直接的な描写は少なめですが、若干エロ有です。
苦手な方は、ブラウザバックお願いします。
あれから——
テトラと、何度も獣のようにお互いを求め合って……
俺は深い眠りについていた。
だが……
朝、コンコンと静かなノックの音で目を覚ます。
「んぅ……もう……朝早くに、いったい誰だい……?」
テトラが、あられも無い姿のまま……
眠そうに目を擦った。
「ちょっと……俺、出てくるよ」
テトラにそう告げて、
急いで服を着ながら玄関の方へ向かう。
テトラはまだ眠たいらしく、
布団を被り直して再び眠りについた。
……。
……廊下までの数歩が、やけに長く感じられる。
さっきまでテトラと貪り合っていたせいで、
全身が鉛のように重い。
……やっとの思いでたどり着き、玄関の扉に手を掛ける。
ギギィと鈍い音を立てて、ゆっくりと扉を開けた。
……。
……俺は、自分の目を疑った。
まだ、寝ぼけているんだろうか。
パチンと、頬を叩いてみる。
……けっこう、痛い。
てことは……これは夢じゃない。
そこに立っていたのは——
紛れもない、あのメドリだった。
「り、リンクさん……お久しぶりです」
「突然、朝早くにごめんなさい……」
いつもと変わらない丁寧さで、深々と頭を下げるメドリ。
「私……実は、謝りたかったんです」
……へ、謝る?
メドリが……?
「リンクさん、何度も謝りに来てくれたのに……」
「話し掛けてくれてるのを……全部、無碍にして……」
「私……どうかしてたんです」
心からの申し訳なさそうに、
メドリが瞳を揺らした。
「コモリ様にも……私から、よく言っておきますから」
「だから——
もう私と会わないなんて、言わないで……っ」
ぽろぽろと、大きな涙がその頬を伝い落ちる。
……。
……俺は、頭が追いつかなかった。
なぜ、メドリがここにいるのか。
なぜ、謝っているのか。
そして——
なぜ、そんな涙を流しているのか。
メドリが悪いことなんて、一つもないのに。
……情けない。
俺は堪らなくなって——
思わずメドリを強く抱きしめていた。
メドリの体が、ビクリと小さく跳ねる。
……あ、しまった。
あまりの動揺に、勝手に体が動いてしまった。
「ご、ごめん……つい……」
焦って体を離そうとする俺。
だが——
メドリの腕が背中にしっかりと回され、
離れることを許してくれなかった。
「リンクさん、もういいんです……」
「この前のことも……私が馬鹿でした」
「無防備にリンクさんのお部屋にお邪魔して……
私がダメだったんです」
「男の人は……好きな女の子と二人きりになったら、
そういうことが、したくなっちゃうんですよね……?」
俺の胸に、ぽすんと顔を埋めて囁く。
「ほ、本当は……
私、全部が嫌だったわけじゃないんです」
「あ……ち、違いますよ?!
避妊もしないで無理矢理してきたことには……
わたし、未だに怒ってますからね?!」
グイッと、
腕を回したまま俺の背中の肉をつねってくるメドリ。
……すごく、痛い。
意外と力強いんだな、この子。
「だから……あの日のことは、お互いに忘れましょ?」
「私……リンクさんと、関係をやり直したくて」
メドリが、
チラチラと俺の背後の玄関の方を気にし始める。
「ここでお話しするのもアレですし……
お部屋、入っちゃダメですか?」
ニッコリと、
どこか期待を込めた笑顔で問いかけてくる。
……まずい。
あまりにも、まずい。
部屋の奥には……
テトラが眠っている。
絶対に、メドリを入れるわけにはいかない。
「あ、いや……今日はやめとこう?」
「部屋、めっちゃ散らかってて……足の踏み場もないからさ……」
メドリが、パーッと表情を輝かせた。
「じゃあ、お部屋のお片付け手伝いますよ!」
「お掃除は、とっても得意なんです!!」
……胸が痛む。
だが——引き下がるわけにはいかない。
「いや……あのさ」
「メドリに……そんな、汚い部屋を見られたくないんだ」
「ちょっとくらいは、カッコつけさせてよ」
……我ながら、苦しすぎる言い訳だ。
「だから……
また今度遊びに来てよ、ね?」
メドリが、上目遣いでじっとこちらを見つめてくる。
そして、むすぅーと頬を膨らませた。
「もう……ひどいです」
「わたし、せっかく久しぶりにお外に出てきたのに……」
「まさか……。
部屋に、女の人がいるんじゃないでしょうねぇ……?」
あからさまな疑いの眼差し。
「あ、いや、そんなわけ……ないだろ」
「俺、ほんと……
あれからずっと落ち込んでたんだって」
「メドリと……もう会えないて思ったら、さ」
必死に誤魔化すと、
メドリは観念したように大きな溜息をついた。
仄かに、頬を染めながら。
「たしかに……髪もボサボサですし……
なんだか、顔色も悪いですもんね……」
「はぁ……もう、わかりました。
じゃあ、今日はもう帰ります……」
「だけど——
絶対に、浮気はしちゃダメですからね?」
……。
……ん?浮気?
メドリは、何を言っているんだ?
「え……浮気?」
「ど、どういうこと……?」
へっぴり腰になりながら、恐る恐る聞き返す。
するとメドリは、ぽっと頬を染めて答えた。
「ふふ……だって、
リンクさんは私のことが好きなんですよね……?」
「私も……その……
リンクさんのこと、好きですし……」
「無理やりとは言え……その……
え、えっちなことも……した、わけですから……っ」
「要するに……
お付き合いするってことで、良いんですよね?」
……頭の中が、真っ白になった。
あ、いや……嬉しい。
飛び上がるほど嬉しいはずなのに。
あまりにも怒涛の展開すぎて、
朝の頭では処理が追いつかない。
え……俺、メドリと付き合えるのか……?
ま、マジで……?
じゃあ、もう……
それで良いのかもしれない。
「う、うん……!」
「じゃあ……これからよろしく」
困惑と歓喜が混ざり合ったまま……
メドリの体をさらにギュッと強く抱きしめる。
メドリも嬉しそうに、背中に回した腕にギュッと力を込めてきた。
「リンクさん……私、とっても幸せです」
「竜の島には、しばらく来にくいと思うので……
これからは、私がリンクさんのお部屋に通いますね!」
「じゃあ、また明日も来ますから!」
「それまでに……
お部屋しっかり片付けておいてくださいね!」
そう言って俺から体を離すと、彼女はパタパタと翼を羽ばたかせ、
朝空へと飛び去っていった。
遠ざかっていくメドリの背中を見送りながら、
俺はただ呆然と立ち尽くしていた。
……夢、じゃないよな。
腕に残るメドリの温もりと、
背中をつねられた鈍い痛みが、すべて現実だと物語っている。
俺は——
メドリと、付き合えることになった。
ずっと胸を締め付けていた罪悪感が一気に吹き飛び、
頭の中が歓喜で満たされていく。
……だが。
背後から、ギギィ……と扉が鈍い音を立てて開き、
重苦しい空気が玄関から流れ出してきた瞬間、
俺の血の気は一気に引いた。
「……ふーん、」
怠惰で、どこか冷ややかな声。
俺の着古したシャツ一枚だけを羽織ったテトラが、
ドアの隙間から顔を出していた。
はだけた胸元や華奢な首筋には、
昨夜俺が刻みつけた生々しい赤紫の痕がくっきりと残っている。
テトラは碧色の瞳を細め、
メドリが飛び去った空をじっと見つめていた。
「……ずいぶんと甘いお別れをしてたじゃないか、リンク」
「テ、テトラ……起きてたのか……?」
「ふっ……『浮気はダメ』って、ねぇ……」
テトラはくすりと小さく笑うと、外へと一歩踏み出し、
俺の背中にぴったりと身体を寄せてきた。
細い腕が俺の腰に回され、昨夜の生々しい感触と密めいた匂いが、
鼻腔を強く刺激する。
「あの子……すっかり、アンタの『彼女』気取りだねぇ」
耳元で囁かれる甘い毒のような声。
「ねえ、リンク……
あたしと、あんなにドロドロに混ざり合っておいて……
本当に、メドリと普通に戻れると思ってるのかい?」
「……あんたは、メドリを無理やりに犯して、傷つけたんだよ?」
「それなのに、付き合うって……
チャンチャラおかしい話じゃないか」
「あの子に言えるのかい? 『さっきまで、テトラと何度もヤッて、
中にも口にもたくさん出しました』って、さ……」
テトラの指先が、
俺の服の上から股間をなぞるように滑り落ちていく。
「ここも……いっぱい、
気持ち良くしてもらいました……って」
「包み隠さずに……言えるのかい?」
「っ……!」
言葉が詰まる。
メドリが笑って、
『やりなおしたい』と言ってくれた奇跡。
それと同時に……
俺が昨夜テトラに救われ、
彼女に堕ちていったという動かせない事実。
救われたはずの絶望の先に、さらに深く……
二度と抜け出せない泥沼が広がっていることに、
俺は今更ながら気づかされた。
「ふふっ……別に、いいんだけどね?」
テトラが、穏やかな声音で告げた後——
優しく、俺を部屋の中に引っ張り入れる。
全身の力が抜けきっていた俺は、
抗うこともできずにテトラの柔らかい胸の中へと吸い込まれた。
……こいつの体。
なんか……落ち着く。
「あたしはね……
アンタが幸せなら、それで良いんだよ」
「……じゃあ、あたしはここらへんで帰るとするさ」
テトラの呆っ気ない言葉に、思わず動揺が走る。
「……え、服とか大丈夫なのか?」
「色々……びっしゃびしゃだけど……」
「乾いてからの方が、良くない……?」
昨夜……途中、衣服を身につけたまま貪り合ったせいで、
彼女の服は、お互いの体液を吸って酷く濡れてしまっていた。
「あぁ……そう、だったね」
「悪いけど、アンタの服を借りて……さっさと帰るとするよ」
「浮気、しちゃ……ダメなんだろ?」
テトラが悪戯っぽく口角を上げる。
その瞬間——
胸の奥が、ドクンと嫌な跳ね方をした。
……コイツ、こんなに可愛かったっけ。
メドリとやり直せるはずなのに、
テトラのふとした表情から目が離せなくなる。
……
…………
テトラは、すぐに用意を終えた。
「……じゃあ、ね……リンク」
俺のダボついたシャツに着替えた彼女が、
再び玄関へと向かう。
「あたしの服……さ、
悪いんだけど、そのまま置いといてくれるかい?」
「また……いつか、取りに来るからさ」
「もちろん……メドリには、バレないようにするよ」
そう言って、扉の取っ手に手をかけた。
「それじゃぁ……ね、」
「ばいばい、リンク……」
浮かべたのは、あまりにも優しく、
そして——今にも崩れ去ってしまいそうな笑顔。
どこか寂しげで、すべてを諦めたようなその表情を見た瞬間。
俺の身体が、思考より先に動いていた。
——ガシッと、テトラの肩を掴み、
後ろから強く抱きしめる。
……。
……。
俺は……このまま、
テトラを離したくはなかった……
「……なに、するんだい?」
俺の腕の中で、
テトラの体が小さく震えていた。
「あんた……メドリと、付き合うんだろ?」
「浮気しちゃ……ダメなんだろ?」
「……離して、よ」
テトラの華奢な身体が、
怯えるように微かに震えている。
「ごめん……」
「しばらく——
このままじゃ……ダメかな?」
逃げ場を塞ぐように、
彼女の耳元で赦しを乞うように囁く。
テトラは呆れたように小さく息を吐き、
身体をあずけてきた。
「……はぁ、リンク。
あんたって奴は、困ったもんだねぇ……」
「もう……本当に、
あとちょっとだけだから、ね……?」
テトラが、胸の中でくるりと俺の方へ身体を向ける。
……よく見ると、目の周りが、
泣き腫らしたように真っ赤だった。
それを見た瞬間、
胸が……押し潰されそうなほど、強く締め付けられる。
——だから。
そのまましばらく、
俺たちは玄関で互いの体温を確かめ合うように、
ギュッと強く抱きしめ合った。
だが——
肌と肌が密着し、呼吸が重なるにつれ……
お互いの身体が、再びどろりとした熱を帯びる。
呼吸はだんだんと荒くなり、
お互いの股間をゴソゴソと弄り始め……
息は、自然と混ざり……
気がつけば、貪るようにお互いの唾液を交換していた。
必死に求め合った後、プハァ……と、
同時に息継ぎを行う。
必然、
目線が重なる。
トロンと、
テトラの瞳はドロドロに溶けていた。
……多分、俺も。
少しだけ、視線を落とす。
シャツ越しに、薄く透けた彼女の下着を見て……
俺の喉は、自然に声を発していた。
「テトラ……もっかい、ベッドいこ?」
「…………うん、いいよ」
それが罪だとお互いに分かっていながら、
俺たちの理性が過ちへと傾いていくのに……
時間は、まるで掛からなかった。
ジュウヨンです。
一気に、書き殴りました。
これから、メドリとの交際が始まっていきます。
もう既に不穏な空気が漂ってはいますが……
二人は、上手くいくのでしょうか。
テトラは、一体どうするのでしょうか。
今後とも、よろしくお願いします。