ラッキースケベ・トラップダンジョン ~外れスキル『ラッキースケベ』のせいで転生早々追放された俺が、踏破率0%の鬼畜迷宮をエロトラップ化したら、いつの間にか王女と剣聖に激重感情を向けられてました~ 作:マテリ-AL
翌日、『黒牢宝窟』があると言われる岩山の麓に来たコウヤを待ち受けていたのは、フィニアとリラだった。リラの服装はいつもの胸元の空いた赤い騎士装束だったが、フィニアの服装はドレスやフードではなく……探索用のジャケットにスパッツだった。
「おはようございます、コウヤ様! 本日は、よろしくお願いしますね!」
「はい。その服、似合ってますね」
「はい! こっそり調達した、特注の冒険者装です。似合っていると言っていただいて、とても嬉しいです」
喜びを表現するかのように、フィニアがくるりと回る。
「……おっとっと」
だが、回る途中で足が引っかかって転げ、地面に手をついてしまう。すると、スパッツで強調されたお尻がコウヤへ向かって突き出される体勢となってしまう。
「…………」
フィニアのむちむちなデカ尻を見たコウヤがフィニアと出会った日のことを思い出して、怯んでいると……入口付近からリラがコウヤへ声をかけた。
「おい、あんまりフィニア様に近づくな。フィニア様は貴様のスキルを使いたいだけだし、私はそもそも、貴様を認めてなどいないのだからな」
「え。ちょっと、リラ……。私たちが、頼んだ側なんですよ?」
「……ふんっ。ダンジョンに潜る手続きをしておいた。早く入って、『白王紋』を取り返して帰るぞ」
リラがそう言い切ると同時に、ゴゴゴという音を立て、岩壁が開く。すると、ダンジョンの奥から、腐臭を思わせるほど濃密な死の気配が漏れ出し、コウヤは顔をしかめた。
「……っ、これは、凄いな。これまでのダンジョンとは、ものが違うというか」
「行きましょう、コウヤ様。我らが国を蝕む病魔、黒牢公を……切除するんです」
「はい!」
三人は並んで、開かれた岩壁の奥へ足を踏み入れる。境界を一歩越えた瞬間、景色が一変した。黒い岩肌には、虹のように色とりどりの宝石が埋め込まれている。
その輝きを見たコウヤの口が動く。
「もしかして、これ……」
「はい、全て本物ですよ」
「そうなのか……いや、圧倒されちゃダメだな」
コウヤは顔を叩いて気合を入れなおすと、硬い地面を一歩踏み出した。
*
一方その頃、オルドレアは『黒牢宝窟』の最深部にて、王族の血から作ったワインを片手にソファーに座り、ダンジョンの様子を監視していた。魔法ビジョンにフィニアたちの姿が映った瞬間、オルドレアの顔に歓喜の色が浮かぶ。
「おお! やっと、来てくれたね王女様! うん、痩せて肉が減ってなくてよかったよ、それどころか、お尻がもっと大きくなったんじゃないか! ああ、嬉しいなあ! わざわざ僕のために、食いでを増やしてくれるなんて!!」
オルドレアは魔法ビジョンへ顔を寄せ、真っ青な舌でフィニアの映像をべろべろと舐め上げる。やがて、その目は……フィニアの同行者、リラへ向けられた。
「こっちは……ああ、護衛か。不味そうだし、王女様に絶望というスパイスを降りかけるために利用して、あとは適当に売っちゃうか。あとは……」
オルドレアの目がもう一人の同行者、コウヤを捉える。途端に額へ青筋を浮かべ、露骨に眉をひそめた。
「なんだこの男。王女様と距離近くないか? しかも、戦闘力もなさそうな、蛆虫同然……。困るなあ、蛆虫にたかられたら、肉が汚れちゃうじゃないか!」
額から冷や汗を流し、見るからに動揺を始めるオルドレアだったが……ワインを一口飲みこむと、何か妙案を思いついたように手を叩いた。
「そうだ! 王女様を奴隷にするついでに、あの男を王女様自身の手で殺させよう! 優しい王女様なら、あんな蛆虫一匹でも自分で殺したとなれば、きっと素敵な絶望を見せてくれるだろうしね! あっはは! さすが僕、素晴らしいプランだ!」
オルドレアが意気揚々と壁にある魔法陣へ魔力を入れる。
その魔法陣の上には……古代魔族文字で『奴隷首輪』と書かれたプレートが貼られていた。
*
「はぁああああっ!!」
人一人なら容易に丸呑みできそうな大蛇を、リラがその大剣で両断する。首を狩られた蛇は、叫び声をあげることもなく、黒いもやとなって消滅した。
「おぉ……すごいパワーだ。あれがスキルなのか?」
それを見たコウヤが、感嘆の声をあげる。それを聞いたフィニアは、嬉しそうに微笑みながら、口を開いた。
「リラのスキルは『筋力強化』。スキル自体は珍しいものではございませんが、リラはただひたすらに向き合い、磨きあげました。見てください、あんなこともできるんですよ?」
「……うん?」
フィニアが指し示した方へコウヤが視線を向ける。すると、そこでは……リラが大剣の腹でゴーレムを弾き飛ばしていた。弾き飛ばされたゴーレムが後ろにいた大型獣の群れに激突し、後方に並んでいた大型獣たちは、吹き飛んできたゴーレムと壁との間に挟まれ、一斉に押し潰された。一連の流れを見たコウヤが、驚きの声をあげる。
「……え? あんな一気に押し潰せるほどの勢い出てたか?」
「それだけの力を付与したのですよ、リラが。筋力強化のために使われる魔力を剣にまで流し込み、叩きつける。すると、付与された力が伝わって、色々なことができるようになるんです。これは、ただ『筋力強化』という文字列を鵜呑みにするだけでは生まれることのない、スキルを磨き上げた先にある新たな地平といっても――!」
「お、おう……わ、分かった。わかったから……落ち着いて……」
唾を飛ばすほどの勢いで、興奮気味に話すフィニアがあまりにもぐいぐい前に来たため、コウヤは後ろへ身体を倒さざるを得なくなってしまった。
「……詳しいんですね」
「はい! 私、昔からスキルとか魔法の研究をするのが大好きなんです!」
コウヤの言葉に満面の笑みで応えるフィニアだったが……金髪の奥に覗く耳がぴくりと動くと、その表情から笑みが消えた。
「……っ」
「どうした?」
「上、厄介なのがいます。この手合いはリラではなく私の出番ですね」
コウヤが上を向くと、黒いもやが集まり、人の顔のような形を作って、まるで悪霊のように今にも襲い掛からんとコウヤたちの上空を飛び回っていた。
「襲われる前に、浄滅しちゃいましょう!」
フィニアが目を瞑って両手を合わせる。すると、その身体からクリーム色の光が放たれた。コウヤのいる場所まで光が満ちたその瞬間、フィニアが目を見開いた。
『ホーリースプレッド!』
詠唱と同時に、光がドーム状に発散した。クリーム色の光に包まれた悪霊は甲高い奇声を発しながら苦しみ始め、数秒も経たずに消滅した。
「これが私のスキル……『聖光の祈手』、要するに聖魔法魔法です! 王家に代々伝わる……由緒正しいスキルなんですよ」
フィニアがコウヤへ笑顔を向けるのと、辺りの敵を全て倒したリラが戻ってくるのはほぼ同時だった。二人の姿を見たリラが語気を強くしてコウヤへ詰め寄る。
「貴様、フィニア様との距離が近すぎるぞ!」
「あ、わ、悪い……」
「リラ、コウヤ様への態度を改めなさい。あと……どうして、負傷したところを隠そうとするのですか?」
「……っ、べ、別にこれくらい大丈夫――」
「危険なダンジョンです。少しの怪我が命取りになります。早く、見せなさい」
先程までとはうってかわって厳しい目を向けるフィニアの圧に負けたのか、リラが顔を背けて服をまくり上げる。すると、腕に爪状の切り傷ができていた。
「……ちゃんと深い傷じゃないですか。ほら、治しますよ……『ホーリーヒール』」
フィニアが片手で祈りを捧げると、その手から光が放たれる。手を腕の前へ持って行き、光を当てると……リラの傷はみるみるうちに治っていった。その間もずっと、リラはフィニアから顔を背けたままだった。
(フィニアのスキルって、攻撃にも回復にも使えるんだな……流石、王家に伝わる由緒正しき魔法だ)
コウヤがフィニアのスキルに感心した、その時――。
リラとフィニアの背後から鎖の付いた首輪が放たれた。
「危ない!」
一番先に気づいたコウヤが声をかけるが遅かったようで、首輪は二人の首へ正確に嵌ってしまった。
「がっ!? どこから、飛んできた……!? こんなものっ……!!」
すぐにリラが自らの筋力を強化して首輪へ手をかけるが、どれだけスキルで筋力を強化しても、首輪にはヒビ一つ入らない。
「うぅ……!! だったら、私の魔法で……!」
続いてフィニアが苦しみつつも祈りの体勢となり、聖なる力で首輪へ干渉しようとする。だが、特に効果はなかった。鎖を通してダンジョンから黒色の魔力が二人へ侵入する寸前……コウヤが二人の鎖をその手で掴んだ。
「首輪がダメなら、鎖の方を……!」
コウヤが鎖を掴んだその瞬間、バチンッという何かが弾けるような音がする。見ると、鎖を流れていた黒い魔力が途中で色を変え、赤と金の光となってコウヤの両手へ吸い込まれた。同時に鎖が切れ、コウヤの両手の甲に赤と金の紋様が浮かぶ。
「え? なんだこれ。とりあえず、鎖は切れた、のか? 二人とも、大丈夫か……?」
急転直下の展開に頭の整理が追い付かないまま、コウヤはとりあえずフィニアとリラへ心配交じりの目線を向けた。苦しみに耐えるように顔を伏せていた二人は、コウヤの言葉でその顔を上げると……。
「はい、大丈夫ですよ――ご主人様!! 奴隷である私たちを心配してくださるなんて、やはりご主人様はとても優しいですね。ご主人様の奴隷になれて、私とっても幸せです!」
「ああ、そうだな。主様に……あれ? 私の主は……いや、どちらにせよ、仕える者として、奴隷として……さらに努力せねば」
「…………え?」
(……なんか、とんでもない幻聴が聞こえた気がするんだが!? いや、幻聴でもこの内容はない。多分聞き間違いだ!)
普段のフィニアやリラからは到底出てくることのないであろう、コウヤを崇拝する言葉だった。あまりの内容にコウヤが立ち竦んでいると、フィニアがコウヤへ身を寄せてくる。
「どうされましたか、ご主人様。何やら顔色が優れないようですが……私にできることがあれば言ってください! このフィニア、ご主人様の第一奴隷としてなんでもやります!」
「…………っ!?」
(聞き間違いじゃ、ない……!? 何が起こった!? いや、多分あの首輪のせいなんだろうが……)
全身から冷や汗をダラダラ流して動揺するコウヤだったが、このままではどうにもならないことを察し、現状把握のため一つ質問をすることにした。
「じゃあ、その……まず、自己紹介とか、してくれないか?」
(それで、二人が今の自分をどう思っているかを確かめたい!)
絞り出すような声で、コウヤが二人へお願いをした瞬間、それぞれの首輪が呼応するように髪色と同じ金や赤にちかちかと瞬き、二人はコウヤへ向かって跪いた。
「承知しました。私はホワイトグレイス王国第三王女にしてコウヤ様の第一奴隷、フィニア・ホワイトグレイスと申します。王女奴隷として……ご主人のために、全てを捧げる覚悟で尽くします!!」
「わ、私はコウヤ様の第二奴隷、リラ・ストレングスだ。今はまだ主様を守るだけの騎士奴隷だが、いつかは華々しい活躍をして……英雄奴隷になりたいと思っている。まだ、至らぬところが多い身だが、その……見捨てないでくれると、嬉しい」
「……そ、そうか」
(多分、この首輪のせいだよな……? どうすれば……)
二人に跪かれたコウヤの頬がこれ以上ないほどに引きつる。するとここで、何か唸り声がした。視線を上げると、奥から再び魔物が湧き出している。先程よりも大規模な魔物の群れを見たコウヤは、物陰に隠れ、二人へ手招きをした。
「……二人とも、こっち来てくれ」
(何が起こってるか分からない以上、今の精神状態で戦わないほうがいい)
「はい! ご主人様!」
「ああ、すぐに行く」
二人はとてとてとコウヤの方へ歩み寄ると……ぎゅーっとその身体を密着させた。コウヤの鼻腔に花のようないい匂いが漂い、柔らかい肢体の感触が容赦なく伝わる。
「…………!?」
リラの柔らかい胸と、フィニアのむっちりした尻肉をいきなり押し付けられたコウヤが動揺していると、二人が口を開いた。
「えへへ、ついでにご奉仕しちゃいます。ご主人様、いかがですか? 私たちのご奉仕は」
「む、奉仕ゲージが上がっている。恥ずかしいが、もっと胸を押し付ければいいんだな」
「……奉仕ゲージ?」
コウヤが改めて首輪を見る。すると確かに、『奉仕度』という文字列の隣に、それぞれの髪色に応じた色のゲージのようなものがついていた。どちらも、今の時点では二割ほど溜まっているだけだ。
コウヤの問いかけに対し、フィニアが我こそはと前に出た。
「奉仕ゲージとは、その名の通り……私たちがどれだけご主人様に奉仕できたかの尺度です! これがいっぱいになると……」
ここで、フィニアが口を開いたままその動きを止めた。二、三度口をぱくぱくと開け閉めするが、次の言葉は出てこない。心配になったコウヤは改めて問い返すことにした。
「いっぱいになったら、どうなるんだ?」
「……あれ? いっぱいになったら、どうなるんでしたっけ? なにかが起こることは分かっているのですが……まあ、いいです。こんなゲージがなくても私は、どうすればご主人様が喜んでくださるかをいつも考えているのですから!」
あっけらかんとした表情のまま、フィニアはさらに強い力で、コウヤへ身体を押し付ける。コウヤは見た。首輪の奉仕ゲージが増えると同時に、右手の甲にある金色の紋様の色が僅かに薄くなるのを。
(多分、この奉仕ゲージが満タンになったら首輪が外れるとか、そういうのじゃないか!? いや、でも、一国の王女様にこれ以上奉仕させるなんて……)
コウヤが迷っていると、ズシン、ズシンという重々しい足音と共に巨大な獣が通り過ぎた。どうやら、物陰にいる三人には気づかなかったようだが……この分だと時間の問題だろう。
「もっと奥に行こう、いつ気づかれるか――むぐっ!?」
提案を言い切る前に、コウヤの口が塞がれる。コウヤが「もっと」と言った時点でリラが自らの豊満な胸をコウヤの顔へ押し付けたためだ。
「分かった。もっと、私のおっぱいの奥に行きたいんだな!? ど、どうだ主様、私の奉仕は。ちゃんと、できているか?」
「むー、むーっ!」
(そ、そうじゃない……!)
巨大な柔肉の海に沈められ、コウヤは訂正ができない状態になってしまう。そんな二人を見たフィニアは、ぷくーっとその頬を膨らませた。
「むっ、ずるいですよ、リラ! 私だって、ご主人様にもっと満足のいくご奉仕を……!」
フィニアはスパッツを下着ごと膝にまでずりおろし……コウヤの手をとると、肉付きのいい大きな尻へ持って行った。コウヤの手の上からフィニア自身の手を重ね、尻を鷲掴みしてその柔らかい感触を味わう体勢となる。
「ふぅ……ぅ……。なんか、こうして主様に奉仕をしていると……」
「はふ、んぅ……あん……。じわりと幸せな感じが、胸の奥からわきあがって……」
二人は奉仕の悦びを感じてしまっているようだ。柔胸をコウヤへ押し付けてぱふぱふするリラと、肉がたっぷりついた自らの尻の感触を味わわせるフィニアの目が、段々とろんとした熱を帯びていく。
だが、ここで、コウヤが力に任せてフィニアの尻から手を離した。
「フィニア様、やっぱりこういうのはよくない……痛っ!?」
だがここで、無理矢理離した反動で、岩肌の鋭い突起へ人差し指を擦りつけてしまう。皮膚が裂け、鮮血が垂れ落ちたのを見たフィニアの顔色が真っ青になった。
「ご主人様! それ、私が治しますっ!!」
「え、いや……」
『ホーリーヒール!』
スキルを使用したフィニアの身体から、再びクリーム色の光が湧き出す。フィニアは、その光を自らの口の中に集約させると……傷ついたコウヤの指を、その小さな口で咥えこんだ。瞬間、フィニアの奉仕ゲージがぐーんと勢いよく増加する。
「……あむ! ちゅ、ちゅぱ、んむ……」
「フィニア様……!?」
「えへへ……じゅる……いっしょに……ごほーししちゃいましゅ……」
「……っ!」
紅潮した頬に蕩けた上目遣い、呂律の回っていないへりくだった言葉……今のフィニアから王女様にはあるまじき『雌』を感じてしまい、コウヤはどうしてもたじろいでしまう。
そんなフィニアの様子を察したリラが、口を尖らせた。
「なぁ」
「あっ……。すまん、すぐ離れるから――」
「どうすれば私はもっと見てもらえる? 主様に相応しい存在になるため……誰にも、負けたくないんだ」
「え……」
ぐっと奥歯を噛んで悔しさを滲ませたその言葉に、コウヤが呆気にとられていると……フィニアがコウヤの指を口から離し、嬉しそうに口角を上げた。
「ぷはっ、相手に聞くのではなく……リラ自身が相手のために何ができるか考えることが大切だと思いますよ」
「私が、主様のために何ができるか……」
赤髪を撫でながら思考を巡らせていたリラだったが、やがて覚悟を決めたような表情をすると……胸元の空いた服をずり下げ、ぷるんと生乳を露わにした。だが、それだけでは収まらず、リラは自らの両乳の先端にあるピンク色の突起をその手で束ねると……コウヤの口に突き入れた。
「色々考えたが……やはりその、男の人はこういうおっきな胸が好きなのだろう? だから……味わってくれ」
「ぐむ……っ」
口の中に異物を突き入れられたコウヤが、反射的に異物を舌で触れる。こりっと硬く、ほんの少しだけ甘いそれは、まぎれもなく……リラの乳首だった。
「っ、んぁ、私のおっぱい、美味しいか? 普段は男どもの下卑た視線を受け、正直煩わしいと思っていたが……ふぅ……主様が好いてくれるなら、悪くないな」
「わ、私も負けてられませんね……ちゅぷ、ちゅ、んむ、ちゅ……」
リラのスキルでコウヤの身体はがっちりと壁に押さえつけられ、その口いっぱいにリラのおっぱいを含まされ、逆に指はフィニアの回復効果付きの唾液に浸され、ふやけきっている。
当然、二人の首輪の奉仕ゲージはその間もぐんぐんと伸びていく。奉仕の悦楽が二人へ伝わったのかその目はさらに蕩け、口から唾液が垂れていった。
「はひゅ、んぁ、主様……! 私の奉仕を……んぅ、全てを……受け入れて……!」
「ちゅぷ、んちゅ、ぁ……ごしゅじんさまへのごほうしで、はふ、わたし、いっぱいしあわせに……なっちゃいます……!!」
奉仕ゲージが満ちたその時……二人の奴隷の中で悦びが弾け、その身体を震わせた。
「あ、ふぁああああああああっ……!!」
「っぅ、~~~~~~っ!!」
洞窟内に響き渡りそうな嬌声と共に、ガチャンという無機質な音がして二人の首輪が外れ、地面に落ちた。
「あ、外れた……。……うわっ!」
だが、甲高い悲鳴のせいで先程の巨大な魔物に気づかれてしまったようで、虚ろな眼窩が三人を捉える。コウヤが二人の手を引いてどうにか逃げようとするより先に……リラが動いた。
「う、ああああああああああああっ!!!!」
洞窟の最深部まで響きそうなほどの絶叫と共に、リラが巨大な剣を片手に魔物へ飛び掛かる。リラが剣を振るうと……成人男性の数倍の体躯はある魔物が縦に割れた。
「え、すっご……」
「はぁ……余計な魔力使い過ぎですよ、リラ。気持ちは分かりますが」
感嘆の声を上げるコウヤとは裏腹に、フィニアは呆れたように肩を竦めている。だが、その目にコウヤを映すと……降ろしたスパッツを上げながら、照れくさそうにはにかんだ。
「おはようございます、コウヤ様。……ご主人様と言った方がいいですか?」
「いや、やめてくれ。……記憶とか、あるんだな。だったらその……オレはリラに殺されても仕方ないんじゃないか?」
「いえいえそんな。むしろ我らは、コウヤ様のスキルに救われたのです。我らだけではあの首輪を破壊できず、今頃ダンジョンの奴隷になっていたでしょう。リラもそれが分かっているので、コウヤ様に怒りをぶつけられないのでしょうね」
フィニアの視線の先に、リラの姿があった。だが、その顔は熟れた果実のように真っ赤で……。
「認めないっ! 認めないからなぁ……っ!!」
言いようのない感情を無理やり発散させるかのように、魔物の群れを剣一本で薙ぎ払っていた。
*
「奉仕ゲージってなんだよッ!!!!」
外にまで響きそうな叫びと共に、オルドレアが地面にグラスを叩きつける。中身が飛び散ってソファーも汚れるが、今の彼にそれを気にしている余裕はないようだ。
「ああああああああっ!! なんで、なんでッ!! 完璧に作動したはずの僕の罠が! あんな蛆虫野郎のものになってんだ!!」
髪を振り乱し、気味が悪いほど長く伸びた爪で頬を掻きむしりながら、オルドレアは喉が裂けんばかりに叫ぶ。画面の中でコウヤとフィニアの距離が縮まると……その声量はもう一段階上昇した。
「やめろ汚れる!! 僕の最高級肉にたかるな蛆虫ィ!! 熟成に何年かかったと思ってんだァ!!」
腰をしならせ、壁に全力で頭を打ち付ける。額が裂け、血が噴き出て……それでやっと、オルドレアの頭はわずかに冷えたらしい。
「はぁ……っ、はぁ……っ! いや、確か、この次にあるのは……『クイズ罠』のはずだ。あれは、抱えている秘密が重いほど効果が凶悪になる。あれがあれば……」
オルドレアの口角がどんどん上がっていき……遂に彼は、大笑いを始めてしまった。
「歴史の闇に隠された国家秘密を知られたら……処分するしかないよなァ!? やっぱり姫様の手で、アイツを殺させ……絶望させてやるよォ!! あっ、ははははっ!」
彼は知らない。
……不確定要素の多い罠こそ、『ラッキースケベ』の真骨頂だと。
【罠解説】
『奴隷首輪罠』
首輪により精神を汚染し、ダンジョンへ隷属させる罠。
首輪は装着された人では破壊できないようになっているため、本来はパーティ内で殺し合いをさせるためのもの。
奉仕ゲージってなんだよ。