ミーアさまがベッドヤクザのラブラブお嫁さん穴になってしまう話 作:クラムP
——おっ!?♡ おんっ!?♡ んぁ゛♡ こんなとこで、なまちんぽいっ♡ いれるなんてぇ♡
生徒会室に響く嬌声。
窓際で鳴く声の主が声量を抑えようともがく。だが、手入れの行き届いたプラチナブロンドが雄の動きにつられ、余分にぴょんぴょん跳ねるだけ。
——ひっ♡ すぐそこで人が、人の声が……ひうっ゛!?♡ な、なんで、さらに激しくなるんですのっ!? んん、ふあっ♡ や、やあぁっ♡ 声、とまらな、んぅぅぅ♡♡ ばれちゃぅ、ばれちゃいます、のぉぉお……!♡♡
羞恥に白い肌を染めて狼狽するミーアの姿が、よほど琴線に触れたのか。それとも、衆目に晒されるリスクを含んだ行為に興奮がそそられたのか。ちょっぴりFNYッ!っとした少女を後ろ抱きにする力はまるで緩まない。
——あ……っ♡ そ、それぇ……だめ、ですのぉ……♡♡♡ んんっ゛!♡♡ う゛♡♡ あ!♡ も、もぉぉ~~~~~……っ゛!♡♡♡♡
密着中出しでイくミーア。部屋の前でミーアご自慢の腹心メイドが人払いをしなければ、何事かと騒ぎになったことだろう。
しかし、このような光景はもはや日常茶飯事。
ミーアがアベルによって美味しく頂かれてからしばらく、学園での二人は————それはもう盛りに盛っていたのである。
——こ、こんな汗に泥んこまみれのなにが、ひあっ♡ な、舐めちゃ、やぁ……♡
時には、愛馬・荒嵐に相乗りした直後。
抱くたびに色香を増すミーアに……ミーアに色香? ……ともかく、溢れる若い血潮を抑えきれくなったアベルの方から迫る。
愛馬を観客に見立てた屋外羞恥プレイ。その逢瀬に初々しい可愛らしさなど微塵もない。にもかかわらず、ミーアはいつも以上の乱れっぷりを見せた。
——あ、あら? 今は大きくしていらっしゃらないのですわね。…………うえっ!? ち、ちち、違いますわよ? 別に、わたくしがうずうずしてきたからアベルを探してたなんて、そんな訳ないではありませんの。あ、や……♡ 触ってはダメですわ……♡ やんっ♡ わたくし、全然そんなつもりじゃありませんのにぃ……♡
ある時は、
なんだかんだ、すんなり適応する肉食系乙女なミーア。状況に流されることに関して、ミーアの右に出る者はいないのである。
そんなこんなで場所も時間も問わず、しこたま乳繰り合っていたのだった。
♢
「とはいえ、毎回これでは、さすがに身が持ちませんわねぇ」
午下、実家である白月宮殿の庭園にて。これまでの淫奔ぶりを思い返しつつ、腰をさするミーア。
そう、ミーアの肉体は現在、ミーア史上最大級の深刻なダメージを蓄積していた。
——お、思ってたよりもキツイ……。体がバッキバキですわ……。
アベルとの
平素奥ゆかしい彼に全身全霊で愛されるのは、かなり心が満たされる。なんなら、幾らでも求められたいとすら思っていた。色ボケの極みである。
学生妊娠の危惧はあれど、アベルとの婚姻自体は既に既定路線。万が一デキたらデキたで、予定が二、三年ほど前倒しになる程度の話である。なんなら、帝国内の小うるさい反対派と父親を黙らせる口実にすらなり得る。
——誤算でしたわ。恋人との逢瀬がここまで肉体労働だとは。こんなの続けてたら、腹上死まっしぐらですわ……!
そんな訳がない。
沈黙していた危機感センサーがようやく働き始めたミーアであるが、残念ながら経験値が足りず、アベルの異常な性豪っぷりに気付いていない。
目下問題なのは、現在進行形で身をむしばむ筋肉痛。和やかな女子だけのティータイムの最中も、ミーアはこの節々の痛みに悩まされ続けていた。
「……って、あら? これ、美味しいですわね。ほのかな甘みと優しい酸味が、実に良い感じに溶け合ってますわ」
カップの重みに苦心しつつ、ギリギリ優雅にカップを口に運んだミーアは、その望外の味わいにコロっと機嫌を持ち直した。
いつもアンヌが淹れてくれる砂糖たっぷりの紅茶(最近はミーアのFNY加減を考慮し減量気味)ではなく、今回振る舞われたのはハーブティー。疲れた体にじんと染み渡って悪くない。
「いかがですか? 疲労回復の効能をもつ植物をブレンドしてみたのですが」
ハーブを提供してくれたのは、リーナこと星持ち公爵令嬢、シュトリナ・エトワ・イエロームーン。今回の帰省に同行した、孫娘ミーアベルの親友にして、ミーアのご親戚である。
「リーナちゃんリーナちゃん。ボクはお代わりを所望します!」
「勿論よ、ベルちゃん。いくらでも召し上がってちょうだい」
「ベル、紅茶の飲み過ぎはよくありませんことよ。夜に眠れなくなってしまいますわ」
「え~~っ」
可愛く駄々をこねるミーアベルだが、ミーアは年長者として譲らない。
なにせ、ミーアとてケーキのおかわりを我慢しているのだから。忠臣アンヌが今も「今日はもう食べ過ぎです」とアイコンタクトを送ってきているのだから!
「でも、本当に美味しいですわね。疲れた体に染み入り渡るようですわ」
「そう言っていただけて光栄です。我が家で栽培している薬草の中には、比較的
「お、穏便……」
リーナの語り口に含まれた、イエロームーン公爵家の恐ろしさを汲み取るミーア。だが、ギロチン回避のために磨き抜いたミーアイヤーは、聞き捨てならない重要ワードをキャッチしていた。
「そういえば、『疲労回復』とおっしゃいましたわよね? わたくし、ちょっと気になっていましたの」
疲労回復。そう、まさに今のミーアにとってタイムリー。
——こ、これですわ……!
ミーアの灰色の脳細胞に電流が走る。
「リーナさん。もしかしてイエロームーンには、もっとこう……疲れによく効く薬、なんてあったりしますかしら。例えば、ひと晩じゅう元気に過ごせるような」
探りを入れてみるが、あくまでダメ元。
だが、これは使えるとミーアの直感が嘯く。
——わたくしにあと少し体力があれば、アベルに握られた主導権を取り替えせるのでは?
ミーアは思いついた。
まだ辛うじて残っている、お姉さんとしてのちっぽけなプライドを守る秘策となり得るやも、と。
欲張るつもりはないが、盛りのついたオオカミさんに「待て」を要求できるくらいの力関係を作りたいミーアであった。
「ひと晩中、ですか……? そうなりますと、疲労回復というより、精力剤の領分にかかってまいりますが」
「あるんですのね?」
「はい。ですが効能が強いので、いちおう用途をお伺いして診察を——」
と、専門家としての意見を述べようとしたシュトリナであったが、途中でピシャリ! と電流でも走ったようにカッと目を見開いた。
「えぇと……リーナさん?」
シュトリナ、しばしのフリーズ。
「分かりましたミーアさま! 我がイエロームーンの秘奥の限りを尽くし、ミーアさまの願いと想いを叶えてご覧にいれましょうっ!」
「え、ええ……? た、頼もしい限りですわ」
再起動した途端、急にテンションの上げるシュトリナ。そして、その剣幕に若干ビビるミーア。
どうやらシュトリナは、ミーアの言外の意図を察知したらしい。しかし相変わらず、思い立ったら激しい子である。
それでも割と死活問題だった
そう、あくまで錯覚に過ぎなかったのである。
♢
そして迎えた決戦の夜。
ミーアの部屋には、天蓋付きのベッドに自信に満ちた様子で腰かける部屋の主人の姿が。
「なんだか今夜は上機嫌だね、ミーア。昨日は我ながらやりすぎたかと反省していたのだけれど……君が元気そうで安心したよ」
申し訳なさそうに苦笑いを浮かべるアベル。
「あら、そんなことを気にしていましたの」
「……!」
しかし、ミーアはさして気にも留めぬと、余裕ある笑みを返す。なんだか色っぽくも見えるミーアの雰囲気に、アベルはゴクリと唾を呑む。
「わたくし、過去には囚われないタチですの。でも……昨晩のこと、多少は反省しているようで何よりですわ」
「う……申し訳ない」
失敗には
——ふっふっふ、今夜の私は一味違いましてよ! 目にもの見せてやりますわ!
今のミーアは心の余裕が違った。
彼女はすでに、昼間シュトリナに頼んでおいた滋養強壮薬をしっかりと服用しているのだ。
加えて、恋愛大軍師・アンヌ監修のちょっぴり大人っぽいネグリジェも装備。支度は万全なのである。
「毎度のことで、謝っても説得力がないかもしれないが。あまりにもミーアが魅力的なものだから、僕もどんどん抑えが効かなくなっているようで」
「ほ、ほほぉぉ…………わたくしが魅力的……へえー……」
……ミーアの調子は二段階アップした!!
昨日の醜態など忘却の彼方。なんなら、既に目の前のアベルのことしか眼中になく、恋愛脳エンジンが爆速で空回りし始めていた!
大人っぽさとはいったい。
——やってやりますわ。リーナさん、頼りにしてますわよ!
爆速で薬を都合してくれたシュトリナの目のガンギマリ具合を見れば、効果のほどは確かなのだろう。まさに鬼に金棒、ミーアにキノコとケーキとクッキーと……ともかくミーアは身を包む無敵感に酔いしれていた。
「では、アベル。その魅力的なわたくしに、ふさわしい態度というものをみせて頂けるかひひゃっ……」
噛んだ。
しかし! ミーアはめげずに自らの脚に指を添わせ、せいいっぱいの誘惑ポーズを敢行した!! ミーアは本気だ!
「————ッ」
意外! 効果アリのようだ!
それっぽい仕草を、頑張ってアンヌと練習した甲斐かあるというもの!
さあ、開戦である!
——今ならアベル相手だろうと、「頼み込むなら、あともう一回くらいは付き合って差し上げてもよくってよ?」くらいは言ってのける自信がありますわ!
ちなみに、薬を飲んだからといって、ミーア自身のリード力が上がる訳ではない。これ以降は戦略なしの出たトコ勝負である。
それにしても、自信の根拠が他者依存な辺り、まさにミーアと言うほかない。
「そうか。では、僕も人事を尽くすとしよう」
——へ???
しかし、アベルが懐から小瓶を取り出したことで流れが変わった。
「ああ、これかい? 夕方、シュトリナ嬢から頂いたんだ。『夜のお供にお役立てください』ってね」
——リーナさーーーん!?
ミーアの脳内に、激しい
だが、考えてみれば当然のこと。
シュトリナの大望は、未来時間での親友・ミーアベルの誕生。
そのためには、ミーア・アベル
——嘘ですわよね!? 今ゴクゴク飲んでるのって、わたくしが飲んだヤツと同じとかじゃないですわよね!?
ミーアは、頭がクラァッとするのを感じる。
要は、ミーアはシュトリナの親友への埒外の親愛を理解しきれていなかったのだ。
ミーアが最も信頼する右腕・アンヌにもう少し助言を仰いでいれば、事前に気付くことも出来たが、時すでに遅し。
今ここで確定したのは、ミーアの完全なる蹂躙であった。
一応、アニメ勢へのネタバレには配慮しております。次回、ようやく本番回です。