見知らぬ地方に転生したソラヒコ。ユウリと一緒に森を出て、小さな町に辿り着いた。
「ここがハロンタウンだよ」
ユウリが町をソラヒコに紹介した。羊のポケモン達が思い思いに寛いでいるのどかな町だった。
「何だか、穏やかで住みやすい町だね」
「うん、ハロンタウンではウールー達がのどかに暮らしてるんだ。ソラヒコも気に入ると思うよ」
「ウールー?それって何だい?」
「羊のポケモンなの。ほら、あそこにも、こっちにも」
ユウリが指を差すと、町の至る所にウールーがいた。草を食んだり、寛いだりしている。
(この地方には俺の知らないポケモンがいるのかもしれないな・・・)
ソラヒコはそう思いながら歩いていった。
「お~い、ユウリ!」
すると誰かが呼ぶ声が聞こえて来た。
「あ、ホップ!」
ユウリが気付いて手を振った。
「ユウリ、ハロンタウンに来てどうだ?」
「うん、とってもいい場所だと思うよ」
ホップと言う少年が聞くとユウリが楽しい場所だと言った。
「ユウリ、そこにいるのは?」
「彼、ソラヒコって言うの。森であたしと出会ったの」
「お前、ここじゃ見かけないな。まあいいか。俺はホップ。チャンピオンダンデの弟だ!」
ホップは気さくな笑顔でソラヒコに自己紹介をした。
「ああ、初めまして・・・」
「ソラヒコ、緊張してるの?」
「あ、いや、別に、その・・・」
「お前もここが初めてみたいだな。ハロンタウンはいいぞ。のどかで落ち着くし、ウールー達とわいわい楽しめる!」
ホップが笑顔で楽しい場所だと言った。
「そうだ、ソラヒコ。ソラヒコの家はどこ?」
ユウリがソラヒコに家があるかどうかを聞いた。
「俺の家?」
ソラヒコは気付いた。身一つで転生して家が無い事に気付いたのだ。
「実は、俺、家が無いんだ・・・」
「え、家が無いの?」
「お前、独り身か?」
「そうなんだ、家が無くて、どうしたらいいのか・・・」
恥ずかしいながらもユウリとホップに助けを求めていた。
「そうか、分かった。ソラヒコ、俺の家に住めよ!」
ホップが自分の家に住むようにソラヒコに言った。
「え、いいの?」
「ああ、兄貴は困っている人がいたら助けてやれって言ってたからな。俺も助ける。だからソラヒコ、今日から俺の家に住めよ」
「本当にいいのかな・・・」
「遠慮するなって、ポケモンも人も助け合いさ。母ちゃんには俺からよく言っておくから!」
「分かった、ありがとう」
「良かったね、ソラヒコ!」
ユウリは安心したように微笑んだ。
「そろそろ暗くなってくるな。じゃあソラヒコ、俺の家に来いよ」
「分かった、じゃあユウリ」
「うん、また明日ね!」
ユウリと別れてソラヒコはホップの家に入った。ホップはソラヒコの事を自分の母親に話した。
「大変だったわね。ソラヒコ君、ここを自分の家と思ってね。大丈夫、ちょっとお手伝いをしてくれれば悪いようにはしないから」
「良かったな、ソラヒコ!」
「うん、ありがとう、ホップ」
こうしてホップの家に住む事になった。そしてホップの部屋で一緒に暮らす事になった。
「ソラヒコ、お前にいい物を見せてやるぞ!」
ホップがソラヒコにある動画を見せた。
「何だい、ホップ」
「凄い物さ!」
ホップが動画をソラヒコに見せた。そこには褐色肌の気さくそうな男性が立っていた。
『皆さんはポケモンを知っていますか?ポケットモンスター、略してポケモン。彼等は草木や海、洞窟と至る所に住んでいます。そして彼等を連れて勝負するのをポケモントレーナーといいます。そしてこのガラル地方ではジムチャレンジが行われてトレーナー達が腕を競っています』
「この人は?」
「ローズ委員長、ガラル地方の大企業の社長さんだぞ。ジムチャレンジの委員長もやってるんだ」
「ガラル地方?」
「ここの地方の事な」
「そうなんだ。そこの偉い人なんだね」
「そうだぜ。で、あそこにいるのがキバナさん、一番強いジムリーダーなんだ」
動画を見るとオレンジの帽子を被った褐色肌のモデル体型の青年がある人物と対峙してた。
『ダンデ、今日こそお前からチャンピオンの座を手に入れて見せるぜ!』
「ほら、今映っているのが俺の兄貴、ダンデ!」
ホップが指を差すと、チャンピオンと思しき青年が立っていた。ポケモンはリザードンを連れている。
『どんな相手でも受けて立つぜ!』
するとリザードンが巨大化してキバナの前に立ちはだかった。そして勝負はダンデの勝利となった。
「ポケモンが巨大化?」
「お前、ダイマックスを知らないのか?」
「ダイマックス、知らない・・・」
「お前、変わった奴だな。ダイマックスって言うのはポケモンを巨大化させるこのガラル地方で起こる現象なんだ。それを人為的に行って制御出来るようにして興行にしているんだ」
「そうなんだ・・・」
ダイマックスと言う未知の存在に気付いてソラヒコは内心驚いていた。
「俺はいつか、兄貴のようなチャンピオンになるんだ。だから俺、兄貴にポケモンを貰うんだ」
「そうなんだ」
「明日、兄貴が来るんだ。お前も一緒にポケモンを貰えるように頼もうぜ」
「お、俺も?」
「ああ、お前もジムチャレンジに挑戦してみたいだろう?俺と一緒に頑張ろうぜ」
ホップが一緒にジムチャレンジに行こうと誘った。ソラヒコは考えながらも言った。
「わ、分かった。俺も挑戦してみるよ」
「決まりだな。ソラヒコ、これから俺と一緒に暮らすんだ。俺達、兄弟にならないか?」
「え、兄弟に?」
ソラヒコが聞くとホップは頷いた。
「ああ、お前はここで俺と一緒に暮らす事になったんだ。年も近いし、一緒にいた方が楽しいだろう。だから俺達、兄弟になろうぜ。見た感じ、お前の方が年下だし、兄貴は俺な」
「そうだね、じゃあ、兄弟になるよ」
ホップの言葉にソラヒコは頷いた。
「決まりだな、よろしくな、ソラヒコ!」
「よろしく、ホップの兄貴」
二人は固い握手をかわして兄弟の誓いをした。そして夜になって寝静まった頃、ソラヒコはホップと一緒に寝ながら今日の出来事を思い出していた。