※この作品はR-18です。

新たな棟梁に選ばれた主人公の命を奪いに来た女アサシン達を返り討ちにして犯し奪い娶る現代ファンタジー   作:三流木青二斎

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第二話

闇の末裔。

影の組織『影灯籠(かげとうろう)』、その集落では、棟梁の死により多くの暗殺師が集っていた。

 

「次の棟梁は?」

「誰になるんだ?」

「決まっている、私の派閥の子だ」

「否、我の派閥の子供だ」

 

その様に苛立ちながら会話をする最中。

後から遅れて、大広間へとやってくる少女の姿があった。

明治風な着物姿を着込んだ、ウルフカットな髪型をする、豊満な肉体をする女性であった。

 

「勿論、ウチに決まってるゃね」

 

 

【挿絵表示】

 

鬼月(きさらぎ)家の次女である鬼月(きさらぎ)愛露(めろ)は高飛車な女だった。

基本的に男尊女卑の思想が根強く遺る家系だが、同時に絶対的な能力主義でもある。

即ち、彼女は女と言う身分でありながら、男の暗殺師よりも上位に位置する術師であると言う事であった。

 

「お父はんの弟はんの方は実力はあんましゃし、ウチの兄はん姉はんも身内争いで仕事に不義理ゃし、ウチだけゃね、血族の中で一番、成果を出してるんは」

 

だからこそ。

鬼月愛露は多くの暗殺に関わる仕事の中で常に上位に位置する程の成績を持つ。

故に、父親の死後、この『影灯籠(かげとうろう)』を継ぐのは自分に他ならぬと。

そう確信しているからこその発現であった。

 

多くの暗殺師達は忌々しい表情を浮かべている。

男性こそ優位な思想を持つからこそ、実力のある鬼月愛露と言う存在が憎々しいのだろう。

 

「なんやね、ウチに文句でもあるん?」

 

薄く引いた笑みと共に、鋭い殺意を剥き出しにしながら憎悪を宿す暗殺師に向けて睥睨する。

彼女の視線を受け取った者たちは、皆、視線を逸らして声をただ押し殺した。

 

「カッスゃねぇ~オス共は、ウチに文句垂れて良いのはウチより強い奴だけゃよ」

 

性格の捻じ曲がった彼女は着物の袴に刻まれたスリットから生足を露出させながら、そのまま鼠径部まで見せつける、本来ならば、このまま押し倒して分からせてやろうと言うのが鬼月家の暗殺師達だが、それが出来ない事を彼女は承知であり、それを知った上で性的な挑発を向けていた。

 

「よっわ、貧弱、度胸なァ、オスに生まれた意味ないゃね~、いひっひひッ」

 

散々、挑発の言葉を口にした際。

ようやくと言うべきか、遺言状を所持する隠の王の側近が大広間の中へと入り込む。

そして、側近は一つ咳払いをすると共に、遺言が記された紙を開いた末に、その内容を口にする。

 

「……な、こ、これは」

 

側近が内容に目を通した際に、早々と怖れを抱きながら権利や財産に関する内容を告げていく。

そして肝心である『影灯籠』を運営、全ての権限を持つ者、新たな棟梁の名を、側近は恐る恐ると口にしたのだ。

 

「あ、新たな棟梁は……漆篠(うるしの)(せき)と、する」

 

新たな名が告げられる。

異能を宿す者の群れの中に、しかし、その名の者は此処に居ない。

 

「馬鹿なッ」

「あの無能の恥晒しがッ?!」

「嘘では無いのか!!」

 

叫ぶ者達、彼らは棟梁の血筋である子供を蔑んだ。

無能の子供は異能の一族にとって不要な存在。

虐待や拷問に近しい行いをした事もある。

彼らは恐れる、今まで蔑んだ存在が自らの上に立つ事を、報復を恐れていた。

 

「何かの間違いだ!」

「正式な跡取りは此処に居るだろうが!!」

 

憤りを覚える者達。

棟梁は複数の子供を産ませた。

優秀な子供に目を付けて擦り寄る。

闇影の王が死んだ後、その次代の王は血筋の者が継ぐ。

故にまだ幼い子供に媚びを売る。

甘い汁を啜る為に、だ。

自らの定めた跡取りが王になれば、当然、自らの地位も向上する、その為に媚びを売り続けた。

その結果……早々に見切りを付けた無能が王に成った。

 

予想外な事態に狼狽する、遺言状を奪い確認する暗殺師達だが、しかし内容は変わらない……力の無い無能を次期棟梁にする、と言う事のみ。

 

「そん、そんなッ……馬鹿な、話があるかッ!!」

「せ、夕様を昔、イジメてたの……殺されるッ!!」

 

大屋敷の中は阿鼻叫喚となる。

様々な派閥の者達は、事実を否応無く理解する。

そして……知った上で、手段を選択する。

 

「何をしている!早く夕様をお迎えするのだ!!」

「し、しかし、何処に居るか分かりません」

「早くしろお!他の派閥に奪われるぞお!!」

 

いち早く、新たな王に媚びを売る者。

 

「ふざけるな……こんな事」

「許せるか……許して堪るか」

「だが……遺言状は絶対だ」

「……全員が、無能の所在を知らぬ」

「ならば、発見した時に既に死んでいた事にすれば良い」

「そうすれば……遺言状は果たせぬ事となる」

「つまりは」

「殺すのだ……あの無能を棟梁の座に就かす事などさせんッ!!」

 

憤慨する者。

様々な思惑が巡る最中。

 

「……はァ?」

 

鬼月愛露は、その遺言状の内容を聞いた末に、憤りを通り越して呆然とし尽くしていた。

 

「ウチの席や、ウチがその座に、座る筈ゃのに……誰なんよ、そのカスは、うるしの、ななひと……ウチの、無能な兄ィ?……死ねば良い雑魚オスが、今更、ウチの人生に泥を塗るいうんゃね?……ふざけんなゃよ」

 

次第に怒りを露わにする鬼月愛露は、小さく呟く様に、心中を発した。

 

「殺してやるゃね」

 

そして数か月後。

鬼月愛露は、漆篠夕の居場所を発見した。

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