※この作品はR-18です。

ラッキースケベ・トラップダンジョン ~外れスキル『ラッキースケベ』のせいで転生早々追放された俺が、踏破率0%の鬼畜迷宮をエロトラップ化したら、いつの間にか王女と剣聖に激重感情を向けられてました~   作:マテリ-AL

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第8話:外れダンジョン攻略、第2層・牙を剥く罠

 二人ははしごを使って階下へ降りた。細長い通路へ足を踏み入れた瞬間、空気の澱みが薄れ、コウヤの息苦しさもわずかに和らぐ。

 

「なんというか、二層(ここ)の方が呪いが薄くないか?」

 

「多分だけど、このダンジョンに潜った人はほぼみんな一層で死んでて、そのせいで一層の方が呪いが濃くなってるんじゃないかしら? だとしたら、ここではさっきまでのような理不尽な呪いに頭を悩ませなくていいかもしれないわね」

 

 確かに、呪いが薄くなったのなら部屋に入っただけで呪い付与なんて理不尽はないかもしれない。だが、それでも凶悪な罠は残っている。会話をしながらも、二人とも周囲への警戒は欠かさなかった。

 

 通路を抜けて大部屋に出る。すると、そこには……見上げなければ全貌が見えない程の巨体を持った、筋骨隆々の怪物――いわゆるトロールが待ち構えていた。

 

「……下がってなさい。せいぜい、巻き込まれないよう気をつけることね」

 

 ラピスが剣を構えるのと、トロールがラピスに気づくのはほぼ同時だった。トロールが一歩足を進めると、部屋中に地響きが鳴り響く。それを見たコウヤは、出る幕はないと判断し、隅っこへ退避した。

 

「ゴゥアッ!!」

 

 トロールが唸り声をあげながら、手に持つ巨大な金棒を振り下ろす。破砕音と共に辺りに岩片が飛び散るが、ラピスは青色の残像を残しながら跳ぶことで、それを躱し、首元へ向かって剣閃を放った。放たれた蒼き光はトロールの首に直撃したが……肉が厚すぎるのか、大したダメージになっていない。

 

「ちっ。だったら……」

 

 効きが悪いのを確認したラピスが、剛撃を避けながら剣へ魔力を溜め、大技の準備を始める。

 

 剣が発光を始めたその時、壁に空いていた穴からフードを被った小人が飛び出し……目で捉えられないほどの早業で、ラピスの手から剣を盗み取った。

 

「えっ……!?」

 

「なっ……!?」

(なんだあれ!? いたずら好きの妖精とかか!?)

 

 あまりに唐突な出来事に、コウヤは目を見開いた。ラピスも同じように、盗まれた剣を呆然と見ている。

 

「ゴォアアアアアアアッ!!」

 

 瞬間、動揺するラピスへ向かってトロールの一撃が打ち付けられた。直撃はしなかったものの、余波でラピスは壁際にまで弾き飛ばされてしまう。

 

「く、うぅ……!」

 

「ラピス、大丈夫か!?」

 

「無事よ。でも……剣がないと……!」

 

 ラピスは小人と反対側の壁際で倒れ、小人は穴へ戻るように走りだしている。

 

「あれか、待て……!」

 

 それを見たコウヤは、その背中を追うように走り出した。小人は体躯が小さいせいか思ったよりは足が速くない。穴に入る寸前でどうにか追いついたコウヤは、剣を奪い返すと、ラピスへ向けて床を滑らせるようにぶん投げた。

 

「ラピス!!」

 

「…………!」

 

 地面を滑り、剣がラピスのもとに辿り着く。ラピスは拾い上げた剣へ、再び魔力を込めた。元々魔力が溜まっていた剣にさらに力が注ぎ込まれ、剣はさらに眩く発光する。それを目の当たりにしたトロールは、再びラピスへ向かって金棒を振り下ろした。

 

「ふっ……!」

 

 何十本もの蒼き光が剣へ束ねられたその時、ラピスの目が強い力を帯び、その足で地面を蹴って高く跳んだ。そのまま、自分へ向かって金棒を振り下ろすトロールへ向かって、ラピスは剣を大きく薙いだ。

 

蒼導輝剣(ブルーロード)

 

 極太な光の束が金棒を貫通し、トロールの首を真っ二つに裂く。首と胴が分かたれたトロールは叫び声もあげず、轟音と共に地面へ倒れこんだ。

 

「おぉ……すごいな」

 

 圧巻なその様を見たコウヤから、思わず歓声が漏れ出てしまった。それを聞いたラピスが、剣を鞘に納めながらコウヤを見やる。その表情は何かばつが悪そうだ。ラピスはコウヤと目を合わせないまま、気まずそうに口を開いた。

 

「…………本当に、不本意だけど。あなたの力がなければ、私は危なかった。だから一応、感謝しといてあげるわ。あ、ぁ、ありが――」

 

 ラピスがほんの少しだけ頭を下げようとしたその瞬間……さっきの小人が再びラピスから早業で何かを盗み取った。

 

「ラピス、後ろ!」

 

「え……きゃっ……!」

 

 ラピスからピンク色の何かを盗んだ小人が、コウヤと反対側にある穴へ向かって全力疾走を始める。コウヤの位置からでは、到底追いつけない。

 

「ぇ、これ……っぅ……! ――待ちなさい!!」

 

 何を盗まれたかは分からないが、ラピスは発火したかのように頬を朱に染め、小人を全力疾走で追いかけ始めた。その勢いはすさまじいが、小人は既に穴へ飛び込んでいる。流石にこれ以上追うのは難しい。コウヤがそう思った瞬間……。

 

「逃がさないわよ! 『それ』だけは……!!」

 

 ラピスが穴に頭から突っ込んだ。流石に無茶だと、コウヤが思ったのも束の間、ラピスは身体を腰まで壁の穴へ突っ込んだまま動かなくなってしまっていた。

 

「……ラピス? 出られるか?」

 

「…………」

 

 コウヤの問いに、ラピスは何も返さなかった。返事がないことで、コウヤはなにかを察して、恐る恐る話しかけた。

 

「もしかしてラピス、穴にはまって――」

 

「だったら何か悪い?」

 

「いや、その……」

 

 高圧的な態度をとられても、コウヤからは腰から下しか見えないのでどうにも締まらない。コウヤはとりあえず、ラピスを壁から引き抜くことにした。

 

「……まあ、盗られたものは後で取り返すとして、まずは穴から出ないとな。後ろから引っ張ったほうがいいか?」

 

「え、あ、ちょっと、待っ……!」

 

「…………!?」

 

 ラピスの後ろへ回ったコウヤは、目が飛び出しそうな程に驚愕した。いつの間にかラピスの下着が消えていて……むっちりと肉付きのいいお尻がコウヤへ向かって突き出されている。いわゆる壁尻の体勢になってしまっていたのだから。

 

「まさか、さっき小人に盗まれたのって……」

 

「それ以上言わないで! それに、分かってるなら、こっちを見ないで……!」

 

 上半身が壁に埋まっているラピスの身体がもぞもぞと動き、お尻がふりふりとまるで誘っているかのように弧を描く。剣を振る音と光線が放たれる音が同時に聞こえるので剣閃で壁を壊そうとしているのだろうが、上手くいってないようだ。

 

(それでも、怒られるの覚悟して、オレの方から引き抜いた方がいいな……)

 

 そう考えたコウヤがラピスの腰に手をかけようとしたその時、どこからともなく杖が降ってきた。同時に、壁の向こうのラピスから困惑に満ちた声が聞こえてくる。

 

「え、なに、これ……」

 

「どうした!?」

 

「天井の穴から水が流れ込んできて……このままじゃ……」

 

 確かに、壁の向こうからドドドドド……という滝が流れ落ちるような轟音が聞こえる。もし壁の向こうが密閉空間だとしたら、すぐに水が溜まって溺れてしまうだろう。

 

「引っ張るからな! …………っ!!」

 

 コウヤがラピスの腰を引っ張り、壁から抜こうとする。しかし、ラピスの身体はまるで壁に縫い付けられたように動かない。それでコウヤは、この壁の穴自体が限定的な条件で発生する罠であると察した。

 

(もしこれが罠だとしたら、さっき落ちてきた杖になにかしらの意味があるはずだ)

 

 そう思い至ったコウヤが杖を拾い上げると、杖の先端についている宝玉がブブブブブブ……という音をたてて振動を始める。同時に彼の目の前で、杖の情報が浮かび上がった。

 

『アイテム名』

・感応魔杖【破壊】

『効果』

・触れた女性の快感に反応して魔力が貯まる

・限界まで魔力を貯めれば、杖と引き換えに一回だけ破壊魔法を行使できる

・ダンジョンからの持ち出し不可

 

 ……この効果に加え、振動までする杖。それで、コウヤは何をするべきか理解した。だが、同時に、そんなことをしていいはずがないという理性が、強烈なブレーキをかける。

 

 迷った挙句、コウヤは……ラピスに聞くことしかできなかった。

 

「ラピス、その……出られる方法自体は分かったんだが……」

 

「分かってるなら早くやりなさい!! 雇い主を殺すつもり!?」

 

「ああ、その……ごめん!」

 

 後で斬り殺される覚悟で、振動する円球をラピスの股間へ押し付ける。ぐちゅっ、という音がして……まるで杖の振動が伝わったかのようにラピスが身体をびくんと震わせた。

 

「ひゃぁああああ……っ!! 何、これ、こんなの、知らなっ……!?」

 

 嬌声に驚いたのと、手に返ってくる振動に耐えられず、コウヤはつい、杖をラピスから離してしまう。すると、杖と秘部の間でとろりと粘液が糸を引いた。

 

「……な、何してるのよ。出るために、必要なんでしょ。早く続けなさいよ」

 

 ラピスに促されるまま、コウヤは再び杖をラピスへ押し付けた。杖の振動によってラピスの丸尻は艶めかしく動き、吐息に段々と熱が混ざっていく。

 

「はっ、んぅ……勘違い、しないで。ひぁ、感じて、ない……っ。これはあくまで、この罠から抜け出すために……んっ、んぁ、やって、あげてるんだから……」

 

 ラピスの秘部から絶え間なく粘液が垂れ、地面に水たまりを作っていく。だが、杖へ魔力が溜まるペースがコウヤの想定より遅く……まだ半分も行っていない。

 

「ひゃっ……この水、思ったより冷た……っ」

 

(まずい、もうラピスの身体に水が触れるほど浸水したのか。このままだと、魔力が溜まり切る前に、ラピスが水没する。何か、いい方法はないか……!?)

 

 危機感を覚えたコウヤが焦りのまま柄を握り込むと、そこにあった突起が押し込まれ、杖の振動が一段階強くなった。。

 

「ふぁあああああっ……!! ら、らめっ……そんな、強くしちゃ……ふぁ、いや、かんじて、ない……んぁ、かんじてなんか、ないんだから……!!」

 

 杖の振動にラピスの愛液が弾かれ、スプリンクラーのように飛び散ってコウヤへ浴びせられる。だが、コウヤにそれを気にしている余裕はなかった。杖の振動が激しすぎて、少し気を抜いたら手がぶっとびそうだったためだ。

 

「ん、んぁ、らめ、もう、げんかい……! いっちゃう、ひぁ、罠のせいで、私、あなたに、いかされちゃう……っ!!」

 

 ここで――杖の宝玉に魔力が溜まり切り、淡い光を放ち始めた。コウヤは急いでラピスの股間から杖を離し、魔力を壁へ叩きつける。すると、宝玉から白い魔力が放たれ、ラピスが埋まっている壁が音を立てて砕けた。

 

 壁が砕けたことで、水が激しい音をたててこちら側の部屋へ流れ込んでくる。だが、部屋の大きさが違いすぎるせいか水は大部屋を満たすことなく、靴を濡らすだけにとどまった。

 

 壁から抜け出したラピスに対し、コウヤはまず……全力で頭を下げることにした。

 

「ごめん、ラピス。方法があれしかなかったとはいえ、その……」

 

 いざ謝るとなると、どうしても言葉が濁ってしまう。それでも、言葉を尽くし、あとはラピスの反応を待とうと、コウヤはラピスの方を向いた。すると、彼女は濡れた体を震わせながら内腿を擦り合わせ……何やら不満げにコウヤを睨みつけた。

 

「……なんで、寸前で終わっちゃうのよ。私は、別に……」

 

「別になら、なんだ?」

 

「…………っ!! な、何も言ってないわよっ!!」

 

 問いを返されたラピスは自分でも言ったことが信じられないと言わんばかりに顔を真っ赤にして、ぱちん、とコウヤの顔を一発ビンタした。

 

 だが、その威力は……先日食らったのより、かなり弱々しいものだった。

 

 *

 

「……ああもう!」

 

 あれから、ラピスは不機嫌なのを隠そうともしなかった。わざと靴を鳴らすように歩いたり、敵を必要以上にバラバラにしたりと……見るからにイライラが漏れ出ていた。コウヤからしても、命を守るためとはいえ、やってしまったことがことだけに、強く止められなかった。

 

 気まずい空気をどうにもできないまま、ラピスの後ろを歩いていたコウヤは……急にラピスがぶるりと小刻みに身震いをするのを見た。かと思うと……ラピスは顔だけコウヤの方を向け、口を開いた。

 

「ちょっと、そこで待ってて」

 

「あ、あぁ……」

(身体冷やしちゃったしな……)

 

 問い返す前に、ラピスは足早に通路の脇道へ入っていった。それで何をしに行ったか察したコウヤは、それ以上は深く考えず、待つことにした。

 

 そうして、敵が現れないか周囲を警戒しながらラピスを待っていたコウヤの耳へ、ラピスの叫び声が飛び込んだ。

 

「きゃぁああああああああっ!! ふざけないで……何よ、これっ!!」

 

「――――!?」

 

 その悲鳴から、よほどのことが起きたのだと察したコウヤは、居ても立ってもいられず、ラピスの入っていった通路へ向かって走り出した。

 

 脇道に駆け入り、突き当りを曲がると……そこには、多様な色の縄で縛られたラピスがいた。

 

 両腕がそれぞれ上へ掲げるように縛られているため剣は使えず、脱出ができないのだろう。だが、それよりも……縄によってラピスの脚が無防備に開かされ、隠すものを失った秘部がコウヤの目に入り、その思考が硬直してしまう。

 

「っ、見ないで、ヘンタイ……っ!」

 

「あ、わ、悪い……」

 

 恥辱で頬が真っ赤に染まったラピスが、身をよじらせてコウヤの視線を避ける。それで正気に戻ったコウヤも、全力で目を逸らした。そのまま数秒が経過した頃、ラピスが震える声でコウヤを呼んだ。

 

「……すぐそこに私の剣が落ちてるから、それでこの縄を切って。でも、こっち見たら叩き切るから」

 

 ラピスの言葉通り、彼女のすぐ傍には蒼銀に輝く剣が落ちている。それを拾い上げたコウヤが、ラピスを縛る縄へ目を向ける。縄の色は、荒縄を思わせる茶色、そこへ黒を混ぜたような焦げ茶、そして完全な黒の三種類に分かれていた。

 

 観察をし、そして何度か罠を経験したからか、コウヤはあることに気づいた。

 

(……黒の縄から、なんか呪いっぽい感じするな。多分だけど、茶色の縄から切ったほうがいい)

 

 そう思い立ち、コウヤがラピスの足首にかかっている一番色の薄い縄を切ると……斬られた縄がどこかへ引っ込み、その周辺の縄の色から黒が引いた。

 

(なるほど、こうやって色の薄い縄を順に切っていけばいいのか。色の濃い縄を切った時どうなるか気になるけど……触らぬ神に祟りなしだろうな)

 

 そうして一本一本、コウヤはゆっくりとだが確実にラピスの身体を拘束する縄を切っていく。ここでふと、ラピスへ目をやると……。

 

「……っぅ、はやく、しなさいよぉ……!」

 

 唇を噛み、もじもじと腰をくねらせ、何かを必死に耐えているようだった。それを見たコウヤは、内心でラピスへ平謝りした。

 

(ペースが遅いかもしれないが、黒い縄を切ったら何が起こるか分からない。もう少しだけ頑張ってくれ……)

 

 そうして、ラピスの右腕にかかっている縄が断ち切られたその瞬間――ラピスがコウヤの手から剣を奪い取った。

 

「ああ、もうっ! 私に貸しなさい! 私の方が、一気に何本も切れるから……!」

 

「あ、ちょ、待ってくれラピス! 黒い縄は切っちゃ駄目だ――!」

 

 コウヤが制止するより早く、ラピスは右手で動かせる範囲の縄を一気に切ってしまった。当然、その中には真っ黒な縄もあり……瞬間、通路の奥から無数の縄が二人へ向かって襲いかかって来た。

 

「な、また……っ!」

 

 その内数十本はラピスの手によって切断されたが、それでも身体が縛られているせいか全てを切り落とすことができず、コウヤもラピスも縄に絡めとられてしまった。それどころか縄の摩擦によってラピスの服がずれ、豊満な胸がぷるんと露わになる。

 

 乳房を見ないようどうにか顔を逸らしたコウヤの目に映ったのは……天井からラピスへ向かって放たれたひときわ太く真っ黒な縄だった。ラピスの股をくぐった太縄が、秘部へ食い込みながら彼女の身体を持ち上げる。その快楽のせいか、ラピスは身体を弓なりにぴんと張ってしまった。

 

「ひゃぁあああ……っ!? この縄、なんでこんな、ピンポイントでっ……!」

 

 快楽によるものか、手を重点的に縄で縛られたせいか、ラピスの手から剣が落ちる。剣が落ちたのは、ラピスの後ろ、コウヤであればギリギリ届くかもしれない位置だった。

 

「……悪い、剣取らせてくれ」

 

 落ちた剣を拾うために、コウヤが体重を前へ傾ける。すると、ぽよんっ、という感触と共にコウヤの顔がラピスの豊かで柔らかい胸部装甲に埋まってしまった。

 

「っ、うぅ……あ、あなたまでなにを……っ!」

 

 ラピスが疑念と軽蔑の目線をコウヤへ向ける。しかし、剣を拾うことに集中しているコウヤはラピスへ身体を密着させてでも無理やり手を伸ばし……どうにか、剣を掴むことができた。

 

 剣を手に入れたらコウヤはまず、自分の身体を拘束する縄の中で色が薄いものを切り、まずはある程度の自由を確保した。そうして自由を手に入れたコウヤは、ラピスの胸から顔を離し、彼女の身体を縛る茶色の縄を一本ずつ切り落としていく。

 

「ひぁ、ん、んぅ、はやく、このなわ、きって……よぉ……! ん、ふぁ、あぁ……」

 

 ラピスの顔は蕩け切っており、息が荒い。限界が近いようだ。急がなければ。その思いと共に、コウヤが縄を一本一本切り落としていくと……ついに、ラピスの股間に食い込んだ縄が茶色に変色した。

 

「ラピス、この縄切るぞ!」

 

「そんなこときいてないで……! はやく、して……っ!」

 

 剣を太縄に当て、体重をかける。すると、太縄は思ったより簡単に切れてくれた。切れた縄は他の縄と同じように勢いよく引っ込んでいく。そう、ラピスの股間に食い込んだまま、縄は動いてしまったのだ。

 

「ひゃああッ!!」

 

 ずりゅっ、という粘液で濡れた肉と縄が擦れる音と、ラピスの嬌声が重なる。同時に、仰け反るほどの快楽を伴って縄が引っ込んだことで露わになった秘部から――薄い黄色の液体が吹き出した。

 

「ふぁあああああっ……!! だめ、でちゃ、だめぇ……っ」

 

 じょろろろろろろ……っ!

 

 我慢していた分勢いよく。液体がラピスの秘部から放物線を描いて地面に着弾し、水溜りを作っていく。ラピスは数秒ほど、限界まで我慢していたのが解き放たれた快楽に身をよじらせていたが、すぐに正気を取り戻したようで……目の端に涙を浮かべながら、顔をぶんぶんと振って拒絶の意思を示した。

 

「あ、ぃ、いや、みないで、みないでぇ……っ!!」

 

 だが、コウヤも身体の大半が縛られた状態ではどうすることもできず……ただ、ラピスの放尿姿から全力で目を逸らすしかできなかった。

 

「…………」

 

 その後コウヤは、ラピスの痴態の象徴である水溜まりをなるべく見ないようにしながら、一本ずつ縄を切り落としていった。何を言っていいか分からず、その間一言も発することはなかった。

 

 対するラピスも、何度か口を開きかけたが、結局何も言わなかった。コウヤが縄を切るために距離を詰めるたび、ラピスは何かを必死に押し殺すように全身を震わせていた。それが怒りなのか、羞恥なのか、それとも別の何かなのか、コウヤには分からず、ただそれが怖くて……コウヤはラピスの顔を直視できなかった。

 

 縄から脱出して少し進むと、中規模の部屋へ出た。その中央には、次の層へ続く階段があった。こんな近くにあったのか、と感想を言う前に……ラピスがコウヤへ大きな麻袋を突きつけた。揺れた麻袋からは、じゃりんという金属がぶつかりあう音が聞こえてくる。

 

「……これ、報酬よ。道は覚えてるでしょ。来た道には敵も罠もないだろうから、あとは一人で帰りなさい」

 

「え。でもまだ、三層が……」

 

「……聞こえなかったの? もう、あなたの力は必要ない……そう、言ってるのよ。どうせあと一層だし。今の私に払えるだけの報酬を払ってあげてるんだから、文句は言わせないわよ」

 

「……いや、本当にオレの力が不要だったとしても、ここまで来たのだから最後まで同行した方がいいんじゃないか?」

 

 そう反論しながら、コウヤが一歩前に出たその瞬間、ラピスが拒絶するようにコウヤへ袋を投げつけた。

 

「……っ! もう、あなたは要らないって言ったでしょう!! これ以上、私に近づかないで……っ!!」

 

 ずっしりと重い麻袋が、金貨の硬い感触とともにコウヤへ激突する。金色の硬貨が飛び散って視界を覆ったことで、コウヤからラピスの姿が見えなくなる。

 

「うわっ……!?」

 

 コウヤが飛び散った金貨を腕で払いのけたときにはもう、ラピスの姿は消えていた。次の層へ行ったのだろう。

 

「もしかしなくても、さっきので本格的に嫌われたみたいだな。ただ、報酬は貰ったし、どうするか……」

 

 大量の金貨を眺めながらそう呟いたコウヤの脳裏に、ラピスの依頼を受けるきっかけとなったルゥリィの言葉が蘇った。

 

『お姉ちゃんを……助けてあげてください……!』

 

「……いや、迷う理由もないな」

 

 コウヤは金貨を拾い集めて袋へ戻すと、ラピスの後を追うように階段を駆け下りた。




【罠解説】
『壁尻罠』
説明不要!!
但し、水没という時間制限がついている。

『呪い入り拘束縄』
縄で対象を拘束する罠。
呪いの薄い縄から切らないと永遠に脱出できない
尿意を促進する効果などはない。
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