『SHINO'S TOKYO』の仕込みが佳境を迎える深夜の厨房。
寸胴から立ち上るブイヨンの湯気の中で、鋭い眼光で仕込み用の野菜を刻んでいたのは、本場パリから招聘されたフランス人シェフ、リュシ・ユゴーであった。
透き通るような白肌と青髪のショートボブが印象的な彼女は、四宮小次郎の厳しい指導にも一切顔色を変えずについていく、若手期待の本格派フレンチシェフだ。
「……ソウマ。アナタが大衆食堂の出身だからといって、容赦はしないわ。フレンチはパリで生まれ、進化してきた最高峰の料理。本場のエスプリ(精神)を知らない人間には、この厨房の重みは扱えない」
すらすらとした日本語の中に、かすかにフランス語のイントネーションを混ぜながら、リュシは本場のプライドを胸に固く抱き、創真を冷たく見据えた。
だが、創真はいつもの不敵で眩しい笑みを浮かべ、バンダナの結び目を強く締め直した。
「へへ、本場のエスプリか! 確かにお前のフレンチの技術は凄ぇよ、リュシ。だけどな、料理ってのは格式だけじゃねぇ。お腹を空かせた目の前のやつを、一発で笑顔にする熱さが必要なんだよ!」
創真が手際よく取り出したのは、日本の大衆食堂の技法と、フランスのビストロ(居酒屋・大衆食堂)料理を掛け合わせた特製の食材たち。
フライパンから弾けるバターとニンニク、ハーブの香ばしい芳香が厨房全体を包み込んでいく。
創真が仕込んで提示したのは——『ゆきひら流・特製フレンチビストロ風鴨肉のコンフィ〜赤ワイン醤油ソース掛け〜』。
じっくりと低温の鴨脂で煮込み、表面をパリッと香ばしく焼き上げた鴨もも肉に、フランス伝統の赤ワイン還元ソースと、日本のたまり醤油・みりんを絶妙に隠し味としてブレンドした濃厚ソースをあしらった至高のまかない料理だ。
「これは……フランス伝統のコンフィ……!? でも、このノスタルジックで香ばしい香りは一体……!?」
本場フランスの舌を持つリュシの目が、驚きに大きく見開かれる。創真は胸を張り、力強い一言を叩きつけた。
「おあがりよッッッ!」
威勢の良い決め台詞とともに差し出された重厚な一品。リュシはナイフとフォークを握り、表面のパリッとした皮目を割って一口口へと運んだ。
その瞬間——リュシの頭の中にあった「本場の格式」という壁が、圧倒的な多幸感とともに木端微塵に砕け散った。
「っ……!? Très bien(トレ・ビアン)……っ!? な……なんて肉質のジューシーさと、奥深い旨みなの……ッ!? 赤ワインの酸味の中に、醤油の芳醇なコクが解け合って……パリのビストロで食べたあの懐かしい温もりが、身体中に広がる……っ!!」
格式高いグランメゾンではなく、庶民に愛されるパリのビストロの温かな熱気。そこに日本の食堂の情熱を注ぎ込んだ創真の料理に、リュシのフランス人シェフとしての意地が完敗したのだ。
あまりの美味しさと温かさに、リュシのコックコートの胸元がカッと熱気ではじけ飛ぶ(おはだけ)。
「言葉や国境なんて関係ない……! 貴方の料理には、食べた人を幸せにする『本当の愛』が詰まっているわ……っ!」
リュシのブルーの瞳から、ポロポロと温かな涙がこぼれ落ちた。
本場で戦い続けてきた孤独とプライドが氷解し、創真という温かく頼もしい男への激しい恋心が、胸いっぱいに溢れ出す。
「ソウマ……私、貴方の料理に……貴方というシェフに、完全に完敗したわ……っ!」
顔を真っ赤に染めたリュシは、コックコートのまま創真の胸元へと飛び込み、言葉の壁を越えて彼の首筋へ熱い情熱とともにしがみついたのだった。
静まり返った深夜の厨房。
ブイヨンの湯気はすでに消え、代わりに創真とリュシの荒い呼吸音と、二人の肌から立ち上る熱気がしっとりと充満している。
おはだけによって破れたコックコートの隙間からは、彼女の陶器のように滑らかな白い肌が大胆に覗き、青髪のショートボブが汗でうっすらと頬に張り付いていた。
「はぁ……っ…ソウマ……っ。どうして貴方は……こんなにも素晴らしい料理が作れるの……っ? パリでずっと修行してきた私より……ずっとずっと胸を打つ味だわ……っ」
「へへ、それはお前の心にダイレクトに届いたからだろ? 料理ってのは胃袋だけじゃなく、食べるやつの心も満たして笑顔にするもんだぜ」
創真が優しく笑いかけると、リュシの藍色の瞳がうっとりと湿り気を帯びて潤んだ。
「心……っ。貴方の料理には……いつも温かい愛が詰まってる……っ。それが……たまらなく愛おしいの……っ」
リュシがすがるように創真のコックコートの襟元を強く握り締める。
創真は彼女の繊細な顎に指をかけ、静かに持ち上げた—
「じゃあ、身体の芯までもっと温めてやるよ」
ちゅぷっ……
「んんっ!? ソウマ……っ!」
突然重なった唇の温もりに、リュシが一瞬驚いて目を丸くする。
れろっ……れろれろっ……
「んん~っ! ……ちゅぷっ! んんっ……ふぁっ!」
強引に口内へと侵入してくる湿った舌。粘膜同士が激しく絡み合う感覚に、リュシの細い身体がビクンと小さく震えた。
「ぷはっ……! ズルいわ……っ。いきなりこんな深くキスするなんて……っ」
熱い息を吐き出しながら、頬を林檎のように真っ赤に染めるリュシ。
「でも、すっごく気持ち良かったろ?」
「バカ……っ。そんなの……否定できないじゃないの……っ」
創真の手が彼女の細い背中へと回り、優しく愛撫し始める。
さわさわ……むにゅぅっ!
「ひゃあんっ! うしろから触らないでぇっ!」
生地越しに彼女の豊かな胸をぐっと掴み込み、揉み解していく。
「リュシ……すっげぇ素直でいい反応するじゃん」
「うるさい……っ。フランス人は……皮膚感覚が繊細で敏感なのよ……っ」
創真の右手が、コックコートの裾から滑り込み、直接彼女の素肌へと触れた。
すすぅっ……ぴたりっ!
「あひっ!? 直接肌に触るのダメ……っ! まだ心の準備がぁ……っ!」
もみもみ……くりゅんっ!
「ひゃあぁんっ! 先端弄るのダメ……っ! そこすごく弱いのぉっ!」
指先でピンと立たった突起をつままれ、リュシの声が裏返る。青髪のショートボブが激しく揺れ動いた。
「へへ……本場のフランス美人も、結局俺の手にかかれば同じだな」
「違うの……っ! 貴方の手が上手すぎるだけなのぉっ!」
そのまま創真の手は彼女のコックコートの裾から下半身へと伸びていく。
ふわり……すりすりっ!
「あんっ! 太腿触らないで……っ。ゾワゾワしちゃうわぁっ!」
白く柔らかな太腿を優しく撫で上げられ、リュシの肉体が歓喜に跳ね上がる。
「リュシ……こんなに敏感で感じやすいなんてな」
「ひどいわ……っ。私ばかり乱されて、恥ずかしすぎるじゃないの……っ」
見かねた創真が、自身のコックコートのボタンを一つずつ外してみせた。
ぷつ……ぷつ……
「っ……!? ソウマ……貴方の裸……間近で見るのは初めてだわ……っ」
日々の調理と鍛錬で作り上げられた、引き締まった創真の胸板と腹筋が露わになる。
「お前ばかりに見られてるのも恥ずかしいからな」
「私が先に裸にされそうになってるのに……卑怯よ……っ」
リュシのブルーの瞳が、創真の男らしい肉体へ釘付けになる。照れくさそうに一瞬視線を泳がせながらも、ぽつりと呟いた。
「でも……すごく男らしくて、素敵だわ……っ」
創真がリュシの耳元へと顔を寄せ、低い声で囁いた。
「じゃあ、リュシの綺麗な体ももっと見せてくれよ」
ぐいっ!
破れたコックコートを肩から一気に脱ぎ捨てさせる。
「きゃあっ! 待ってぇっ!」
露わになったのは、白いキャミソールと、その下で豊満な胸を包む淡いレモンイエローのランジェリー。
「ソウマ……っ。こんな明るい調理場で見るなんて……恥ずかしすぎるわぁっ!」
「でも超似合ってるぜ? フランス美人のレモンイエローの下着とか、反則レベルで可愛いだろ」
「馬鹿……っ! 意地悪言わないでぇっ!」
創真の指先がショーツの縁へと伸び、布地をずらす。
すりすり……くちゅっ!
「ひゃあぁんっ! 直接触っちゃダメ……っ! そこは……っ!」
「もうこんなにぐしょぐしょに濡れてんじゃん」
「嘘よぉっ! まだ全然触られてないはずなのにぃっ!」
指先に絡みつく愛液。リュシの股間はすでに溢れ出る秘汁で湿り気を帯びていた。
「私……おかしくなっちゃったのかしら……っ? 触られる前からこんなに濡れるなんて……っ」
「おかしくねぇよ。それだけ俺のこと全身で愛してくれてんだろ?」
「ソウマ……っ。ズルいわ……そんな風に言われたら……っ」
創真が彼女の華奢な足首を掴む。
ぐいっ!
「きゃあっ!? 足を広げないでぇっ! 隠してたのにぃっ!」
ストッキングの隙間から、無防備な秘裂が露わになる。
ショーツを完全に横へと押しやった。
「あんっ! 直接じっくり見ないでぇっ! 恥ずかしくて死んじゃうわぁっ!」
くちゅりっ!
創真の指が滑らかな愛液を押し分けて内部へと滑り込む。
リュシの身体が激しく跳ね上がった。
「ひゃあぁんっ! 指が入ってきたぁっ! いやぁんっ!」
ぐちゅぐちゅっ……
「んんっ! 動きが激しいわよぉっ! ソウマの指……太くてすごいのぉっ!」
創真が指先を蠢かせ、内部の敏感な壁を擦り上げる。
すりすり……こりゅんっ!
「ひゃあぁんっ! そこ弄らないでぇっ! そこ一番敏感なのぉっ!」
リュシの理性が完全に崩壊していく。パリで培った誇りも何もなく、ただ創真から与えられる快楽に支配されていた。
「もうダメ……っ! ソウマぁっ! 私、我慢できないわぁっ!」
創真が自身のベルトを外し、怒張した剛直をあてがう。
「ひゃあっ!? そんな大きくて硬いの……私に入るのかしら……っ?」
「大丈夫だ。ちゃんと愛を込めて優しくするからな」
創真がリュシの引き締まった腰を掴む。
せずにゅぅっ!
「ひゃあぁぁんっ! 来たぁっ! 太くて硬いのが一気に入ってきたぁっ!」
リュシの狭い膣内が創真の巨根で一気に埋め尽くされる。
創真がゆっくりと腰を揺らし始めた。
ぱんっ……ぱんっ……
「んんっ……優しい速度……すごく好き……っ。ソウマの温もり、お腹の中で全部感じるわ……っ」
「リュシの中……すっごく温かくて締め付けが最高だぜ……っ」
ぐちゅっ……ぐちゅっ……
「あんっ……ソウマのも素敵よ……っ。私のお腹の奥まで全部包み込まれてるみたい……っ」
動きは徐々に激しさを増していく。
どすんっ! ぬちゃぁっ!
「ひゃあぁんっ! 急に激しく突き上げないでぇっ! すぐイッちゃうわぁっ!」
「まだ早いぜ? もっと俺との愛を楽しもうぜ」
どちゅどちゅっ!
「出して……っ! 私の中にソウマの全部ちょうだい……っ!」
「うっ……っ!」
びゅるるるぅっ! どくどくどくぅっ!
「あぁ……熱いのがいっぱい……っ。ソウマの愛が降り注いでくるわ……っ」
ぬるぅぅっ……とろぉぉっ……
最奥に極太の射精を叩き込み、創真がゆっくり肉茎を引き抜くと、満足そうな笑顔で起き上がった。
「ソウマ……っ。すごかったわ……っ。こんなに激しくて甘いの、初めてよ……っ」
リュシが素肌をすり寄せて甘えてくる。そこに先ほどのクールなフランス人シェフの面影は微塵もなかった。
「私……貴方に完全に負けたわ……っ。これからはずっと……貴方の側に居させてね……っ」
「あぁ……当然だろ? リュシみたいな情熱的で可愛い美女、手放すわけねぇよ」
「バカ……っ。でもすごく嬉しいわ……っ」
二人の間に甘く濃密な愛の余韻がゆったりと流れていった。
静まり返った『SHINO'S TOKYO』のVIP控室。
甘く濃厚な愛の余韻と、ほのかな赤ワインとバターの香りが漂う中、大きなレザーソファの上で、リュシは乱れたコックコートの胸元を押さえたまま、創真の膝の上にチョコンと腰掛け、彼の首元へ甘くしがみついていた。
普段のクールな表情はすっかり消え去り、朱に染まった頬と蕩けた瞳で、うっとりと創真を見つめている。
「……んあぁっ……ソウマ……っ。私……フランス人シェフとして……貴方の熱い愛にこんなに溶かされちゃうなんて……っ」
リュシはフランス語の甘い吐息(Mon amour...)を漏らしながら、創真の首筋に何度も濃密なキスを重ね、彼のエプロンを愛おしそうにぎゅっと握りしめた。
「でも……すごく温かくて、胸がはちきれそうなほど幸せ……。ソウマのあの強くて温かい腕……私、もう絶対に離したくないわ……っ」
「へへ、リュシ。国が違ったって、美味いもんが好きで愛し合えるならそれで最高じゃねぇか。これからも俺の隣で美味い料理作ろうな」
創真が優しく笑い、彼女の青髪のショートボブと柔らかい背中を大きな手で包み込むと、リュシは「ん……っ」と愛おしそうに身を擦り寄せ、上目遣いに創真を見つめた。
「Oui(はい)……っ。これからはソウマの特別なパートナーとして……私をずっとずっと愛してね……っ」
本場のプライドを愛に変え、素直な甘えを爆発させるリュシの姿に、創真は胸を張り、力強い笑顔で彼女の手を握りしめた。
「お粗末!」
その決め台詞とともに、リュシはとびきり可憐で甘い笑顔を浮かべ、創真の唇へと背伸びをして甘く濃密なキスを落としたのだった。
(第42話 おわり)