あの日——
メドリが、最後に俺の家に来てから、
一週間以上が経過していた。
……メドリが、突然ウチに来なくなった。
『明日もまた来ます!!』
『食べたい物があったら、言ってくださいね!?』
『明日も、楽しみにしていますから……ね?』
そう——
明るく、笑いかけてくれていたはずなのに。
……まさか、帰る途中に魔獣に襲われたのか?
いや……俺との密会がバレて、
竜の島に軟禁されているのかもしれない。
……なんにしても、穏やかな話ではない。
だが——竜の島にいるのであれば、
なんだかんだきっと安全だろう。
メドリは、賢者だ。
リト族の中でも、特に大事に扱わなければいけない存在なのだから。
……それ以外の場所を、探そう。
最悪のケースを、想定しなければ。
⸻
それから俺は、
徹底的に魔獣の住処や周辺の島を巡っていった。
討伐の仕事を片手間に、必死の思いでメドリを探す。
……いない。
どこにも、いない。
「……メドリ、」
「なんで……居なくなっちゃったんだよ……」
意思とは裏腹に、ぽろぽろと独り言が溢れ出す。
……きっと、俺はメドリのことを本当に愛していたんだ。
メドリは——近づくことも、
触れることさえも許してくれなかった。
……だけど。
それでも、あの屈託のない笑顔に。
俺は——
毎日、救われていた。
⸻
討伐を終え——
返り血に塗れながら、タウラ島に帰還した。
船着場に舟を停め、波止場に足を降ろして、
ぼんやりと錨をくくり付ける。
もう……すっかり陽も落ちて、
辺りはしんと静まり返っていた。
……メドリが来なくなってから、
テトラとは一度も会っていない。
俺から連絡をしなければ、
テトラが何か言ってくることはなかった。
メドリが来なくなった朝、俺を襲ったのは——
誤魔化しようのない、猛烈な焦燥だった。
……何も、手に付かない。
まさか、俺がこんなになるなんて……
少しも、想像もしていなかった。
……。
俺は、ただメドリと一緒にいたかったんだ。
ただ、純粋に……。
笑い合いながら、自然に互いの体に触れて。
愛し合いたかった。
……だけど、決して触れる事は許して貰えなくて。
過去の俺の過ちが……
現在の俺の足に泥のように絡みつく。
それが辛くて、テトラに——
ドロドロとした欲望をぶつけて。
……俺は、本当に最悪だ。
満月の冷たい光だけが——
虚しく俺の影を伸ばしていた。
……
…………
ボンヤリと歩きながら、
アパートの方に向かって脚を進める。
前までなら……家に着くと。
メドリが、美味しい料理を作って待ってくれていた。
『あ、リンクさんお帰リなさぁい!!』
『ご飯、出来てますよ!!』
『それに、お風呂も沸いてますから!!』
『……あ、気づいちゃいました?
お部屋すっごく綺麗になったでしょ!?』
『リンクさんに、喜んで貰いたかったんです!』
いつも真っ直ぐで。
精一杯を、俺にぶつけてくれる。
……俺には、勿体無さすぎる女の子だった。
でも、俺は——
そんな彼女を、容易く裏切った。
だから、
きっとバチが当たったんだ。
……。
……メドリに、会いたい。
俺の側に……ずっと、居て欲しい。
もう——
それだけで、いい。
……
…………
アパートの前に着くと、
自分の部屋の窓に目が行く。
明かりは……点いていない。
もしかしたら——
メドリが帰って来てくれてるかもしれない。
合鍵だって、渡したままだし……
きっと、いつかメドリは帰ってくる。
……。
そんな儚い願いは、
淡く形を成さないまま、暗闇へと途絶えていく。
玄関の扉の前に立ち……
鍵穴に鍵を差し込み、ぐるりと回す。
……。
……あれ?
手応えが、ない。
開錠した時の、カチャリという重い音が響かない。
……ということは、
鍵が開いているのか?
閉め忘れたのか?
いや……違う。
多分、もしかしたら……。
俺は、かすかな高揚感を胸に押し込みながら——
静かに扉に手を掛けた。
⸻
暗闇の中——
窓辺で、メドリが満月をぼんやり見つめていた。
ただ、ボーッと。
丸々とした大きな瞳は、一切動かない。
俺が帰ってきた音にすら、
気づいていないようだった。
俺は足早に駆け寄り、
メドリの華奢な体を後ろからそっと抱き寄せる。
壊さないように、ふんわりと。
「……メドリ、今までどこ行ってたんだよ」
「…………」
「すごく……心配したんだからな……」
「…………」
……メドリは、何も答えない。
俺の腕の中で、ただ呆然と佇んでいる。
力もこもっていなくて、体温もどこか冷ややかで。
……まるで、魂の抜け落ちた人形のようだ。
だけど——俺は、
どうしようもなく嬉しかった。
拒絶、されない。
メドリに、触れられる。
——だけど、それよりも。
メドリがこうして側に居てくれるだけで。
それだけで、良かった。
メドリの柔らかい髪をフワリと撫でて……
溢れそうになる涙を必死に堪え、
嗚咽を強く噛み殺す。
そうして——
10分ほどの静寂が流れた頃だろうか。
メドリが……突然、
ぽつりと言葉を発した。
「……リンクさん…………」
消え入りそうな掠れた声を、
俺は必死に拾い上げる。
「……どうしたの?」
なるべく驚かせないよう、
どこまでも優しく問い返す。
「じつは…………おねがいが、あるんです」
力無い声。俺はメドリの肩に顎を乗せ、
静かに首を縦に振った。
……するとメドリは、
ゆっくりと振り返って。
思いもよらない言葉を、確かに紡ぎ出した。
「リンクさん…………」
「……わたしと、えっちしてくれませんか……?」
……。
……思わず、耳を疑う。
だが、そんな俺を置き去りに——
メドリは、さらに続けていく。
「えへへ……」
「本当は……もっと、
後が良かったんですけど、ね……」
「でも……それじゃ……だめみたいで……」
「わたし……ほ、ほんとは……っ」
「……ほんとうは…………ぅぅ……っ」
メドリの声が、
波打つように震えている。
同時に冷え切っていた体が急速に熱を取り戻し、
俺の胸元に埋められた彼女の顔から、ぽろぽろと零れ落ちる涙の湿り気が伝わってきた。
「もう……ゴムをつけてなんて……言いませんから」
「外に出してなんて……
絶対に、言いませんからぁ……」
「リンクさんのこと……
いっぱい、いっぱいきもちくしますから……っ」
「だから…………だ、だからぁ……っ……」
彼女の狂おしい言葉に、
不覚にも俺の下半身はドクンと熱を帯びてしまう。
……ダメ、なのに。
何があったのかは分からないが、
今のメドリは明らかに異常だ。
体を重ねても、メドリのためにならない。
そんなこと……頭では、
分かっているはずなのに……
——その時。
それまで、ずっと俯いていたメドリが——
満月の蒼い光を受けながら……
ゆっくりと、
俺の方に顔を上げる。
瞳を……
真っ赤に腫らしながら。
俺が、今迄に見たこともないような、
妖艶な表情を浮かべて。
だが、それは——
俺が今まで見てきた生き物の中で……
間違いなく、一番綺麗だった。
「……ねぇ、えっちしましょ?」
「わたしの体で……
がんばって、気持ちくしてあげますから……ね……?」
「わたしのアソコ……もぅいっぱい濡れてるから、
挿れたらきっと、きもちぃですよ……?」
「触って、みますか……?」
そこにあったのは、今まで見せたこともないような、
あまりに妖艶で歪んだ微笑み。
そして——彼女は俺の手を惑うことなく引き寄せ、
自らの秘部へと導いて触れさせた。
指先に伝わるのは、
味わったこともないほどの濃厚なヌメリ。
……確実に、とんでもない快楽がそこにあるのだと、
体が本能的に理解してしまう。
俺はもう——
我慢できなかった。
メドリの秘められた割れ目に指を沿わせ、
衝動のままに、乱暴に中へと掻き入れる。
「あっ……んぅっ…………!?」
「はァ……んっ…………り、りんくさぁん……」
唐突な侵入に、華奢な体を大きく跳ねさせ……
甘く切ない悲鳴を、
隠すことなく暗闇へと吐き出すメドリ。
彼女のナカは、キュゥキュゥと俺の指を締め上げる。
締まりの強さと、そのウブな反応……
彼女の経験の少なさを思い出させるのには、十分過ぎた。
だが——
その反応や体とは裏腹に。
かつての……無邪気で純粋だった彼女の面影は、
そこにはなかった。
表情。
仕草。
挑発。
甘い誘惑。
……短期間で、
一体何がメドリをここまで壊してしまったのか。
思考を巡らせる暇すら与えられず、
俺はメドリの薄い唇を強引に奪っていた。
そのまま強引に、舌を捩じ込む。
問いに応えるように、
メドリは俺の舌をじゅぼじゅぼと熱心に咥え込んでくる。
……あまりの興奮と背徳感に、
俺のモノはズボンを押し破らんばかりに獰猛にイキり勃っていった。
メドリはトロンとした目線を下へと落とすと、
穏やかな笑みを浮かべる。
そのまま、卑猥な手つきで、
ズボン越しにその先端をイジイジと弄び始める。
「……あはっ、ズボン越しなのに……
さきっぽから、ヌルヌルしたのいっぱい出てきてますよ……?」
「うわぁ……すっごい、糸引いて……
ビクビクしてて……かわいぃ……」
「まるで、別の生き物みたい……」
さらに——
メドリの手の動きは、速さをましていく。
しつこく、ねっとりと。
だけど——
とても愛おしそうに、指を動かし続ける。
「これ……おくちで、
きもちぃく、してあげてもいいですか?」
「それとも……アソコにします?」
「上のおクチでも……下のおクチでも……」
「たくさん……きもちくなって、
いぃ……っぱい、びゅーびゅーしちゃいましょ……?」
「ふふっ……ぜぇーんぶ……
わたしに、ゴクゴクさせてください、ね……?」
スカートをゆっくりとたくし上げ、
ぼんやりとした恍惚の笑みを浮かべる。
「じゃあ……
まずは、ここ味見しちゃいます……?」
「とっても……おいしそう、でしょ?」
……月光に晒されたそのあられもない姿は、
まるでこの世に舞い降りた淫らな天使のようだった。
「……ほら、舐めて?」
俺はもう……
彼女の要望通りに。
目の前のご馳走にむしゃぶりつく以外——
何一つ、考えられなくなっていた。
メドリを、最初に穢した時以来——
俺と彼女は、久々に一夜を過ごすこととなった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ジュウヨンです。
メドリがいなくなって、彼女を必死に探すリンク。
そもそも、裏でテトラと繋がっていたのに……
本当に、彼は自分勝手です。
結局、あれだけ言ってても、
メドリに執着しています。
……本当に、このリンクはどうしようもないですね。
わたしは、
とにかくメドリを負けヒロインにさせたくない一心です。
ですが……メドリみたいな可愛い子は、
傷ついてる姿も愛らしいです。
今後どうするかは、
これから考えていきましょう。
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