進め!アシスタント道 作:ろくりん
タワーマンションの広々としたエントランスを抜け、宅配業者が巨大な段ボール箱を作業部屋へと運び込んできた。
春のイベントに向けた原稿作業が本格化している中での、突然の大荷物である。葛城ヨウはサインをして荷物を受け取ると、どっこいしょと声を上げながら部屋の隅へとそれを運んだ。
「先生、何か機材でも買ったんですか。めちゃくちゃ重いんですけど」
ヨウが肩で息をしながら尋ねると、メインデスクに向かっていた秦谷ヒナが、ペンを置いて立ち上がった。その瞳には、新しいおもちゃを手に入れた子供のような、純粋で危険な探求の光が宿っていた。
「ええ。作画のクオリティをさらに一段階引き上げるための、最新鋭の投資です」
ヒナは段ボール箱に近づき、カッターで手際よくガムテープを切り裂いた。中から現れたのは、真っ黒でスタイリッシュな形状をした最新式のVRゴーグルと、それに付随するベースステーション、そして手足の動きをトラッキングするための複数のセンサー類だった。
「うわっ、これ、今話題になってる一番高いVR機材じゃないですか。ゲームでもやるんですか」
サブデスクでトーン削りをしていた早坂ユイも、珍しいものに目を輝かせて駆け寄ってきた。
「ゲームではありません。作画用の資料作成のためです」
ヒナはVRゴーグルを手に取り、冷徹なクリエイターの顔で説明を始めた。
「三次元空間での人体の構造、パースの狂いのない背景の把握。これらを仮想空間内で自由にシミュレーションできれば、今まで想像で補っていた複雑な構図も、完全に正確なデッサンとして描き出すことができます。しかし、私がこの機材を導入した真の目的は、別のところにあります」
ヒナの視線が、スッとヨウの下半身へと向けられた。
「真の目的、ですか」
ヨウはヒナのその視線に、条件反射のように背筋にゾクッと快感の予兆を走らせた。
「春の新刊で私が描こうとしているのは、視覚を奪われた状態での快楽の増幅と、感覚のズレが生み出す精神の混乱です。目隠しという古典的な手法もありますが、それではただ暗闇になるだけ。私が求めているのは、視覚では全く別の平和な風景を見ているのに、肉体は激しい快楽を強制されているという、脳のバグのような状態なのです」
ヒナの狂気的な発想に、ヨウは思わず生唾を飲み込んだ。
つまり、この最新鋭の数十万円もするVR機材を使って、またしてもエロの実地検証をやろうというのだ。天才美少女作家の発想は、常に斜め上を行き、そして必ずヨウの絶倫な下半身へと直結してくる。
「なるほど……視覚と触覚のズレ、ですか。それ、絶対にエロいやつですね。俺、いつでも実験台になりますよ」
ヨウが喜々として名乗りを上げると、ヒナは満足げに頷いた。
「話が早くて助かります、葛城さん。では、すぐにセッティングを行いましょう」
数十分後。
ヨウは部屋の中央に敷かれたマットレスの上に仰向けに寝転がり、頭には重厚なVRゴーグルを装着されていた。
視界は完全にVR空間へと切り替わっている。ヨウの目の前に広がっているのは、波の音が静かに響く、誰もいない美しい南国のビーチのCG映像だった。青い空と白い雲、そして透き通るような海。ゴーグルに内蔵された高性能スピーカーからは、ザザーッという穏やかな波の音だけが聞こえてくる。
『葛城さん、聞こえますか』
VR空間の南国のビーチに、外部マイクを通してヒナの冷たく艶やかな声が響き渡った。
「はい、先生。ばっちり聞こえます。景色はめちゃくちゃ綺麗なビーチですね。なんだかリゾート地に旅行に来たみたいで、すごくリラックスできますよ」
『結構です。視覚は完全にその平和な仮想空間に固定されます。しかし、あなたの現実の肉体は、今から私の手によって徹底的に開発されます。視界から入る情報と、肌が感じる情報の圧倒的な乖離。それが脳にどのような影響を与えるのか、しっかりと味わってください』
ヒナの宣言とともに、ヨウの現実の肉体に変化が訪れた。
見えない現実世界で、ヨウの穿いていたスウェットのズボンとボクサーパンツが、スルリと足首まで引きずり下ろされたのだ。
「うおっ」
ヨウは思わず自分の下半身を見ようと首を動かしたが、VRゴーグルの視界に映るのは、美しい南国の白い砂浜だけだ。自分の身体がどうなっているのか、ヒナが今どこに立っているのか、視覚的な情報が一切遮断されている。
この状況が、ヨウの不安と期待を異常なまでに増幅させた。
視界は明るく平和な南国のビーチ。しかし、下半身は完全に丸出しにされ、空調の効いた室内の空気に晒されている。
ふいに、ヨウの太ももの内側に、冷たく滑らかな指先が触れた。
「ひゃっ」
いつ触られるのか、どこを触られるのかが全く予測できないため、ほんのわずかな接触でも、ヨウの身体は過剰にビクンと跳ねてしまう。
『ふふっ。視覚という最大の情報源を奪われると、人間の触覚は防衛本能と相まって、普段の何倍にも鋭敏になります。葛城さんの太ももの筋肉が、私の指先の動きに怯えるように痙攣していますね』
ヒナの分析的な声が、波の音に混じって脳内に直接響く。
現実世界では、ヒナがヨウの太ももをゆっくりと撫で上げ、そのままヨウの熱を帯び始めた分身の根元へと指を這わせていた。
「先生、これ、ヤバいです。いつ触られるかわからないから、指が当たった瞬間のビクッていう感覚が桁違いで……」
『まだ始まったばかりですよ。これから、あなたの脳を完全にバグらせてあげます』
ヒナの細く白い指先が、ヨウの分身を優しく、しかし確かなテクニックで包み込んだ。
「あっ……んんっ……」
視界には、青空を飛ぶカモメの姿。耳には穏やかな波の音。
しかし、下半身では、天才美少女作家による極上のハンドジョブが行われている。
ヒナの手のひらの柔らかさ、指先が裏筋をなぞる時の絶妙な力加減。視覚が奪われている分、ヨウの脳は触覚の情報を処理することだけに全力を注ぎ、その快感を何倍にも増幅させて脳髄へと叩き込んできた。
『葛城さん、あなたの分身は、私の手のひらの中でみるみるうちに膨張し、熱く硬くなっていますよ。南国のビーチの景色を見ながら、下半身は完全に発情しきっている。この滑稽で淫らな状況に、興奮しているのでしょう』
ヒナのSっ気を帯びた囁きが、ヨウの理性をゴリゴリと削っていく。
「ああっ、先生の手、最高です。見えないから、指の動きが頭の中でめちゃくちゃ鮮明に想像できて……もう、頭がおかしくなりそう」
ヨウはVRゴーグルを装着したまま、マットレスの上で腰をくねらせた。
「あはっ、アッシーくん、目隠しされてビクビクしてるの、すっごく可愛いっ」
不意に、波の音に混じって、現実世界からユイの明るい笑い声が聞こえてきた。
「ユ、ユイちゃんもいるの」
「当然じゃん。先生だけずるいもん。私もアッシーくんの脳みそ、バグらせてあげるね」
ユイの声がしたかと思うと、ヨウの右腕に、とてつもなく柔らかくて巨大な質量の塊がむにゅりと押し付けられた。
「うおぉっ」
見えない状態で突然押し付けられた、極上のマシュマロのような感触。ユイの規格外の爆乳だ。
視界には南国のヤシの木が揺れているのに、右腕にはユイの体温と柔らかな肉の弾力がダイレクトに伝わってくる。
「えへへ、私のおっぱい、アッシーくんの腕に押し付けて、むにゅむにゅしてあげる。どーお? 見えないおっぱいの感触は」
ユイはヨウの腕に自らの巨大な双眸を擦り付けながら、ヨウの耳元で甘く囁いた。
「ユイちゃん、それ反則だって。見えない状態でそのボリューム押し付けられたら、破壊力が何倍にも跳ね上がる……っ」
『ユイ、邪魔をしないでと言いたいところですが、触覚情報の複雑化は検証に役立ちます。そのまま葛城さんの右半身を責め続けなさい。私は、こちらに集中しますから』
ヒナの声が聞こえた直後。
ヨウの急所を包み込んでいたヒナの手が離れ、代わりに、とてつもなく熱くて湿った柔らかな粘膜が、ヨウの先端をパクリと咥え込んだのだ。
「ひゃあぁぁっ」
ヨウは全身の筋肉を硬直させて絶叫した。
視界は相変わらず、平和で美しい南国のビーチのままだ。太陽の光が水面に反射してキラキラと輝いている。
しかし、ヨウの下半身は今、ヒナの極上の口腔内に完全に飲み込まれていた。
じゅぼっ、んちゅ、じゅるるるるっ。
VRゴーグルの密閉されたヘッドホン越しに、波の音とミックスされて、ヒナの卑猥なフェラチオの水音が立体音響のように響き渡る。
「先生っ、口、めちゃくちゃ熱いっ。見えないのに、先生の舌がどこを舐めてるか、全部わかるっ」
『んちゅっ、れろぉ……葛城さん、あなたの脳は今、視覚の平和な情報と、触覚の暴力的な快楽情報の間で、完全にパニックを起こしています。その証拠に、あなたの腰は私の口の動きに合わせて、勝手に跳ね上がっていますよ』
ヒナは口の端からヨウの分身を少しだけ出し、冷徹な分析と淫らな挑発を同時に叩き込んでくる。そして再び、根元まで一気に飲み込んで喉の奥でギュッと締め付けた。
「うおぉぉっ、ダメだ、これ、本当にヤバい。頭が、真っ白に……」
右腕にはユイの爆乳が絶え間なく擦り付けられ、下半身はヒナの神業のような舌技に蹂躙されている。
見えないからこそ、触覚のすべてが鋭く研ぎ澄まされ、わずかな吐息や衣擦れの音すらもが快感のスパイスとなってヨウの脳髄を焼き焦がしていく。
「アッシーくん、おちんちんすっごくビクビクしてるよ。先生のお口、そんなに気持ちいいの? じゃあ、私ももっと気持ちよくしてあげるっ」
ユイはヨウの右腕から胸を離すと、今度はヨウの胸板の上に跨るようにして乗り上げてきた。
そして、彼女の巨大な双眸の先端、硬く尖った桜色の突起を、ヨウの唇に直接擦り付けてきたのだ。
「んむっ」
視界には南国の青空が広がっているのに、口元には極上の美少女の胸の先端が押し付けられる。
ヨウは本能のままに口を開き、ユイの突起を舌先で迎え入れた。
「あっ、ああんっ。アッシーくん、見えないのに的確におっぱい舐めてくるぅっ。えへへ、お口の中、温かくて気持ちいい」
ユイはヨウの顔に自らの胸を押し付けたまま、嬉しそうに腰を揺らす。
上からはユイの爆乳による顔面騎乗。下からはヒナの狂気的なフェラチオ。
VRゴーグルによって現実の視界を奪われた葛城ヨウは、平和な南国のビーチの映像を見つめながら、完全なる快楽の地獄へと叩き落とされていた。
「先生、ユイちゃん……俺、もう限界だ。頭の中で、快感が爆発しそうっ」
『爆発させなさい。視覚と触覚の完全なる乖離。その果てにある絶頂がどのようなものか、私に見せてっ』
ヒナはさらに吸引力を強め、ヨウの急所を喉の奥深くまで突き入れた。
「出してっ、アッシーくん、先生のお口の中に、いっぱいいっぱい出しちゃえっ」
ユイもヨウの顔に胸を押し付けたまま、甲高い声で煽り立てる。
視覚情報と触覚情報の強烈な不一致が、ヨウの射精中枢の限界をあっさりと突破させた。
「うおぉぉぉぉっ、出るっ、全部出るぅっ」
ヨウはVRゴーグルを装着したまま、腰を激しく打ち上げ、全身の筋肉を硬直させて絶叫した。
南国のビーチの映像の中で、白い雲がゆっくりと流れていくのを眺めながら、ヨウは現実世界でヒナの口腔内へと、熱く濃密な白濁液を怒涛の勢いで解き放った。
ドクン、ドクンと脈打つたびに、尋常ではない量の精力がヒナの喉の奥へと注ぎ込まれていく。ヒナは喉を大きく鳴らしながら、ヨウの精力を一滴残らず飲み込み、極上の快感に打ち震えた。
「んぐっ、こくっ、んごきゅっ……ぷはぁっ」
永遠にも感じられる絶頂の時間が過ぎ去り、ヨウは完全に脱力してマットレスの上に大の字になった。
「……はぁ、はぁ、はぁ……」
ヨウが荒い息を吐きながら身動き一つできずにいると、スッと顔からVRゴーグルが外された。
視界に飛び込んできたのは、南国のビーチではなく、いつもの見慣れたタワーマンションの作業部屋の天井と、口の端に白い液体をつけたまま、妖艶な笑みを浮かべてこちらを見下ろしているヒナの顔だった。
「……素晴らしい検証でした、葛城さん。視覚情報を奪われた状態での、絶頂へ向かう肉体の痙攣と、感覚のパニック。完璧なデータとして、私の脳内に記録されました」
ヒナは自らの唇を指先で拭いながら、クリエイターとしての深い満足感を漂わせて宣言した。
「……先生、これ、マジでヤバいです。見えないことの恐怖と、それを上回る圧倒的な快感。俺、新しい扉を開いちゃったかもしれません」
ヨウが心地よい疲労感に包まれながら言うと、ヨウの胸の上に跨っていたユイが、嬉しそうに身を乗り出してきた。
「ねえねえっ、そんなに気持ちよかったの? じゃあ、次は私がVRゴーグルつけるっ。先生、私にもその新しい性癖、味見させてよっ」
ユイは自らの巨大な胸を揺らしながら、ヨウの横に置いてあるVRゴーグルへと手を伸ばした。
「ユイ、あなたはアシスタントとしての作業がまだ残っているでしょう。遊びではありませんよ」
ヒナが呆れたように言うが、ユイは全く聞く耳を持たずにゴーグルを頭に被ろうとしている。
「いいじゃーん。少しだけ、少しだけだからっ。アッシーくん、私が目隠しされてる間に、いっぱいえっちなことしていいからねっ」
ユイの自由奔放な要求に、ヨウは下半身に再びエネルギーが充填されていくのを感じた。
「先生、ユイちゃんがこう言ってますし。これも作画のための重要な追加検証ということで、俺にユイちゃんを開発させてくれませんか」
ヨウがスケベな笑みを浮かべて提案すると、ヒナは小さくため息をついた後、自らのデスクへと向かった。
「……仕方がありませんね。ユイの反応も、ヒロインのバリエーションとして有益なデータになるかもしれません。葛城さん、思う存分、彼女の感覚を狂わせてあげなさい。私はその様子をスケッチします」
「はいっ! 喜んで!」
ヨウは疲れも忘れて勢いよく起き上がり、VRゴーグルを装着して南国のビーチに降り立ったユイの、無防備で豊かな肉体へと手を伸ばした。
最新機材がもたらした、視覚と触覚の乖離という新たな性癖。
春のイベントに向けた彼らの原稿地獄は、こうして最新テクノロジーと底なしの性欲を見事に融合させながら、ますますドタバタと淫らに加速していくのだった。