書架の森の
セピア色の西日が斜めに走る天井を見上げ、杳は激しく揺さぶられていた。
ボックスソファーに座った斗南と向かい合わせで彼の上に跨り、根元まで咥え込んだ屹立で胎内を抉るように突き上げられる。斗南の両手が腰をがっちりと掴んでいるお陰で、不安定さは微塵もない。
抽挿に合わせ、セーターを剥かれた乳房が重々しく飛び跳ねる。斗南の肩に両手を突いて前傾気味の姿勢を取っている為、乳肉が淫靡に揺れ動く様を至近距離で楽しげに視姦される羽目になっていた。
溶け落ちそうに爛熟した乳頭部を啄まれ、舌先で焦らすように垂れた乳汁を舐め取られる。背中がヒクヒクと打ち震え、咽び泣くように媚肉が陰茎に絡みつく。
跳び上がった左乳房に噛みつかれ、固く凝った乳首をぢゅるッとしゃぶられた。
杳の喉が短く鳴り、わななく唇から甘く掠れた苦鳴が零れる。
「ああぁ……ッ、やぁ、ひ――ンぃ、アぁぁぁぁ……」
見開かれた黒橡色の双眸からぼろぼろと涙が転がり落ちる。
律動に波打つ豊乳は薄闇にぬらぬらと仄光り、ミニスカートに隠れた接合部からグジュグジュと泡立つような水音が引っ切りなしに滴り落ちている。
杳の子宮は既に二回斗南の射精を味わっていた。
対面立位で一回、後背立位で一回。たっぷりと精液漬けにされたにも拘らず、斗南の肉棒は鉄の如く硬いままだ。
数え切れない絶頂の末、潮も母乳も(何なら小水も)溢れるほど垂れ流している筈なのに、どういう絡繰りなのか零れた端から斗南の影が吸い取ってしまうのだ。
お陰で胸元と股間の限られた部分しか濡れていないが、自分の排出した体液を啜られていると思うと恥ずかしくて気が狂いそうになる。
カリカリと乳首に歯を立てられ、舌先で飴玉のように転がされる。杳は太腿で斗南の腰を挟み込み、きつく陰茎を締め上げた。
「ハッ、ふぅ……ひあっ、あああぁぁぁぁぁッ!」
斗南の肩に指を食い込ませ、ぶるぶると身震いする。濁った水音を立てて潮が飛沫き、忽ち布地に擬態した影が吸収する。
斗南は左乳首から口を離すと、隣でパツパツに母乳を漲らせて揺れている右乳房をぺろりと舐めた。
「あァ、ひッ、ふあぁぁぁッ」
赤い舌が右乳首に巻きつき、わざとらしい力加減で母乳を吸い上げる。放尿時にも似た快感が迸り、杳は立て続けに潮を噴いた。
「あ、ぁあ、ふぅ……とな、みくん……も、きもちよすぎ、て……ああぁぁぁぁ……ッ」
ごちゅんッと深く胎内を突かれ、髪を振り乱して弱々しい艶叫を漏らす。
顔をぐしゃぐしゃにして啜り泣いていると、上を向いた斗南に優しく口づけられた。
「気持ち良過ぎて辛い?」
しゃくり上げながら頷くと、慰めるように腰を撫でられた。
「悪ぃ。俺はまだ足りない」
「えぅ、あ……んッ、な、んでぇ……い、ひゃ、ぁああああああああッ!!」
狭い子宮を撹拌するようにグリグリと刺激され、更にいきり立つ陰核を磨り潰される形になり、杳は泣き叫んだ。
斗南の左手が腰に回って深く抱き寄せられる。陰核をより圧迫するように腰を動かされ、杳は全身を痙攣させた。
絶頂から下りる間もなく斗南の右手が左乳房を揉みしだく。腋窩から掬い上げるように乳肉を捏ね回され、指先で乳輪をこすられてから乳首を弾かれてはよがり啼くしかない。
「ひあ、ぁ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?!? ぃヤあ、や、らめなのぉぉぉぉぉぉ!!」
ぴゅるぴゅると母乳が噴き上がり、潮と共に小水が溢れ出る。女體を包む影が不定形に波打つと、跡形もなく消えてしまった。
斗南はいやらしく唇を舐めて笑った。
「化け銀杏の媚毒を俺の精気が上書きした所為か、お前の体液に俺の精気が滲み出して滅茶苦茶精力が補充されるんだよな。産土神としての化け銀杏の権能が影響してるのかもしれねぇけど」
「あッ、ひ、んあぁぁぁ!」
「後は――単純に、杳を抱きたくて堪らない」
杳は泣き濡れた睫毛を打ち叩いた。
ちう、と子供っぽい仕草で唇を吸われ、甘えるように乳房を揉み潰される。緩慢な律動で子宮を捏ねられると、ミニスカートを押し上げる臀部がひくついた。
「と、なみ、く……ンっ、はぁッ」
「幾ら抱いても抱き足りない。凄ぇ腹が減った時みたいだ。杳が欲しくて、欲しくて、我慢出来ねぇ」
ごめんと呟く声は、最初から杳が許す事を知っていた。狡いと思いつつ、杳の思考はまんまと快楽に蕩けていく。
右手でスカートの前をたくし上げると、斗南が僅かに瞠目した。
「斗南君のおちんちん……全部、私のナカにある、ね」
白濁した体液にまみれた接合部を見せつけ、下腹部に力を込める。まだまだ精液を充填している陰茎を締めつけると、斗南の喉仏が上下した。
「お腹の奥まで、いーっぱいだぁ……ふふっ」
黒橡色の双眸が熱っぽく潤んで目の前の青年を見つめる。
斗南にしなだれると淫乳が潰れ、もどかしい快感に腰が揺れた。
「んッ、は、ああぁ……!」
「よ……グ、うわッ」
ズリズリと膣壁で陰茎を扱くように腰を振ると、斗南が上擦った声を漏らした。
エラの張った雁首が何度も子宮口に引っ掛かり、ポルチオをこそぐほど歓喜するように膣が収縮する。
斗南が苦しげに呼吸を乱し、むっちりとした双乳の谷間に鼻先を埋めた。背骨が軋むほど腰を引き寄せられる。
錆色の髪を指先で掻き分け、紅潮した耳殻に触れるか否かまで唇を寄せた。
「私も――斗南君が欲しい」
「……っ、杳!」
恥骨の裏側まで下がった陰茎が一気に子宮の最奥まで突き立てられた。電撃めいた女悦が脳天まで駆け抜け、反らした喉がひゅうと鳴る。
乳房を強く噛まれ、何度も胎内を穿たれる。啼きながら彼の名前を叫んでしがみつくと、ごちゅんッと突き破らんばかりに打ちつけられた亀頭部が射精した。
三度目だと言うのに怒濤のような勢いで精液が注ぎ込まれ、下腹部が熱く重苦しい。射精の快感をやり過ごす為にか執拗に乳房を甘噛みされ、杳は眉を曇らせた。
少し身を起こして斗南の頭を抱え直すと、彼の口元を左乳首が掠めた。
飢えた子犬のようにむしゃぶりつかれ、ぢゅッぢゅッと母乳を吸われる。
鼻にかかった喘ぎ声を零すと、斗南の右手がスカートの中に潜り込んで尻を揉みしだいた。
「あッ、ひゃん!? 斗南く……ッ、ンぅぅ!」
割れ目を押し広げ、伸びた会陰部や陰茎を飲み干す大陰唇の肉襞をぷにぷにとつつく。内腿が小刻みに震え、殆ど小水のような潮が垂れ落ちるとタイツに擬した影に舐め取られた。
切ない連続絶頂に見舞われ、杳は泣き腫らした瞳を見開いて唇を噛んだ。
斗南は右乳首に鞍替えすると、緩慢に腰を揺らした。ゆったりと胎内を掻き混ぜられ、膣が縋るように陰茎を巻き締める。
「ああぁぁぁ……ひッ、ふあぁぁぁぁぁぁ……っ」
海老反りになって艶叫を響かせた杳は、ずるずると斗南に凭れて脱力した。
乳首がヒリヒリするほど吸い尽くされ、漸く両乳房を解放される。
斗南は杳をしっかり抱きかかえると、パーカーの肩に頭を載せた杳の顔を覗き込んだ。
「杳?」
力なく睫毛を揺らすと、斗南が苦笑いを滲ませた。
「悪い、飛ばし過ぎたな」
「ん……」
「チンコ抜くから、ちょっと腰上げて」
両手で支えてもらって体を浮かせる。
陰茎が引き抜かれると白濁色の体液が逆流するが、瞬時にタイツの裂け目が塞がって陰部に密着した。漏れ出した体液は直ぐ様影に吸収される。
斗南は片手で器用にボトムを穿き直し、杳のセーターを元に戻した。深く息を吐き出し、杳をぎゅっと抱き締める。
杳は瞬くと、斗南の腕の下から両手を伸ばして彼の背中に添えた。
「……斗南君?」
「化け銀杏に捕まってないか気が気じゃなかったから。今になって杳の無事を噛み締めてる」
パーカーの背中を撫でさすり、杳はそっと囁いた。
「斗南君も無事で良かった。……血の臭いがしたけど、怪我してるの?」
斗南の顔を覗き込むと、あちこち散らばった小さな傷は既に塞がりつつあった。
斗南は軽く笑った。
「気にする程じゃねぇよ。病葉の体質のお陰で、怪我の治りが早ぇんだ」
杳は眉根を寄せた。今の体勢は斗南の負担になるのではないかと懸念を覚えたが、当の彼の両腕が離してくれそうにない。
体重を掛け過ぎないよう注意を払いつつ、両手で精悍な頬を包み込んだ。
カサカサと荒れた唇にキスすると、榛色の瞳が綻んだ。うっとりするほど優しく口づけを返され、精液で満たされた子宮がずくんと疼く。
「あの……斗南君」
「うん?」
「あそこに落ちてる本なんだけど――」
床に落ちたままの薄い冊子のタイトルを告げると、斗南が片眉を持ち上げた。
床に蟠る影がとぷんと波打ち、こちらに向かって冊子を打ち上げる。吸い寄せられるように斗南の右手に収まった。
「よく見つけたな。土地の所有者が依頼者に代替わりしてから、社の解体と同時に大銀杏の信仰に関する史料は全部破棄されちまったんだ」
杳を膝の上で横向きに座らせた斗南は、冊子のページを手早くめくっていく。
「木ッ怪様ね……。奴さんは七百年神として祀られ続けてすっかりそのつもりなのかもしれねぇが、根幹は化生のままだって訳だ」
「化生のまま?」
「名は体を表すって言うだろ。呼び名ってのは、存在の有り様を縛る呪いなんだよ」
斗南の指が紙面に記された『木ッ怪様』の文字を叩く。
「名前そのものが、あの処女厨は忌避すべき化生だって定義付けてるんだ。異界の中にまでご丁寧にコピーを持ち込んでるのが何よりの証拠だ」
青年の口元に獰猛な笑みが浮かぶ。
「
病葉――本来、樹病や虫の害によって新緑の季節にも拘らず変色してしまった葉を意味する言葉だ。
苗字としてはかなり珍しい部類だろうと
影を繰り、身の裡に草木の毒を隠し、化生退治を家業と語る彼は。
「斗南くんは――……」
杳の疑問を見透かすように、斗南は双眸を眇めた。
「俺も木の怪だよ。殆ど人間だけどな」
ざわざわと影が蠢く。
斗南の背中から鴉羽色の翼が広がった。夕闇より深い影が杳を包み込む。
「病葉家は木の葉天狗の家系なんだ。元は年寄りの狼が天狗に化けたものを呼んだらしいが、うちのご先祖は老木の精から天狗に成ったんだとさ」
「天狗……」
烏の頭部と翼を持つ、修験者の格好をした妖怪のイメージが脳裏に浮かんだ。
「木の葉天狗が人間の嫁を取って子供を儲けた。その子の血筋は木の葉天狗の性質を受け継いで、山里を荒らす化生の退治を生業にした。血の毒を以て化生を病まし仕留める――それが病葉家の始まりだ」
鴉羽色の翼が音もなく羽撃くと、一瞬で溶けた飴のように融解した。
杳は唖然として何度も瞬いた。
「病葉の影は木の枝葉と同じだ。ご先祖の老木の根元に何百年と落ちてた幽暗が天狗に成った時に一部と化して、手足のように自在に操る力を得た。草木の毒は、ご先祖が生えてた山に自生してたものを吸収したのがきっかけで、代を重ねながら違う種類の成分を摂取して数を増やしていったんだ」
斗南は淡々と説明し、うっすらと切ない笑みを見せた。
「……俺が怖い? 化け物混じりのヒトモドキだって知らされて」
何と答えれば、彼にとって百点満点なのだろうか。
杳は逡巡し、首を傾げてみせた。
「斗南君にとって、どんな姿になっても私は私で、それだけで十分だって言ってくれたよね」
薄闇で底光りする瞳が寸分も逸れず杳を凝視している。
杳は斗南の肩に凭れると、すっかり傷痕の薄れた頬をそろりと撫でた。
「私も同じだよ。どんな力があって、どんな血を持っていても斗南君は斗南君で、それだけでいいの。私を助けてくれた斗南君は……」
――まるでテレビのスーパーヒーローみたい。
子供の頃、誰かにそう言った事があった。
階段の上階から躊躇なく飛び降りる決断力が、セピア色の夕日を遮って広がった鴉羽色の翼が、弟が好きだった特撮番組の主人公を思わせたのだ。
「……昔、階段を踏み外して滑り落ちそうになった私を助けてくれた時、ヒーローみたいだって思った気持ちのままだよ」
斗南が息を呑んだ。
「杳、お前思い出して……?」
「全部じゃないけど……。私達が仲良くなったきっかけって、階段から落ちかけた私を斗南君が影を使って助けてくれた事だよね? 上の方にいたのに、急いで飛び降りて」
小児科病棟の階段ですれ違っただけの見知らぬ少女の為に、身を挺して守ってくれた少年を、心から格好良いと思ったのた。
「怖いより、正直戸惑ってる。多分、記憶を失う前は化生とは無縁の生活を送ってきただろうし、言葉を選び間違えて斗南君を気付けたくないって思う。斗南君が半分人間じゃなくても、貴方を好きになりたい気持ちは変わらない」
ずっと無言の斗南を前にしていると段々決まりが悪くなり、杳は俯いた。
斗南がポイッと冊子を放り捨てた。
「あ」
両脇を抱えられ、向き合う形で彼の上に座り直す。唇に噛みつかれると同時に身に着けていたものが全てどろりと溶け落ちた。
「は、ンっ、ふぁ!?」
口唇を貪られながら杳は目を白黒させた。
ひらひらとした黒のベビードールに、左右をリボンで結んだ同色のショーツ。
ベビードールは頼りないシースルーの布地で、乳頭部がくっきり透けている。胸の谷間を強調するバスト中央のリボンを解けば、簡単に前がはだけてしまう。
斗南の両手がベビードール越しに爆乳を鷲掴んで揉みしだく。彼の首に腕を回し、自然と尻が浮き上がって膝立ちになった。
「んぅ、あッ、ひゃあ……あ、斗南君……っ」
あっさりと思考が快楽に負けて、ビクビクと腰が跳ねる。上擦った喘ぎ声を漏らすと、斗南はぼそりと呟いた。
「今の俺は好きな女でこういう妄想するような男だけど、幻滅しない?」
むにむにと乳房を捏ね回されて全身が切なく火照る。杳は頬を紅潮させ、下向けた睫毛を震わせた。
「に、似合わないよ……あっ、やぁ、ンッ」
「似合ってるし滅茶苦茶そそられる。おっぱい吸ってもいい?」
「へ、ぁあ、んぉあァ!?」
斗南の右手が左胸の布地を撫でると、中央に切れ目が入って乳頭部だけがぷりんッと飛び出した。止める間もなく食いつかれる。
右胸も同じように乳頭部を剥かれ、骨張った指で扱くように愛撫される。ぷりぷりとした乳首から母乳を搾られる感覚に、杳は甘ったるく啼いた。
フリーになった右手がショーツのクロッチ部分に触れた。シースルーの布地に浮かぶ筋をすりすりとなぞり、勃起した陰核を指の腹で揉み潰す。
「――ァ、ひ、ぅあぁン……ッ!?!?」
一瞬で絶頂に達し、杳は斗南の頭を抱き締めて身悶えた。
ぷしゅ、と炭酸飲料の栓を抜くような音と共に潮を噴いたが、斗南の影が忽ち吸い取った。
「と、なみくん……っ」
焦れったさが募り、彼の手に恥丘をこすりつけるに腰を揺らす。斗南が胸元から意地悪く見上げてきた。
「ここにチンコ挿れていい?」
コクコクと頷くと、クロッチ部分に切れ目が走った。斗南の指がそこから侵入し、陰裂をくぱぁ……と押し開く。
陰茎を取り出すと杳の臀部に手を添え、先走りに濡れた亀頭部が愛液まみれの大陰唇に触れる辺りまで誘導した。
「杳がナカに挿れて」
「えっ?」
「こんな俺に抱かれてもいいって、体で教えて」
切望するような眼差しを向けられ、杳はこくんと唾を飲み込んだ。
ゆっくり腰を落とすと、しとどに潤んだ膣を硬い肉棒がずぶずぶと占領していく。
「んんッ、ふ、ああぁ!」
「あぁ……挿れただけてトびそう」
ベビードールと黒橡色の髪に覆われた背中を掻き抱き、斗南は低く呟いた。
杳は彼にしがみつき、滑りを良くしようと腰を前後に揺らした。斗南が息を詰まらせる。
「は、杳……ッ」
締めつけのきつい膣壁が陰茎を扱く。
頃合いを見計らって腰を沈めると、子宮口が柔軟に亀頭部を呑み込んだ。
「――っ!」
斗南が短く声を漏らした。
逞しい体が打ち震え、胎内にじわりと熱が滲み出す。
「斗南君?」
錆色の髪から覗く耳が赤く染まっている。
「……今のナシ」
「え?」
「マジで挿れただけで漏れた。格好悪ィから忘れて……」
杳はパチパチと瞬き、思わず噴き出した。
「斗南君、可愛い」
「は?」
「格好悪くないから、もっと気持ち良くなって」
亀頭部を更に深く咥え込むと、斗南が切羽詰まった表情を浮かべた。
腰を揺らすとグチュグチュと水音が立つ。斗南の呼吸が荒くなり、両の指先がきつく腰に食い込む。
「杳……ちょ、待って」
「やだ。斗南君は私を見て、もっと感じて」
パーカーの肩を掴んで身を起こし、ぷるんと双乳を揺らしてみせる。斗南の視線で焼け死にそうだ。
「斗南君って結構エッチなんだね」
「なっ……」
「下着をわざと着けさせなかったり、私のオナニー覗き見して興奮したり、こんな格好の私で妄想したり。私のナカに一杯出したのに、おちんちんこんなにカチカチにして――エッチで可愛い」
下瞼を持ち上げて嫣笑すると、斗南が目を丸くした。
胸元のリボンをゆっくりと解く。ベビードールがふわりとはだけ、豊満な双乳が仄白く浮かび上がった。
「この格好の私で、どういう妄想したの?」
「……何で」
「折角だから再現出来るかなって」
杳の言葉に斗南は目を泳がせ、柳腰を躊躇いがちに抱き寄せた。
丸々と熟れた乳房に口づけると、上目で窺ってくる。
「何でもいいの」
杳は錆色の前髪を搔き上げると、薄く汗ばんだ額にキスを返した。
「何でも聞いてあげる。だから斗南君の恥ずかしい事も、全部見せて」
二人分の体重にボックスソファーがギシリと軋む。
斗南の片手が女の背骨を這い上がり、細い肩に引っ掛かっていたベビードールを滑り落とした。
図書館の暗がりに溶けてしまいそうな男の囁きに耳を澄ませながら、杳は睫毛を伏せた。