※この作品はR-18です。

風のタクトのメドリにリンクが乱暴する話。   作:ジュウヨン

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テトラと、再び交わった(※R18描写有り)+番外編

 

 

 

 

 

「久しぶりだから、すぐには入らないかもねぇ……」

 

「アンタの……無駄に大きいからさ」

 

 

 

テトラが俺の上に跨がり、

その先端を自身の秘処へと当てがいながら、

どこか嬉しそうに、愚痴を零す。

 

言葉通り……

 

かつて、四ヶ月前に。

 

毎日体を重ねていた頃に比べ、

テトラの入口はきつく狭められていた。

 

「……あ、んッ…………」

 

「さ、先っぽだけ……やっと、入ったよ……っ……」

 

下半身へ目を向けると、

亀頭の張りの部分までがテトラの窄まりに呑み込まれていた。

 

だが、それ以上は容易に受け入れそうにない。

 

空白の期間、彼女の中に凄まじい締め付けが戻っていた。

 

誰とも体を重ねていなかった証拠など、

言葉で説明されるまでもない。

 

ぎゅうっと強烈な圧力が、

俺の先端を押し潰さんばかりに締め上げる。

 

「ぃ……いっぱぃ、おくまで欲しい……のに……っ」

 

「は……はいりゃ……、ない……っ」

 

「わ、わるいけど…………ちょっとだけ……

 ガマンしてて、くれるかい……?」

 

「ちょっと、ずつ……

 挿れていくから……ね……っ?」

 

余裕のない苦しげな声を漏らし、

先端だけを咥え込ませたまま、

奥に入れようと、必死に腰を揺らし始めるテトラ。

 

「あ……ン……あっ、あぁ……ん……っ」

 

「もっと……もっと……おく、に…………っ」

 

小さく甘い喘ぎ声を、もどかしそうに零す。

 

 

 

……まどろっこしいな。

 

 

 

「テトラ……ちょっとだけ、腰浮かせてて」

 

「手伝ってあげるから……」

 

そう告げ——

テトラの華奢な腰周りを両手でガッチリと固定する。

 

 

「ぇ……あ、いや……

 ちょ……ちょっと待っ——」

 

 

制止しようとするテトラの言葉など意に介さず、

俺はその最深部を目掛け、容赦なく股間を突き上げた。

 

パンッ!と肉と肉が激しく衝突する卑猥な打撃音が、

静まり返った部屋に高く響く。

 

「あぁっ、あぁぁぁあああっ……!!!

 ひぐっ、ぁあ゛ぁっ……!!」

 

「ま……まって、って————

 いったのにぃぃいいぃ……っ……!!!!」

 

最深部へ一気に達した瞬間——

テトラの身体がビクビクッと大きく跳ねて激しく痙攣した。

 

喉の奥を震わせる獣のような苦悶と快楽の声。

 

白目を剥くようにして力無く舌を覗かせ、

俺の胸元へと倒れ込んでくる。

 

普段の……凛として強気なテトラからは微塵も想像できない、

理性を打ち砕かれた無防備で淫らな姿だった。

 

俺はテトラの腰を掴んだまま、逃げ場を塞ぎ、

力任せにその奥へと肉棒を激しく叩きつけ続けていく。

 

「ぁがッ、ひぅうううっ……!! しゅ……しゅごい……

 おちんちんしゅごいいいいぃいいい!!」

 

「あ゛っ、あ゛ぁぁっ……!

 おっ、おくに、ぶちゅかるたび……!

 あたま……ま、まっしろになっちゃうぅぅ……!!」

 

「り、りんくぅ……もっと、もっとそれ、してぇ……!!」

 

「いっぱぃ、たくさん……おくに、ぶちゅけてぇ……っ」

 

「ぁたしのこと……っ、

 めちゃくちゃにこわしてェェえぇ!!!!」

 

イチモツのすべてを呑み込んだ瞬間——

 

彼女はかつて貪り合うように体を重ねていた頃の、

淫らで狂おしいテトラへと姿を変える。

 

そのまま……

流れるように、自然に。

 

溺れかけた後——必死に息をするかの如く。

俺の耳を舌で貪り尽くす。

 

——ピチャピチャピチャ。

 

そして……

マーキングするように深く絡め取ってきたかと思えば。

 

喉を鳴らすような荒い息と、

掠れた甘い声でおねだりを囁く。

 

「はぁッ、はぁっ……りんくぅ……

 あ、あたし……ね……っ……?」

 

「チュゥ……ちゅう、しながらっ……

 おちんちん、ぱんぱんしてほしぃ…………っ……」

 

破滅的な願望を吐露するやいなや——

テトラは、自ら無理やり俺の唇を奪い、

貪るようにその舌をねじ込んできた。

 

同時に、獣のような執着で狂った速度で、

自ら腰を上下に振り始める。

 

パンパンパンッ!と、

激しく肉が弾け合う音が部屋を満たしていく。

 

「んむっ……んぐ、ぁむっ……!!

 んふぅぅっ、んちゅっ、んっ……!!」

 

暴力的な快楽の波に思考ごと塗りつぶされることを自ら歓喜して望み、口吻けながら野性的な喘ぎを漏らし続ける。

 

テトラの中の締め付けは以前にも増して凄まじく、

一度根元まで穿たれてしまえば、内壁全体が俺の肉茎をすり潰さんばかりに強く絡みついてくる。

 

「あ……くっ……っ」

 

あまりの狭さと熱量に、

欲望の限界が急速に近づいてくるのが分かった。

 

「……テトラ……俺もう、いくっ……!」

 

腰を速めながら余裕なく吐き捨てると、

テトラは俺の胸元に顔を埋めたまま、

大きく首を振って駄々を捏ねる。

 

「い、いやだぁ……っ、ぜったいに……だめぇ!!

 もっと、おちんちんパンパンしてよぉ……っ! 

 んぁっ、あぁぁッ……!!」

 

「もっとぉ……っ、もっと、して……ぇっ! ひぐっ、ぁぐ……ッ!」

 

「こんな、んじゃ……ぜんっぜん、たりないから……ぁ……っ!!」

 

「……あた、し……あたし、ね……?

 ずっと……ずっとぉ…………

 りんくのおちんちんっ……がまんしてたのぉ……っ!」

 

「おまんこ……ずぅっと……さみしかったのぉ…………」

 

「だから……もっと、ぱんぱん……

 ぱんぱんして、もっとおまんこ満たしてえええ!!!!」

 

快楽に蕩けきった瞳で、獣のように鳴き叫び、

必死でおねだりしてくるテトラ。

 

普段の気高さを完全に脱ぎ捨て、

ただの欲しがりな雌として俺にしがみつく姿に、

さらに理性が焼き切れそうになる。

 

「……そんなに、焦らなくたって!!」

 

「この後も……いっぱい、できるだろ……っ!?」

 

荒い息を吐きながら俺が叫ぶように告げると、

テトラはトロんとした表情で、満足そうに頬を緩めた。

 

「え、えへ……っ、しゅる……ぅ……」

 

「りんくと、いっぱい……えっち、しゅる……っ」

 

愛おしそうに俺の耳元へ顔を寄せ、

蜜の滴る甘い声で囁く。

 

「じゃあ……いぃよ……?

 このまま……なかに、ぜんぶだして……?」

 

「えへへ……ひさしぶりの、せいし……はやく、ほしぃ……」

 

その甘美な言葉が引き金となり、

俺の腰が勝手に跳ねた。

 

最奥を強く穿つと同時に、

耐えきれなくなった塊が一気に弾け飛ぶ。

 

「あぁっ……!!」

 

ドクドクと、脈打つ肉茎から熱い肉汁が、

テトラの子宮口へ向けて激しく吹き出していく。

 

「ああっ……あぁぁぁあああああっっ……!!!? 

 ひゃぐぅぅううッ……!!??」

 

俺が射精したその瞬間、テトラの膣内が狂ったように波打ち、

彼女も同時に絶頂へと叩き落とされた。

 

背中を弓なりにしならせ、

「がっ……あ゛ぁッ……!!」と喉を詰まらせるような凄絶な悲鳴を上げながら、全身をビクビクと激しく痙攣させるテトラ。

 

俺は長く、強く吐き出し続けながら、

逃がすまいとテトラの頭を抱え込み、その唇を貪るように塞いだ。

 

んちゅ、むちゅ、と卑猥な水音が、

二人の間で激しく鳴り響く。

 

四ヶ月という途方もない空白期間と、

お互いが抱えていた底知れない孤独を埋め尽くすかのように。

 

お互いの唾液が口内を満たし、溢れ出し……

まるでこのまま二人の体液で、

溺れてしまうのではないかと錯覚するほど、

濃厚で深い口づけをイった後もずっと交わし続けた。

 

「んむっ……ん、ふっ……ちゅっ、ぁ……っ」

 

「ちゅう……だぁいしゅき……ぃ……

 ずぅーと……これ、してたい……っ……」

 

射精が終わってもなお、俺のイチモツは萎えるどころか、

テトラの温もりに反応してギンギンに硬く太たままだ。

 

中を満たしたまま硬度を増していく感触に、

テトラは恍惚とした笑みを浮かべ、荒い吐息を漏らしながら喜んだ。

 

「あはっ……すごぃ……まだ、こんなにカチカチ……」

 

「じゃあ、約束通り……この後も、

 いっぱい……あたしを犯してもらうよ、リンク……っ」

 

一瞬だけ、普段の意地悪な表情を浮かべるテトラ。

 

濡れた瞳で俺を見つめ返しながら、

彼女は再びキュッと奥を締め付け、

俺の首に愛おしそうに腕を回すと、すぐさま発情期のような雌の表情に戻っていった。

 

 

……

…………

 

「はぁ……はぁ……っ、

 それじゃぁ……おそうじ、してあげるね?」

 

テトラが荒い息を切らしながら、引き抜かれたばかりのドロドロの白濁液に塗れたイチモツを見つめる。

 

どこか誇らしげに大口を開け、

んべぇっと愛おしそうに舌を突き出す。

 

「んむっ……ちゅ……れろれろ……っ」

 

先端を舌で包み込むと、まずは亀頭の傘の裏に溜まった汁を、

ゆっくりと、ねっとりと味わうように舐め取っていく。

 

ジュボっ、ジュルッ……と卑猥な音を響かせながら、

一本一本の筋を確かめるように舌先を滑らせていくテトラ。

 

空白を舐め埋めるような丁寧さで、

余すことなく俺の汚れを舐めとっていく。

 

「んぐっ……!? おぇ、ぐ……っ」

 

そのまま深く喉奥までイチモツを呑み込むと、

喉壁が敏感な先端を強く圧迫し、テトラの体に小さな拒絶の痙攣が走る。

 

喉を鳴らして苦しそうにえずきながらも、

テトラは決して口を離そうとはしない。

 

それどころか、涙目で俺を見上げながら、

わざと喉奥をキュウキュウと締め付け、イチモツを擦り付けてきた。

 

「んぶっ……んむぅ……っ、ジュプ……ジュルルッ……」

 

喉奥の肉壁と濃厚な唾液に包まれる感触に、

腰が浮きそうになる。

 

すでに三回もテトラの中に、

種子を注ぎ込んだ後だというのに。

 

彼女の熱い口内と貪欲な奉仕によって、

俺の肉茎は急速に血を集め、すぐに恐ろしいほどの硬さを取り戻していった。

 

「ふふっ……あはっ……また、復活したね…………」

 

口の端から白だくの液を垂らし、

テトラがいたずらに口角を上げて笑う。

 

その瞳には狂おしいほどの歓喜が宿っており、

満足そうに吐息を漏らしながら、

再び俺の上に跨ろうと腰を持ち上げた。

 

……だが。

 

俺はその華奢な腰を、手で静かに制止した。

 

 

「……メドリのとこ……そろそろ、帰らなきゃ…………」

 

 

俺の口から出たその言葉に、

テトラの動きが、ピタリと止まる。

 

歓喜に満ちていた彼女の表情が、

一瞬で切ない哀愁に塗りつぶされていった。

 

 

「……そう、だよね…………」

 

 

「…………ごめん、ね……」

 

 

絞り出すような声で呟き、

入り口に宛がっていたイチモツから、引き裂かれるような想いで寂しそうに腰を上げようとするテトラ。

 

 

——その瞬間。

 

 

俺はテトラの身体を力任せに抱き寄せ——

そのままベッドの上へ、逆に押し倒した。

 

「……ッ!? り、りんく……?」

 

驚きに目を見開くテトラを見下ろし、

耳元で、低く呟く。

 

「だから……俺が上になるね?

 そっちの方が……早くイケると思うしさ」

 

「ぇ……あっ——」

 

返事を聞く間もなく、

俺は彼女の中にイチモツを根元まで一気に叩き込んだ。

 

パンッ!!と激しい打撃音が部屋に響き渡る。

 

「あぁぁぁあッ!? ひぐぅっ、ぁあ゛ぁっ……!!」

 

今日は、これが最後だと言わんばかりに。

 

残った体力をすべて使い果たすように、

俺は獣となって、テトラの最深部を破壊するかの如く激しく突き上げていく。

 

「あ゛っ、あ゛ぁぁッ!!

 しゅごいっ、しゅごいいいいいッ!!」

 

「ご、ごわれぢゃうっ!!

 あだま、おかしくなっぢゃうぅぅううッ!!」

 

テトラもまた、理性を完全に投げ捨て、

獣のように野性的な声を張り上げて喘ぎ散らす。

 

容赦のない激しいピストン運動の末、

彼女の奥の奥で思いっきりにフィニッシュを迎えた。

 

「あぁっ……!!」

 

「ひゃぐぅぅううッ……!!?」

 

最奥に爆発的な熱量が注ぎ込まれ、

二人は同時に狂ったような絶頂へと叩き落とされた。

 

長く、深く注ぎ込み終えた後、

ゆっくりとイチモツを引き抜く。

 

その瞬間——

 

テトラのアソコから、

ぷしゃぁと、勢い良く蜜が漏れ出る。

 

「ゃ……やだぁ…………だめぇ……、

 おしっこ……とまって……ぇ……」

 

「……は、はずかしぃ……よぉ…………」

 

テトラのアソコからはしばらく……

溢れ出た白濁液と共に、チョロチョロと透明な潮が垂れ流れていた。

 

止めようと、アソコを手で必死に抑えるが、

テトラの蜜は、暫く止まらなかった。

 

次第に……諦めたように、

手がぺたりと、ベッドに力無く沈んだ。

 

テトラは、そのまま……

 

力尽きたように……

すやすやと眠りに落ちていった。

 

その表情には、

一切の毒や狂気は残っておらず……

 

ただ、満ち足りた幸福感に包まれているようだった。

 

 

……

 

俺は静かに服を着替え……

荷物をまとめる。

 

生まれたままの姿で横たわる彼女に、そっと布団を被せ、

短く呟いた。

 

「じゃあね……テトラ」

 

 

 

 

「また、必ず来るから……」

 

 

 

 

テトラの家を出ていく時——

眠っていて聞こえていないはずのテトラの顔が、夢の中でその言葉を聞き届けたかのように。

 

幸せそうに、ふっと優しく微笑んでいた。

 

 

⸻

 

 

俺は、もうこの先——

どうすべきなのか、とっくに覚悟を決めていた。

 

 

これ以上——

メドリを壊し、踏みにじり、穢したくはなかった。

 

 

メドリには……

あの頃のように明るく無邪気で、誰の意思にも染まらない、

澄み渡った自由な存在のままでいて欲しかった。

 

……もっとも、既に手遅れなのかもしれない。

 

俺の中の倫理観という名のブレーキは、

ガノンの脳天を突き殺したあの日から、

とうの昔に砕け散っているのだから。

 

 

『クズで、どうしようもなくたって……それで良いじゃないか』

 

 

『それが……アンタなんだから』

 

 

『無理に……綺麗になろうとしなくたっていいんだよ』

 

 

……テトラは、俺の泥のような醜さを嘲笑いながら、

優しく、包み込むようにそう言ってくれた。

 

 

その通りだ。

テトラの言う通りなんだ。

 

 

だからこそ——

俺は、自分の手によって——

 

これ以上メドリが惨めに壊れていく姿を……

絶対に見たくなかった。

 

メドリを、俺という醜悪な呪縛から解き放つこと。

 

それだけが——

今の俺に残された、人間としての最後の抵抗であり。

 

そして、一番の身勝手な快楽なのだから。

 

 

 

やっぱり、空は……

俺の手の届かない場所で、ずっと自由なままがいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

【番外編】

 

『英雄の代償と、空への焦がれ』

 

※グロ描写があるため、苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

死にかけのモリブリンが苦し紛れに放った槍が、

俺の頬の薄皮を、わずかに掠める。

 

直前に気付き、

己の剣先で飛来する軌道をほんのわずかに逸らした。

 

 

……鬱陶しい。

 

 

既に虫の息だったモリブリンの脳天へ、

間髪入れずに、素早く矢を穿つ。

 

その惨劇を目撃したタートナックが、

武器を放り出して背を向け、逃亡を図る。

 

 

……頼むから、無駄な手間を増やさないでくれ。

 

 

逃走する背後へ一瞬で氷の矢を放ち、

タートナックの全身を分厚い氷塊の中に押し込めた。

 

氷は、いい。

 

耳をつんざくような、

けたたましい絶叫や断末魔を聞かずに済むから。

 

氷が解け出す前に強烈な蹴りを叩き込み、

一気に砕いた。

 

砕け散る氷片と共に、凍りついた肉塊が地面に散乱する。

その瞬間、背後に殺気を孕んだ気配を感じた。

 

 

 

——ブンッ

 

 

 

……うおっ。

 

頭上を、空気を切り裂く大剣の風圧が通り過ぎる。

 

また、タートナックか。

 

……それにしても、様子がおかしい。

 

甲冑の隙間から見せる肩を激しく上下させ、

全身を酷く震わせている。

 

鉄仮面の奥にある瞳からは、涙すら流れていた。

 

……ああ、今砕いたコイツの友人か何かだろうか。

 

燃え上がる怒りに身を任せ、

猛然と二撃目を繰り出そうとするタートナック。

 

……遅い。

 

奴が剣の柄を返し終えるよりも早く——俺の指先が、

兜の隙間をすり抜け、タートナックの目玉へ一直線に突き刺さった。

 

ぐちゃり、と肉壁を力任せに破る……

柔らかく湿った嫌な感触。

 

指甲の先が眼球の弾力をぶち破り、

その奥にあるドロリとした粘液と神経の束を、

容赦なく押し潰していく。

 

そして——

躊躇なく、一気に引き抜いた。

 

抜いた指先が、ヌルリとした鮮血と、

溢れ出た涙の混ざる……どこかさらさらとした赤色に染まる。

 

今まで味わったこともないであろう激烈な劇痛に、

「ぐがああああああああ!!」と、喉を焼き切らんばかりの大絶叫を上げ、激しくのたうち回りながら地面へ倒れ込んだ。

 

 

……コイツは、おそらく実戦経験が浅い。

 

 

これだけの至近距離に踏み込まれながら、

なお長柄の刃を使うことに固執している。

 

騎士道? 卑怯?

……くだらない。

 

間合いの潰れた接近戦では、

大剣を振り抜くよりも素手の方が遥かに速い。

 

威力など低くても構わないのだ。

 

急所を的確に抉りさえすれば、

それで終わる。

 

激痛にのたうち回るタートナックの首を、

上段からの一撃で叩き斬った。

 

……悪かったな、余計な痛みを与えて。

 

だが、すぐにそっちへ送ってやった。

 

きっと今頃……

あの友人とも再会できているはずだ。

 

 

……

…………

 

二時間後。

 

辺りには、

見慣れすぎた惨劇の光景が広がっていた。

 

数え切れないほどの魔物の死骸。

 

岩肌の隙間を埋め尽くす、

塗れ重なった血肉と臓物。

 

鼻をつく強烈な鉄の臭いも、

今では呼吸の一部のように馴染んでしまっている。

 

ふぅ、と重い息を吐き、

剣を鞘に納めようとした——その時。

 

 

ガタッ。

 

 

魔物が木と草を粗雑に組み上げて作った家屋から、

一瞬だけ物音が響いた。

 

……チッ、生き残りがいたか。

 

隠れてたのか。

 

まあ……いいけど。

 

俺は深い溜息を吐きながら、炎の矢を静かに構え、

引き絞った弦を解き放った。

 

 

 

……

 

「ぐあぎゃあああぁあああ!!!!!!!」

 

「がぎがかげげるごがぎごゔぁああああああ!!!!」

 

燃え上がる家屋から届く、悍ましくも痛々しい断末魔。

 

……しくじった。

 

こういう声を聞きたくないから、

気をつけているというのに。

 

だが、いちいち怪しい建物に足を踏み入れて、

索敵する方が遥かに面倒だ。

 

天秤にかければ、

不快な雑音を聞くリスクの方わずかに軽かった。

 

「ぐ、げげ、げ……げ…………」

 

炎に包まれながらもがき苦しみ、

外へ転がり出てきたのは、小さな魔物だった。

 

おそらく、プチブリンのような、

そういった小柄な種の魔物ではない。

 

 

 

……子供なんだ。

 

 

 

幼く、小さすぎる子供。

 

黒焦げの手をこちらへ必死に伸ばし、

助けを、命の赦しを乞うように求めてくる。

 

命の灯火が消えていく様を……

俺は冷め切った目でぼんやりと見つめる。

 

……見逃さなくて、正解だった。

 

このまま討伐完了としてギルドに報告し、後から「撃ち漏らしがあった」と依頼主から小言を言われるのも疲れる。

 

だからといって——

 

島中の建物を全て焼き尽くせば、

それはそれで「貴重な住居用資材が消えた」と文句を言われる。

 

人間はつくづく我儘だ。

 

子供の魔物が残っていたから、

何だというのか。

 

土壇場で隠れようとするのは、

だいたいが雌か子供だ。

 

……こちらに、殺意すら向けてこない者まで、

俺はこの手で、殺さなければいけないのか。

 

雄共はいい。

 

勇敢にも無謀にも、

俺の刃に向かって挑んきてくれる。

 

そっちの方が、どれほど気楽か。

 

向かってくる殺意に、

ただ殺意を突き返して斬り捨てればいいだけだから。

 

後味も、寝覚めも悪くならない。

 

 

……英雄、か。

 

 

つくづく、勝手のいい言葉だ。

 

ギルドへ帰れば、かつての勇者だの英雄だのと、

飾られた綺麗事の言葉で持て囃される。

 

魔物を何体殺したところで、

なんだと言うんだ。

 

……これが、誉れ高い行為だとでも?

 

かつての俺は、

間違いなく勇者だった。

 

いや——自分は勇者なのだと、

無邪気に、思い込んでいただけなのかもしれない。

 

赤シャチの王と共に大海原を駆け巡り、

数々のダンジョンを攻略した。

 

魔物の亡骸の山を、幾つも築いて。

 

だが、それには——

 

ガノンを討って世界を救うという、

誰もが認めて疑わない大義名分があった。

 

 

 

 

……それが今では、このザマだ。

 

 

 

 

もう、疲れた。

 

はやく帰りたい。

 

ぼんやりと考える俺の頭上に、

雲間から眩しい光が差し込んでくる。

 

……ようやく、晴れた。

 

さっきまで、

曇ってたのにな。

 

空は——どこまでも、自由だ。

 

透き通るように澄んだ日もあれば、

不機嫌になったみたいに雨を降らせる。

 

かと思えば——

突然、ご機嫌になったように、

眩しく晴れ間を覗かせる。

 

そこに、人の意思は介入できない。

 

……なんて、美しいんだ。

 

何者にも染まらない、

広大な自由の象徴。

 

俺は……それが欲しい。

 

自分のものになんて、ならなくて良い。

 

ならない方が、良いのだ。

 

ただ、手を伸ばし続けたい。

 

届かないからこそ、

そこには夢がある。

 

 

……。

 

 

……だが、俺は強欲にも、

自分のモノにしようと——穢した。

 

醜い、己が存在を——

身の程を弁えずに、刻みつけようとした。

 

 

……。

 

 

……。

 

 

 

 

でも……

 

 

それでも、俺は……

 

 

 

 

 

一緒にいたいよ……メドリ。

 

 

 

 

⸻

 

 

願望とは裏腹に——

 

 

徐々に晴れていく空から、

俺は目を離すことができなかった。

 

ぼんやりと、ずっと。

 

空の色が、澄んだ青から滲んだ紅に表情を変えるまで。

 

俺は——

ただ、空に見入っていた。

 

 

 

 






ジュウヨンです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。

長くは語りません。

とにかく、エロ描写を頑張りました。

それだけです。

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