連隊食戟の白熱する会場。
高飛車な笑みを浮かべ、腕を組んで調理台の前に立つのは、新たに十傑の第五席に入った、セントラルに所属する気性の激しい2年生・鏑木祥子であった。
祥子は自慢の縦ロールの髪をふわりとなびかせ、冷たい視線で創真を見下ろす。
「フン……幸平創真。貴方のような下品な庶民食堂の男が、セントラルの洗練された美学に勝てると思っているの? 私は上流階級のティータイムにふさわしい、最高級のアフタヌーンティースナックを仕立ててあげるわ。貴方の薄汚い料理と一緒に、ここで恥をかきなさい!」
高圧的な態度と絶対の自負。祥子は手際よく高級紅茶に合う繊細な焼き菓子と、最高級カニ肉とトリュフを使った上品なセイボリー(塩味の軽食)を完成させて見せた。
だが、創真は焦るどころか、白いバナナをきゅっと結び直すと、不敵で眩しい笑みを浮かべた。
「へへ、確かに祥子先輩の軽食は見た目も品があって美味そうだ。だけどな……エレガントってのは高価な食材を並べるだけじゃねぇんだぜ! 気取らず楽しめて、一口食えば心がパッと華やぐ……そんな最高のお茶請けを見せてやる! 俺の『ゆきひら流・サクサクバターサブレと燻製サーモンの極上クロックムッシュ』だッ!」
創真が取り出したのは、北海道産の濃密な発酵バターと燻製サーモン、そしてとろける特製ベシャメルソース。
表面を香ばしく焼き上げたパイ風の食感と、ハーブの気品ある香気が一気に広がり、調理場全体をまるで高級ホテルのサロンのような華やかな芳香で満たしていった。
創真が仕上げて提示したのは——『ゆきひら流・気品溢れる燻製サーモンとサクサクバターのティータイムスナック』。
「な……なんですって……!? 庶民のクロックムッシュですって……!? そんな品のないものが、私のエレガントなスナックに勝てるはずがないわ……ッ!」
強がる祥子に対し、創真は胸を張り、力強い一言を叩きつけた。
「おあがりよッッッ!」
威勢の良い決め台詞とともに差し出された一皿。祥子は悔しそうに眉をひそめつつも、甘く芳醇な香りに抗えず、フォークで一口口へと運んだ。
その瞬間——祥子の脳内に、華やかでどこまでも洗練された多幸感の奔流が吹き荒れた。
「っ……!? な……なんてサクサクした香ばしい食感と、濃厚な旨味なの……ッ!? サーモンの燻製香と発酵バターのコクが完璧に調和して……お口の中で、とびきりエレガントな風が吹き抜けるわ……ッ!!」
セントラルの教義とプライドに固まっていた祥子の心が、創真の華やかでどこまでも美味しい料理によって完全に解きほぐされていく。
極上の旨味が全身を駆け巡り、高飛車だった祥子の頬がカッと真っ赤に火照り、着ていた制服が弾け飛ぶかのように熱く火照っていった(おはだけ)。
「こんなに……優しくて、心が踊るようなティータイムスナック……! 私……負けたわ……幸平……ッ!」
高慢だった仮面が音を立てて崩れ去り、祥子の目にはうっすらと涙が浮かんだ。
圧倒的な実力差と思いやり溢れる美味しさに完全敗北した祥子は、強気な2年生の顔から、一人の可憐で可愛い乙女の顔へと変わり、赤面しながら創真の胸元へとすがりついたのだった。
試合終了を告げるアナウンスが響く中、連隊食戟会場のVIP控え室へと通された創真は、扉を開けるとそこには既に先客がいた。
ソファに浅く腰掛けて俯いていたのは——完全敗北を認めさせられた鏑木祥子だった。
乱れた制服の胸元を必死に押さえながらも、自慢の縦ロールは無惨にほつれ、紅潮した頬には悔し涙の跡が光る。
「フ……フン……っ! 冗談じゃないわ……こんな庶民ごときに……私が……ッ!」
虚勢を張ろうとするが、声は弱々しい。
創真が近づくと肩をびくりと震わせた。
「祥子先輩。そんな顔しないでくれよ」
優しく肩に手を置くと、祥子の身体が電流に撃たれたように跳ね上がる。
「さ……触らないで下さる? 下品な庶民風情が……」
そう言いながらも拒む力はない。それどころか触れられた箇所が火照るように熱くなり始めた。
創真は構わず隣に座ると、持参した包みを開ける。
「ちょっといいモン持ってきた。先輩のために工夫したんだ」
取り出したのは小さく切り分けられた『燻製サーモンとトリュフ入りクロックムッシュ』だった。
湯気と共に芳醇な発酵バターと煙香が漂う。
「な……何をするつもり……」
警戒する祥子の前に一口サイズを差し出す。
「食べてみてくださいよ。今度は勝負とか関係なく、純粋に楽しみましょう」
戸惑いながらも抗えず口にする祥子。
次の瞬間——
「んっ……!?」
目を見開き凍りついた。
バターのコクと燻製の風味が舌の上で花開き、胃袋ではなく心臓を鷲掴みにする衝撃が走る。
「おい……しい……っ」
自嘲気味な微笑が浮かぶ。最早プライドの鎧は粉々だ。
「やっと認めましたね」
創真が満足そうに微笑む。その屈託のない笑顔が却って祥子の防御力を下げていく。
「馬鹿みたい……こんな庶民風情の味に……身体中のセンサーが狂わされてる……」
震える手で胸元を押さえる。鼓動が暴走し服越しでも分かるくらい尖っているのが分かる。
「先輩の身体も正直みたいですよ」
創真の指が制服のボタンを一つずつ外し始める。
「やっ……ちょっ……!」
慌てて押し留めようとするが腕力で敵う筈がない。一枚、また一枚と衣服が剝がれていく過程で褐色の谷間が露わになり……
「見るな……ッ! 下品よ……庶民……」
しかし創真は何処吹く風といった表情だ。
「エレガントなスナックは勿論大事。でも女の子にはもっと大切な味があると思いません?」
そう言って祥子の豊かな双丘に顔を埋めると——
ちゅぱっ! れろっ!
乳嘴を思いっきり吸い上げた!
「ひぃやあぁんっ!?」
予想外の攻撃に悲鳴のような喘ぎを上げる祥子。羞恥と快感が混じった刺激に脳天がクラクラする。
「んんっ! 下品……っ! やめ……いやぁっ……!」
だが身体は正直で勝手に腰が動き出す。
創真の舌が舐め回すたびに濡れた水音が室内に響く。
ぬちゃ……ぴちゃっ……
「ほら見てください先輩。ここだってもう……」
下腹部を覆う薄布の上から中心部を探ると確かに湿った感触があった。
指で優しくなぞるだけで—
「んああああっ!? だめっ……そこは敏感なんだからああぁっ!」
普段絶対見せない取り乱し方だ。それでも尚強がる。
「調子に乗らないでよね庶民……!」
そう吠えた途端唇を塞がれた。創真の激しいキス——
ぢゅぷっ! ぢゅぱっ!
「んぐぅっ!? んんんっ……!」
息が出来ず苦しくなる一方で心地よい陶酔感も生まれる。意識が朦朧としたところで舌が侵入し祥子の小粒なそれを捕える。
「ふぐっ!? んぁ……」
口中のバタークリームのように溶け始める思考回路。
離れ際に糸を引きながら唇を離されると涙目で睨みつけるしかなかった。
「ず……随分とやりたい放題じゃない……庶民風情の癖に……」
「違いますよ先輩」
創真が祥子をそっと押し倒す。
「俺は貴方という“極上のお茶請け”をフルコースで堪能したいだけなんです」
その一言で全て悟ってしまう。
——私はいま完全に彼の“デザート”として扱われている
屈辱と恐怖と奇妙な悦びが渦巻く中——
「……好きにして頂戴」
遂に折れた言葉が出た途端創真の雄蕊が猛威を奮う準備に入った。
ズボンの前が膨れ上がり解錠されると同時に祥子の両脚を大きく開かせる。
「やっ……!? そんな角度で見せるなぁ……っ!」
羞恥で顔面蒼白なのに秘裂からはとめどなく蜜が溢れる。恥ずかしさと期待が入り混じった複雑な気分。
ずにゅるぅっ!!
いきなり根元まで突き刺さる剛槍!
「ひぎぃいいいっ!?」
串刺しにされた衝撃に背筋を反らす。痛い? 不安に思ったが次いで襲ったのは信じられない程の充足感だった。
バチュンッ! バチュンッ!
創真のピストンが始まると同時に結合部が派手な水音を立てる。
「あっ! んああっ!? 硬過ぎよ……奥まで当たってるぅっ……!」
これまで経験したことのない質量感に思考停止寸前。
創真は祥子の自慢の縦ロールを絡め取りながら深掘りしてくる。
「ほら先輩? 貴方の大好きな“最高級”をご馳走してあげますよ」
ズグゥッ! ゴチュッ!
「んはぁああっ!? だめっ……! 子宮ごと持ち上げられてるぅ……!」
泣き崩れそうになる口元へ創真は再度顔を寄せ優しく囁く。
「俺の味……全部覚えちゃえ」
ドクンッ! ドクンドクンッ!
不意討ちの内部射精! 温かい液体が胎内に広がり子宮壁を灼く。
「ああぁんっ! んあああぁっ……!」
今まで抑え込んでいた何かが決壊したような開放感に包まれる。それは完全敗北であり完全充足でもあった。
「もう逃しませんよ」
力尽きて倒れ込む祥子を抱き起こすと創真は小刻みに抽送を再開する。
ぐちゅ……くちゅ……
「ふあっ……? まって……まだイってるのに……っ」
放心状態の中再び燃え盛る火花に悶絶。
縦ロールも崩れ果て本来の清楚な顔立ちが晒されている。それが余計に唆るのか創真は更に深く抉ってくる。
「先輩……こういう時はどう言うんです?」
促すような問いかけ。
恥ずかしさで爆発しそうだが理性が限界突破していた。
「幸平……好きっ! 大好きなのぉっ……! もっと下さいぃっ……!」
半泣き状態で遂に素直な言葉が飛び出す。
それを聞いた創真はニヤリと笑い最後のスパートへ。
パンパンパンッ!! バチバチィッ!
「んおぉっ!? 速過ぎ……壊れるぅっ! 壊して欲しいのぉっ……!」
涎を垂らしながら善がる祥子。
頭上でシャンデリアが揺れるほど激しい行為の果て——
ドビュッ! ドビュビュビューーーッッ!!
二度目の大量放出が祥子の体内深くへ注ぎ込まれる。
「んひぃいいいっ! あっちゅいぃぃっ……!」
痙攣しながら絶頂を受け止めた祥子はそのまま意識を手放した。
静まり返った連隊食戟会場のVIP控え室。
甘く濃厚な余韻と、ほのかな発酵バターとサーモンの香気が漂う中、大きなソファの上で、乱れた制服の胸元を押さえたままの鏑木祥子は、創真の膝の上にちょこんと座り、彼の首元へ恥ずかしそうに身を預けていた。
かつての強気で高飛車な面影は微塵もなく、朱に染まった頬と蕩けた瞳、そして可憐な上目遣いで創真を見つめている。
「……ふあぁっ……幸平……っ。私……貴方を下品な庶民と見下していたのに……こんなにも身体も心も組み替えられてしまうなんて……っ」
祥子は甘い吐息を漏らしながら、創真の首筋に何度も濃密なキスを重ね、彼の手を愛おしそうにぎゅっと握りしめた。
「でも……身体がすごく熱くて、胸の奥が甘くて幸せ……。貴方の料理と、あの逞しい腕の熱がなければ……私、もう満足できない身体になっちゃったわ……っ」
「へへ、祥子先輩。高飛車にお高くとまってるより、そうやって可愛く笑ってる方がずっと似合ってるぜ。これからも俺の料理、たっぷり食わせてやるよ」
創真が優しく笑い、彼女の華奢な腰を大きな手で引き寄せると、祥子は「ん……っ」と愛おしそうに身を擦り寄せ、上目遣いに創真の唇を見つめた。
「ええ……っ。これからは貴方だけの特別な乙女として……私をずっとずっと甘く愛してね……っ」
強がりを完全に捨て去り、素直な甘えを爆発させる祥子の姿に、創真は胸を張り、力強い笑顔で彼女の手を握りしめた。
「お粗末!」
その決め台詞とともに、祥子はとびきり可憐で甘い笑顔を浮かべ、創真の唇へとそっと背伸びをして甘く濃厚なキスを落としたのだった。
(第56話 お終わり)