ラッキースケベ・トラップダンジョン ~外れスキル『ラッキースケベ』のせいで転生早々追放された俺が、踏破率0%の鬼畜迷宮をエロトラップ化したら、いつの間にか王女と剣聖に激重感情を向けられてました~ 作:マテリ-AL
真っ暗なダンジョンから外へ出た三人の目に飛び込んできたのは、目も眩むほどに白い朝の光だった。それを見たフィニアがほぅと安堵の息を吐く。
「……まさか、また生きて日の光を浴びられるとは。本当に、コウヤ様には感謝しかありませんね」
「ああ、私たちが地上に帰ってこれたのは全て……コウヤのお陰だ。本当に、感謝してもしきれない」
「いや、三人みんながいたからこその結果だ。オレ一人じゃ、何もできないよ」
三人でそんな言葉を交わしながら、ダンジョンのあるはげ山を降りていく。すると、ずずんっ!! と大地が轟いた。まるで地の底から巨人でも這い出てきたかのようなそれに、三人が慄く。
コウヤはこの感覚に覚えがあった。
ラピスと共にダンジョンを踏破した時の――今までダンジョンで亡くなった冒険者の骨が排出される予兆。
「…………え? これ、まずくないか?」
瞬間、コウヤは身体を震わせた。気づいてしまったのだ。今踏破したダンジョンでの行方不明者数は9000を超える。その全てが一気に放出されたら、近くにいるコウヤたちは――。
ドンッッ!! 星が堕ちたような音がして、はげ山から白い球体が膨れ上がった。空中にもう一つ山が生まれたかのような巨大な白塊。自由落下で地面へ激突したそれは、白き大海嘯となって三人を――。
「っ! 二人とも、私の後ろへ!」
「だ、ダメです、リラ!」
悪意に満ちたダンジョン、その最後の置き土産をたとえ身体が砕けても受け止めようと、リラが両手を広げて二人の前に立つ。
白き暴威が三人を飲み込まんとする刹那、コウヤは背後から蒼き風が流れるのを感じた。見ると、三人の真ん中に蒼き魔力を漲らせた細身の長剣が突き刺さっている。
『
蒼い楕円形の光壁が剣を中心として広がる。三人を包み込んだバリアは斥力を帯び、白き濁流を左右へ受け流した。それでも、ザアアアアアアアッ!! という質量を持った急流がバリアの外で轟き続ける。
数十秒後、世界から音が消えたころ、バリアが役目を終えたように消える。
青が晴れた後に見えたのは……地平線まで埋め尽くす、骨の海だった。
「…………」
あまりに膨大な量の『死』に、三人は一瞬言葉を失う。
そんな中、一番最初に口を開いたのはフィニアだった。
「……これが、数百年分の、命の残骸。この中にきっと、お母様も……」
「我らも一歩間違えれば、いや、一歩どころじゃないな。コウヤが引っ張ってくれなければこの一部になっていたのだな」
「ああ。いや、それよりも、この剣ってもしかして……」
コウヤの視線が、先ほど自分たちを白き骨海から救った剣へ向かう。地面に突き刺さり、青い光彩を纏うその剣を引き抜いたのは――。
「ちゃんと対策はしときなさいよ。予想できたことでしょ」
「あ、ラピス。……ありがとな、色々と」
「……別に、そんなお礼言われるようなことはしてないでしょ」
コウヤに真っすぐお礼を言われたラピスは頬を薄い朱に染め、蒼銀の髪を揺らしてふんっと鼻を鳴らしながら剣を腰の鞘にしまった。そんな彼女の後ろから、ルゥリィと受付嬢が骨を踏みつけないよう慎重にコウヤの方へ進んできていた。
「あ……こ、コウヤさん……! 帰ってきてくださって良かったです。本当に、ほん、とうに……!」
「気持ちはわかるけど泣きすぎだよルゥリィちゃん」
骨の落ちていないコウヤの傍にまで来たルゥリィはコウヤの胸に飛び込み、その服を涙で濡らした。対する受付嬢はあっけらかんとした表情でコウヤへ手を振っている。
「お疲れさん! いやあ、まさか本当に踏破までしちゃうとは……歴史が変わっちゃうくらい凄いねえ。それにこの骨の量も! 葬送ギルドの連中、泣いて喜ぶだろうなあ」
「……喜ぶんですか?」
「アイツら変態だから、数百年前の骨を照合するとか大喜びでしょ。私は資料整理で泣きたくなるんだけどさ!」
心底いやそうにあたりに飛び散った骨を見渡す受付嬢だったが、コウヤを見ると肩をすくめて快活な笑みを見せた。
「ま、君達はそんなこと考えなくていいよ。英雄に事務仕事なんて似合わない。そういうのはこっちの仕事だからね!」
「……そうですか。ありがとうございます」
受付嬢の言葉を受けたコウヤが、胸の中のルゥリィの頭を撫でる。ふと、顔を上げるといつの間にかコウヤの方を向いていたラピスと目があった。
「…………ぁ」
「……?」
ラピスの口から呟きが漏れる。訝しげに眉を顰めるコウヤに対し、ラピスは一瞬口の端をぐっと締めると……ぎこちない笑みを浮かべながら口を開いた。
「……ぉ、おかえり」
数年前、父にはできなかった帰還の挨拶。今度こそ無事に帰ってきてくれた人へ贈る、ラピスなりの愛の祝福だった。言い切り、返答を待つラピスの表情が今までにないほど不安に満ちた、弱々しいものになる。
コウヤは真っすぐラピスへ顔を向けると、薄い笑顔を浮かべて応答をした。
「ああ、ただいま、ラピス」
「……。……ん」
ラピスはなんでもないように応えたが、その内に秘めた喜びを抑えきれないようで、口角が上がっている。そんな顔を見られないよう顔をそむけたラピスの視線がフィニアとリラに向かう。フィニアの頭の上に着いている犬耳カチューシャを目にしたラピスは、眉を困らせた。
「……あなた達も、随分大変だったようね。そんな服を着せられて」
「いえ、この服はコウヤ様のスキルの素晴らしさを表す、とても素晴らしいもので――」
「確かに服は破れたが……これは、名誉の負傷というものだ」
犬耳カチューシャに暖簾なお姫様と、布一枚で肢体を隠す騎士が反論するが、馬鹿みたいな服装では説得力がない。ラピスは受付嬢へ持たせていた袋からフード付きローブを二つ取り出し、二人へ向かって差し出した。
「……ふーん。ちなみに、予めこんな事態になると思って替えの服持ってきてるけど、いる?」
「い、頂きます!」
「……くれ」
それはそれとしてやっぱり恥ずかしかったようだ。二人は顔を背けながらローブを受け取った。そんな二人を見たラピスはコウヤの方へ振り返り、じとっとした目を向けながら唇を尖らせた。
「……で、コウヤ。あなた、ダンジョン内で随分とお楽しみだったみたいじゃない」
「お楽しみなんて、そんな……」
反論しようとするコウヤだったが、視界の端で、ローブを身に着けようとしているフィニアの後ろ姿が映る。まだほとんど丸出しの巨尻が目に入り、コウヤは言葉を失ってしまった。
そんなコウヤの胸の中で、ルゥリィが顔を上げる。ルゥリィが顔を上げた拍子に、目元を隠していた髪がわずかに後ろへ流れ、二人の視線が重なった。ルゥリィは……頬をぷくっと膨らませていた。
「そうですよ、コウヤさん。私だって、もっと、もっと……!」
「……ルゥリィ!? なんでラピス側なんだ!?」
尋常ではないルゥリィの様子に、コウヤがたじろいで後ろへ下がり、ルゥリィから離れる。そんなコウヤへ、姉妹は揃ってじりじりと足を進めていた。
「ちょっと二人とも。そんなことしてないで、早く帰ろうよ」
見かねた受付嬢が二人をたしなめようと前へ出る。
同時に、後ずさっていたコウヤは、このままでは骨を踏むと気づいて慌てて前へ足を戻した。
「――うわっ!」
その足がもつれ、身体が前へ傾く。
「え、ちょっと……!」
「きゃっ……!」
「えぇ!? アタシまで……!?」
丁度近くにいたラピス、ルゥリィ、受付嬢の三人が倒れこむコウヤに巻き込まれる。地面に背中から倒れた三人へ被さるような体勢となったコウヤは……。
「んぅ……ぁあ……だめですよ……コウヤさん……」
「ひゃわっ……!? ち、ちょっと、そこまでサービスしてあげる気は、んっ、ないんだけど……!?」
両手がそれぞれルゥリィと受付嬢の下着をずらし、指先がくちゅ、と音を立てて秘部へ侵入しており――。
「んむっ……!?」
「ひゃっ……!? だから、ん、そっちじゃ、ないのに……!」
顔はラピスの下着の中へ入り込み、下の唇へ舌を絡めた情熱的なキスをしていた。
「――だからって、別にそういうことをしてほしいわけじゃないっ!!」
顔を真っ赤にして叫ぶラピスは、それでも満更ではなさそうで。
……奇しくも三人とも、本日穿いている下着の色は白だった。
黒牢公編(踏破率0%ダンジョン進攻) で一番好みだった罠をアンケートします。軽い気持ちで、ご参加ください。
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