ラッキースケベ・トラップダンジョン ~外れスキル『ラッキースケベ』のせいで転生早々追放された俺が、踏破率0%の鬼畜迷宮をエロトラップ化したら、いつの間にか王女と剣聖に激重感情を向けられてました~ 作:マテリ-AL
『
コウヤがスキルを発動させるのと、黒拳を受け止めたリラの大剣が砕け散ったのはほぼ同時だった。剣に彫られた紋様が破壊されたことで衣装魔法が不成立となり、大剣とリラが着ている装束の両方が塵となって消滅。リラは全裸で、最前線に放り出されてしまった。
「ぐっ――!!」
「あっはははははっ!! いやぁ、いい運動だったよ! これだけ腹を空かせた後に食う王族フルコースはさぞかし美味しいだろうなぁ! じゃ、死ね――」
目の前で無防備になったリラを嗤うように指差し、勝ち誇ったかのように胸を張るオルドレア。触腕へリラを殺す命令を出そうと指を弾いたその瞬間――。
「――ねぽぉっ!?」
ズボォッ!! という豪快な音がしてオルドレアの姿が消えた。
見ると、そこにはいつの間にか落とし穴が口を開けていた。
「…………えっ」
命の危機、戦いの緊張をぶった切られたリラがあっけにとられたように身体を硬直させる。それを見たフィニアははっとした顔をすると、後ろにいるコウヤへ興奮気味に声をかけた。
「――コウヤ様!! スキルを発動されたのですね!!」
「はっ……! はっ……!」
憔悴で眼をぎらりと光らせ、荒い息を吐くコウヤの足元には魔法陣が出来上がっており、陣を起点にダンジョンへ青い光――コウヤの魔力が侵食していく。よく見ると、オルドレアが落ちた落とし穴はコウヤの魔力が侵食済みの地面から発生したものだった。
「――ふざっけるな! なんだこ――ぼぉっ!?」
駆け上がるように穴から這い出したオルドレアの上半身が、どこからともなく降ってきた巨岩に潰される。上半身が地面にめり込み、足だけぴんと天に伸びているその様は、まさしく海老反りだった。
『――ホーリーバースト!!』
オルドレアが触腕を操れない隙に、フィニアが溜めていた極太の聖光を解き放ち、黒き触腕を焼き払う。それに気づいたのかオルドレアは虫のように巨岩から這い出て、青筋を立てた額を三人へ向ける。
「たかが数十本破壊したぐらいで、調子に乗るなよ――! まだ八千人分も……!!」
オルドレアが魔力を解放する。だが、触腕どころか、何も出てこない。何度も試行を重ねるが、そのすべてが無駄に終わる。その顔色は段々と蒼白になっていった。
「は? なんで、なんでだ。どうして――ダンジョンと魔力のリンクができないんだっ!? 何が起こってるっていうんだ!!」
『ホーリーストライク!』
「ぎ、ぁああああああ!?」
聖光弾が背中へ直撃し、皮膚が酸に焼かれたような音を立ててオルドレアが地面をのたうち回る。ここでやっと、自身が置かれている窮状に気づいたようで、地面に這いつくばりながら恐怖に身体を震わせた。
「――ここはもう、ダメだ! 何か変なものに乗っ取られている!! ここ以外のどこかで、体勢を立て直さないと――!!」
とにかくここではないどこかへ向かおうと、オルドレアは地面に伏したまま、翅のもげた虫のように四つん這いで逃げ出した。
その先にあったのは――。
地獄。
ここには奇跡がない。
ここには正解がない。
ここには祝福がない。
ここには希望がない。
ここには成功がない。
ここには嘉瑞がない。
ここには■■がない。
ただ、不幸だけがあった。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!! あ゛だま゛が!! あ゛だま゛がわれるぅううううううっ!!」
どこからか飛来した首輪に精神を汚染され。
『問題:黒牢公オルドレアの命日はいつでしょう?』
『①:今日 ②:今日 ③:今日』
「はぁ!? そんな――」
『時間切れ!! 不正解!! 今すぐ死ね!!!!』
「ぼぎゅっ!?!?」
クイズのペナルティで身体が岩に取り込まれ圧縮され。
「ひぎゃいいいいいっ!! やめろ、やめろぉおおおおっ!!」
廃棄処分されるべき肉として、見えない刃に身体を端から輪切りにされた。
最早オルドレアは――籠の中の虫、急流に流される小石でしかない。天命に弄ばれる、哀れで矮小な邪悪を見たコウヤは、それでも眉一つ動かすことはなかった。
「…………」
そう、それはコウヤにとっては胸のすく快事ではなく。
だからといって、恐れおののくような惨劇でもない。
(……転生前のオレも、傍から見ればあんな感じだったのかな)
ただ、見慣れた天井を眺めるような無感動と、ほんのわずかな郷愁だけが、そこにはあった。
「出せ! 出せぇ!! ふざけるなっ!! ここは、僕のダンジョンだぞ!! 僕の城!! 僕の庭!! 僕の楽園!! の、はずっ、なのに――っ!!」
これまで数千を超える冒険者を嵌めてきたダンジョンの悪意が自分へ向かっただけなのに、オルドレアは身体も心もボロボロになってしまったようだ。足を再生させる余裕すらないのか、腕だけで這いずっている。その虚ろな姿は、もはや亡者としか言いようがなかった。
そんな彼の目に、光が映った。
黒き空間で存在感を放つ、扉を思わせるアーチ状の光明。
その光を見たオルドレアの顔に、見る見る希望が戻っていく。
「あ、あぁっ……!! ま、間違いない――あれが、出口だ!!」
心の底からの安堵で頬肉が緩み、両目から大粒の涙が絶え間なくこぼれる。身体の奥底から魔力を絞り出して足を再生させ、オルドレアは救いの光に導かれるように、一心不乱に走り出した。
光に辿り着いた魔族が見たのは――。
純白に輝く、リラの大剣だった。
「……出口? 訪れると思うか? 貴様のような下衆に――そんな幸運が!!!!」
「ぁ……あぁ……っ!?」
リラが愛用していた大剣の刃は、二層でオルドレアに砕かれた。
だが、残された柄へフィニアが聖なる光を乗せ、リラが力を放出させることで――剣を象ったのだ!!
『ホーリィイイイイイセイバァアアアアアアアアア!!』
渾身の力を以って、リラは――聖光大剣を振り抜いた。
薄明のように白く輝く刃がオルドレアの胸を貫く。刹那、聖なる光が弾け、オルドレアの身体を宙に弾き飛ばした。
「ぎぃいいいいいいあぁああああああああああああっ!?!?」
魔を焼く聖属性は身体を燃やし尽くし、力の奔流が骨格を砕く。
二人の力が合わさった絆の光輝はついに――魔族の核を破壊した。
「ぁ……が……」
オルドレアが落ちたのは、奇しくもコウヤとフィニアの間だった。核が破壊されたことで、オルドレアは身体の端から黒い靄となって消滅し始めている。
「なにが……なんで……どうやって……」
最早身動きも取れないオルドレアはうわごとのように言葉を呟くことしかできない。そんな魔族を冷然と見下ろしながら、フィニアは口を開いた。
「その答えは一つだけですよ。あなたが蔑み続けたコウヤ様が、転生者だからです」
「てん、せいしゃ……!?」
オルドレアの顔が一気にこわばる。反応を見たフィニアは逆に、笑みを深めた。
「……その反応。やはり、人間側の伝承に理はあるようですね」
「伝承?」
コウヤが問い返すと、フィニアはない眼鏡を指で上げるような仕草をした。
「ほら、戦ってるときオルドレアが叫んでいたじゃないですか。人間が弱すぎるからダンジョン法ができたのだと。人間側に残る伝承では逆なのです。かつて転生者に魔族が圧倒され、それを問題視した魔王が現在のダンジョン法を作った、と」
「反応を見る限り、そっちが正しそうだな」
コウヤの視線が既に下半身のないオルドレアへと向く。
コウヤと目が合ったオルドレアは突然、つい先ほどまで蛆虫と蔑んでいた相手を、媚びるように褒めだした。
「いや、転生者だったとはね。なるほど、あれだけ強いわけだ……」
オルドレアの顔はまるで悟りでも開いたかのように晴れやかだ。
それは、最期の『自己保身』。逃れられない死を前にして、数百年生きた魔族は……そのプライドだけは守りきろうとしていた。
「ダンジョンを塗り替える力、『
「いや? オレのスキルは『ラッキースケベ』だけど」
「………………は?」
コウヤのスキル名を聞いた瞬間、まるで栓でも抜いたかのように魔族の顔へ屈辱と絶望が溢れ出し、悟りが塗りつぶされた。
「なんだ……その、くだらないすきるは……!? ふざ、けるな。ぼくはそんな、そんな、もの……に……?」
絶望に塗れたオルドレアの顔が靄となって消えていく。存在が完全に消滅する寸前、オルドレアが、世界に蔓延り続けた悪意の塊が、最期に見たのは……。
「ああうん。下らないよな。オレもそう思うよ」
「…………! …………!!」
一片の悪意なく自身に共感する、憎き男の薄い笑みだった。
*
「――白王紋、回収しました!」
フィニアが白き印璽を高々と掲げる。四層最奥にある宝箱に収められていたそれを見て、コウヤはほうと一息ついた。
「良かった。壊されてたり既に他の国に売られてたら、どうしようかと……」
「オルドレアは明らかに私以降も王族を誘い込む気でしたので、その餌をむざむざ破壊したりはしないでしょう。それに、冒険者がダンジョンに入っている間に報酬を変更するのはダンジョン法違反ですので」
ここでフィニアは、右手に嵌めた指輪に重ねるように印璽を持ち替え、ぎゅっと祈るように目を閉ざした。
「……お母様。やっとあなたの仇を、討つことができました」
数秒後、目を開いたフィニアはいつものような快活さと上品さの混じった笑顔に戻っていた。
「――では、帰りましょうか。早くリラに服を着させてあげないと、風邪を引いてしまいそうですし」
フィニアの視線の先で立つリラは、先ほどの戦いで服が砕け散ってしまったため、コウヤの上着を肢体の上に被せている。だが、胸が大きすぎるせいか布一枚では肢体を隠しきれず、時折ちらりと桃色の乳頭が見えてしまっていた。
「……お気遣い感謝します、フィニア様!」
「…………」
(服装で言うのなら、フィニア様も大概じゃないか?)
犬耳と暖簾姿のフィニアへ疑問を持ったコウヤだったが、あえて口には出すことはせず、帰路につく二人へついていく。そのまま、一層に戻った時、三人は画面の割れた魔力ビジョンが転がっているのを見つけた。
フィニアとコウヤにはこのビジョンに見覚えがあった。フィニアの性的嗜好を丸裸にしたクイズで使われていたものだ。
そう気づいた瞬間、二人は同時にビジョンから目を逸らした。
「……うん? 何か映ってるぞ? ダンジョンの残存魔力で動いているのか?」
だが、クイズ自体を経験していないリラはビジョンの中身を見てしまった。そこに映し出されていたのは……。
『五■目』
『回答■:――――』
『■ィ■アが■来欲しいと■っている■供の数は?』
『①:0 ②:■人 ③:10■』
「……なんだこれは」
「…………!」
(……なんか、見覚えあるぞこの問題)
ビジョンの故障によってところどころに空白があるが、それはまぎれもなくコウヤとフィニアが一度挑んだ問題だった。だが、事情をよく分かっていないリラは、首を傾げたままだ。
「……そもそも何を書いてるかよくわからんな、①とかか?」
ブッブー。
リラがどうでもよさそうに回答すると、そよ風より弱々しい不正解音がして……ビジョンが切り替わった。
『不■解 現在、正解■:- 不■解数:-』
『解説:正■は③、10人。オ■■■アを倒し、未来を思い描ける■うになったフィニ■は、コウヤとの子■をたくさん■みたいと思うように■ったぞ! 特にスキルを使用■た時のコウヤの冷■な表情がマ■心をくすぐり、雌■のように首輪で支■されながらのお■んぽがしたくなったらしいぞ!』
「さ!!!! お『さ』んぽ、ですからね!?!?」
空白があるにもかかわらず、文章を目にした瞬間、フィニアは顔を茹でダコのように真っ赤にしながら、猛烈な突っ込みを入れた。
「――見てはなりません、コウヤ様!!」
「むぐっ!?」
そしてフィニアは……ビジョンをコウヤへ見せないよう、その顔面へ飛び掛かった。勢いで乳暖簾がめくれ上がり、ぽよんとした弾力を持つ生乳がコウヤの顔全体を覆い隠すように包み込む。
「あのっ、いきなり申し訳ございません。でも、その……恥ずかしいので、見ていただきたくないのです!!」
「むぐ……むー……!?」
(胸を押し付けている現状より恥ずかしいことが書かれているのか!? 逆に気になるぞそれ!!)
フィニアの下らない抵抗は――見かねたリラが事情も分からないままにビジョンを蹴り砕くまで続いた。
産ではなく、孕です。
さではなく、ちです。
黒牢公編(踏破率0%ダンジョン進攻) で一番好みだった罠をアンケートします。軽い気持ちで、ご参加ください。
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奴隷首輪罠
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ハッピー☆クイズ罠
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検品罠