冷たい雨が降りしきる深夜の極星寮。
雷鳴が轟く中、激しくドアが叩かれる音を聞きつけて大広間へ駆けつけた田所恵、吉野悠姫、榊涼子の3人は、濡れ鼠のように震えて立ち尽くす少女の姿に息をのんだ。
そこにいたのは、遠月学園の頂点に君臨する『神の舌』を持つ絶対女王——薙切えりなであった。
父親である薙切薊による苛烈な支配と洗脳の恐怖から逃れ、着の身着のまま辿り着いた彼女の瞳は、怯えと深い孤独に揺れていた。
「えりな様……!? 一体どうされたんですか……っ! とにかく中へ! すぐにお風呂と温かいお着替えを準備しますから!」
恵が咄嗟に自らの羽織をえりなの肩にかけ、温かく手を取る。
「ちょっと恵、あの『神の舌』のえりな様だよ!? なんでうちに……って、そんなこと言ってる場合じゃないね! 涼子、お湯沸かして!」
「ええ、分かったわ! えりな様、大丈夫ですよ。ここなら誰も貴方を追いかけてこられませんから」
悠姫と涼子も手際よく動き出し、温かいお風呂とバスタオル、そして極星寮特製の温かな生姜湯と部屋着を用意した。
温かいお風呂に入り、ゆったりとした涼子の部屋着(スウェット)に身を包んだえりなは、大広間のコタツの真ん中で、湯気の立つ生姜湯を両手で大切そうに抱えていた。
「私……勝手なことをして……。こんな怪しい私を……どうしてそんなに優しくしてくれるの……? 私は貴方たちに、酷いことばかり言ってきたはずなのに……」
ぽろぽろと零れ落ちるえりなの涙。完璧な女王として振る舞い続けてきた彼女が、初めて見せた等身大の少女としての脆さと孤独だった。
恵は優しく微笑むと、えりなの隣にそっと座り、その冷え切った小さな手を両手で包み込んだ。
「そんなこと、関係ありません。えりな様が困って頼ってきてくれた……それだけで、私たちはえりな様を全力で守りたいんです。ここは極星寮……みんなで家族みたいに温もりを分け合う場所なんですから」
「そうだよえりなっち! 固いことナシ! 今日からあたしたち、お友達……ううん、最高の仲間なんだからね!」
悠姫がいたずらっぽく笑いながらえりなの肩を抱き寄せると、涼子も特製の米麹発酵ドリンクを差し出しながら、優しくえりなの髪を撫で上げた。
「ええ。薊総帥の恐怖なんて、ここでみんなで吹き飛ばしてしまいましょう。えりな様はもう、一人じゃないわ」
3人の飾らない温かさと、極星寮特有の包容力。
これまで「神の舌」という重圧と孤独に晒され続けてきたえりなの胸の奥で、カッと温かい感情が溢れ出していった。
「みんな……っ。ありがとう……っ。私……私、本当はすごく寂しかったの……ッ!」
えりなは恵の胸元へと激しく顔をうずめて泣きじゃくった。恵、悠姫、涼子の3人は、そんなえりなを包み込むようにギュッと抱きしめる。
過酷な境遇から解き放たれた安らぎと、乙女たちの肌が触れ合う温もり。
4人の間には、言葉を超えた特別な絆と、急速に甘く熱い恋心が芽生えていったのだった。
激しい雷鳴と雨音が遠ざかり、静まり返った和室の中には、どこか甘く濃厚な乙女たちの熱気が立ち込め始めていた。畳の上に密着し合う4人の身体から漏れる温もりと体温が、しっとりとした空気に溶け合っていく。
「えりな様……少し落ち着きましたか?」
恵が心配そうに、けれど慈愛に満ちた眼差しで問いかけた。
「……うん」
えりながか細い声で答える。未だに身体の奥に残る恐怖からか、透き通るような白肌の肩を小さく震わせる姿があまりにも儚く、痛々しい。
悠姫がそんなえりなを勇気づけるように明るく笑うと、膝立ちになってその金の髪をポンポンと優しく撫で上げた。
「怖かったよね。でも大丈夫だよ! あたしたちが絶対にえりなっちを守るから!」
涼子も穏やかな表情を浮かべながら身を寄せ、えりなのもう片方の手をしっとりと温かな両手で包み込む。指先から伝わる柔らかな熱が、氷のように冷え切っていたえりなの心身を少しずつ解きほぐしていく。
「えりな様はもう一人じゃないわ。この極星寮にいる限り、何も心配いらないのよ」
彼女たちの惜しみない優しさが、せき止められていたえりなの心の堤防を完全に崩していく。
「ぐすっ……みんな……優しすぎるわ……っ」
大粒の涙がポロポロと零れ落ち、畳の上に小さなしみを作っていく。いつも高貴で気高かった『神の舌』の面影はなく、ただ助けを求める一人の可憐な少女の顔がそこにあった。
恵がゆっくりとえりなの両手を握り直し、その紫色に澄んだ瞳をしっかりと見つめ合った。
「えりな様……私たちに任せてください。その胸の中にある孤独も不安も……全部私が拭い去ってみせますから」
「……恵…?」
戸惑うような声の中に、かすかな希望の光が灯る。
恵はそっと身を乗り出すと、えりなの湿り気を帯びた頬に優しく手を添えた。指先が伝う涙の跡を慈しむように、壊れ物を扱うような手つきでゆっくりとなぞっていく。
すりっ……なでなでっ
「ふあっ……?」
「えりな様の肌……すごく柔らかくて温かい……」
恵の指先は吸い付くように滑り、頬から白く美しい首筋へとゆるやかに滑り落ちていった。肌と肌が触れ合うかすかな摩擦音が、静かな室内に甘く響く。
ぞくぞくっ……すりっ
「んっ……!? く、くすぐったいわよ恵……っ」
「すみません……でも、ずっと触れていたくなるくらい、あまりに滑らかで綺麗だから……」
恵の細い指先がそのままスウェットの襟元から覗く華奢な鎖骨を撫で上げていくと、えりなは背筋をピクリと震わせ、密やかな吐息を漏らした。
こりっ……すーっ
「あぁ……っ」
そんな二人の甘く濃厚な雰囲気に、悠姫も我慢できなくなった様子で背後からえりなのしなやかな肢体へしがみつくように抱きついた。
「ちょっと恵だけズルい! あたしも混ぜてよ! えりなっちの身体、最高に魅力的じゃん!」
「きゃあっ!? ちょっと……待ちなさい悠姫……っ」
悠姫の素早い手がスウェットの裾からするりと内部へ潜り込み、引き締まったウエストから滑らかな素肌へと直接触れ込んでいく。
すすぅっ……むにゅぅっ
「わっ、ここもすごく柔らかい!」
「んあぁっ!? い、いきなり下から触らないでよぉっ!」
その様子を見守っていた涼子が、くすりと妖艶に微笑みながら腰を寄せてくる。
「二人とも強引ね。でも……えりな様の素直な反応も、とても可愛らしいわ」
恵がえりなの正面に座り直すと、愛おしさに耐えかねたようにその可憐な額へそっと軽く唇を寄せた。柔らかい唇の感触がえりなの額にじんわりと広がる。
ちゅっ
「えりな様……もっと私たちに甘えてください」
次に、涙に濡れる美しい瞼へ。
ちゅっ……ぴとっ
「ん……恵の唇……冷たくて……なんだか心地いいわ……」
「えりな様の緊張が、少しずつほぐれてきたみたいですね」
さらに赤く火照った頬へと唇を滑らせ、甘く啄むように愛撫を重ねていく。
ちゅぱっ……れろっ
「あんっ!? こ、今のは……っ」
「お嫌でしたか……?」
「……ううん、嫌なんかじゃないわ」
頬を朱に染め、照れた様子で恥ずかしそうに俯くえりな。そのあまりの可憐さに、3人の胸はキュンと激しく高鳴った。
恵はその感情に突き動かされるように、大胆に自分の唇をえりなの吐息のすぐ近くへと近づけていった。
「えりな様……キスしてもいいですか?」
「……いいわ。恵の好きなようにして」
えりなが小さく頷いた瞬間、ふわりと二人の唇がそっと重なり合った。少女特有の甘い体香が交差し、互いの温もりが唇を通じてダイレクトに伝わり合う。
ふにっ……むちゅぅっ
「んん……っ!」
「えりな様の唇……すごく甘くてあたたかいです……」
湿り気を含んだ唇同士が滑り合い、舌先がわずかに触れ合って互いの体温を確かめ合う。
れろっ……ちゅぱっ
「んっ!? 恵の舌……すごく柔らかいわ……っ」
「えりな様の舌も……熱くて……もっと深く絡みつきたくなります……」
二人の交わすキスは瞬く間に情熱的なディープキスへと変化し、舌と舌が深くまで絡み合い、甘い唾液が互いの口内を溢れさせていった。
じゅるっ……れろれろぉっ!
「んふぅっ!? 恵……ふ、深すぎよぉっ!」
「まだまだ……止まりません……」
じゅるじゅるっ! くちゅくちゅっ!
部屋の静寂の中に、唾液が密やかに混じり合う淫らな水音が絶え間なく響き渡る。
その甘く濃密な光景を見ていた悠姫も、羨ましそうに二人の間に割り込んでいった。
「あたしも仲間に入れてよ!」
悠姫はえりなの耳元へ顔を寄せ、敏感な耳たぶへ甘く熱い吐息を吹きかける。
ふーっ……ぺろっ
「ひゃあぁんっ!? み、耳はダメぇッ!」
「だってえりなっちが可愛すぎるのが悪いんだもん!」
悠姫の指先がスウェットの上からえりなの可憐な胸の突起を捉え、キュッと優しく摘み上げた。
きゅっきゅっ!
「きゃあぁっ!? 触らないでよぉっ!」
「あはは、弱いところバレバレだよ?」
「悠姫、あまり強引に弄ったらダメよ」
涼子が優しく制しながらも、自らもえりなの背中へと滑らかな手を開いて滑らせた。美しく描かれた背筋を、撫で回すように愛撫していく。
すーっ……なでなでっ
「でも……こうやって優しく撫で上げてあげると……」
ぞくぞくっ……ぴとっ
「あぁんっ!? 涼子の手も……ゾクゾクして止まらないわ……っ」
「えりな様の感じやすいお身体……とっても愛おしいわ」
恵が一度キスを解くと、息を荒げながらゆっくりと自分の服を脱ぎ捨てていく。布地が擦れる音とともに、恵の柔らかな素肌が露わになった。
「えりな様……隠さずに、全部見せてください」
えりなの着ているスウェットのボタンを、恵の手が一つずつ丁寧に外していく。前が開かれ、隠されていた美躯が徐々に開帳されていった。
ぷつっ……ぱさりっ
「やめて恵……そんなに見られたら……恥ずかしいわ……っ」
「大丈夫です。とっても綺麗ですよ……えりな様」
脱ぎ捨てられた衣類から、全裸になったえりなの神聖なまでに滑らかな白肌が、窓から差し込む月光に照らし出された。豊かな胸の膨らみと引き締まった腰つきが、妖艶な影を落としている。
「本当に……息をのむほど綺麗……」
「……あんまりじっくり見ないでよぉ……っ」
悠姫も迷わず自分の服を脱ぎ捨てていく。
「じゃああたしも脱いじゃう!」
健康的で引き締まった悠姫のしなやかな身体が露わになる。
「えりなっちより、あたしの方が見ごたえあるかもね?」
「そんなところ比較しないでよぉ……っ」
涼子もまた、大人の色香を漂わせながら静かに服を滑り落とした。豊満な胸と柔らかな太ももがあらわになり、部屋の中の熱気がさらに上昇していく。
「私も……えりな様のために全てを捧げるわ」
「みんなの前で……こんな素裸になるなんて……っ」
「大丈夫よ、えりな様。みんな同じ裸体なんですから」
3人は全裸の身体を密着させ、肌の温もりを直に伝え合いながら、えりなを優しく囲むように抱きしめた。
恵が再び、露わになったえりなの可憐な胸元へと手を伸ばし、柔らかく指先で揉み解す。
ふにゅっ……すりすりっ
「ここ……すごく敏感になっていますよね?」
「んあっ!? な、なんでそんなこと知ってるのよ……っ」
「えりな様のこと……ずっと大切に見つめていたからです」
悠姫が反対側の淡いピンク色の突起へ口づけ、舌先で転がしながらチロチロと舐め回した。
ぺろっ……ちゅぱぁっ
「ひゃあぁんっ!? ふ、二人同時に攻めないでよぉっ!」
「だって素直な反応が可愛すぎるんだもん!」
涼子の手が滑らかに太ももの間へと伸ばされ、蜜で濡れ始めた秘部へ指先を優しく触れさせる。
すすぅっ……くちゅっ!
「こちらも……既に温かい蜜で濡れ始めているわ」
「あんっ!? そこも触らないでよぉっ!」
「恥ずかしがらなくていいのよ。えりな様がそれだけ感じてくださっている証拠だわ」
恵が乳首を唇で包み込み、強い吸引力でじっくりと吸い上げた。
ぢゅぱっ……れろれろぉっ!
「きゃあぁっ! 吸う力が強いわよぉっ!」
悠姫も負けじと真似をして、反対側の胸に激しく吸い付く。
ちゅぱぁっ! ぺろぺろっ!
「んあぁっ! 両方の胸を同時に吸わないでぇっ!」
涼子が滑らかな秘部へと指先を滑り込ませ、秘裂をじっくりと掻き回した。
ぐちゅぅっ! ぴとぴとっ!
「あぁんっ! 中まで掻き回さないでよぉっ!」
3人が同時に、えりなの全身の敏感な部分を愛撫し尽くす。水音と艶っぽい吐息、可憐な悲鳴が和室いっぱいに交錯していく。
ぢゅぱぢゅぱっ! ぺろぺろっ! ぐちゅぐちゅっ!
「ひゃあぁんっ! お、おかしくなっちゃうわぁっ!」
絶頂の波に耐えかね、えりなが美しく身体を反り返らせ、しなやかな足指をぎゅっと丸めた。
恵がその耳元へ優しく顔を寄せ、甘く囁きかける。
「怖くないですか……?」
「こわく……ないわ……すごく……すごく気持ちいいの……っ」
えりなは感極まった涙を流しながらも、心からの可憐な笑みを浮かべた。
「みんなの温かい愛が……身体中に染み渡っていくのがわかるわ……」
悠姫が優しくその頬を撫で、火照った肌を愛おしそうに擦り寄せる。
「えりなっち……もう大丈夫だよ。あたしたちがいるから、絶対に独りじゃないからね」
涼子もその華奢な手を固く握りしめ、優しく微笑みかけた。
「これからはずっと一緒よ、えりな様」
3人は互いの体温を確かめ合うように、身体の繋がりをそのままにえりなを強く優しく抱きしめた。
ぎゅっ……ふわりっ
「ふあぁっ……みんなの温もり……すごく幸せ……」
えりなは安堵したように、3人の胸元で深く呼吸を合わせ、穏やかに微笑んだ。
恵が再び、愛おしそうに唇を重ねる。
ちゅっ……ぴとっ
「えりな様……これからもずっと一緒ですよ」
「うん……ずっと一緒がいいわ」
悠姫と涼子も順番に、えりなの火照った唇へ温かなキスを贈った。
ちゅっ……ちゅぱっ
「これからは遠慮なく『えりなっち』って呼ぶからね!」
「私たちは……かけがえのない大切な仲間よ」
静かな暗闇の中で、4人の体温と心が完璧に一つへと溶け合っていく。
えりなの身体の震えは完全に止まり、そこには深い安心感と幸福感だけが満ち溢れていた。
暗がりの中に月光が優しく差し込む極星寮の和室。
甘く濃厚な愛の余韻と、ほのかな米麹とフローラルな香りが漂う部屋の中で、布団の上に重なり合うように身を寄せ合っていた4人は、満ち足りた静かな息を整えていた。
恵の膝の上に頭を乗せ、左右から悠姫と涼子に抱きすくめられたえりなは、乱れた部屋着の胸元を押さえながら、桜色に火照った頬でうっとりと微笑んでいた。
「……ふあぁっ……恵……悠姫……涼子……っ。私……女の子同士でこんなに激しく愛し合ってしまうなんて……っ」
えりなは甘い吐息を漏らしながら、恵の手に何度もそっと自分の手を重ね、愛おしそうに身体を擦り寄せた。
「でも……すごく温かくて、胸の奥がじんわり痺れるほど幸せ……。貴方たちの温もりがあったから……私、恐怖を全部忘れられたわ……っ」
「えりな様……っ。えりな様の可愛い素顔を見られて……私、もっともっとえりな様が好きになっちゃいました……っ」
恵がトロンとした瞳でえりなの髪を優しく撫で上げると、悠姫と涼子も嬉しそうにえりなの頬に甘いキスを落とした。
「ふふっ、これからは『えりなっち』って呼んでいいよね? ここにいる間は、あたしたちがずーっと甘やかしてあげるんだから!」
「ええ。どんな敵が来ても、私たちはえりな様の味方よ。だから安心して……ここでずっと羽を休めてちょうだいね」
仲間たちの真実の愛と温もりに包まれ、神の舌の呪縛から完全に解き放たれたえりなは、とびきり可憐で美しい笑顔を浮かべ、3人の胸元へと幸せそうに身を委ねたのだった。
(第46話 おわり)