第20話「サワッテ」
楽と万里花は一通り書き終え、ルーレットに布(予め用意済み)をかぶせた。
「それでは楽様、行きますわよ?せーのっ…!!」
ばばっ
二人が同時に布を外した。
万里花のルーレットの項目:「頭」「唇」「胸」「尻」「耳」「股間」「太もも」「わき」「背中」
楽のルーレット項目:「なでる」「なぞる」「舐める」「嗅ぐ」「揉みしだく」「息を吹きかける」「叩く」
「んおえええ!!?」
ぶばっ
「!?右助さん!?」
右助は文字を見ただけで鼻血を吹いて倒れた。気絶している。
「右助は放っておいて構いません、そのうち目を覚ましますから」
万里花がさらりと言う。
「にしてもこれは…おまえ、なんつう部位を…」
「そう言う楽様こそ…もはや手が関係無いものまで…」
「「(これは…やばい…けどやったらぜったい楽しい…)」」
「…楽さ…らっくん、私の部屋に移動して続きをしませんか?」
「…ああ」
ひたすら危ない匂いが漂うゲームの誘惑に駆られ、二人は万里花の部屋へ向かった。
…右助を置いて。
万里花の自室。
「…で、では、始めましょうか…」
「お、おう…」
二人でやるとなると完全に危ない展開しかないと分かっているため、妙に固くなる二人。
「で、では、ルーレットは二人同時に回しましょう。」
「分かった。」
「「せーのっ!」」
<1回目>
「万里花」「頭」「なでる」
「…ほっ。」
「…じ、じゃあ…」
無難な結果にひとまず安心する二人。これも結構恥ずかしいのだが、なんとかクリア。
「な、なあこれ…何をもってゴールとするんだ…」
「そこは…各自の自己判断にしましょう」
「…わかった」
<2回目>
「楽」「耳」「舐める」
「…うおおおお…!!」
早速やばい展開が来てテンションがおかしくなる楽。
万里花を見ると、顔が真っ赤になっている。
「で、で、で、でも、決まったことですしね!で、では、い、行きます…」
万里花はそう言うと、楽の耳にゆっくりと口を付ける。
ちゅっ…くちゅっ…れろれろ…ぴちゃぴちゃ…
「う…あ…んぐあ…!」
恥ずかしがっていた万里花はどこへ行ったのか、いつの間にか両腕を楽の顔に回し、もう片方の耳を両手でさわさわと触りながら下で楽の耳の中をほじくりまわす。
まるで脳内を犯されているかのような感覚に、楽の目が虚ろになって行く。
ちゅぱっ…
「ぷはっ…いかがでしたか?」
「…毎日やってほしい」
「!!そ、そがん事…」
楽のあまりに真正直な欲求に、万里花は再び顔を赤らめる。
「つ、次行きましょう!」
<3回目>
「万里花」「尻」「叩く」
「「やばい!」」
「ら、らっくん、そもそもなんで「叩く」なんて…」
「…つい」
「うう…」
「…ゲームと割り切ろう。よし、万里花。四つん這いになれ。」
「!!は、はい…」
楽に命じられ、四つん這いになる万里花。
「こ…こうですか…?」
耳まで真っ赤にしながら聞く。
「そうだな…こんなもんか…な!」
ぱああんっっっ
「!!!」
心の準備無しで思い切り尻を叩かれ、驚きの表情のまま口をぱくぱくとさせる万里花。
「…あ…あ…」
「そうだな、これはお仕置きだ!」
ぱああんっっっ
「んぐう…!な、何のお仕置き…なんですの…?」
涙目になりながら万里花が聞く。
「…」
ぱあんっっっ
「ひあうっ!?ら、らっくんん…」
へなへなと肘を曲げる万里花。
「…わりい、お仕置きはなんとなく言っただけだし、今おまえが振り返ったときの涙目になった表情がかわいすぎて…」
ぱあんっっっ
「んああ…そんなこと言いながら何回も叩かないでくださいい…!!」
「え…でも、一回叩くごとにお尻を突き出してるぞ?万里花」
「…!!」
無意識の行動を楽に指摘され、あまりにも恥ずかしくなる万里花。
「…ううう終わりです終わりー!次ですー!」
「お、おう…」
万里花の勢いに負け、このターンは終了となった。
<4回目>
「楽」「股間」「嗅ぐ」
「「マニアック!!」」
またえげつない組み合わせになった。
「…このままでも良いし、俺は別に脱いでもいいぞ?」
羞恥心をそこまで感じないのは男特有なのか、割と平然としたまま話す楽。
「!…ま、まずはこのままで…お願いします」
そう言った万里花は、意を決して楽の股間へと顔を近付けた。
楽のその部分はじっとり汗ばみ、このゲームによりモノがぱんぱんに怒張しているため、何とも言えない匂いを放っていた。
万里花は律儀に顔を近付け匂いを嗅ぐ。
「…っ。これ…は…頭が…くらくらする匂い…ですね…」
まんざらでもない感じが表情から見て取れる。
「…好きなのか?この匂い」
「…!!」
楽が何気なく言った一言で真っ赤になる万里花。
「…はい。だって…らっくんのモノの匂いだって思ったら…」
「…!いててて…」
「らっくん!?大丈夫ですか!?」
万里花からの思わぬ反撃に、楽のモノが更に大きくなる。
「いや、すまねえ、万里花の言葉でその…興奮しちまってな」
痛がりながらも笑顔で楽は言う。
「…あ、ありがとう…ございます」
万里かは俯きながらお礼を言う。
「こ…この先も…」
万里花が意を決し、楽が履いているもののチャックを下ろす。
楽のモノが、パンツ越しにあまりにもくっきりと浮き出ている。
「…ふあ…これ…すごい」
万里花は恍惚とした表情を浮かべ、今度は楽のモノを細い指でなぞりながら匂いを嗅ぐ。
「んん…ふう…ふう…」
両手を使い、玉の方まで優しく撫で回しては匂いを嗅ぐ。
「う…お…」
そのあまりにも妖艶な様を、楽はソファーに座り快感に悶えながら見ている。
「んあ…あ…これもう…取りたいよお…」
万里花は猫なで声でそう言うと、楽のパンツに手をかけあっという間にずり下ろした。
ぶるんっびたっっ
「ひゃんっ!?」
驚く万里花。楽のモノはパンツを下ろした瞬間に勢い良く跳ね上がり、戻って来る際に万里花の顔に当たった。
「す、すごい…らっくんのこれ…こんなに」
万里花は更にうっとりした顔で言うと、先程までよりもねちっこく玉から亀頭の先まで撫で回し、匂いを嗅ぐ。
「ふう…ふう…すごい…こんなのが…私の中に…どうなっちゃう…の…」
言葉までどんどんいやらしくなって行く。
「はあ…はあ…おまえ…なあ…」
直接触られ鼻息が当たっている上に、喋るごとに吐息まで当たる。楽のモノはもうこれ以上は無いのではないかと言うほど怒張しきっていた。
時間にすれば10分にも満たないはずなのだが、二人にとっては何時間にも思える時間だった。
「「(このままでは、止まれなくなる…)」」
二人とも同じ思いに駆られ、どちらから言い出すでもなくやめた。
やめた後も、万里花は余韻に浸っているのか楽の股間の前に座り込んだまま数分座っていた。
その間、楽は何も言わずにずっと万里花の耳を優しく撫で回し、指を動かすごとに万里花は小さな喘ぎ声を上げていた。
<5回目>
「つ、次で最後にするか!」
「そ、そうですわね!」
先程までの空気を払拭しようと、不自然に明るく振る舞う二人。
「「じゃあ…せーのっ!」」
「万里花」「胸」「揉みしだく」
「…来るような気がしていましたわ」
「…俺も。」
二人は妙に納得したようであった。
「じゃあ早速…」
「ひあんっ…!」
もはや全く躊躇することなく万里花の胸を揉みにかかる楽。
「…今日は薄手の服だから…最初っからもう…!」
「んうう…ひあっ…ふあっ…んんんん…!!」
万里花は目に涙を浮かべながらも、楽に完全に身を預けて見つめている。
数分後。
「んっ…あっ…ら、らっくん…そろそろ…」
万里花は耐えられないと感じたのか、ギブアップしようとする。
「…ん、ああ、そうだな。よっ…と」
楽はそう言うと、万里花の服のボタンを外し始めた。
「ええ!!?ち、ちが、らっくん、そう言うことじゃ…!!」
万里花が言葉を言い終えない内に、楽はあっと言う間に万里花の服のボタンを全て外してしまった。
「…綺麗だ…」
下着姿の万里花の上半身を見て、楽が呟く。
「ええええ!!?そ、そがん事ひあうっ!!」
我慢出来なくなったのか、万里花の言葉を聞き終えることも無く下着越しに胸を揉む楽。
「ああ…あああ…んああああ…」
既に万里花はとろけきってしまい、ソファに座ったまま仰け反っている。
「よし、この間はちゃんと見てないからな…っと」
「!?」
楽は万里花のブラジャーのホックを探し始め、あっと言う間に外してしまった。
はらりとブラジャーが落ち、万里花の乳房が楽の前に露になる。
万里花は恥ずかしさのあまり手で顔を覆っている。
「…本当に、綺麗だ…」
「うう…らっくん、らっくんのエッチ…恥ずかしいよお…」
「恥ずかしがるおまえもかわいいな…」
「ふえ…?…あああああああだめだめだめだめええええ!!!!!」
キザな言葉を告げた次の瞬間、楽は何の躊躇も無く万里花の突起を片方は舌ではじき、もう片方を指でいじり始めた。
突然の、しかも前回以上の激しい愛撫に万里花から獣のような喘ぎ声が上がる。
「動かさな…い、イっちゃ…んぐああああああ!!!」
ものの10秒程度で、あっという間に絶頂を迎えてしまった。足はぴんと伸びたまま痙攣し、身体は仰け反りがよりいっそう激しくなっている。
「…今度は…やめないぞ」
「…!!」
楽の言葉にはっとして、万里花は首を振りながらで楽の腕を掴む。しかしもうろくに力が入らない腕では抵抗のしようがなかった。
「も、もう…ひぎいいいいい!!?」
まるで電流でも流されたかのような悲鳴を上げる万里花。突起は先程より激しく責められ、胸全体を揉む力もどんどん強くなっている。
「すげえな万里花…どこまで激しくやっても感じるばっかりだ」
楽は万里花をもみくちゃにしながら、冷静に話した。
万里花の足はばたばたしては痙攣してぴんと伸ばすというサイクルを幾度となく繰り返し、履いていたショートパンツは見る影も無い程びしょびしょになっていた。
楽のあまりに激しい責めに、いつもの上品な顔立ちは見る影も無くなっていた。とろけきった目、よだれを垂れた口、獣のような喘ぎ声。しかしその一つ一つが、楽をどうしようもなく興奮させ、「もっと責めたい」と思わせる要因になっていた。
30分程責め、完全に限界を迎えた万里花がふと身体を前に乗り出し、楽に抱き付いて来た。
「お、どうした…?」
楽は少し驚いて聞く。
「らっくん…らっくん…切ないよう…キス…したいよう…らっくんとキスしたいよう…」
息を荒げたまま、楽の顔の目の前でキスの懇願をする万里花。
その瞳からは涙がぽろぽろと零れ落ちていた。
そのあまりに切なげな表情に、楽は揺さぶられる。
観覧車ではいずれきちんと答えるからと言っておきながら、曖昧な関係のままで万里花との関係を楽しんでいたことに気付く。
そして万里花のこの表情を見て、今までその時間が万里花にとってどれほどもどかしいものだったかと言うことも。
―こんなどうしようもない程優柔不断な自分を、この子はずっと待ってくれている―
改めて気付いたとき、楽は万里花のことがどうしようもない程愛おしくなった。
この楽の思考は時間にすればほんの数秒なのだが、楽にとっては大きな大きな数秒だった。
「万里花―」
「ふあっ…?」
楽は万里花を優しく抱きしめる。
そして両手を万里花の耳に置き、真っ直ぐ見つめながら話し始める。
「答え、ずっと出してなくてごめんな。本当はもう、ずっと前から気付いてた。でも、気付かないフリを自分の心の中でずっとしてた。…俺は、万里花、おまえのことが、好き―」
ばあああああんっっっ
「お嬢様ー!全くどこに向かわれたのか…と…」
これ以上無い程のタイミングの悪さで、気絶していた右助が現れた。
「え…」
楽があんまりにも程がある展開に呆然とする中、全てを台無しにされた万里花は何の感情も顔に出さないまま無言で指を鳴らした。
ぱちんっ
「お嬢様、お呼びですか?」
どこからともなく本田が現れる。
「本田、あのボケナスを連行なさい」
「はっ」
「え、あれ、本田さん!?いつの間に!?あ、そうだ、あ、あの!今度の日曜日良かったらいででででなんでー!?」
本田に頬をつままれたまま連行される右助。最後まで不憫であった。
それを楽は終始呆然とした顔で見ていた。
「…ぷっ」
万里花がふと笑い出した。
「…なんだよこれ…もう…俺の生まれて初めての告は…」
楽が言いかけると、万里花が人差し指で優しく楽の口を押さえた。
「うふふ…らっくんの気持ち、きちんとでは無いけどしっかり受け取れましたよ♪すーーーーっごく嬉しいです!…本当に、私、幸せです。
でもこれだといまいちロマンに欠けますから…そうですね、シチュエーションを考えておいてくださいまし!」
万里花の明るい言葉に、楽もふっと笑い出す。
「…そうだな。」
「うふふ♪出来たら金曜日の夜か土曜日が良いですわ!」
「ん?なんで?」
「だって、結ばれたらもうその日も次の日もずーーーっと抱かれたいですもの♪」
ぶふおあっっっ
「お、おまえなあ…」
「私にとっては、10年と1年越しの大事な大事な願いが叶うときなんですよ?それくらいやらないと♪」
万里花はそう言って微笑んだ。
「…ああ、わかったよ。きちんと準備しておくから。」
「…はい♡あ、そうだ…」
「ん?」
「今は…しばらく、抱きしめ合っていてもいいですか…?」
「…喜んで。」
二人はその後、何をするでもなく、小一時間程抱き合っていた。
その頃。
「いだだだだ本田さん!オレをどこまでいだだだだ!」
「取り敢えず留置場ね。ブタ箱にぶちこんであげるわ」
「ああ冷たい顔も素敵…じゃなくて!!なんでええええええ…」
右助、最後の最後まで不憫であった。
続く。