かつて繰り広げられた激闘——連隊食戟において、反逆者チームは圧巻の勝利を収めた。
薙切薊を中心とした「中枢美食機関(セントラル)」の野望は潰え、崩壊した遠月学園の体制は一新された。その敗北によって旧十傑は総退陣となり、旧総帥であった薙切仙左衛門の意向により、薙切えりなが史上最年少で遠月学園の新総帥へと就任したのである。
新総帥えりなのもと、新たな遠月十傑評議会が誕生した。
第一席に登り詰めたのは、反逆者チームの主軸として戦い抜いた幸平創真。
第二席には変幻自在の和食で仲間を支え続けた一色慧、第三席には四川料理の至宝・久我照紀、第四席には鋭敏な嗅覚を持つ葉山あきら、第五席には荒々しくも至高の海鮮料理を繰り出す黒木場リョウ、第六席には最先端の分子美食学を操る薙切アリス、第七席には誇り高きイタリアンの技を誇るタクミ・アルディーニ、第八席には緻密な経営戦略と手腕を持つ叡山枝津也、第九席には伝統の蕎麦打ちと確かな技術を備える紀ノ国寧々、そして第十席には優しくも力強いおもてなしの心を持つ田所恵——新時代の若き才能たちが十傑の座を占め、総帥えりなと共に遠月に新たな風を吹かせたのであった。
そして、第一席となった創真のもとへ届いたのが、世界最高峰の若手料理人たちの頂点を決める国際コンテスト『BLUE』への招待状であった。
暗黒料理界「裏の料理人(真夜中の料理人)」たちが暗躍する異例の大会『BLUE』の会場。
その予選「第二の門」の審査会場において、豪奢な衣装に身を包み、高飛車に腕を組んで創真を見下ろしていたのは、WGO(世界美食機構)二等執行官・ランタービであった。
初登場以来、その華奢な体躯からは想像もつかないほど勝ち気で我儘な性格を見せてきた彼女だが、審査員としての能力と舌の確かさは本物である。
ランタービがこの「第二の門」で突きつけたお題は極めて苛烈であった。
「一般的な日本のコンビニエンスストアで手に入る食材のみを使い、私を満足させ、なおかつ100ドル(約1万円)以上の代金を支払う価値がある至高の一品を作ること」
当初、お題の真意である「日常の食材を技術で極上に昇華させる」という意図を読み間違えかけた創真に対し、ランタービは手厳しく批判を浴びせかけ、その意図を冷徹に解説してみせた。
しかし、お題の真意を完璧に理解した上で、その枠組みすら強引に踏み倒すような発想で再提出に臨んだ創真を、彼女は注視していた。
ランタービは自慢の髪を指先で弄くりながら、甘ったるくも高慢な声で創真を挑発する。
「ふん……幸平創真。第一席だかなんだか知りませんけれど、たかがコンビニ食材で私を満足させられると思っているの? 私は舌が極めて肥えているのよ。100ドルの価値もない不格好な料理を出したら、即座に失格にしてここから叩き出してあげるわ!」
だが、創真は焦るどころか、白いバンダナをきゅっと締め直すと、不敵な笑みを浮かべて調理台へ向かった。
「へへ、WGOのランタービさんよ。確かに凄ぇお高くとまってそうだ。だけどな、料理ってのは気取って食べるもんじゃねぇ! コンビニの食材だって、手間の掛け方と発想次第で高級料亭も真っ青なご馳走に化けるんだよ! 喰らいな……俺の『ゆきひら流・コンビニ食材で作る極上和風おせち重』だッ!」
創真が提示したのは、身近なコンビニの惣菜や練り物、缶詰や清涼飲料水などを巧みに組み合わせて作られた、色鮮やかなおせち料理であった。
蒲鉾には繊細な隠し包丁を入れて出汁を染み込ませ、缶詰の角煮はスパイスと柑橘のジュースで煮直すことで、深みのある芳醇な角煮煮こごりへと変化させている。伊達巻に見立てた卵焼きには、コンビニのプリンと出汁を隠し味として混ぜ込み、高級料亭のような滑らかな食感と深い甘みを生み出していた。
重箱の蓋が開けられた瞬間、甘酸っぱい醤油の芳香と出汁の香ばしさが一気に広がり、会場全体を芳醇な多幸感で満たしていった。
「な……なんですのその香りは……!? コンビニ食材を寄せ集めただけのおせちのくせに……どうしてこんなに優しくて、お腹が空いてきちゃうのよ……ッ!」
強がるランタービに対し、創真は胸を張り、力強い一言を叩きつけた。
「おあがりよッッッ!」
威勢の良い決め台詞とともに差し出された一皿。ランタービはツンとしながらもナイフとフォークを伸ばし、彩り豊かなおせちを口へと運んだ。
その瞬間——ランタービの脳内に、圧倒的な美味の奔流が吹き荒れた。
「っ……!? な……なにこれぇぇぇッ!? たかがプリンや惣菜の角煮が、どうしてこんなに滑らかで深い味わいに変化しているのよ……ッ! お口の中で様々な旨味が重なり合って……あったかくて……とっても優しくて……全身が痺れちゃう……ッ!!」
我儘に振る舞い、周囲を威圧していたランタービの強がりが、創真の真っ直ぐな情熱と温もり溢れる料理によって綺麗さっぱり溶かされていく。
100ドルどころか、幾ら金を積んでも食べられない至高の美味。
あまりの美味しさと温もりに、ランタービの高慢なプライドは完全に砕け散った。
極上の旨味が全身を激しく駆け巡り、彼女の頬がカッと真っ赤に火照ると、着用していた豪華な執行官の衣装が音を立てて激しく弾け飛んだ(おはだけ・授与(おさずけ))。
「あぁぁっ……あはぁっ……! 創真の料理……すごいの……っ! 私……私、貴方の料理じゃなきゃ……もう満足できない……ッ!!」
高慢だった我儘なお姫様はいずこへやら。赤面して涙目になったランタービは、合格を言い渡すと同時に創真の服の裾をぎゅっと掴み、彼から離れなくなってしまったのだった。
控室の重厚な扉が閉ざされる音が静かに鳴り響いた。
『BLUE』予選会場の喧騒とは裏腹に、密室となった室内には異様なまでの濃密な静寂が漂う。広々とした革張りのソファに座る創真と、その膝の上で小さく身体を震わせるランタービだけが残されていた。
「……ふぅ……ん……っ」
さっきまで堂々と審査を執り行っていた高慢なお姫様はどこへやら。豪華な執務官の衣装の前が派手に弾け飛び、零れ落ちる豊かな乳房を片手で隠しながら、ランタービは創真の胸板にしがみついていた。
「創真さま……わたくし……」
掠れた声が宙に消える。創真がそっと彼女の細い腰を抱き寄せると、ランタービは小動物のようにビクリと肩を震わせた。
「どうしたんだよ? さっきまで俺のこと『コンビニ食材の安物料理』とか言って叩き出そうとしてなかったか?」
「そ……そんな昔のことなんて……もう言わないで……っ!」
ランタービは頬を朱に染めながらも、勝ち気な瞳で反抗的に顔を上げる。
「だって……貴方があんなに美味しいおせち料理を作るんですもの! 私のお口の中で様々な旨味がジュワ〜ッと広がって……もう創真のことしか考えられなくなっちゃったのっ!」
彼女の潤んだ唇から漏れる甘い吐息は、先ほどのおせちの香気以上に濃厚に立ち上り、創真の男心を激しく揺さぶる。
「なら、俺がちゃんと責任を取らねぇとな」
「せ……責任……?」
「お前のその肥えた舌と、生意気な身体を完全に虜にしちまった責任だ」
ニヤリと不敵に笑う創真の右手が、自然な手つきでランタービの剥き出しの胸元へ伸びていく。弾けた衣装の隙間から露出したピンク色の乳首は、すでに空気に触れて固く尖っていた。
「やっ……あぁんっ……!」
「さっきのおせちの煮こごりより、ずっと熱くなってるんじゃないか?」
「うそ……っ! そんな恥ずかしいこと言わないで……っ!」
羞恥に悶えるランタービを尻目に、創真は指先で鋭く尖った乳頭を優しく摘み、指腹で捏ねるように滑らせた。その瞬間、電流が走ったかのように彼女のしなやかな肢体が跳ね上がる。
「きゃんっ……あふっ……!」
「ほらな。身体は嘘をつけないぜ。すげぇ敏感になってる」
「だ……だって……全部創真さまのせいなんだからぁ……っ!」
高慢だったはずの二等執行官が、瞳に涙を溜めて懇願するように見つめてくる。創真はわざとらしく彼女の耳元へ顔を寄せ、甘く低いやつがれ声で囁いた。
「だったら、もっと素直になれよ。本当はどうして欲しいんだ?」
「……もっと……私に触って……?」
「声が小さくて聞こえないぜ、お姫様」
「触って欲しいのっ! 貴方の好きなように……私のこと滅茶苦茶にしてぇっ!」
一線を越えた瞬間であった。堰を切ったようにランタービは創真の首へしがみつき、自ら邪魔な衣装の残骸を床へと振り払う。宝石を散りばめたハイヒールだけが、彼女の白く滑らかな肢体を彩る唯一の装飾となった。
「創真さま……わたくしのこのお肉も、たっぷりと味わって……?」
「なんだよそれ? お題の『極上肉』のつもりか?」
「違うわっ! 貴方のあのジューシーで温かいお料理みたいに……私も創真さまに隅々まで食べ尽くされたいのっ!」
可憐すぎる要求に苦笑しながらも、創真はすぐに行動を起こした。彼女の細い両脚を大きく開かせ、露わになった愛らしく濡れる蜜壺へ、迷いなく自身の舌を滑り込ませたのだった。
「あっ……あんッ! いやぁっ……そこは駄目ぇっ!」
「嫌か?」
「嘘……すごい……っ! 舌で突かれるたびに、ナイフで切られるみたいに体がゾクゾクしちゃうのぉ……っ!」
執拗で濃厚なクンニリングス。湿った卑猥な水音が、静まり返った控室の中にどこまでも高く響き渡る。
ぺちゃっ……ぴちゃ……ぢゅるるっ!
「ふああっ! 出てるっ! 私の奥から何か溢れてくるっ!」
「もっと出せよ。お前の“肉汁”、最高に甘くてうまいぜ?」
「だめぇっ! そんなに激しく舐められたら、お口の中でイッちゃう……っ!」
ついに限界を迎えた絶頂が訪れた。ランタービは背中を弓なりに反らし、愛液を溢れさせながら激しく体を震わせた。
「ひぃぃんっ……! あぁぁッ!!」
自身の愛液で濡れる彼女を見下ろしながら、創真はゆっくりと立ち上がった。彼の股間からは、猛々しく反り上がった肉棒が天井を突くように立ち上がっている。
「今度は、お前の番だぜ」
「わ……私から奉仕するの……?」
「当然だろ? うちの店はお客さま第一主義だからな。手厚いサービスをしてやるよ」
挑発的な言葉に頬を膨らませながらも、ランタービは素直に膝をつき、創真の前で跪いた。今まで見たこともない大きな肉塊を目の前にし、ゴクリと喉を鳴らす。
「どうした? 怖気づいたか?」
「ううん……おいしそう……っ!」
ぱくりと亀頭を咥え込んだ瞬間であった。
「んんっ!? むぐっ……!」
「ちゃんと味わえよ? 特製ダシ入りだからな」
創真が手早く秘伝のソースを搾り取ると、粘稠な液体が竿の表面に垂れ落ちていく。その正体は、先ほどのおせち料理でも使用した特製の濃厚ダシタレであった。僅かな甘みと旨味が、彼女の口腔内を一気に支配していく。
「んんっ! おいふぃ……! すごく濃厚なお味……!」
「いい子だ」
頭を優しく撫でられ、ランタービの目尻が蕩けるように甘く緩んだ。彼女はさらに喉奥深くへと肉棒を咥え込んでいく。
じゅぽっ! ぬぷっ! ぢゅるっ!
必死の形相でしがみつき、舌を絡めてしゃぶりつく様子を見下ろしながら、創真は満足げに問いかけた。
「俺の特製おせちと、どっちがうまい?」
「こっち……っ! 創真さまのこれの方が……ずっとずっとおいしいわ……っ!」
「じゃあ選べ。もっと口で味わいたいのか? それとも……中に欲しいのか?」
答えなど、最初から決まっていた。ランタービは涙目で創真を見上げ、切実に訴えかけた。
「挿れて欲しい……っ! 貴方の熱い肉汁で……わたくしのお腹をいっぱいに満たして欲しいのっ!」
「承りました、お姫様」
二人は重なり合うようにソファへと倒れ込んだ。正常位の体勢で、太く熱い亀頭を彼女の濡れそぼった花弁の入口へと宛がう。
ヌチュ……ッ!
「来るぅ……! 熱いのが入ってくるわ……っ!」
「しっかり味わえよ?」
「うん……早く来て……っ!」
ゆっくりと埋没していく怒張。抵抗感ゼロの濡れた坩堝が、創真の巨大な長物をズブズブと飲み込んでいく。
ずぼぉんっ!
「はあぁっ! 深いぃっ! お腹の奥まで届いてるぅっ!」
「まだ序の口だぜ」
「待って……これ以上奥に来たら……私、壊れちゃう……っ!」
制止を聞き入れることなく、創真は力強く腰を打ちつけた。肉と肉が激しくぶつかり合う淫らな音が、室内に高く響き渡る。
パンッ! パンッ! パンッ!
「んあっ! すごっ! パンパンって音、すごく響いてるっ!」
「お前の溢れ出た肉汁が、最高の潤滑剤になってるからな」
「やだぁ! 恥ずかしい……! でも、気持ち良すぎて止まらないのぉっ!」
リズミカルで激しいピストンの度に、ランタービの豊満な乳房が左右に大きく揺れる。創真は左手でその柔らかな肉を強く鷲掴みにしながら、さらにストロークの速度を上げていった。
ガタン! バコン! ズシンッ!
「だめぇぇっ! またイッちゃう……イクぅぅぅっ!!」
二度目の絶頂。しかし、創真は尚も腰の動きを緩めない。膣内の激しい痙攣すらも逃さず、深く強く穿ち続けていく。
「まだまだだぜ? 最高のフルコースは、最後のデザートまで完食しなくちゃな」
「デザートって……なに……っ?」
「俺の特製濃厚スープだよ!」
次の瞬間、灼熱の塊が彼女の子宮口に向かって一気に迸り出た。
ドグュッ! ビュルルルッ!!
「あぁぁッ! 来るっ! わたくしの中に……熱いのがいっぱい溢れてくるぅぅっ!」
灼熱のスペルマが胎内を焼き尽くすかのように注ぎ込まれていく。あまりの熱量と多幸感に、ランタービは大きく瞼を見開いた。
「熱いっ! ハンバーグの肉汁みたいに熱いのっ……お腹の中に直接出てるぅっ!」
ビクンビクンと四肢を痙攣させながらも、彼女の顔には幸福に満ちた恍惚の表情が浮かんでいた。高慢だったWGO執行官が、完全に創真の愛に屈した瞬間であった。
ようやく創真が抽送を終えて身体を引き抜くと、結合部から泡立った白濁の蜜がとろりと垂れ落ち、ソファを白く汚していった。
「創真さま……わたし……すごく幸せ……」
「へへ、ようやく素直な本音が言えたな」
「うん……これからも私だけの専属シェフでいてくれますか?」
「当たり前だ。お前専属の、最高の大衆食堂料理人になってやるよ」
ランタービは泣き出しそうな笑顔を浮かべ、創真の首へ強く抱きついた。高慢なお姫様は、今宵、創真を愛する一人の少女へと完全に生まれ変わったのである。
静まり返った『BLUE』会場のVIP控室。
甘く濃厚な愛の余韻と、ほのかなハーブやおせちの芳香が漂う中、大きなレザーソファの上で、乱れた衣装の胸元を押さえたままのランタービは、創真の膝の上にちょこんと座り、彼の首元へうっとりと身を預けていた。
かつてのわがままで高慢な審査官の面影は微塵もなく、朱に染まった頬と蕩けた瞳で、創真の胸元へ甘えるように顔を擦り付けている。
「……ふあぁっ……創真……っ。私……WGOの執務官として貴方を失格にしてあげるつもりでしたのに……こんなにも身も心も貴方に奪われてしまうなんて……っ」
ランタービは甘い吐息を漏らしながら、創真の首筋に何度も濃密なキスを重ね、彼の手を自分の腰へと愛おしそうに引き寄せた。
「でも……胸の奥がキュンとして、すごくいとおしいの……。貴方のあの料理みたいに……私、創真にすっかり胃袋も心も掴まれちゃったんだから……っ」
「へへ、ランタービ。わがまま言って威張ってるより、そうやって俺の腕の中で素直にしてる方がずっと可愛いぜ。これからも俺の料理、たっぷり食わせてやるからな」
創真が優しく笑い、彼女の頭を撫で上げると、ランタービは「んふぅ……っ」と愛おしそうに目を細め、上目遣いで創真を見つめた。
「ええ……っ! これからは創真だけの一途なお姫様として……私をずっとずっと甘やかして愛してね……っ」
わがままな態度を完全に捨て去り、一途な愛を爆発させるランタービの姿に、創真は胸を張り、力強い笑顔で彼女の身体をしっかりと抱き直した。
「お粗末!」
その決め台詞とともに、ランタービはとびきり可憐で甘い笑顔を浮かべ、創真の唇へとそっと背伸びをして甘く濃厚なキスを落としたのだった。
(第63話 おわり)