※この作品はR-18です。

ラッキースケベ・トラップダンジョン ~外れスキル『ラッキースケベ』のせいで転生早々追放された俺が、踏破率0%の鬼畜迷宮をエロトラップ化したら、いつの間にか王女と剣聖に激重感情を向けられてました~   作:マテリ-AL

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第5話:妹の願いと姉の依頼

 光に導かれるように岩造りのダンジョンを抜けたコウヤたちは、元いた森へ戻っていた。夕日の橙色が目に染み、外へ出られた達成感が、コウヤの内側からふつふつと湧き上がってくる。だが、そんな余韻に浸る暇もなく、コウヤは剣を突きつけられた。

 

「――で、あなたは何? なんでこの子と一緒にいるの?」

 

 蒼銀色の髪をした美女……ラピスが夕焼けに照らされ赤く光る剣をコウヤの首元へ突きつける。容易に自らの命を奪いうるそれに対し、コウヤは両手を挙げて無害を示すことしかできなかった。すると、コウヤに抱えられていたルゥリィがその腕から抜け出して前に出た。

 

「やめて……お姉ちゃん。コウヤさんは……違法ダンジョンに飲まれた私を助けてくれたの……!」

 

「……そう」

 

 絞り出すようなルゥリィの言葉にラピスは一応納得はしてくれたようで、コウヤの首に突きつけていた剣を鞘に納め――今度はルゥリィに詰め寄った。

 

「じゃあ次。ルゥリィ、あなたなんでここにいるの? 私がギルドへ働きかけて、依頼を受けられないようにしといたはずなんだけど、もしかして……」

 

「うぅ……」

 

 ラピスは元々鋭い目をさらに細目、ルゥリィを責めるように見据えた。ルゥリィが黙って俯くと……眉をひそめ、氷刃のように鋭く冷たい声を投げかけた。

 

「私が全部どうにかしとくから、家でお母さんのこと見ててってずっと言ったわよね。なんで、私の言うこと聞かないの?」

 

「そう言ってお姉ちゃん……私に何もさせてくれない……。それに、薬草も無くなり始めてて……」

 

「それで危険な目にあったのに? あなた、ダンジョン入ると体調崩すから、彼がいなかったら間違いなく死んでたのよ?」

 

「でも……」

 

「――でもじゃない!!」

 

 姉妹の言い争いは段々と苛烈になっていき……ついに、ラピスが平手を振りかぶった。妹へ平手を振り下ろそうとするラピスに動揺しながらも、コウヤは咄嗟に二人の間へ割り込んで、肩で平手を受け止める。

 

「……っ!?」

 

「おわっ……っ」

 

 叩いた感触が想定と違ったせいか、ラピスの体勢が前のめりに崩れる……のを受け止めようと、コウヤが咄嗟に手を伸ばす。むにゅっ、という柔らかく厚みのある感触。ラピスの豊満な乳房がコウヤの手にすっぽりと収まっていた。元々、胸の上半分が露出する装束をまとっていたため、生のしっとりとした感触が手全体に広がる。

 

「ヘンタイ!」

 

 バシィッ! とビンタがコウヤの頬を正確に捉える。頬が爆ぜたかと錯覚するほどの衝撃が走ったが、事故とはいえ触れてしまったのだからと、コウヤは甘んじて痛みを受け入れた

 

 コウヤへの一撃で若干頭が冷えたのか、ラピスは何度か深呼吸し、怒りを飲み込むように目を閉じると、ため息をつきながら言葉を続けた。

 

「……はぁ。最後。あなた、見るからに戦闘能力なさそうだけど、どうやってルゥリィを守ってくれたの?」

 

「それは……」

 

 ラピスの問いに、コウヤは何と答えていいのか分からなかった。正直なところ、コウヤはルゥリィの無防備な姿をなるべく見ないよう必死になっていただけだ。気づけば罠が勝手に味方し、ダンジョンから脱出できていた。だが、そのまま言ったらビンタどころでは済まされない。コウヤが言い澱んでいると……ルゥリィが代わりに口を開いた。

 

「コウヤさんは……すごい力を持ってるんです……。ダンジョンが持つ悪意から守ってくれる特別な力を……。だから私は……ダンジョンに入っても気分が悪くならず……無事に、出ることができたのです……!」

 

「……なるほど。そういえばあの魔族も、ダンジョンの罠が彼の味方になったとか言ってたわね。ダンジョンそのものに干渉するスキルなんて見たことないけど……試してみる価値はあるか」

 

(……なんか、オレに特別な力がある前提で話が進んでないか?)

 

 ルゥリィの説明に、ラピスが理解を示すように頷く。二人についていけないまま、コウヤが成り行きを見守っていると……ラピスが懐からこぶし大の袋を取り出し、コウヤへ投げつけた。袋からずしりとした重さを感じたコウヤが中をちらりと見ると、金貨が詰まっていた。

 

「お、おぉ……」

(まだこの世界の物価がよく分かってないが……少なくとも、今日集めた薬草採取の納品報酬数か月分はあるんじゃないか……?)

 

 あまりの大金に、コウヤの口からつい感嘆の声が漏れてしまう。コウヤがラピスを見やると、これだけの大金を渡したというのに彼女は眉一つ動かしていなかった。

 

「それは前金。報酬はまた別で払うわ。それで……私と一緒に潜ってほしいダンジョンがあるの」

 

「これが、前金? いや、でも……」

 

「安心しなさい、使えなかったらすぐ用無しにするだけだから」

 

 薄く口角を上げながらも全く笑っていない目に睨まれ、全然安心できずコウヤは身を竦めた。そんな彼を見たラピスは、じとっとした目をコウヤへ向けた。

 

「……私の胸揉んだのに、依頼は断るの? このヘンタイ」

 

「……うっ」

 

 のけぞって身体を硬直させたコウヤの姿を見たラピスはふんっと鼻を鳴らし、背を向けた。

 

「じゃあ明日の朝、ギルドで待ち合わせね。逃げたら、その金は何をしてでも返してもらうから。あと、ルゥリィ。今回の件は私がどうにかしとくから……もう、家から出ないように。……いいわね?」

 

「…………うぅ」

 

 ラピスが猛禽のような鋭さでルゥリィを睨むと、ルゥリィは萎縮したかのように顔を下へ向けてしまった。ラピスがダンッ、という音とともに地面を強く蹴ると、蒼銀の残光だけを残し、その場から消えた。

 

 後に残されたコウヤとルゥリィの間に、沈黙が流れる。コボルトを倒した時のことを思い出したコウヤは、ラピスを相当ランクの高い冒険者だと見ており……それ故に、この依頼を受けるべきかを迷っていた。

 

(高位の冒険者が助けを必要とするダンジョンでオレが何か役に立てるとは思えない。先程の違法ダンジョンでオレが役に立てたのは、ダンジョンの格が低かったからじゃないか?)

 

 コウヤは名残惜しさを振り切るように、金貨袋の口を紐で固く縛った。

 

「正直惜しいけど……この金は返そう。金目当てで分不相応な事をしても、誰の得にもならないだろ」

 

 そう決意して顔を上げたコウヤの前で、ルゥリィが……頭を下げていた。

 

「お願いします……。お姉ちゃんを……助けてあげてください……!」

 

「……えっ」

 

 あまりに必死な懇願にコウヤが戸惑っていると、ルゥリィは顔を上げて言葉を続けた。

 

「私は、お姉ちゃんのやってることをよく知りません……。それでも、お姉ちゃんがお母さんの病気を治すために無理をし続けて……段々荒んでいっているのは分かります。昔のお姉ちゃんは、あんな強引じゃなかったんです……。厳しい部分はあったのですが、それでも、優しさがあって……」

 

「今とは、違ったわけか」

 

「はい。ですが私では、そんなお姉ちゃんの助けになることはできませんでした……だからせめて、コウヤさんにお姉ちゃんを助けて欲しいです……!」

 

「助けると言ったって、オレにそんな力……」

 

「あります。コウヤさんはダンジョンそのものを変革させる、特別な力をもっています。お姉ちゃんもそう思ったからこそ、コウヤさんへ依頼を出したのでしょう……そうでなければ、そもそも興味を持ちさえもしませんし……」

 

「……うーん」

 

 コウヤ自身は自分のスキルの価値を認められていないが、ルゥリィの頼み方が必死すぎて、断り切れずにいた。この世界に来てまだ二日のコウヤよりルゥリィやラピスの方が正しいのでは? と考えてしまうのも、迷う一因となっていた。

 

「お願いします……! コウヤさんしか、いないんです……!」

 

 そして……その一言が、決め手となった。

 

「分かった。オレは、ラピスの依頼を受けるよ」

 

「本当ですか……!? あ、ありがとうございます……!」

 

 ルゥリィは再び深く、本当に深く、コウヤへ頭を下げた。

 

「本当に……コウヤさんに出会えてよかったです……!」

 

 顔を上げたルゥリィは、目元は髪に隠れていたが、それでも満面の笑顔であることはコウヤにも分かった。すると……既視感のある風が二人の間を吹き抜け、ルゥリィの前髪とローブの裾を巻き上げた。前髪が上がったことで、ルゥリィの笑顔の全貌がコウヤの目に映る。

 

「…………!」

 

 ……ルゥリィの笑みは、まさしく天使の微笑みと言うにふさわしく、その可愛らしさに、コウヤの視線は完全に釘付けになってしまった。

 

「ひぁっ……!?」

 

 ルゥリィは顔を真っ赤に染め……ローブを、押さえつけた。当然、前髪はまだ風に浮かされており、コウヤと目が合ったままだ。

 

「あ、あれ……? 私、いつの間に……コウヤさんと目が合っても平気に……?」

 

 前髪ではなくローブを押さえたことにルゥリィ自身も困惑しているようで、目が泳いでいる。そのまま太ももを擦り合わせていたルゥリィの目が……さらに見開かれた。

 

「……え、あ、あれ? 私、下着、なくなって……?」

 

(……もしかして、下着がなくなったことに今気づいたのか?)

 

 そう気づいたコウヤをよそに、ルゥリィはまるで錆びついた機械を動かすように彼の方を向き、その唇を小さく震わせる。

 

「コウヤさん……もしかして……ダンジョンの中でずっと……その………」

 

 コウヤはもう、無言で深く頷くことしかできなかった。すると、顔が一瞬で茹で上がったように赤くなり、目の端に涙が溜まっていく。

 

「あ、ぅ、うわぁああああああん……っ!! もう、お嫁に行けません……っ!!」

 

 これまでの無防備な行動に下着というガードがなかったことを知ってしまったルゥリィは、わぁわぁと泣きながら地面へ崩れ落ちた。

ルゥリィ編(違法ダンジョン脱出)で一番好みだった罠をアンケートします。軽い気持ちで、ご参加ください。

  • 代償転移罠
  • 風罠
  • 媚薬ツタ罠
  • 鍵穴罠 Lv1
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