子は悶絶する。薬膳スープで活発になった自律神経が更なる刺激を求めているようだった。
「お前の耳たぶ……めちゃくちゃ柔らかいな。スープの効用で血流が良くなってる証拠だぜ」
「も……もう十分ですわ……これ以上は……ああっ!?♡」
耳輪から耳介へと移動する舌の動きに翻弄される。熱く粘着質な唾液が塗りたくられる度に全身が過剰反応して震えが止まらない。
創真は空いている方の手でスカート越しの太腿を撫で上げた。薄い生地越しでも分かる柔らかさに自然と指先に力が入る。
「やめ……っ! そこはだめですって……ああっ!♡」
「ダメじゃねえだろ? ほら」
くいっ!
スカートの中へ直接潜り込んだ指先がショーツのクロッチ部分を押す。予想以上に熱くて湿っている感触に創真の口角が上がる。
「すげえ濡れてるじゃんか。薬膳効果も相まって相当敏感になってるな」
「違いますっ! これは汗です……っ! やめてくださいまし……本当に……っ!」
羞恥と興奮で頬を真っ赤に染めながら否定する姿が余計に嗜虐心をそそる。創真は構わず布地の上から縦筋を左右に広げるように擦り上げた。
くちゅっ……ぬちゅっ……
「嘘つけよ。こんなに音立ててんのに」
「いやぁあぁっ! やめてぇっ! そこばかり……はああんっ!♡」
神経を剥き出しにされたような強烈な快感が腰全体を襲う。ショーツの上からでは物足りなくなってきていることが本人にも分かり始めていた。
「よし……脱がすぞ」
「ちょっ!? ま……待ってくださ―――あうぅっ!」
返事を待たずショーツを剥ぎ取ると美しい縦割りが露わになった。既に愛液でキラキラ輝いているそこは次の刺激を期待してヒクヒク動いている。
創真は迷わず舌を差し込んだ。
れろぉっ! ちゅぱっ! ぬりゅりゅっ!
「ひゃあああぁっ!? だめえぇっ! 生でなんて汚いですし……それに……ああぁんっ!♡」
初めて他人に触れられる花弁を容赦なく貪られる。唾液と愛液が混じり合う卑猥な音が静かな室内に響き渡った。
「全然汚くねえぞ。お前のここ……最高に旨え」
「やめてください……恥ずかしくて死にそうですわ……っ」
そう言いつつも腰を浮かせてしまう矛盾。更なる刺激を求める本能に抗えないまま嬌声を上げ続けた。
舌だけでなく指先も使いGスポットを圧迫する。
ぐりゅっ! ずちゅっ! くぷぷっ!
「あぁあっ! 指が……そんな奥まで……! 壊れちゃいますからぁっ!♡」
薬膳スープで活性化した神経系が通常以上の快楽信号を送る。頭の中で火花が散るような強烈な快感に思考がまとまらなくなっていく。
「イケよ。ほら」
「いやっ! いけないですっ! 秘書として……こんな所で……ひぃっ!?♡」
「秘書とか関係ねえだろ。お前は女の子なんだからさ」
最後の一押しと言わんばかりに舌先でクリトリスを摘み上げると同時に強く吸い上げた。
ちゅぅううっ! ちゅぱっ!
「だめええぇぇっ!! イクぅっっ!♡」
全身が弓なりに反り返り絶頂を迎える。膣壁が痙攣し指を強く締め付けた。
びくっ! びくんびくんっ!
「はぁ……はぁ……っ。こんなに激しいの……初めてですわ……」
ぐったりとした緋沙子を抱き起こしキスをする。抵抗する力もないまま受動的に唇を奪われると甘い陶酔感が広がった。
「んぅ……ちゅぱ……っ。創真くん……もっと……温めてくださいませ……♡」
すっかり媚びた表情を見せる秘書娘に満足そうに微笑むと立ち上がってベルトを外した。膨れ上がったモノが飛び出すように飛び出る。
「次はこっちで温めてやるぜ」
「おぉっ……大きい……でも不思議と怖くありません……」
完全に蕩け切った瞳で見つめる緋沙子にペニスを差し出す。反射的に口を開けてしまうその姿は本来の固い性格からは想像もつかない淫靡さがあった。
ぬぷっ! じゅぽっ! ぐぷぷっ!
「んむぅ! オスの匂いが強烈なのに……濃厚な汁のコクがあって……なぜか美味しいですわ……っ♡」
戸惑いながらも一生懸命舌を使って奉仕する様子に創真の興奮も高まる。頭を押さえつけて喉奥まで突き入れた。
「ぐぼぉっ!? んごっ! おごぉっ!」
苦しそうな呻き声すら甘美なBGMとなる。嘔吐反射で狭まる咽頭に竿を擦り付ける快感は筆舌に尽くしがたい。
「出すぞ……全部飲めよ」
「ん゛ん゛ぅぅ~~っ!」
どぴゅっ! びゅるるるっ! どくどくっ!
灼熱の精子が直接胃袋へ注ぎ込まれる。苦いはずの味が薬膳スープの効用と相まって絶妙な旨味として感じられた。
ごくんっ……ごくっ……
「はぁ……はぁ……。強烈な味なのに……やみつきになりそうで……♡」
満足げに喉を鳴らす姿を確認してから再び調理台の上へ押し倒す。両脚を大きく開かせ濡れそぼった秘所へ亀頭を宛がった。
「行くぞ」
「はい……創真くん……来てくださいませ……♡」
期待と不安が入り混じった瞳で見上げる緋沙子。ゆっくりと腰を進めると肉襞が歓迎するように絡みついてきた。
ずぶぶっ! ずちゅうぅっ!!
「はぁああぁっ! 入ってきましたわぁっ!♡」
破瓜の痛みよりも圧倒的な充填感が勝る。創真の雄々しい肉棒が狭い膣道を押し広げていく感覚に身震いするほどの悦びを覚えた。
「動くぞ」
宣言と同時に抽送が始まる。最初は慎重に壁面を擦るように小刻みに動かす。
ぱんっ♡ ぱんっ♡ ぐちゅっ♡
「あっ! あぁんっ! ゆっくりだと……じれったくてもどかしいですわ……っ」
「焦るなよ。じっくり温めてやるからな」
言葉通り温かいスープの効用が結合部にも作用しているようだ。創真の体温と相まって以前感じたことのない深い幸福感に包まれていく。
徐々にスピードが上がり抽送角度も変えながら弱点を探っていく。
ずこんっ! どちゅっ! ぐりゅりゅっ!
「ひゃうぅっ! そこぉ! 弱い所ばかり突かないでくださいましっ!♡」
「ここがいいのか? もっと突いてやるぜ!」
重点的にGスポットを狙いすまして腰を叩きつける。愛液が飛び散り調理台に染みを作った。
「だめぇっ! 強すぎるぅっ! 私壊れてしまいますわぁっ!♡」
「壊れねえよ。むしろ俺でいっぱいにしてやる」
創真は一度腰を引くと、緋沙子の身体をぐるりと反転させ、四つん這いの姿勢を取らせた。背後から臀部を高く突き出される格好になり、緋沙子は羞恥に顔を染める。
「なっ……この格好は……! 恥ずかしすぎます……っ!」
「後ろからの方が……もっと奥まで届くんだぜ」
間髪入れずに背後から一気に貫く。
ずっちゅぅぅううっ!!
「ひゃあああんっ!! 奥の奥まで……刺さってますわぁっ!♡」
うつ伏せ気味に体を伏せながら、緋沙子は腰を震わせた。背後から腰を激しく叩きつけられるたびに、子宮口の手前がグリグリと圧迫される。
ぱんっ! ぱんっ! ずちゅずちゅっ!
「あぁっ! 後ろから……すごいですっ! 創真くんの形が……そのまま分かっちゃう……っ♡」
「うお……締まりがさらにキツくなったな。後ろからの刺激もたまんねえだろ?」
「はいぃっ……! 体が勝手に……締め付けちゃいますわ……っ!♡」
狂おしい快楽に耐えかねた緋沙子は、自ら腰を後ろへ押し引きし、創真の突き出しに応じ始めた。
さらに創真は緋沙子の身体を起こし上げ、自らの膝の上に正面から跨がせる対面座位の体位へと移行する。首に細い腕を巻きつけさせ、密着した状態でゆっくりと腰を落とさせた。
ずぶぶぶっ……ずちゅうっ♡
「んぁああっ……! 深い……! 胸と胸がくっついて……鼓動が……すごく伝わってきますわ……っ♡」
「緋沙子……お前の顔、めちゃくちゃ可愛いぜ」
「そんな……面と向かって言われたら……私……っ♡」
正面から深く見つめ合い、唇を重ね合わせながら腰をゆったりと揺り動かす。創真の手が緋沙子の背中を抱きすくめ、密着度を限界まで高めていく。お互いの熱気と汗が重なり合い、愛液の泡立つ水音が甘く響き渡った。
「もう……限界ですわ……創真くん……っ! 私の中……いっぱいにしてください……っ!」
「おう、覚悟しろよ! 中に全部吐き出してやる!」
再び調理台に緋沙子を仰向けに寝かせ、両脚を肩に担ぎ上げると、最深部を目指して最後の猛烈なラッシュを仕掛けた。
ずこんっ! どちゅっ! ぐちゅぐちゅっ!
「あぁあああっ! イクっ! イクわっ! 創真くんの温もりで……私、完全にイっちゃいますわぁああっ!!♡」
力強い突き上げとともに最奥へ叩きつける。
ずぶぶっ! どちゅんっ! びゅるるるぅぅっ!!
「んひぃぃいぃっ!! 来てますぅっ! 熱いのが……お腹の中に……いっぱい溢れてますわぁっ!♡」
大量の精子が子宮口を直接ノックする感覚。それに応えるように膣壁が激しく痙攣し、うねりを上げて精液を搾り取った。
「はぁ……はぁ……。凄かったですわ……♡」
ぐったりとした緋沙子を創真が優しく抱き起こす。お互いの汗と体液で濡れた肌を密着させながら抱擁すると心地よい倦怠感と幸福感が広がった。
「どうだった? 俺の『特製まかない薬膳エッチ』はよ」
茶化すような問いかけにもう抵抗する気力はない。ただ素直な気持ちを口に出した。
「最高でしたわ……ご馳走様……です……♡」
静まり返った夜の調理実習室。
甘く熱い余韻が漂う中、緋沙子は創真の胸の中に顔をうずめ、ぴったりと身体を寄せていた。
先ほどまでの凛とした秘書の面影はなく、乱れた髪と制服のまま、創真のシャツをぎゅっと指先で掴んでいる。
「……私、えりな様のサポートに必死で、自分がこんなに限界だったなんて気づかなかったわ」
緋沙子は熱を帯びた吐息をつきながら、創真の胸元へ優しく頬をすり寄せた。
「あなたのスープの温もりに触れて……そして、こんな風に抱きしめられたら……もう、隠し通せないわ……っ」
「へへ、素直なお前も可愛いじゃねぇか」
創真がぽんぽんと優しく彼女の背中を撫でると、緋沙子は「んっ……」と愛おしそうに身体を強ばらせ、さらに深く創真にしがみついた。
「ばか……っ。そんな風に言われたら、調子が狂ってしまうじゃない……。でも、ありがとう……創真くん」
彼女はそっと顔を上げ、上目遣いの潤んだ瞳で創真を見つめた。誇り高き薬膳のスペシャリストが見せる、心も身体も完全に解きほぐされた乙女の表情だった。
「私……これからもあなたの料理を食べて、こうして温めてほしい……。駄目……かしら?」
創真は胸を張り、眩しいほどの笑顔で緋沙子の手をしっかりと握り返した。
「お粗末!」
その力強い決め台詞に、緋沙子は愛おしさに満ちた微笑みを浮かべ、彼の頬へそっと甘いキスを落としたのだった。
(第3話 おわり)