エール団を蹴散らし、ホップとのバトルに勝利した後、ソラヒコ達はバウタウンに辿り着いた。
「ソラヒコ、海があるよ!」
ユウリが指を差して海がある事を伝えた。
「へえ、港もあるんだ・・・」
ソラヒコは港やそれに連なる町がある事に気付いた。
「カレーの食材を買うのに寄ってかない?」
ユウリが港町に寄らないかと言った。
「それもいいね、うん、あれは・・・?」
ソラヒコが見るとレストラン近くに見覚えのある人物がいた。
「あいつは、ビート・・・。一緒にいるのは・・・」
見るとビートがある人物と話をしていた。
「ローズ委員長、僕です、ビートです!」
「ああ、そうだったね、君の為に推薦状を書いたんだったよ」
「僕は委員長の為に必ずチャンピオンになります!」
ビートは目を輝かせてローズに言った。
「期待していますよ、君達子供達がガラルの未来なのですから!」
「はい、その為にもねがいぼしを集めるのも頑張ります、見ていてください!」
ビートは気持ちを新たにして去っていった。
「あの、ローズ委員長ですか?」
ビートが去った後、ソラヒコ達がローズ委員長に歩み寄った。
「おや、君は知ってるよ、ソラヒコ君だね!」
ローズは顔を明るくしてソラヒコに手を振った。
「いやあ、君と会えて嬉しいですよ。そうだ、お近付きの印にこれをプレゼントしますよ」
ローズがソラヒコにカードを渡した。
「あの、これは・・・?」
「私のレアリーグカードです。大切にしてくれると嬉しいですよ」
「あ、ありがとうございます。大事にしますね」
ソラヒコは有難く受け取り、バッグにしまった。
「良かったねソラヒコ、レアのカードを貰えるなんて!」
ユウリが笑顔でソラヒコに言った。
「ありがとうございます、珍しい物をタダでくれて・・・」
「いやいや、それだけ君に注目しているんですよ」
「そうですか、ありがとうございます。でも、委員長、その・・・」
「どうしたのかな?」
「いえ、何でもないです・・・」
ソラヒコはローズの衣装が気になっていた。白の長袖のパーカーに黄緑の半ズボン、正直似合っているとは思えなかったが空気を呼んで言わない事にした。
「ローズ委員長のレアリーグカードは滅多に手に入らない貴重な物です。無償で貰えた事を光栄に思いなさい」
オリーヴが淡々とした口調でソラヒコに言った。
「オリーヴ君、少し素っ気なさすぎないかい。ポケモンリーグはこの子達子供達とガラルの人々の支えがあって成り立っているんだよ」
「ですが、ローズ委員長にはその分しっかりして頂かないと困ります」
「厳しいねえ、オリーヴ君は・・・そうだ!」
ローズは何かを思い付くとソラヒコに言った。
「これからルリナ君のジムに挑むかい?」
「はい、そうするつもりです」
「もし勝ったら、私と少しお話をしようか。レストラン防波亭で待っているよ」
「分かりました。必ず勝ってきます」
「ローズ委員長は多忙なのでお早めにお願いします」
ローズと約束するとソラヒコはスタジアムに入った。
「え、いない・・・?」
だが肝心のルリナはいないと言われた。
「はい、ルリナさんなら港町にいると思います」
ジムトレーナーは港町にいると言った。
「ソラヒコ、港町に行ってみよう」
「折角だし食材も見ていこうよ」
「ああ、分かった」
アンズとユウリに言われてソラヒコは港町に向かった。
「バウタウンの港町、賑やかだな・・・」
港町は並ぶ露店で活気に溢れていた。
「色んな食べ物が売ってあるね」
ユウリは様々な食材を見て何を買おうか悩んでいた。
「あ、ソラヒコ、見て!」
ユウリが指を差すとヤドンのしっぽが売られていた。
「ヤドンのしっぽがあるよ!」
「ヤドンのしっぽか・・・」
前世の記憶でロケット団絡みで出た事があるくらいでそこまで関心は無かった。
「ソラヒコ、美味しそうだし買っていこうよ」
「ヤドンのしっぽか、美味しそうだしいいかもしれないね!」
アンズも楽しみしている。
「そうだね、じゃあ買っていこうか」
「うん、すみません!」
ユウリ達はヤドンのしっぽを買った。
「ヤドンのしっぽ、見るからに栄養がありそうだね」
しっぽを見てユウリは目を輝かせていた。
「君達、ヤドンのしっぽを買ったんだ」
そこへ一人の少年がやって来た。ニット帽を被った赤い長そでシャツを着た少年だった。
「お前は、誰だ?」
「僕はマサル、ジムチャレンジに挑む、料理が好きなトレーナーさ」
「俺はソラヒコ、お前と同じジムチャレンジに挑んでるんだ」
「へえ、じゃあ僕とはライバルになるね」
「ねえ、もしかしてヤドンのしっぽ、欲しかったの?」
ユウリがヤドンのしっぽが欲しかったのかを聞くとマサルは首を横に振った。
「本当は欲しかったけど、君達の物だからね。他の露店で探すよ」
「もしかして、貴方もカレーは好き?」
ユウリがカレーは好きかと言うとマサルは頷いた。
「ああ、僕もカレーは好きなんだ。しっぽを燻製にしたカレーが好きなんだ」
「そうなんだ、あたしと同じだね」
ユウリとマサルは仲良さげに話をしていた。
「気が合いそうだね、あの二人・・・」
「そうか、だけど・・・」
アンズが微笑ましそうに見ていると、ソラヒコはユウリが自分以外と仲良くしているのに焼きもちを妬いていた。
「と言う訳でジムを巡りながら旅をしているんだ」
「そうなんだ、またどこかで会うといいね」
「ああ、君達も頑張ってね。ソラヒコ、お互い頑張って行こう、じゃあね!」
マサルは手を振ってソラヒコ達と別れた。
「マサル、いい子だったね」
「ああ」
マサルと別れた後、ソラヒコ達はルリナを探す事にした。そして船を見ていると漁をしている褐色肌の女性を見つけた。
「ソラヒコ、あの人じゃない?」
「あれが・・・すみません!」
ソラヒコが女性に声をかけた。
「あら、もしかしてジムチャレンジに挑むのかしら?」
「はい、もしかして貴女が?」
「ええ、私がルリナよ。丁度沢山採れた所だし、そろそろジムに戻るわ」
「じゃあ、挑んでくれるのですね」
「ええ、あら?」
すると海面がバシャバシャ音を立てていた。
「ルリナお姉ちゃん、捕まえたよ!」
海面から一人の少年が出て来てカマスジョーを抱えていた。
「カニオ!」
「お姉ちゃん、これも採っていい?」
「相変わらず元気ね。じゃあ船に乗せておきなさい。お姉ちゃんはジムに戻るから、大人の言う事を聞いてちゃんとお手伝いするのよ」
「は~い!」
カニオは海から上がって船に乗るとカマスジョーを下ろした。
「さて、じゃあ挑戦者さん、貴方が来るのを待ってるわよ」
ルリナは微笑んでジムに戻っていった。