※この作品はR-18です。

姫枷村の嫁躾   作:カシワネ

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とある因習村、姫枷村(ひめかせむら)に嫁入りをすることになった綾香。婚姻の儀式が近づいてきたため、「おまんこ嫁御」と呼ばれる従順な女に育てるための、過酷な調教を受けることになってしまう。



【姫枷村の嫁躾 #1】因習村に嫁入りすることになった私は、立派な「おまんこ嫁御」になるためにディルドと執拗なクリ責めで男女の上下関係を躾けられる

「んっ、あっ、あっ、ああっ!」

 

 甘い声が、自分の喉から漏れている。止められない。止めたいのに、身体が勝手に反応して、腰が浮いて、奥がきゅうっと締まるたびにまた気持ちよくなって。

 

「お願い、します……イかせて、ください……」

 

 自分の声が、もう知らない女の声みたいだった。媚びて、甘えて、懇願する、惨めな声。こんなの、わたしじゃない!

 なのに腰が止まらない。恥ずかしくてたまらないのに、拘束された身体が勝手に揺れている。あと少し。あと少しで届くのに、そこで止められて、焦らされて、もう何度目かわからない。

 

「ほら、ちゃんと言えよ。言ったらイかせてやるから」

 

「わたしの……おまんこはっ……!!旦那様の、ものですぅっ……!」

 

……こんなの、おかしい!おかしいのに。

 

 なのに、どうして。

 どうしてこんなに、イきたいの?

 

 

******

 

 

 数時間前に遡る。

 

*

 

「綾香さん」

 

 数週間後の結婚式で正式に夫となる隆史がそう呼んだ時、まだ穏やかな夕暮れの座敷だった。

 とある村に嫁入りをすることが決まった私、綾香は正座していた。目の前に隆史が座り、その後ろに二人の男が控えている。一人は五十がらみの日に焼けた男。もう一人は二十代後半の、目つきの鋭い若い男。どちらも綾香にとっては見知らぬ顔だった。

 

「今日から、嫁入り修行を始めるよ」

 

 隆史の声は柔らかかった。微笑みすら浮かべている。まるで明日の予定を伝えるような気安さで。

 

「修行……?」

 

「うん。綾香さんはうちの村のことをまだ何も知らないでしょう? だから、僕の家に相応しい嫁御になるために、ちゃんと身体で覚えてもらわないと」

 

 身体で覚える。その言葉の意味を飲み込む前に、隆史が続けた。

 

「この二人が躾役だよ。僕の家に代々仕えてくれている人たちで、嫁御をきちんと仕込むのが仕事なんだ」

 

「仕込む……? あ、あの、隆史さん、わたしは」

 

「隆史さん、じゃないよ」

 

 穏やかな声が、やんわりと遮った。

 

「旦那様、って呼ぶんだよ。もう教えたよね?」

 

「……旦那、様。あの、旦那様、わたしは嫁入りの話は承知していますが、こういった……その」

 

「修行のことは聞いてなかった? まあ、そうだろうね。でも、この村ではこれが当たり前なんだ。大丈夫、お嫁さんになる人はみんなやることだから、特別なことじゃないよ」

 

 隆史が立ち上がった。綾香を見下ろす目は穏やかなままだった。

 

「綾香さんも、ちゃんと僕の家に相応しい立派な『おまんこ嫁御』にならないといけないからね。この人たちの言うことをよく聞いて、頑張ってね」

 

 おまんこ嫁御?

 

 綾香は耳を疑った。あの穏やかな口調で。あの優しい微笑みで。まるで「勉強頑張ってね」と言うのと同じ温度で、この人は今。信じられず思わず聞き直してしまう。

 

「あ……あの、旦那様、お、おま…ん…こって……」

 

「嫁御、お嫁さんのことだよ。この村ではそう言うの。綾香さんは僕のおまんこになるんだから、恥ずかしがることないよ」

 

 綾香が口に出すのすら恥じらった言葉を、何でもないように口にする隆史は障子に手をかけた。

 

「じゃあ、よろしく頼むよ」

 

 躾役の二人に向けた言葉だった。年嵩の男が深く頭を下げる。

 

「旦那様のお家の名に恥じない、立派なまんこに育て上げてみせます」

 

「うん、頼んだ。あ、でも」

 

 隆史が振り返った。綾香と目が合った。

 

「あんまり傷は残さないであげてね。綺麗な身体なんだから。初夜は僕が綺麗なまま味わいたいからさ」

 

 にこり、と笑って、隆史は座敷を出ていった。

 

 残されたのは綾香と、二人の男。

 

「さて」

 

 年嵩の男が、感情のない目で綾香を見た。

 

「嫁御。始めるぞ」

 

「待ってください。わたし、こんなこと聞いていません。旦那様に、もう一度お話を」

 

「旦那様はお忙しい。嫁御の相手をしている暇はない」

 

「でも」

 

「立て」

 

 両腕を掴まれた。年嵩の男が右、若い男が左。綾香の抵抗など存在しないかのように、軽々と立たされる。

 

「離してっ!」

 

「暴れるな。怪我する」

 

「離してください! わたしは人間です、こんな扱いは」

 

「人間?」

 

 若い男が笑った。心底おかしそうに。

 

「お前は旦那様のまんこだよ。旦那様がそう言っただろ。まんこはまんこらしく仕込まれるのが当たり前だ」

 

「そんな……っ」

 

 綾香は全力で身体を捩った。大学時代は弓道部だった。非力ではないはずだった。

 

 しかし男の腕はびくともしなかった。綾香の必死の抵抗が、この男たちにとっては子供がじたばたしているのと変わらないのだ。

 

「離して、離してっ!」

 

「おい、おとなしくさせろ」

 

 年嵩の男が若い男に言った。若い男が頷き、綾香の背後に回る。

 

 次の瞬間、若い男の手が綾香の着物の裾から中に入り込んだ。

 

「なっ……!」

 

 下着越しに、指がまっすぐに股間に伸びた。的確に。迷いなく。そして親指が、下着の布地の上からクリトリスを捉えた。

 

「ひっ……!」

 

 くりくりと、小さな円を描くように刺激される。布越しなのに、恐ろしいほど的確な指の動き。クリトリスの位置を完全に把握した手つきで、軽く押し、転がし、弾く。

 

「やめっ……! 触らないで……っ」

 

「暴れんなって。すぐ楽になるから」

 

 楽になんか、と叫ぼうとした。でも指が止まらない。くりくり、くりくり。一定のリズムで、正確に、クリトリスだけを刺激し続ける。

 

「あっ……ん……やめ……っ」

 

 膝から力が抜けていく。いやだ。気持ちよくなんかない。気持ちよくなんか。

 

 なのに身体が反応する。下腹に甘い痺れが広がって、腰が勝手にびくっと揺れた。

 

「ほらな。どんな女も陰核をいじってやればおとなしくなる。生意気な口を叩いても、ここが弱点なのはみんな同じだ」

 

 若い男が、耳元で囁いた。指の動きが少し強くなる。クリトリスの皮を剥くようにして、直接、小さな突起を指の腹で転がす。

 

「あっ、んんっ……やだ、やめて……力が……」

 

「力が抜けるだろ? それでいいんだよ。女はな、男に逆らっても無駄なんだ。こうやって、男に触られたら従うしかねえの。身体がそういうふうにできてるんだよ」

 

 指が、下着の布をずらした。直接、粘膜に触れた。

 

「ふぁっ……!」

 

 声が出た。恥ずかしい声。身体がびくりと大きく跳ねて、両膝がかくんと折れた。

 

 崩れ落ちそうになった身体を、年嵩の男が支えた。

 

「濡れてるな」

 

 若い男が、指先の感触を確かめるように言った。

 

「触っただけでこれか。感度のいい身体だ。旦那様も良い嫁御を引いたな」

 

「ちが……濡れてなんか……」

 

「嘘つくな。俺の指がぬるぬるだぞ。ほら」

 

 ぬちゅ、と淫靡な音が鳴った。

 

「ひぁっ……んっ、んんっ……」

 

 力が入らない。男の指にクリトリスを弄られているだけで、全身の力が溶けていく。

 

「よし、連れていくぞ」

 

 年嵩の男が腕を引いた。綾香はもう、まともに抵抗できなかった。膝が笑って、足がもつれて、若い男の指がまだ股間に触れたまま、二人の男に挟まれるようにして座敷を出た。

 

 廊下を歩く間も、指は止まらなかった。一歩歩くたびにくりっ、と刺激される。そのたびに膝が折れそうになり、男の腕にすがるしかない。

 

「あんっ……もう、やめて……歩けない……」

 

「歩けなくていいぞ。もう着いた」

 

 引き戸が開いた。

 

 十畳ほどの畳の部屋。部屋の中央に、木製の台。革の帯が何本もぶら下がった、人を括りつけるための台。使い込まれた木の表面が鈍く光っている。何人もの女がこの上で。そう思った瞬間、悪寒が走った。

 

「まずは脱がせる。これからまんこになる雌に服なんかいらないからな」

 

 クリトリスを弄られて力の抜けた身体から、着物が剥がされた。帯が解かれ、襦袢が落ち、下着が引き下ろされ、全裸にされた。

 台の上に仰向けに寝かされる。両手首が頭の上方に伸ばされ、革の帯が巻かれ、金具がかちりと噛み合った。

 

「やめて……!」

 

 引っ張った。全力で。爪を立てて。

 

 がちゃり。

 びくともしなかった。

 がちゃ、がちゃ、がちゃ。

 何度やっても。綾香の全力が嘲笑されるように跳ね返される。手首が赤く擦れるだけ。

 足首にも帯が巻かれ、脚が左右に大きく開かれた。

 

「やっ……閉じさせて……っ」

 

「暴れた分だけ革が食い込んで痕が残る。旦那様にお見せする身体に傷がつくのは嫁御の不始末だからな」

 

「この村から逃げることも絶対にできないよ。お前の母親が逃げたせいで、お前がここにいるんだ。『反抗的な血筋』と見做されてるからこそ旦那様も御当主もきつく躾けよと俺たちにお命じになられた。当然逃げようとすれば、もっと酷い目に遭う。覚えておけ」

 

 若い男が言った。

 綾香はもう一度、渾身の力で拘束を引いた。

 びくとも、しない。

 

     *

 

「今日の修行の目的を伝える」

 

 年嵩の男が道具を並べながら淡々と語った。

 

「嫁御の身体に三つのことを覚えさせる。一つ、自分が旦那様のおまんこであるという自覚。二つ、おちんぽ様への服従と感謝。三つ、男に逆らうことは許されないという摂理。今日中に身体の奥まで染み込ませる」

 

「おちんぽ、様……?」

 

「この村では男のものはそう呼ぶ。嫁御にとって旦那様のおちんぽは、崇め奉るべきものだ」

 

 全部狂っている。でもその狂った世界の中で、自分は裸で拘束されて台の上にいる。

 

「まず下ごしらえだ」

 

 年嵩の男がディルドを手に取った。ゴムのような質感の、緩やかに湾曲した棒。先端が少し膨らんでいる。

 

「表面に薬を塗ってある。中に入れておくと身体が敏感になる。特に締め付けると薬が膣壁に浸透して、もっと感じるようになる。しばらく入れておくと薬が体温で溶けて、そのうち中だけじゃなく陰核の周りにまで染み込んでいく」

 

「媚薬……?そんなもの……」

 

「旦那様のおちんぽをお迎えする準備だ」

 

 ローションが塗り足され、濡れた入口にディルドの先端が触れた。

 

「やだ!そんなの入れないで!こんな、こんなのおかしい……!」

 

「なんとでも言ってろ。ほら、力を抜け」

 

 ずるり。

 有無を言わさずにディルドが滑り込んだ。湾曲した先端が膣壁の前面に沿い、膨らんだ部分がGスポットにあてがわれる。

 

「あ……んっ……」

 

 じわりと広がる温かさ。媚薬が膣壁に染み込み始めている。

 

「次にこれだ」

 

 細く切ったガーゼにローションをたっぷり含ませ、クリトリスの上に直接かぶせた。

 

「ひぁっ……」

 

 ぬるりとしたガーゼがクリトリスに密着する。

 

「薬が馴染むまで少し置く」

 

 年嵩の男が一歩下がった。少しの間、何も起こらなかった。

 

 しかしその静かな時間が、身体を変え始めていた。媚薬がじわじわと効いてくる。膣壁がほんのりと熱を帯び、ディルドの形が内側からくっきりとわかるようになっていく。

 

「……っ」

 

 意識すればするほど、感じてしまう。何もされていないのに。

 

「そろそろいいだろう」

 

 年嵩の男が戻ってきた。何の前触れもなく、クリトリスの上のガーゼを指で摘んだ。

 

「あぁっ……!」

 

 ローションで滑ったガーゼを軽く引かれ、クリトリスが擦られる。くりっ、と小さな円を描く。ローションのぬめりとガーゼの布の感触が混ざった、逃げ場のない刺激。

 

「あっ……やめ……触らないで……」

 

 年嵩の男は答えなかった。指はただ淡々とガーゼを前後させてクリを擦るように動き続ける。くちくち、くちくち。ゆっくりとした、焦らすような動き。急がない。追い詰めない。ただ、じわじわと火を大きくするように。

 

「ん……んっ……やだ……」

 

 若い男が台の横に来た。綾香の乳房に視線を落とす。

 

「乳首も硬くなってきてるな」

 

 右の乳首に指を伸ばし、爪の先でつんと弾いた。

 

「ひゃっ!」

 

「かわいい声出るじゃねえか。こっちもいじってやるよ」

 

 爪の先が乳首の先端を引っ掻いた。かりかりと、軽く。でも勃起して敏感になった乳首には、それだけで電流のような刺激が走る。

 

「あっ、やだっ……乳首……感じちゃう……」

 

「正直でいいな。ほら、もっと感じろよ」

 

 左の乳首にも手が伸びた。両方の乳首を同時にかりかりと引っ掻かれ、クリトリスもガーゼ越しにくりくりと刺激され続ける。

 

「あっ、あっ、やだやだっ……! んっ、あぁっ……!」

 

 膣がきゅっと締まった。ディルドを締め付けた瞬間、媚薬がじわっと膣壁に浸透して、奥からも甘い快感が湧き上がる。

 

「あっ……中も……なにかくる……」

 

「締めたな? 締めるほど薬が効くって言っただろう」

 

 乳首をかりかりされるたびに、クリを刺激されるたびに、反射で膣が収縮して、ディルドを締めて、媚薬が効いて。止められない悪循環が始まっていた。

 

「んっ、あっ、あっ、あぁっ……やだ、……やだ……!!」

「やだやだ言ってるくせに、身体は正直だなあ。乳首はこんなに硬いし、おまんこはびしょびしょだし」

 

 若い男が呆れたように口に出すと、左右の乳首をつまんで引っ張った。

 

「ああぁっ!」

 

 同時に年嵩の男の指がぬちぬちといじっていたガーゼをずらし、クリトリスの先端にじかに触れた。

 

「あぁっ……! あっ、直接は……っ」

「ガーゼ外してやるのはむしろ温情だぞ。本当のガーゼ責めはこんなもんじゃない。……って、実際に味わって見ねえとわからんだろうな。いずれ体験させてやるから今は指の感触を味わえよ」

 

 指の腹が露出したクリトリスをゆっくりと撫でる。ローションと自分の体液が混ざった滑らかさで、くりくりくりくりくりくり。

 

「あああっ……!!!やだあ……!気持ちいいのやだあぁっ……!!!」

 

 三点同時。上も下も中も。思考が千切れ飛ぶ。

 

「やだ!!!やだ、やだっ、気持ちいいの止めてぇ……!」

「やだやだうるさいな。嫁御にはもう少し上品な口を利いてもらわないと」

 

 年嵩の男が、指を動かしながら淡々と言った。

 

「まんこにふさわしい言葉を教えてやる。体で覚えられるように、今から言う通りに繰り返せ。"わたしは旦那様のおまんこです"。言え。言うまで手は止めない」

 

「……そんなの!言いま、せ……あああっ……!」

 

 乳首がきゅっと摘み上げられた。同時にクリトリスが強く押され、膣がびくんと締まってディルドの媚薬が奥に押し込まれる。

 

「あっ、あっ、あっ……!」

 

「言うまで止めない。いくら泣いても。言えば止めてやる」

 

 クリトリスがしゃくり上げられる。乳首がかりかり引っ掻かれる。膣の中がじんじんと熱い。全部が同時に来て、頭がぐちゃぐちゃになる。

 

「やだぁっ……やめて……やめてぇ……」

 

「言えよ。事実を言うだけだ」

 

「わたしはっ……お、お、おまんこなんかじゃ……ああっ!」

 

 クリトリスを指先で挟まれ、くりくりと揉まれた。

 

「ひぃっ……! そこっ、だめっ、だめだめっ……!」

 

「おまんこに"だめ"はない。男に逆らう女は厳しく躾けられんだから、ちゃんと服従することを覚えこめよ」

 

 限界だった。気持ちよすぎて頭がおかしくなりそうだった。腰がカクカク揺れて逃げようとするのに逃げられない。限界だった。口から言葉が滑りでる。

 

「……わ、わたしは」

 

「続けろ」

 

「旦那様の……お、おまんこ、です、ぅ……!!!!」

 

 言ってしまった。

 

 指が止まった。クリトリスから、乳首から、すべての手が一斉に離れた。

 

「ぁ……」

 

 突然の静寂。涙がぼろぼろと溢れた。

 

「よく言えた」

 

 年嵩の男が、犬に「おすわり」ができた時のような口調で頷いた。

 

 十秒。二十秒。何も触れない時間が続いた。荒い息だけが部屋に響く。身体を蹂躙していた快感の嵐が引いて、ぼんやりとした静けさが戻ってくる。

 

 でも膣の奥は、まだじんじんと疼いていた。媚薬は入れたままだ。ディルドが膣壁を温め続けている。薬が、ゆっくりと、身体の奥に染み込み続けている。

 

「次だ」

 

 年嵩の男の指がクリトリスに戻った。

 

「ひぁっ……もう……」

 

 止まっていたのは二十秒ほどだった。少しだけ身体が楽になった、その一瞬の安堵を奪うように。

 

「"男様に逆らうことは許されません"。言え」

 

 くりくりと、クリトリスが指の腹で転がされる。さっきより敏感になっている。少し休んだことで、かえって刺激が鮮明に感じる。

 

「あっ、んっ……やだ、また……っ」

 

「言えば止まる」

 

 若い男の指が乳首に戻った。かりかりと引っ掻く。

 

「あぁっ……! ……男様に、逆らうことは……許されませんっ……」

 

 言った。指が止まった。

 

 安堵。

 

 身体がすでに学習し始めていた。言えば止まる。言えば楽になる。その回路が、一回ごとに強く刻まれていく。

 

 また静寂。今度は十五秒ほど。

 

 その間にも、膣の奥の熱は消えなかった。むしろ少しずつ強くなっている。ディルドに塗られた媚薬が体温でじわじわと溶け、膣壁に染み込み、膣の奥から外へと広がっていく。下腹全体がぼんやりと温かい。

 

「次だ。"わたしの身体は旦那様のものです。わたしの意志よりも旦那様のお気持ちが優先されます"」

 

 指が戻る。くりくり。乳首もかりかり。

 

「あっ……わたしの身体はっ……旦那様のもの、です……わたしの意志よりもっ……旦那様のお気持ちが……あっ、んっ……優先、されますぅ……」

 

 止まった。安堵。

 

 今度の間は十秒。もう身体が落ち着く暇がなかった。さっきの刺激の余韻が残ったまま次が来る。快楽の波が引ききる前に、次の波が押し寄せてくる感覚。

 

「"わたしは愚かなおまんこなので、男の方に躾けていただかないと何もできません"」

 

「あっ、んんっ……わたしは愚かなおまんこ、なのでっ……男の方に、躾けていただかないと……なにも、できませんっ……!」

 

 止まった。

 

 ここまでは、さっきまでと同じだった。言えば止まる。止まれば楽になる。

 

 でもこの時、綾香の身体には変化が起きていた。

 

 媚薬だった。

 

 ディルドに塗られた薬が体温で溶け、膣壁から吸収され、ゆっくりとクリトリスの方にまで染み込んできていた。年嵩の男がさっき「そのうち陰核の周りにまで染み込んでいく」と言った通り。

 

 指が離れている今この瞬間も、クリトリスがじんじんと熱い。触れられていないのに、まるで見えない指に弄られているような、甘いむず痒さ。膣の中はもっと熱い。ディルドを包む膣壁がとろとろに蕩けそうで、きゅっと締めるたびに媚薬がまた効いて、もっと気持ちよくなって、もっと締めてしまう。

 

「……ん……」

 

 腰が、かすかに揺れた。自分から。

 

 気づいていなかった。声を出すまで気づかなかった。拘束された身体が、ほんのわずかに、腰を浮かせている。ディルドをもう少し深く感じようとするかのように。クリトリスを何かに擦りつけようとするかのように。

 

 何もないのに。誰にも触れられていないのに。

 

「……あ……」

 

「次だ。"おちんぽ様は崇め奉るべきものです。わたしのような愚かなおまんこを躾けてくださることに感謝いたします"」

 

 指がクリトリスに戻った。

 

 この時の感覚は、さっきまでとまるで違った。

 

「ひゃあぁっ……!」

 

 媚薬が染み込んだクリトリスに指が触れた瞬間、全身を甘い電流が貫いた。同じ指の動き、同じ力加減のはずなのに、快感が何倍にも増幅されている。

 

「あっ、ああっ、あっ、だめっ、さっきより気持ちいいっ……なんで……!」

 

「薬がクリにも回ってきたな。ここからはもっと感じるぞ」

 

 年嵩の男が、淡々と。

 

「おちんぽ様はっ……崇め奉るべきっ……ものですっ……あぁっ、んんっ……わたしのようなっ、愚かなおまんこをっ……躾けてっ……くださることにっ……感謝いたしますぅっ……!」

 

 叫ぶように言い切った。もう考える余裕がなかった。言えば止まる。止まれば楽に。

 

 指が止まった。

 

「はぁっ……はぁっ……」

 

 しかし「楽になった」はずの今、身体は落ち着くどころかもっと疼いていた。

 

 媚薬のせいだった。クリトリスがひくひくと脈打っている。指が離れたのに、じんじんと疼きが引かない。膣の奥も、とろとろに蕩けて、ディルドをきゅうきゅうと締めている。締めるたびにまた薬が効いて、もっと気持ちよくなって。

 

「ん……んんっ……」

 

 声が漏れた。誰にも触れられていないのに。

 

 腰が揺れていた。さっきよりもはっきりと。もう隠せないくらいの動き。拘束された身体で、ディルドをもう少し奥に感じようとして、クリトリスを空気に擦りつけようとして。くねくねと。ねだるように。

 

 恥ずかしかった。でも止められなかった。身体がもう、言うことをきかない。

 

「おいおい」

 

 若い男の声が、笑いを含んで降ってきた。

 

「見ろよ。腰動かしてるぞ、この嫁御。さっきまで嫌がって泣いてたくせに、もう自分から腰振ってやがる」

 

「ちがっ……動いて、ない……」

 

「嘘つけ。はっきり見えてるっつーの。腰くねくねさせてよ。中のディルドが気持ちよくてたまんねえんだろ? もっと感じたいんだろ?」

 

「ちが……これは薬の、せいで……」

 

「薬のせいだろうが何だろうが、気持ちいいもんは気持ちいいだろうが。身体は正直なんだよ。お前の身体はもう、男に触ってほしくてたまらない雌まんこなんだ。認めろよ」

 

 認めない。認めたくない。でも腰が止まらない。止めようとしても、クリトリスの疼きがもう我慢の限界で、膣の中がとろとろに蕩けて、何かが欲しくてたまらない。

 

「……っ」

 

「さて」

 

 年嵩の男が、静かに口を開いた。

 

「ここまでは"言えば止めてやる"でやってきた。嫁御もだいぶ口が柔らかくなったな」

 

 その目が、綾香の揺れる腰を見ていた。

 

「しかし見たところ、もう止めてほしいというより、もっと触ってほしそうだな」

 

「そ、そんなこと……」

 

「嘘をつくな。身体を見ればわかる。クリが疼いてるだろう。もっと触ってほしいだろう。もっと気持ちよくなりたいだろう。イきたいだろう」

 

「……っ」

 

 反論できなかった。身体が裏切っている。全部その通りだった。

 

「この先は、嫁御が自分から正しい言葉を言えたらイかせてやる。言えなければこのまま触らずに放っておく。まあ薬が効き続けて、もっともっと疼くだけだがな。イけないまま、ずっと」

 

 触ってもらえない。

 

 その言葉が、さっきまでとはまったく違う重みで綾香にのしかかった。さっきは「触らないで」が本心だった。今は違う。今は触ってほしい。イきたい。身体がもう、そうなってしまっている。

 

「では始める。まずは"お願いします、イかせてください。わたしは旦那様のおまんこです"。言ったらイかせてやる」

 

 年嵩の男の指がクリトリスに触れた。

 

「ひぁっ……! あっ、あぁっ……!」

 

 媚薬で過敏になったクリトリスに、指の腹がぬるりと滑った。一瞬で快楽が全身を駆け巡る。さっきまでとは比べものにならない。薬が染み込んだ粘膜が、触れられるだけで火花を散らす。でも言いたくない、言いたくない、言いたくなんかない!

 

「あっ、あっ、あっ、き、きもちいっ……きもちいいっ……!」

 

「ほら、もう正直だろうが」

 

 若い男が乳首をつまんだ。きゅっとひねり上げる。

 

「ああぁっ!」

 

 クリと乳首の刺激が重なり、膣がぎゅうっとディルドを締め上げ、媚薬がぐちゅっと浸透して、甘い快楽が腰の奥から爆発的に広がった。

 

「あっ、んっ、あぁっ、イきそ……イきそうっ……!」

 

 快楽の頂点が、すぐそこまで迫っていた。もう少し。もう少しで。

 

 指が、止まった。

 

「え……」

 

 クリトリスの上に指が乗ったまま。動かない。

 

「言え。"お願いします、イかせてください。わたしは旦那様の雌で、奴隷です"」

 

「そ……そんな、今、もう少しで……」

 

「だから言えって。言わないとイかせない。このまま止めるぞ」

 

「やっ……止めないで……」

 

 止めないで、と口にしていた。さっきまで「止めて」と泣いていたのに、もう「止めないで」と懇願している。その変化に気づいて、綾香の目からまた涙が溢れた。

 

 でも「奴隷です」は、言えなかった。

 

 さっき「止めてほしい」時には言えた言葉が、自分から求めるために使うとなると喉に詰まった。止めてもらうために仕方なく言うのと、イかせてもらうために自分から言うのでは、意味がまるで違う。後者は、自分がおまんこであることを認めた上で、快楽を乞うことになる。

 

「……っ」

 

 言えない。でもイきたい。クリトリスがじんじんと疼いて、もう少しで届くのに、指がぴくりとも動かない。あと少し。あと少しだけ動いてくれたら。

 

 気づいた時には、腰が動いていた。

 

 言葉の代わりに、身体が動いていた。拘束された両足首の間で、腰だけがかくかくと浮き沈みする。クリトリスの上に乗った指に、自分から押しつけようとして。ほんの少しでも擦れれば、ほんの少しでも刺激があれば。

 

 かくっ、かくっ、かくっ。

 

 惨めな動きだった。手足を拘束された状態で腰だけを上下させる。まるで発情した動物のように。頭ではわかっている。こんな姿を見せたら、余計に笑われるだけだと。でも身体が止まらない。クリトリスの疼きが理性を押し潰して、ただ快楽だけを求めて、腰がカクカクと揺れ続ける。

 

「おい」

 

 若い男が、笑い声を噛み殺しながら言った。

 

「見ろよ。言えないくせに腰は正直だな。自分からクリ押しつけてやがる。惨めだなあ、おい」

 

「ち、ちがっ……これは……」

 

「何が違う。はっきり見えてるっつーの。口では言えないくせに、腰はカクカクおねだりしてんだろうが。どっちが本音だよ」

 

 かくっ、かくっ。言い返そうとしている間も腰が止まらない。指に擦りつけようとして、でもわずかに届かなくて、空振りして、また持ち上げて。

 

 年嵩の男が、鼻から小さく息を漏らした。

 

 笑ったのだ。あの、何の感情もないはずの年嵩の男が。

 

「見苦しいな」

 

 感情のない声に、かすかな呆れが混じった。それがかえって、どんな嘲笑よりも綾香の心を抉った。この男にとって、綾香の必死の抵抗は「見苦しい」。おまんこだと認めず、でも身体はおまんこのように求めている、その矛盾が「見苦しい」のだ。

 

「口で言えないなら、身体で見せているのと同じだ。この腰の動きは"イかせてください"と言っている。言葉にする勇気がないだけだ」

 

 指が、ほんのわずかに動いた。クリトリスの先端を、ちょんっ、と一回だけ。

 

「ひぁっ……!」

 

 びくん。全身が跳ねた。たった一回の刺激で、もう全身が痺れる。もっと。もっとほしい。

 

「ほら、こうやって少し触ってやるだけで全身びくびくさせて。もうおまんこの反応だよ、嫁御。認めたらどうだ」

 

 年嵩の男が、指先をほんの少しだけクリトリスの上で滑らせた。さっきまでの的確な刺激ではない。嘲るように軽い、ほんのかすかな撫で。足りない。全然足りない。イけない。でもその「足りない」がかえって身体を狂わせて、腰がさらに激しくカクカクと跳ねた。

 

 かくかくかくかく。

 

 もう恥も外聞もなかった。拘束された手首が鎖を鳴らし、足首の革帯が軋み、裸の身体が台の上でみっともなく腰を突き上げ続ける。男の指に自分から擦りつけようとして、でもろくに届かなくて、空を切って、また突き上げて。涙と汗と鼻水で顔がぐちゃぐちゃのまま、ただ腰だけが止まらない。

 

「こりゃ駄目だ。口で言うより先に、身体が完全にイきたがってる」

 

 若い男が、腕を組んで綾香の腰の動きを眺めながら笑った。

 

「なあ嫁御。そんなにカクカク腰振って、自分がどんな格好してるかわかってるか? まるで雌犬が腰振ってるみてえだぞ。言葉一つ言えばイかせてやるのに、それが嫌だからって腰カクカクして男の指にクリ擦りつけて。どっちが恥ずかしいんだよ」

 

 どっちが恥ずかしいか。

 

 わかっていた。わかっていたから、もう泣くしかなかった。

 

 言葉で屈服するのが嫌で、代わりに身体で、もっとみっともない姿を晒している。男に見下ろされながら、裸で手足を拘束されて、腰だけカクカク。言葉ならまだ嘘をつける。でも腰の動きは嘘をつけない。

 

「……お願い、します」

 

 声が出た。もう限界だった。腰を止められないなら、せめて言葉で終わらせたい。これ以上この姿を見せたくない。

 

「イかせて、ください。わたしは……旦那様の、め、雌で、ど、奴隷、奴隷ですっ……」

 

「よし。イけ」

 

 指が動いた。クリトリスを的確に擦り上げ、同時に若い男が乳首をきゅっと摘んで引っ張り、膣の中のディルドがGスポットを圧迫する。

 

「あああっ!や、や、イクッ! あっ、あっ、あっ、イクイクイクッ……!」

 

 絶頂が身体を貫いた。焦らしで溜め込まれた快楽が一気に弾けて、激しい波が全身を駆け抜ける。膣がディルドを痙攣的に締め上げ、媚薬がぐちゅぐちゅと膣壁に押し込まれ、クリトリスが指の動きに合わせて脈打つ。

 

「ああぁっ……イってるっ、イってるのに止まらないぃ……!」

 

 びくびくと震える身体が、台の上で弓なりに跳ねた。

 

「はぁっ……はぁっ……」

 

 余韻の中で身体が震えている。涙と汗で顔がぐちゃぐちゃだった。

 

 でも電マのように指が離れていった先に、すぐに気づいた。イったばかりの身体が、もう次を求め始めている。媚薬のせいで絶頂の余韻が引かない。クリトリスがひくひくと脈打ち、膣の奥がとろとろに疼いている。イったのに、まだ足りない。

 

「はぁっ……あ……ん……」

 

 腰が、また揺れ始めていた。もう隠しようもなかった。イったばかりなのに、身体がもう次の快楽を求めて、ねだるようにくねくねと動いている。

 

「ふうん。イったばっかりなのに、もう欲しいのか。大したおまんこだな」

 

 若い男が笑った。

 

「旦那様は立派な方だ」

 

 年嵩の男が、指をクリトリスの脇に添えた。触れそうで触れない位置。

 

「村長のご嫡男で、この姫枷村で最も格の高い家の跡取り。旦那様が立派な方だからこそ、綾香さんも立派な嫁にならなければ恥ずかしいんだぞ? こんな簡単なことも言えないようでは、旦那様にお見せできる嫁御とは言えませんな」

 

 指がクリトリスの周りをぐるりとなぞった。核心にはほんのわずかに触れず、ぎりぎりのところを。

 

「あっ……もっと、触って……」

 

「言葉が先だ。"おちんぽ様に服従いたします。おちんぽ様で躾けていただけるのが、わたしの幸せです。どうかイかせてください"」

 

 頭の片隅で、まだ理性が叫んでいた。言うな。言ったらもう戻れない。おちんぽ様に服従するなんて。

 

 でも身体は。

 

 身体はもう、とっくに答えを出していた。

 

 クリトリスがじんじんと疼く。膣がきゅうきゅうとディルドを締める。締めるたびに薬が効いて、もっと気持ちよくなって、もっと欲しくなる。触ってほしい。イきたい。イかせてほしい。

 

 指が、すうっとクリトリスの先端を掠めた。ほんの一瞬だけ。

 

「ひっ……!」

 

 びくん。全身が跳ねた。一瞬の火花。もっと。もっとほしい。

 

「……お願い、しますっ」

 

 もう、迷えなかった。

 

「おちんぽ様にっ……服従、いたしますっ……おちんぽ様で、躾けていただけるのがっ……わたしの幸せですっ……」

 

 言葉が口から零れた。止まらなかった。

 

「どうかっ、イかせてくださいっ……お願いしますぅっ……わたしは旦那様のおまんこですっ……イかせてくださいぃっ……!」

 

「よし。イけ」

 

 指がクリトリスを直撃した。

 

「ひあああっ! イクッ! あああっ、だめ、だめ、だめ、イっちゃう、イっちゃうぅっ!」

 

 二度目の絶頂。一度目よりさらに激しい。全身が白い光に包まれた。

 

「はっ、はぁっ、はぁっ……」

 

 まだ痙攣が収まらない身体に、年嵩の男の声が降った。

 

「最後の仕上げだ。今度はこう言え。"わたしのおまんこは旦那様のものです。おちんぽ様で躾けていただいて幸せです。わたしは一生、旦那様に服従いたします"。全部言え。イきながら叫べ」

 

 指がクリトリスの周りをなぞり始めた。

 

 でも今度は、焦らされる時間すら耐えられなかった。イったばかりの身体に媚薬が効き続けて、クリトリスが火がついたように疼いて、膣の奥がとろとろに蕩けて。

 

「あっ、ああっ、お願いっ、もう待てない……」

 

「なら言え」

 

「わたしの!!!わたしのおまんこは旦那様のものですっ! おちんぽ様で躾けていただいて幸せですっ! わたしは一生っ、旦那様に服従いたしますぅっ! イかせてくださいっ! お願いしますお願いしますイかせてくださいぃっ!」

 

「イけ」

 

「イクッ! イキますっ! わたしは旦那様のおまんこですぅうっ! おちんぽ様で躾けられて幸せですぅっ! あああぁっ!」

 

 三度目の絶頂。今日一番激しい波が全身を貫いた。全身が痙攣する。何も考えられない。

 快楽の爆発の中で、自分の口から出た言葉の残響だけが頭の中で鳴っていた。

 

 おちんぽ様に服従いたします。わたしは一生、旦那様に服従いたします。

 それを自分から叫んだ。イきたくて。イかせてほしくて。自分の意志で。

 

 拘束が軋む。背中が反る。涙と涎と汗が顔を汚す。股間から溢れた体液が台を濡らし、膣がディルドを痙攣的に締め上げ続ける。奥からとめどなく襲いかかる快楽に、綾香はただ身を震わせ体を委ねるしかなかった。

 

 ようやく快楽の波が引いても、体は小刻みに痙攣をし続けていた。

「……ぁ……はぁ……はぁ……」

 身体が台の上でぐったりと力を失う。

「よし。今日はここまでだ」

 年嵩の男が、静かに言った。最初から最後まで同じ温度の声だった。

「嫁御。最後に感謝を述べろ。"躾けていただいてありがとうございます。明日もよろしくお願いいたします"」

「……躾けていただいて、ありがとうございます」

 口は、もう抵抗しなかった。

「明日も……よろしくお願い……いたします」

「よし」

 

 ディルドがゆっくりと引き抜かれた。媚薬で敏感になりきった膣壁がその感触に反応して、綾香の口から甘い声がこぼれた。

「んっ……あぁ……」

 空っぽになった膣が、ひくひくと収縮した。何かを求めるように。おちんぽを求めるように。

 若い男が、その光景を見て嘲るように笑った。

 

「初日にしては上出来だな。最初あんだけ生意気言ってたのに、最後は自分から"おちんぽ様に服従します"って叫んでイって、こんなふうにまんこひくつかせてんだからな。やっぱり女は、ちんぽで躾けてやればわかるんだよ。どんなに頭のいい女でもな」

 ぽんぽんと太腿を叩いて、若い男は綾香の腕を掴んだ。年嵩の男も静かにもう片方の腕を掴み、綾香を外へ連れ出すと戸を閉めた。

 

     *

 

 廊下を引きずられるようにして連れて行かれた先は、屋敷の奥まった一角にある座敷牢だった。

 

 格子戸が開かれ、中に押し込まれる。六畳ほどの狭い畳の部屋。窓はない。天井近くに小さな明かり取りがあるだけで、裸電球の薄い光が室内を照らしている。

 

 最初に目に入ったのは、壁だった。

 壁から、ディルドが生えていた。

 

 畳に座った高さにちょうど合う位置に、太さも長さも違うディルドが三本、壁に固定されている。どれも使い込まれた様子で、表面が滑らかに磨かれていた。何人もの女がこれに。想像が脳裏を過ぎって、綾香は目を逸らした。

 

 壁の別の場所には鎖が取り付けられていた。手首用、足首用、首輪を繋ぐためのもの。長さはどれも短く、繋がれたらほとんど動けないだろう。今は使われていないが、いつでも使える状態で待機している。この部屋が何のための場所なのかを、鎖が無言で告げていた。

 

「道具も入れておく。好きに使え」

 

 年嵩の男が、布の袋を畳の上に放り込んだ。中からごろごろと転がり出たのは、電マが一つ、小ぶりのディルドが二本、ローションの瓶。

 

「……こんなもの、使いません!」

 

「使うかどうかは嫁御の自由だ。ただ、薬の余韻がまだ残っているはずだからな。眠れないようなら、身体の言うことを聞いてやった方が楽だぞ」

 

 それだけ言って、年嵩の男は格子戸を閉めた。外から錠が下ろされる音が響いた。

 

 足音が遠ざかり、静寂が降りた。

 

 一人だった。

 

 綾香は座敷牢の隅で膝を抱えた。裸のまま。着るものは何も与えられなかった。太腿に鞭の赤い筋が走り、乳首はまだぷくりと腫れて硬く、クリトリスは触れるだけでもひりひりと疼く。膣の奥には媚薬の余韻がじんわりと残って、きゅう、きゅう、と勝手に収縮を繰り返している。

 

 畳の上に転がった電マとディルドが、薄い明かりの中で鈍く光っていた。

 

「……使わない」

 

 呟いた。自分に言い聞かせるように。

 

 あんなもの使ったら、本当に「おまんこ」になってしまう。男に躾けられてそのまま一人で玩具を使うなんて。そんなの、あの男たちの思う壺だ。

 

 膝を抱える腕に力を込める。畳の目を見つめる。虫の声を聞く。何でもいい。何か別のことを考えよう。明日の朝までやり過ごせばいい。眠ってしまえばいい。

 

 でも眠れなかった。

 身体が、疼いていた。

 

 媚薬の余韻だった。膣の奥がじんじんと熱くて、クリトリスがひくひくと脈打っていて。何もしていないのに、太腿の内側に自分の体液がじわりと滲んでいる。さっきまで男たちに蹂躙された身体が、まだ快楽の記憶を手放さない。

 

「……っ」

 

 膝を閉じる。太腿をきつく合わせる。クリトリスへの刺激を遮断しようとして。

 でもそうすると、膣がきゅっと締まった。空っぽの膣壁が収縮して、媚薬の残り香がじわっと滲んで、甘い疼きが下腹を這い上がる。

 

「……ん……」

 

 声が漏れた。

 壁のディルドが視界の端にちらついた。あの太さ、あの長さが、もし今この膣の中に。

 

 首を振った。見るな。考えるな。

 

 畳の上の電マにも目をやらない。あれのスイッチを入れてクリトリスに当てたら、きっと一瞬で。

 

 考えるな。

 

「……っ」

 

 膝を抱えた腕が震えていた。寒さではない。身体の奥から湧き上がる、抑えきれない熱のせいだった。

 おちんぽ様に服従いたします。

 さっき叫んだ言葉が、不意に頭をよぎった。その瞬間、膣がきゅうっと締まった。

 

「……やだ……」

 

 言葉を思い出しただけで、身体が反応した。条件づけ。服従の言葉と快楽が結びつけられてしまった回路。もう頭の中であの言葉がちらつくだけで、身体がぞくりと疼く。

 

 電マは使わない。ディルドも使わない。壁のも、床のも。絶対に使わない。

 でも。

 指は。

 

 自分の指なら。道具じゃない。ただ、この疼きを少しだけ鎮めるだけ。少しだけ触って、楽になるだけ。道具を使うのとは違う。

 

 そう、自分に言い訳をしていることに気づいていた。言い訳だとわかっていて、それでも。

 膝を抱えていた右手が、ゆっくりと下りていった。

 太腿の内側に触れる。ぬるりとした感触。自分の体液で、もう太腿の付け根まで濡れていた。

 

「……っ」

 

 指先が、陰部に近づく。心臓がうるさい。誰も見ていない。一人だ。でもそれがかえって苦しかった。誰にも強制されていないのに、自分の意志で触ろうとしている。

 

 指が、クリトリスに触れた。

 くちゅ。

「……ん……っ」

 びくり、と身体が震えた。媚薬で過敏になったクリトリスに自分の指が触れた瞬間、甘い電流が腰を駆け上がった。

 

 一瞬だけ。一瞬だけ触って、すぐ手を引いた。

 はぁ、はぁ、と息が荒くなっている。たった一瞬触っただけで、こんなに。

「……もう一回だけ……」

 誰に言い訳しているのか。自分にだ。もう一回だけ。一回だけ触って、それでおしまい。

 指がまたクリトリスに触れた。今度は、少しだけ長く。

 くちゅ、くちゅ。

「ん……あっ……」

 

 自分の指が、自分のクリトリスを撫でている。ぬるぬるに濡れた指先が、腫れて敏感な突起の上を滑る。さっき男にされたのと同じ場所を、今は自分の手で。

 

 気持ちよかった。

 

 認めたくなかった。でも気持ちよかった。男に触られた時とは違う。自分のペースで、自分の指で、自分の一番気持ちいいところを。

 

「あ……ん……んっ……」

 

 指が止まらなくなっていた。もう一回だけ、のつもりが、もう何回も撫でている。くちゅくちゅと湿った音が、静かな座敷牢に響く。

 

 腰が揺れ始めた。さっき台の上でカクカクと腰を動かしたように。でも今度は誰も見ていない。誰にも強制されていない。自分の指で、自分の快感のために、腰を揺らしている。

 

「あっ……あっ……だめ……こんなの……」

 

 だめだと思いながら指が止まらない。クリトリスが疼く。膣の奥が疼く。空っぽの膣が何かを求めてきゅうきゅうと収縮する。

 

 壁のディルドが目に入った。使わない。使わない。指だけ。指だけでいい。

 くちゅ、くちゅ、くちゅ。

「んっ、んっ、あ……イきそう……」

 身体が熱い。自分の指で、自分をイかせようとしている。躾役の男たちが見たら、きっと笑うだろう。道具も使わせてやったのに指でオナニーしてるのかよ、と。

 

 でも道具は使いたくなかった。道具を使ったら負けだと思った。自分の指なら、まだ。まだ自分の意志でやったと言い訳ができる。調教のせいじゃないって、自分に言い訳ができる。

 その「自分の意志で」が、すでに彼らの掌の上だということに、綾香はまだ気づけなかった。

 

「あっ、あ、イ、イく……!」

 

 指がクリトリスを擦り上げた瞬間、小さな絶頂が身体を震わせた。さっきの、男たちに何度もイかされた時のような激しさはない。小さな、ささやかな波。でもそれは、誰にも強制されずに、自分の指で、自分で到達した絶頂だった。

 

「……ぁ……」

 

 膝の間に顔を埋めて、震えが収まるのを待った。

 

 涙が出た。

 イったことが悲しかったのではない。イく瞬間、頭の中にあの言葉がよぎったことが。

 

 おちんぽ様に服従いたします。

 

 誰にも言われていないのに。自分の指で、一人で、あの言葉を思い浮かべながらイってしまった。

 条件づけは、もう始まっている。

 座敷牢の薄暗い灯りの中で、綾香は濡れた指先を見つめた。自分の体液でてらてらと光る指。この指で、自分は、さっき叫ばされた言葉を思い出しながら。

 

「……わたしは……」

 

 何か言おうとして、やめた。

 

 壁のディルドが、薄闇の中で影を落としている。電マが畳の上に転がっている。鎖が壁から垂れている。明日の朝まで、この部屋で。

 

 明日もまた、あの台に括りつけられる。

 明日が怖い。

 明日が怖いのに、身体の奥の奥で、ほんの一滴だけ、明日を待っている自分がいることが、何よりも恐ろしかった。

 

 そしてもう一つ。

 

 今夜、もう一度、指が伸びてしまうかもしれない自分が。

 綾香は膝を抱え直して、薄暗い座敷牢の隅で身を縮めた。

 クリトリスが、まだ、じんじんと疼いていた。

 

---

 

(了)

 

 




次回は股縄綱渡で自分の立場をちゃんと理解させるのと、反抗的な綾香を厳しく躾けるために焦らし責め→連続絶頂で絶対服従を分からせます。
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