ジムチャレンジの始業式を済ませた後、ソラヒコとユウリはターフタウンへの道のりを歩いていた。
「ソラヒコ、ソニアさんがいるよ」
ユウリが指を差すとソニアがいる事に気付いた。
「ソニアさん!」
「お、ソラヒコじゃん。それにユウリも!」
ソニアも二人に気付いて手を振った。
「ねえ、あの工場、見えるかな?」
ソニアが視線を向けた先に煙突から煙を出している工場が見えた。
「あれは何ですか?」
「ソラヒコ、ローズ委員長が最初に立てた工場らしいよ。ローズ委員長、鉱山から身を起こして今の地位にいるみたい」
「そうなんですか・・・」
「ま、あんた達は思い思いに冒険を楽しみなよ、じゃあね!」
「はい、ソニアさん!」
ソニアと別れてソラヒコとユウリは先を進んだ。
「もう大丈夫だ」
するとそこでスタジアムで出会ったキョウ親子がいた。キョウはスカンプーを手当てしていた。
「これで怪我も治ったぞ。さあ、行くがよい」
スカンプーは嬉しそうにキョウに礼を言って去っていった。
「あの、キョウさんですか?」
ソラヒコが声をかけるとキョウは笑顔で言った。
「おお、お主か、また会うとはな」
「はい、何をしていたんですか?」
「傷付いたポケモンの手当てをしていたのよ。こう見えても薬を作るのも得意でな」
「へえ、お医者さんにもなれますね」
「うむ、だからと言って忍びの技をおろそかにしている訳ではないぞ」
「そうです、父上。この子達に忍びの技を見せてあげましょう!」
娘のアンズが忍びの技を見せてあげようと言った。
「うむ、我がクロバットの忍びの技、見せてもよいかもな」
キョウはクロバットを出すとかげぶんしんをさせた。
「さて、お主達にはクロバットがどこにいるか分かるかな?」
「ううん、難しいですね・・・」
「俺もどこにいるのか・・・」
ユウリとソラヒコは難しそうに見ていた。
「ただ目で見るだけではダメだ。心を落ち着かせて精神を統一するのだ」
キョウに言われてソラヒコ達は精神を落ち着かせた。
「分かった、後ろだな!」
ソラヒコが言うと、クロバットは後ろにいた。
「きゃ、びっくりした!」
ユウリはクロバットが後ろに現れて驚いていた。
「ファファファ、その通り、心で気配を感じるのも大事なのだ!」
「あんた達、父上のいいライバルになるかもしれないね!」
「いやあ、どうなるか・・・」
キョウとアンズに褒められてソラヒコは嬉しそうにしていた。するとそこへ一匹のポケモンが現れた。
「おや、これはロコンではないか?」
「どうしたのかな?」
キョウ親子が見るとロコンは何かを訴えているようだ・
「あたし達に何かを伝えようとしているんじゃないですか?」
ユウリが言うとロコンが走り出した。
「あのポケモンに付いてみよう」
「はい、父上!」
「分かりました」
キョウに言われてソラヒコ達もその後を追いかけた。
「へへへ、これだけの数がいれば簡単だな」
付いていった先には黒ずくめの集団がキュウコンを囲んでいた。
「父上、あれは?」
「ロケット団だな・・・」
「ロケット団?」
ソラヒコは前世の記憶でロケット団だと気付いたが、何故ガラル地方にいるのか分からなかった。
「ロケット団って何ですか?」
ユウリが聞くとキョウが話した。
「ポケモンを奪って金儲けをするとんでもない集団だ」
「それじゃあ、あのキュウコンを捕まえて・・・」
「うむ、すぐに止めねば・・・!」
キョウ達はロケット団の前に立った。
「そこまでよ、ロケット団!」
「あんた達の悪行、黙ってみる訳にはいかないわ!」
キョウとアンズがロケット団に啖呵を切った。
「げ、こんな所で邪魔が入ったか!」
「邪魔するなら痛い目に合わせてやるぜ!」
ロケット団のしたっぱ達がドガースやバチンウニ、ラッタと言ったポケモン達を繰り出して来た。
「お主、名は?」
「ソラヒコと言います」
「あたしはユウリって言います」
「ソラヒコにユウリか、すまぬが手を貸してくれぬか?」
「はい、任せて下さい」
「あたし達も力を貸します!」
「よく言ってくれた。このキュウコンを助けようぞ!」
ソラヒコ達はロケット団のしたっぱとの勝負に挑んだ。
「ジメレオン、みずのはどう!」
「ヒバニー、ひのこ!」
ジメレオンとヒバニーが攻撃を飛ばしてロケット団のポケモンを倒していった。
「クロバット、ヘドロばくだん!」
「アリアドス、クロスポイズン!」
キョウはクロバットに、アンズはアリアドスに指示を出してロケット団のポケモン達を倒していった。
「うわあ、こいつ等、強すぎる!」
「さあ、まだやるか?」
「畜生、ここはひとまず退散だ!」
ロケット団のしたっぱ達は一目散に逃げていった。
「よくやった、お主達の活躍でキュウコンは助かったぞ!」
キョウは笑顔でソラヒコ達の活躍を褒めた。
「凄いわね、特にあんた」
「え、俺?」
アンズがソラヒコの方を見て言った。
「あんたのポケモン、いい動きしてたよ。あんたと息ぴったりって感じで、凄くカッコよかった!」
アンズは笑顔でソラヒコの活躍を褒めた。
「ああ、ありがとう」
そこへロコンがやって来てキュウコンに頬ずりした。
「親子だったんだね」
「うむ、無事助ける事が出来て何よりだな」
ユウリが言うとキョウは微笑んで言った。
「あれ、どうしたんだろう?」
ユウリが見るとキュウコンがロコンを差し出した。
「うむ、お主達の旅に同行させたいのであろう」
「そうなんですか?」
「ソラヒコ、折角だから仲間にしちゃいなよ!」
アンズに言われてソラヒコはロコンに近付いた。
「俺と一緒に来るか?」
ソラヒコが言うとロコンは頷いた。
「よし、じゃあ今日からお前は俺の仲間だ」
ソラヒコはロコンをボールに入れて仲間に加えた。それを見届けるとキュウコンは去っていった。
「キュウコン、ロコンは大事に育てるよ!」
ソラヒコはキュウコンにそう言って約束した。
「・・・・・」
ソラヒコを見てアンズは頬を赤くしていた。それを見てキョウは言った。
「アンズよ、あの者達と旅がしたいのであろう?」
「父上、いえ、アタイは・・・」
「寧ろ行くべきだ。あの者達と切磋琢磨して自分だけの強さを見つけるのだ」
「父上・・・」
「ソラヒコ、我が娘のアンズを同行させてもらえないだろうか?」
「え、いいのですか?」
「うむ、お主達と旅する事で経験を豊かにさせたいのだ。頼めるだろうか?」
キョウの言葉にユウリは賛成した。
「あたしはいいですよ、賑やかになりそうだし」
「ユウリ、分かりました。俺達、アンズと一緒に頑張っていきます」
「よく言ってくれた。アンズ、あの者達と励むのだぞ」
「分かりました、父上。と言う訳で、今日からよろしくね!」
「ああ、よろしく!」
アンズが旅の仲間に加わる事になった。そうしてソラヒコ達は旅を続けるのだった。