新たな棟梁に選ばれた主人公の命を奪いに来た女アサシン達を返り討ちにして犯し奪い娶る現代ファンタジー 作:三流木青二斎
何事もなく学園へと向かう漆篠夕。
通学路では数多くの学生が登校していた。
その中に入ると、迂闊に攻撃する事の出来ない肉の壁が完成する。
(このまま、一般人を巻き込むか?)
火薬を使用した武器ならば、手元にある。
それを使うにしても、警戒している漆篠には通用するかどうか。
(何も、虐殺を演じたいワケではない)
(無関係な者は殺さない、それこそが暗殺師)
暗殺師には流儀が存在する。
『人気なき場所にて人を殺めるべし』。
人を殺めるにしても最低限のルールを守って行動する。
それが出来ない者は、暗殺師としてではなく、ただの殺人鬼でしかない。
組織が遵守する教えに背けば罰が下る。
それは棟梁不在の現在でも適用されていた。
生徒たちの合間に紛れて登校した漆篠は静かに息を漏らす。
暗殺師が行う気配を絶つ技術。
これにより、校舎内では漆篠夕の存在は認知されていなかった。
そのまま教室へと向かう、扉を開き中へ入る。
教室の中では常に生徒たちの賑やかな声で埋め尽くされていた。
「ねぇ、やってきた?」
と、隣の席に座る女子生徒がビクリと身体を震わせる。
彼女が視線を声のする方に向けると、ニヤニヤと笑みを浮かべながら、少女の事を見下ろしている背の低い女子生徒の姿があった。
(幸本花音、だったか)
彼女の名前を頭の中で思い浮かべる漆篠。
彼女はこのクラス二おけるカースト上位の女性であり、迂闊に彼女に楯突こう者ならばイジメの対象として迫害されてしまう。
故に、多くの生徒たちは彼女のご機嫌を損なわない様に行動しているのだが、影が薄く存在自体を把握されていない漆篠夕にとっては何ら影響もない存在だった。
(あの女を嫌う生徒は多いが……見る分には面白い)
彼女と言う存在に対しての評価は其処まで悪くはない様子だった。
「や、やりました……」
地味な姿をする女子生徒は顔面を蒼白にしながら報告をする。
「そ、なら良かった!それじゃあ……紹介料を貰おうかしら」
幸本の言葉に、彼女は涙を流しながら財布を取り出し、そこから万札を手渡す。
「へえ!結構稼いだのね!!それじゃ……紹介料を差し引いて……はい、十円玉」
幸本は財布から硬貨を取り出すと、それを彼女前に投げ捨てた。
机の上で転がる十円玉は、そのまま机の端まで向かって、そのまま落ちる。
「も、もう……許して下さい……」
両手を硬く握り締めながら、彼女は涙ながらに訴えた。
その言葉に、幸本は身を細めて笑みを浮かべる。
「は?ナニ言ってんの?あんたは私に慰謝料として百万円を渡さないといけないんだから……それなのに、お金がないから、お仕事も用意してあげたのに、そんな態度とるんだ?」
「もう嫌なんです、男の人と、……ば、売春なんて……」
「なに?言い方が古いんだけど、パパ活って言いなさいよ、あんたのパパは私を犯した挙句、金を払わずに消えたのよ?酷くない?だから、アンタが立て替えないとダメなのよ」
「無理……もう耐えられないっ、あぐっ」
幸本によって髪の毛を強く引っ張られる。
顔を上げた彼女に向かって、幸本は低い声で脅した。
「なら辞める?ならアンタは私の敵だから、これまで撮ったハメ撮り動画、全部ネットにバラまくからね?」
「いや!!やめて、やめてください……っ」
懇願する女子生徒の屈服する様を見て、幸本はようやく満足げな表情を浮かべた。
「なら、最初から楯突かないでくれる?こっちもそういうのに対応するほど、隙じゃないんだから」
その言葉を残して、ようやく解放する。
女子生徒は静かに俯いたまま、ただすすり泣く事しか出来なかった。
(……甘いな)
そんな二人のやり取りを見ながら、そう漆篠夕は思った。
彼が脅せば、先ほどのやり取りなどする気すら失せる程に追い詰める。
だが、それを口にするほど、漆篠夕は俗世に対して関心は薄かった。
ただ、この学園内で彼は自分を守る檻として、社会に適応する事だけは徹底していた。
夜中。
マンションの一室にて。
自らの部屋の中で財布の中身を確認すふ幸本花音。
「マジで楽勝過ぎ」
彼女の手によって不幸に落ちた女子生徒は数多く、多くの人間から恨まれていたとしても、それでも彼女だけは幸せに満ちていた。
財布に溢れるパパ活で身体を売った女子生徒たちの努力の結晶。
それを見ながらにんまりと笑い、彼女は自らの目標に近づけた事に興奮の色を覚えている。
「これで、推しのマシトくんに貢げるっ」
マシトとは配信業を営む元ホストの男性配信者である。
ホストと言う稼業から離れ、持ち前のトークと甘いマスクを扱い、様々な女性リスナーを獲得していた。
特に幸本はその中でも上位に位置するトップリスナーであり、彼のためならば多くの課金を費やしてきた強火のファンである。
マシト専用ファンクラブでは、課金額に応じて様々な特典があるのだが、課金額が一位になった場合、一日デート権が発行される。
幸本が狙うのがそれだった。
推しと同じ時間を過ごせるという幸福は、この世の何よりも優先される貴重な時間だ。
この幸せを得られるのならば、彼女は他の人間を不幸に落としても良いとさえ思っている。
「はぁ……あのブスのオヤジからまた電話だ……面倒臭ッ」
溜息を吐く幸本はメールを確認した。
その相手は幸本が誑かしたクラスメイトの父親からだった。
女子生徒を買うように仕向け、ホテルに入ったと同事に半グレを呼び寄せる事で現金を回収出来る。
更に、強請りを続ける事で定期的に収入を得る事に成功していた。
「なに?現金回収日はまだなんだけど?追加で払う気なの?」
と、そう幸本は相手を蔑みながら声をもらしたのだが。
「むごっ?!」
夢心地であった幸本は、突如として彼女は口元を塞がれて肉体を拘束される。
電話越しから聞こえてくる声は、クラスメイトの父親の掠れた声だった。
『散々、愚弄しやがって……だが、今度はオレがお前を強請る番だ』
そう言い放つ。
彼女の目に入るのは、複数の人間。
その多くは黒色の衣装に身を包み、姿は分からない。
(な、に?!誰?!なんで、私の部屋に?!)
困惑しつつある幸本。
彼女が落とした電話を回収すると、黒い影は低い声で通話を再会する。
「……それでは、凌辱を始めます」
『あぁ、頼むよ』
その言葉に、幸本は何を言っているのか理解に苦しんだ。
(なに?りょーじょく?!意味わかんない、離してよっ)
抵抗する幸本だったが。
彼女の衣服を剥かれたと同事に、自分がこれまでやってきた事の報いを受ける事となる。