進め!アシスタント道 作:ろくりん
連日のように過激なコスプレ衣装での実地検証が繰り広げられていた、タワーマンションの作業部屋。
葛城ヨウは、メイド服からチャイナドレス、そしてバニーガールと続く怒涛の着せ替えとえっちの波状攻撃によって、心身ともに極上の疲労感に包まれていた。ブラック企業でのストレスとは対極にある、男性ホルモンを極限まで絞り出されたことによる心地よい気怠さだ。
しかし、そんなヨウの平穏な賢者モードは、メインデスクに座る秦谷ヒナの一言であっけなく打ち砕かれた。
「室内でのシチュエーションは、限界を迎えました」
ヒナは液晶タブレットの電源を落とし、静かに立ち上がって宣言した。
「限界って、先生。まだあの段ボールの中には、開けてない衣装がいっぱい残ってますよ」
ヨウが不思議そうに尋ねると、ヒナは首を横に振った。
「衣装を変えれば視覚的な刺激は変わりますが、背景となる空間が常にベッドやソファー、机の上では、読者に与える空気感にマンネリが生じます。人工的な照明や壁に囲まれた空間ではなく、もっと圧倒的な解放感と、自然の光が必要です。次作のテーマである野外での背徳感を完璧に描くために、ロケハンに出かけます」
ヒナの決断は絶対だった。
翌日の早朝。ヨウは駅前で手配したレンタカーのSUVのハンドルを握り、都心から離れた奥多摩方面の山道へと車を走らせていた。
助手席には、ショートパンツにキャミソールという相変わらず露出度の高い私服を着た早坂ユイが座っている。彼女は遠足に向かう子供のようにテンションが高く、カーオーディオから流れる音楽に合わせて楽しそうに身体を揺らしていた。そのたびに、シートベルトで強調された規格外の巨大な双眸がブルンブルンと上下に弾み、運転席のヨウの視界の端で強烈な存在感を主張してくる。
「アッシーくん、お茶飲む」
ユイがペットボトルのキャップを開け、ヨウの口元へと差し出してきた。ヨウがそれを受け取ろうと顔を向けると、彼女はわざと身を乗り出し、豊満な胸の谷間をヨウの腕にむにゅりと押し付けてきた。
「ちょ、ユイちゃん。運転中だから、危ないってば」
「えへへ。だってアッシーくん、さっきから私の胸チラチラ見てるんだもん。サービスしてあげようと思って」
「ユイ。葛城さんの運転の邪魔をしないでください。事故を起こしたら元も子もありませんよ」
後部座席で地図アプリを確認していたヒナが、冷ややかな声で注意を飛ばす。ヒナは白いブラウスにデニムという動きやすい格好だが、その清楚な佇まいは深い緑の山道の中でも際立って美しかった。
車はさらに人里離れた細い林道を進み、やがて目的地の渓谷へと到着した。
そこは一般の観光客が訪れるような場所ではなく、手付かずの自然が残る美しい場所だった。木々の隙間から差し込む太陽の光が、透き通った川のせせらぎに反射してキラキラと輝いている。セミの鳴き声と川の流れる音だけが響き渡る、外界から完全に隔離されたような空間だ。
「素晴らしいロケーションです。早速、背景資料の撮影と構図の確認を行います」
ヒナは一眼レフカメラを取り出し、クリエイターの顔つきになって川辺へと歩き出した。ヨウも慌てて自分のスマートフォンとスケッチブックを手に取り、彼女の後を追う。
「葛城さん。人工物と違って、自然の風景には直線が存在しません。木々の枝ぶり、川岸の岩の配置、それらすべてが有機的な曲線で構成されています」
ヒナはカメラのファインダーを覗き込みながら、ヨウに向けて実践的な背景講座を始めた。
「風景をただ模写するのではなく、キャラクターを配置した時に視線がどこに誘導されるかを意識してください。例えば、この川のパースを利用して奥へと視線を流し、手前の木漏れ日をキャラクターの肌に落とすことで、自然光ならではの立体感とエロティシズムが生まれます」
ヒナの解説は驚くほど論理的で、かつ的確だった。ヨウは彼女の指示に従って様々なアングルから写真を撮り、スケッチブックにラフな構図を描き込んでいく。
木漏れ日の落ちる角度、水面の反射、緑のコントラスト。アシスタントとしてこれほど贅沢で実践的な学びの場はない。ヨウはヒナの職人としての眼力に心から感心し、大好きな絵の技術が自分の中に吸収されていく確かな充実感に震えていた。
しかし、この異常なサークルのロケハンが、ただの健全な背景勉強会で終わるはずがなかった。
「あーあ。先生もアッシーくんも、真面目に風景ばっかり見ててつまんなーい。私、暑いから川に入っちゃおっと」
退屈を持て余していたユイが、突然スニーカーと靴下を脱ぎ捨て、キャミソール姿のままバシャバシャと浅瀬の川の中へと入っていったのだ。
「あ、こらユイちゃん。服のまま入ったら濡れるだろ」
ヨウが岸辺から声をかけるが、ユイは楽しそうに笑いながら両手で水をすくい、自分の身体に向かってパシャパシャと水をかけ始めた。
「だって暑いんだもん。水、すっごく冷たくて気持ちいいよ。アッシーくんも来なよ」
ユイがはしゃぐたびに、水しぶきが太陽の光を反射して輝く。そして、彼女の着ていた薄手のキャミソールはあっという間に水分を含み、完全に肌に張り付いてしまった。
ヨウは思わず言葉を失い、その場に釘付けになった。
水に濡れて透けた生地越しに、ユイの巨大な胸の形がありありと浮かび上がっている。ノーブラであるため、冷たい川の水に刺激された先端の突起が、布地を突き破らんばかりに硬く尖っているのがはっきりと見えた。
「……素晴らしいです。完璧なサンプルが自ら完成しましたね」
隣でカメラを構えていたヒナが、低く熱を帯びた声で呟いた。
「先生」
「濡れた衣服が肌に張り付く質感。布の向こう側に透けて見える肉の重量感と、水滴が肌を滑り落ちる軌跡。そして、誰もいない大自然の中で無防備に肌を晒しているという圧倒的な背徳感。まさに私が求めていた野外シチュエーションの極致です」
ヒナの目は完全に狂気を孕んだクリエイターのそれに切り替わっていた。彼女は一心不乱にシャッターを切りながら、ヨウの背中を強く押した。
「葛城さん。早く川に入ってください」
「えっ、俺もですか」
「当たり前です。風景と女の子だけでは、絡みの構図は成立しません。あなたのその男らしいゴツゴツとした手で、ユイの濡れた身体に触れてください。自然光の下で、男の指が女の子の柔らかい肉にどのように食い込むのか、そのデータが必要です」
ヒナの有無を言わさぬ命令を受け、ヨウは靴を脱いでズボンの裾を膝まで捲り上げ、冷たい川の中へと足を踏み入れた。
「あはは、アッシーくんも来た。冷たくて気持ちいいでしょ」
ユイが無邪気に笑いながら近づいてくる。濡れたキャミソールの奥に透ける肌色と、暴力的なまでの胸の質量が目の前に迫り、ヨウの男性ホルモンは一瞬にして沸点に達した。
「葛城さん。ユイを背後から抱きしめて、胸を下から持ち上げるように強く揉んでください」
岸辺からヒナの容赦のない指示が飛ぶ。
「わ、わかった。ごめんね、ユイちゃん」
「いいよぉ。アッシーくんの手、温かくて好き」
ヨウはユイの背後に回り、濡れて冷たくなった彼女の身体を力強く抱き寄せた。そして、両手を前に回し、キャミソールの上から彼女の巨大な双眸を鷲掴みにした。
「ひゃんっ」
冷たい水で冷えていたユイの身体が、ヨウの手の熱に反応してビクンと大きく跳ねた。
指の間に溢れ出す圧倒的な柔らかさと、濡れた布地が擦れる独特の感触。ヨウが指先に力を込めて胸の肉を揉みしだくと、生地の隙間から水滴が滴り落ち、太陽の光を受けてキラキラと輝いた。
「いいです。すごくエロティックです。ユイ、もっと首を後ろに反らせて、快感に耐えきれないような表情を作って」
ヒナの指示に合わせて、ユイはヨウの胸板に背中を預け、色っぽい吐息を漏らし始めた。
「んああっ。アッシーくんの手、すっごくエッチ。冷たい川の中にいるのに、おっぱい揉まれてるところからどんどん熱くなってくるぅっ」
ユイは完全にこの野外という非日常的なシチュエーションを楽しんでいた。彼女は自らヨウの手に自分の胸を押し付けるように身体をくねらせ、ヨウの腕に甘くすり寄ってくる。
その刺激的な感触に、ヨウの下半身はすでにズボンの布地をテントのように持ち上げ、限界まで反り上がっていた。
「アッシーくん、こっちもすっごく硬くなってるじゃん」
ユイは背後で自分のお尻に当たっているヨウの硬い熱に気づくと、振り返ることなく手を後ろに伸ばし、ヨウのズボンの上からその輪郭をなぞり始めた。
「ちょ、ユイちゃん。こんな外で」
「誰もいないよ。それに、先生ももっとすごい構図が欲しいんでしょ」
ユイはヨウのズボンのファスナーを一気に下ろし、ボクサーパンツの中からヨウの分身を外へと引きずり出した。大自然の空気に直接触れたヨウの急所は、脈打つようにビクビクと震え、先端から透明な雫をこぼしている。
「素晴らしいです。大自然の緑を背景にした、剥き出しの男性器。その違和感と卑猥さが、より一層の興奮を引き立てます。ユイ、そのまま手で奉仕してください」
ヒナの狂った指示を受け、ユイは濡れた手でヨウの分身をしっかりと握り込んだ。
「うおぉっ」
川の水の冷たさと、ユイの手のひらの温かさが同時にヨウの急所を襲う。さらに、水に濡れた手のひらが極上の潤滑剤となり、信じられないほど滑らかな摩擦を生み出していた。
「あはっ、アッシーくんのビクビクしてる。大自然の中でこんなことされて、興奮しちゃった?」
「当たり前だろ。こんなの、頭おかしくなる」
ヨウはユイの胸を揉みしだきながら、彼女の手の動きに合わせて腰を前後に振らざるを得なかった。誰もいないとはいえ、ここは完全な野外である。いつ誰が林道を通りかかるかわからないという恐怖と、それを上回る強烈な快感が、ヨウの理性を根こそぎ奪っていく。
「ああっ、んんっ。アッシーくん、おっぱい、もっと強く」
「ユイちゃん、手、動き早すぎっ。俺、もう限界」
川のせせらぎの音に混じって、二人の荒い息遣いと水が跳ねる音が周囲に響き渡る。
岸辺ではヒナが、その生々しい光景を一瞬たりとも見逃すまいと、必死にシャッターを切り続けていた。
「葛城さん、そのまま出してください。野外で果てる瞬間の筋肉の緊張と、放出の軌跡を完璧に記録します」
「出ますっ」
ヨウはユイの濡れた手の中で、大自然に向けて自らの熱い欲望を勢いよく解き放った。ドクン、ドクンと白濁した液体が空中に放物線を描き、透明な川の水の中へと白く溶けて流れていく。
その圧倒的な背徳感と解放感に、ヨウは膝から崩れ落ちそうになるのを必死に堪えた。
「はぁ、はぁ……」
ヨウが荒い息を吐きながらズボンのファスナーを上げると、ユイも満足げな笑顔で濡れた髪をかき上げた。
「あー、楽しかった。野外って、なんかスリリングでいいね」
岸辺に戻ると、ヒナがカメラのモニターを確認しながら深く頷いていた。
「ええ、素晴らしいデータが取れました。自然光の下での濡れた肌の質感と、野外というシチュエーションがもたらす表情の変化。これは間違いなく、次作の大きな武器になります」
ヒナはそう言うと、カメラを首から下げ、ゆっくりとヨウの方へと歩み寄ってきた。
「先生、背景の勉強のつもりが、すっかりエロのロケハンになっちゃいましたね」
ヨウが苦笑しながら言うと、ヒナは立ち止まり、その黒曜石のような瞳でヨウを真っ直ぐに見つめ返した。
「何を言っているんですか。検証はまだ半分も終わっていませんよ」
「えっ」
「ユイのデータは取れました。次は、私の番です」
ヒナはそう宣言すると、周囲に誰もいない林道の真ん中で、自らの白いブラウスのボタンに手をかけた。
「ちょっと待ってください先生。まさか、ここで脱ぐんですか」
「当たり前です。今度は、私自身が野外露出のスリルと快感を直接味わい、その感覚を脳に刻み込む番です。葛城さん、先ほどの休憩で体力は回復しましたね」
ヒナのブラウスがハラリと地面に落ち、清楚な白いブラジャーに包まれた理想的なお椀型の胸が、夏の終わりの太陽の光に晒された。
アシスタントとしての背景勉強会は、ついに本物の野外えっちという、後戻りのできない狂気の領域へと突入しようとしていた。葛城ヨウの波乱万丈なロケハンは、まだ終わらない。