※この作品はR-18です。

高坂麗奈にひと目惚れした同級生の話   作:日向陰陽

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最終楽章後編は未視聴です、ご了承いただけると幸いでございます。

今作の黒江真由さんはオリ主にベタ惚れなので何事も積極的です。ご了承ください。


第19話 「裸足の女神」

―――麗奈の部屋で朝を迎えていつも通りに過ごし朝練へ向かう。職員室で滝先生から鍵を受け取り音楽室へ向かう。支度をして例の如くB’zの曲でも吹こうかなと思っていると

 

「莉己くんおはよう⁉ 莉己くんの演奏が聴きたいんだけどいいかな⁉」

 

聞き覚えのある声、目を向ける。黒江さんだった。ちらりと麗奈も見る。視線が突き刺さる。この空間で吹くのはマズいと思った。近くの空き教室で吹くことにした。

 

莉己「何でもいいですか?」

 

真由「うん⁉ 何でもいい⁉」

 

1曲吹いては曲名を教えてまた別の曲を吹くのを繰り返した。あっという間に時間は過ぎていった。

 

「莉己、もう時間だよ。片付けたら?」

 

冷たい声、瞬時に反応した。

 

莉己「それではまた、黒江さん。」

 

真由「あ、それなんだけど…真由って呼んでほしい…。敬語も無しで。私も莉己くんって呼ぶ。」

 

莉己「分かった、真由さん。それではまた。」

 

真由「うん⁉ またね⁉」

 

急いで楽器室へ向かい仕舞った。麗奈と並んで歩く。

 

莉己「怒ってる?」

 

麗奈「別に。」

 

莉己「怒ってるなら怒ってるって言って。」

 

麗奈「怒ってないわよ。」

 

莉己「そんなに怖い顔して口調も冷淡で怒ってないはないでしょ。」

 

麗奈「怒ってないわよ⁉ 何度も言わせないで⁉」

 

こんなに怒りの感情を見せる麗奈も初めて見た。言葉が出なかった。

 

 

 

「…………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み、筋トレの時間。麗奈とは席が離れているので無言で教室を出た。1階へ下りて廊下を歩いている最中に

 

「莉己くん⁉」

 

ため息をつきたくなるのを必死で堪えた。まだ転校してきたばかりで慣れない学校生活を送っている女子を無視できないと自分に言い聞かせた。

 

莉己「どうしたの、真由さん?」

 

真由「昼休みは筋トレしてるって聞いて…見学してもいい?」

 

莉己「いいよ。」

 

真由「良かった⁉ さあ行こう⁉」

 

やたらと上機嫌な真由さんを背に体育館へ向かった。そして黙々と筋トレをこなした。

 

真由「凄い凄い⁉ あんなに重いのを何回も持ち上げて他にも色々筋トレして全然疲れてないなんて⁉ ね、そう思うでしょ⁉ 月永くん⁉」

 

求「求と呼んでください。」

 

真由「ごめん⁉ 凄いよね、求くん⁉」

 

求「そうですね…俺の憧れです。」

 

求くんが気まずそうに答える。彼も俺と麗奈が付き合っているのは知っている。どうやら吹部内では暗黙の了解というか公然の秘密となっているらしい。その求くんの表情は暗い。何だか申し訳ない気持ちになった。

 

真由「滝先生から聞いたんだけど…鬱病と不眠症と強迫症を患っているのは本当なの?」

 

莉己「はい、薬漬けの毎日ですよ。」

 

真由「1日1食っていうのも?」

 

莉己「はい、夜に纏めて食べてます。」

 

真由「そんな…⁉ 私に出来ることがあったら何でも言って⁉ 莉己くんの症状の改善のためなら何でもする⁉」

 

莉己「その気持ちだけで充分だよ。俺には麗奈がいるから。」

 

真由「高坂さんと付き合ってどのくらい⁉」

 

莉己「もうすぐ1年が経つけど…。」

 

真由「その間高坂さんは何やってたの⁉」

 

いつの間にか求くんの姿は消えていた。気持ちはわからなくもない。

 

莉己「何って…恋人らしいことたくさんしたよ。」

 

真由「それってセックス?」

 

莉己「うん。」

 

真由「何回くらい?」

 

莉己「数え切れないくらいには。」

 

真由「どうせ高坂さんばっかり気持ちよくなって莉己くんは放ったらかしだったんでしょ?」

 

莉己「……。」

 

反論出来なかった。麗奈がイキまくって失神するような体験を俺もしたかった。麗奈が羨ましかった。

 

真由「図星みたいね。私なら莉己くんをもっと気持ちよく出来る。」

 

莉己「真由さんって処女?」

 

真由「そうよ。文句ある?」

 

莉己「それでどうやって麗奈より気持ちよく出来るの?」

 

真由「実際にやってみればわかるよ。すっごく練習したんだから。」

 

莉己「初体験くらい大事にしてよ。」

 

真由「だから大事にしてきたわよ。莉己くんのためにずっと我慢してたんだから。」

 

莉己「俺は麗奈が好きだよ。それは今も変わらない。真由さんの気持ちは嬉しいけど俺の事なんか忘れて他にいい男見つけて幸せになってほしい。それだけだよ。」

 

真由「莉己くんはそう思ってても高坂さんはどう思ってるんだろうね? 私、朝練の後にふたりのやり取り見たよ。他の女子に親しくされたくらいで怒るなんて莉己くんの彼女にふさわしくないよ。あんなに器の狭い女子のどこがいいの?」

 

莉己「……真由さんには関係ないことだよ。もう戻ろう。昼休みが終わるよ。」

 

真由「これからもじっくりとふたりを観察させてもらうからね。」

 

部活の時間になる。いつもなら麗奈と一緒に音楽室へ行くところだが俺を無視して教室を出てしまう。

 

莉己「麗奈、麗奈!」

 

麗奈「……何?」

 

莉己「何でそんなに不機嫌なのかサッパリわからないんだけど。」

 

麗奈「本気で言ってるの?」

 

鼻で笑う麗奈、俺も頭に血が昇ってくる。

 

莉己「全然わからない。」

 

麗奈「頭おかしいんじゃない?」

 

莉己「俺は鬱病と不眠症と強迫症患ってるよ。とっくにおかしくなってるよ。それでも俺の事好きなんじゃなかったの? 前のふたりと同じように俺の前から消える? 確か言ってたよね? 『他の女と一緒にしないで』って。このままじゃ一緒だよ。」

 

麗奈「…そうね。私がおかしかった。ごめん…。」

 

莉己「謝らなくていいよ。早く音楽室行こう。」

 

麗奈「……うん。」

 

 

 

 

 

 

真由「…………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外は雨が降っているので体育館でサンフェスの練習が始まった。1年生は麗奈の指導の下、ビシバシと注意が飛ぶ。休憩時間になる。全然疲れていないので倉庫に籠って筋トレに励む。

 

「大変だね、世話の焼ける彼女持って。精神疾患抱えてる彼氏にあんな態度取るなんて私、信じられないよ。」

 

莉己「俺なら平気だよ。真由さんが心配し過ぎなんだって。」

 

真由「じゃあ薬無しで生活できる?」

 

莉己「そんなの無理だよ。真由さんにもどうにもできないよ。」

 

真由「高坂さんよりは役に立てると思う。精神疾患抱えてる彼氏に『頭おかしい』なんていう女子よりは断然にね。」

 

莉己「俺には麗奈が必要だよ。真由さんじゃない。」

 

真由「そう思い込もうとしてるようにしか見えないけど。」

 

莉己「気にし過ぎだって。」

 

真由「ま、これからも観察させてもらうね。」

 

莉己「どうぞご自由に。」

 

休憩時間が終わり練習に戻る。相変わらず1年生は注意されまくっていた。部活が終わる。居残り練習して吹きたい曲吹きまくろうかと思ったがそんな気は起きなかった。さっさと帰って運動しまくりたかった。

 

「莉己くん⁉」

 

無視したかったが出来なかった。

 

莉己「何ですか、真由さん?」

 

真由「一緒に帰っていい⁉」

 

莉己「いいですよ。」

 

真由「やった⁉ 早く帰ろう⁉」

 

一緒に帰った、俺の住むボロアパートまで。

 

莉己「……真由さんの家ってどこなの?」

 

真由「もう通り過ぎたよ。それよりも早く部屋に入ろう⁉」

 

もう説得するのは諦めた。部屋に入る。真由さんも続いて入る。奥へ進む、ノートPCと布団だけがある部屋。後ろから抱き着かれる。片手が俺の股間を制服越しに撫でる。

 

真由「ずっと我慢してたの…⁉ でももう無理…⁉ 莉己くんとセックスしたい…⁉」

 

莉己「……後悔しませんか?」

 

真由「するわけないよ…⁉ ずっと好きだったんだもん…⁉」

 

振り向く。見つめ合い唇を重ねる。舌を突き出す。真由さんも舌を突き出す。絡め合う、じっくりと。荒い息遣い、制服を脱がせる。下着も。麗奈に勝るとも劣らない豊満で形のいい胸が露わになる。布団に仰向けに寝かせる。胸を揉む。ビクンと反応する。乳首をしゃぶり舐めて転がし歯を立てる。快感の声が聞こえる。スカートも脱がせパンスト越しにあそこに指で触れる。湿っていた。

 

莉己「こんなに濡らすなんて、とってもいやらしい女の子だね真由さん。」

 

真由「莉己くんだからだよ…⁉ 早く莉己くんの欲しい…⁉」

 

莉己「何をどこに欲しいの?」

 

真由「莉己くんのち、ちんぽを…私のおまんこに突っ込んでほしい…⁉ ズボズボして…⁉」

 

莉己「でもその前にもっと真由さんを味合わせて。」

 

パンストと下着を脱がす。一気にいやらしい匂いが漂ってきた。両脚を開きあそこに顔をうずめる。舌で舐めとる。ビクンと反応する。丹念に舐める。あそこの突起物も同じように舐めて歯を立てる。真由さんが喘ぎ続ける。もう充分だろう。入り口に俺のをあてがって一気に突き入れる。一瞬真由さんの表情が苦痛に歪む。

 

莉己「痛い?」

 

真由「大丈夫…⁉ 今は凄く気持ちいい…⁉ もっとちょうだい…⁉」

 

処女特有の窮屈なあそこの中から伝わる快感に抗い腰を動かす。豊満で形のいい胸が前後に揺れる。とてもいやらしかった。真由さんの綺麗な喘ぎ声をBGM代わりに夢中で腰を動かし続けた。何度も絶頂に達した。それでも彼女はダウンしなかった。どこまでも耐えた。四つん這いにさせる。かつての新山先生を思わせる豊満で形のいいお尻、真由さんも女性の魅力に溢れていた。後ろから突き入れる。体をのけ反らせる。そのまま腰を動かした。お尻がぶつかる音と喘ぎ声をBGM代わりに揺れるお尻を眺めながら夢中で突いた。俺の限界が近い。引き抜いてティッシュで血を拭きとり口に押し込む。真由さんが夢中でしゃぶりつく。初めてにしては上手だった。放った。呻き声を上げる。やがて喉を鳴らして飲み込む。

 

真由「はあ…⁉ 凄く濃くて…⁉ 凄い量だね…⁉ 莉己くんの精液飲めて幸せ…⁉」

 

妖艶な笑み、興奮する。あそこの血もティッシュで丁寧に拭き取ってから押し倒され俺に跨る。ゆっくりと腰を沈める。快感の余韻に浸り天井を見上げる。

 

真由「はあ…⁉ 莉己くんのちんぽ凄いね…⁉ まんこの奥まで届いて…凄く気持ちいい…⁉」

 

それから腰を前後に動かす。湿った音がする。豊満で形のいい胸が揺れる。とてもいやらしかった。両腕をを伸ばし胸を揉みながら乳首を刺激する。ビクンと反応する。

 

莉己「胸、気持ちいい?」

 

真由「うん…⁉ 莉己くんに揉まれると…凄く気持ちいい…⁉ もっと激しくして…⁉」

 

お言葉に甘えて激しく揉んだ。手触りが良い。起き上がって胸を揉みながら舌を絡める。甲高い呻き声に変わる。やがて腰の動きが止まる。体をのけ反らせ全身を痙攣させる。今度は俺が下から突き上げる。再び激しく喘ぐ。俺にしがみついて快感に表情を歪める。そのまま立ち上がる。駅弁スタイルで腰を動かし続けた。また絶頂に達した。何とか立たせて壁に手をつかせてお尻を突き出させる。体液塗れでひくひくと痙攣するお尻の穴を眺める。ゆっくりと指を入れる。ビクンと反応する。もう1本入れて出し入れする。真由さんが喘ぐ。

 

莉己「お尻の穴、気持ちいい?」

 

真由「気持ちいい…⁉ 気持ちいいよ…⁉」

 

莉己「ゴム付けてお尻の穴に入れたいって言われたらどうする?」

 

真由「莉己くんのちんぽならいいよ…⁉」

 

早速ゴムをつけてお尻の穴にあてがいゆっくりと奥まで突き入れる。体をのけ反らせる。豊満で形のいいお尻を両手で掴んで夢中で腰を動かす。真由さんの激しい喘ぎ声が聞こえる。あそこを覗き見る。体液が溢れて床に垂れ落ちている。

 

莉己「お尻の穴に入れられて感じるなんてとってもいやらしい女の子だね、真由さん。」

 

真由「だって…⁉ 莉己くんのちんぽ…とっても気持ちいいんだもん…⁉ もっとして…⁉」

 

腰の動きを激しくする。それに呼応するように真由さんも激しく喘ぐ。やがて絶頂に達した。床を見る。真由さんの体液で溜まりが出来ていた。

 

莉己「ほら見て真由さん。真由さんのあそこから出る体液で床がこんな汚れてるよ。とってもいやらしいね。」

 

真由「今度はまんこに莉己くんのちんぽ欲しい…⁉ もっとちょうだい…⁉」

 

お尻の穴から抜いてティッシュでゴムを掴んで外してゴミ箱に捨てる。遠慮なくあそこに突っ込んだ。体をのけ反らせる。お尻を掴んで腰を動かす。横から真由さんの胸を見る。前後に揺れていた。とてもいやらしかった。覆い被さり両胸を揉みしだく。ビクンと反応する。また絶頂に達した。力なく座り込む。真由さんの口に俺のを押し付ける。

 

莉己「イキそうだからしゃぶって飲んで。」

 

妖艶な笑みを浮かべてしゃぶりつく。根元を握り唇をすぼめ手と頭を前後に動かしながら舌で刺激される。初めてとは思えない程上手だった。両手で頭を掴んで固定して放った。僅かな呻き声、喉が動く。強い吸い付きで搾り取られた。満足して引き抜く。

 

真由「凄い…⁉ まだまだ元気だね…⁉」

 

莉己「真由さんのこんなにいやらしい姿見せられたら簡単には収まらないよ。」

 

真由「ふふっ、嬉しい⁉」

 

莉己「何かリクエストはある?」

 

真由「また私がしたいから仰向けに寝て⁉」

 

今度は後ろ向きに跨る。美しい髪、背中、そしてお尻。絶景だった。上下に腰を動かす度にお尻が弾む。とてもいやらしかった。お尻を揉む。揉み続ける。

 

真由「はあ…⁉ 私のお尻、気に入った…⁉」

 

莉己「うん、大きくて形も良くて凄く魅力的だよ。」

 

真由「嬉しい…⁉ もっと気持ちよくなって…⁉」

 

腰の動きが速くなる。喘ぎ声も激しくなる。

 

真由「はあぁっ⁉ はあぁっ⁉ ああんっ⁉ ああっ⁉ イクッ⁉ イッちゃう⁉ イクッ⁉」

 

そして荒い息遣いだけが聞こえる。俺も限界が近い。

 

莉己「俺もイキそうなんだけどしゃぶってもらえるかな?」

 

真由「はあ…⁉ うん…⁉ いいよ…⁉」

 

真由さんの体液塗れの俺のに真由さんがしゃぶりつく。とてもいやらしかった。夢中で手と頭を上下に動かしてしゃぶる。放った。呻き声、飲みこむ。

 

真由「まだ元気だね…どうしたらいいのかな…?」

 

莉己「それなら後ろ向きに跨ってしゃぶってもらえるかな?」

 

真由「わかった。」

 

上半身だけ起き上がる。痙攣するお尻の穴、あそこ、そして上下する真由さんの後頭部を眺めた。すぐに限界が来た。放った。

 

真由「口でするとすぐイクんだね。もしかして私のまんこって気持ちよくない?」

 

莉己「気持ちいいよ。真由さんに気持ちよくなってもらいたいから我慢してるだけだよ。それにうっかり中に出しちゃったらマズいでしょ?」

 

真由「大丈夫な日にしてるから中に出してもいいよ? あ、そうだ⁉ そんなに心配なら次は私もいいモノ準備してくる⁉」

 

莉己「よくわからないけどお願いします。」

 

それから一緒にシャワーを浴びて体を洗い合ってる内に勃ってしまったので行為に耽った。ようやくバスルームから出て薬を飲んで真由さんの夜食を買うためにコンビニへ行き晩御飯を食べて裸で抱き合って眠った。よく眠れた。

 

目が覚める、下半身に僅かな振動、目を向ける、真由さんが俺に跨って激しく腰を動かしていた。

 

真由「あっ⁉ あっ⁉ おはよう…⁉ もうちょっと…待ってて…もうすぐ…⁉ イクッ⁉」

 

全身を痙攣させ体をのけ反らせ天井を見上げる。それから口でしてもらった。すぐに放った。その後、歯磨き洗顔を済ませ着替えて部屋を出て真由さんの朝食と昼食をコンビニで買ってから走って学校へ向かった。真由さんは俺に着かず離れずの距離を維持してついてきた。職員室で滝先生から鍵を受け取り音楽室へ向かい支度をして真由さんのリクエストに応えて思いつく限りの曲を吹きまくった。扉が開く。

 

莉己「おはよう麗奈、久美子。」

 

麗奈「……。」

 

久美子「お、おはよう…。」

 

麗奈は俺に見向きもしなかった。俺も真由さんとセックスしまくっていたのでお互い様ということで納得した。

 

「「おはようございます‼」」

 

元気のいい挨拶が聞こえた。目を向ける。1年生の…名前が出てこない…パートも学年も違うので当然なのかもしれないが。

 

「先輩⁉ 入学式の日に正門で吹いてた曲を演奏していただいてもいいですか⁉」

 

入学式…正門…『Still Alive』の事だろうか…。記憶が朧気だが思いっきり吹いた。

 

「「「おー‼」」」

 

真由さんにも拍手と感嘆の声をいただいた。

 

「あと入学式で吹いてた曲もいいですか?」

 

莉己「かしこまりました。」

 

これは俺も覚えている。『ultra soul』だろう。思いっきり吹く。きちんと合いの手も入れてくださった。ノリの良い後輩を持ったと感謝した。

 

「先輩の演奏って凄いですよね⁉ こう…心を揺さぶられるというか…感情にガツンと来るというか…とにかく熱くなってきます⁉」

 

莉己「ありがとうございます。恐縮です。」

 

一礼した。

 

「……先輩って謙虚ですよね。こんなに演奏が上手なのに…もっと堂々としていいんですよ?」

 

莉己「もっともっと上手くなりたいって思いながら吹きたい曲吹きまくっていたらいつの間にか3年生になってしまいました。ですので実感が湧きません。申し訳ございません。」

 

真由「莉己くんは1年生の時から凄かったんだからもっと自信を持っていいと思うよ⁉」

 

「えっ⁉ そうだったんですかママ先輩⁉ もっと自信持ってください先輩⁉」

 

莉己「うーん…でも俺の吹きたい曲とコンクール曲って全然違いますからねぇ…。難しいですよ。」

 

それから知ってるアニソンやらゲーム音楽を吹いて朝練を終えた。扉の鍵を閉めて職員室に向かおうとすると麗奈が立ちはだかって無表情で手の平を差し出す。

 

麗奈「鍵。」

 

莉己「今から滝先生に返しに行くところなんだけど。」

 

麗奈「アンタじゃ不安だから代わりに返しに行ってあげるって言ってるのよ…⁉」

 

莉己「何だよまだ滝先生に未練あんのかよ。だったら先に言え馬鹿野郎。てめえの気まぐれで俺を振り回すんじゃねえ馬鹿野郎。殺すぞ馬鹿野郎。」

 

無視して肩をぶつけて通り過ぎた。少し離れた所で冷たい表情で真由さんがじっと見ていた。走って職員室へ向かって滝先生に鍵を返す。走って教室へ向かった。麗奈の方へは見向きもしなかった。

 

今日は晴れなのでグラウンドを貸し切って行進練習するそうだ。黙々と練習をこなす。麗奈の叱責が主に1年生へ飛ぶ。その1年生は泣きだしてしまった。列から外れる。放っておけなかった。俺もついていった。

 

麗奈「莉己⁉ アンタまで列から外れろなんて言ってない⁉」

 

無視した。

 

莉己「大丈夫ですか? ここは俺に任せて列に戻ってください。」

 

付き添いの1年生にそう伝えた。俺に向かって怒鳴る麗奈の声が聞こえたが悉く無視した。とりあえず泣き止むのを待った。

 

莉己「落ち着きましたか?」

 

「はい…すみません、先輩…。」

 

莉己「謝る必要はありませんよ。俺も1年生の時は副部長に叱られまくったので心中お察しいたします。」

 

「えっ⁉ 先輩もですか…?」

 

莉己「はい、だから練習しまくりました。練習は嘘をつきません。やっている内に体が覚えます。俺を信じてください。」

 

「はい…⁉」

 

そしてメジャーで計って62.5㎝ずつ印をつけた、丁度10歩分くらいに。

 

莉己「62.5㎝ごとに印をつけました。印に歩幅を合わせてひたすら練習してください。印が消えたらこのメジャーで計りなおしてください。これは差し上げます。では頑張ってください。応援しています。」

 

「はい⁉」

 

相変わらず俺を怒鳴る麗奈の顔面をブン殴りたい衝動を必死に堪えながら列に戻った。

 

それから数日後の朝練の時間、何やらいつもの後輩ふたりが入口で留まっている。

 

莉己「如何しましたか?」

 

「あ、先輩…⁉ 少し相談があるんですけどお時間よろしいですか?」

 

莉己「構いませんよ。ではどこか移動しましょう。」

 

近くの空き教室へ移動した。

 

莉己「それで…相談というのは麗奈の指導の件ですか?」

 

「あ、はい…⁉ 別に高坂先輩のこと憎いとか嫌いとかじゃないんです。全国目指すならあのくらい厳しい練習は当然だと思って…⁉ でも必要なのはコンクールメンバーだけですよね。初心者まであんなに頑張る必要あるのかなって思って…。」

 

莉己「それには同感ですね。北宇治は代々マーチングの大会には出てないようなのでサンフェスだけどうして頑張るのか聞いてみたいですね、今更ですけど。初心者が気の毒ですよ。俺も苦労しましたよ。」

 

「私、それでも辞めないでって説得してきたんです…⁉ 頑張って結果出せば楽しくなるって。 でも、どんどん練習が厳しくなって初心者の子、泣いてばかりでそれ見ると私、悪い事しちゃったのかなって…⁉」

 

莉己「ええと確か…武川さんでしたよね、泣いていた初心者っていうのは?」

 

「はい…。」

 

莉己「俺も1年生の時叱られまくったので練習しまくって体で覚えたって伝えて練習は嘘をつきませんって言ったら元気出してくれたと思います。」

 

「そうだったんですか…⁉」

 

莉己「はい。だから…お願いします⁉ もう少し時間をください⁉ 練習すれば必ず結果は付いてきます⁉ お願いします⁉ 時間をください⁉」

 

勢いよく頭を下げた。

 

「……頭を上げてください。」

 

莉己「……。」

 

「お願いです、頭を上げてください。」

 

ゆっくり頭を上げる。

 

「先輩の言葉が心に染み入りました。あんなに演奏が上手な先輩の言ったこと、先輩の熱い言葉を皆にも伝えようと思います。先輩の事、信じることにしました。」

 

莉己「あ、ありがとうございます⁉ ありがとうございます⁉」

 

何度もお辞儀した。

 

「だから…⁉ もう…⁉ ふふっ、先輩って優しいですね。」

 

莉己「俺が…ですか?」

 

「他に誰がいるんですか⁉ 私、先輩がいてくださって嬉しいです。」

 

莉己「お褒めの言葉として受け取らせていただきます。」

 

「はい! 受け取ってください!」

 

莉己「では…釜屋すずめさん…でしたよね? 相談事をお聞かせください。」

 

すずめ「えっ⁉ あっ⁉ 私はもう充分です⁉ 先輩の御気持ちがよく分かりましたので⁉」

 

莉己「そうですか? それでは…これからもよろしくお願いします。」

 

「「よろしくお願いします‼」」

 

こうして後輩の悩みは一件落着した。

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