Vtuber(NPC)が性的奉仕をしてくれるタイプのデジタル・サーカス 作:生牡蠣
もし君がまだアメイジング・デジタル・サーカスを見たことがないならばそれはもったいない! 是非原作の方を見て来てくれ!今ならYoutubeで無料視聴も可能だぞ~!
既にアメイジング・デジタル・サーカスを全話見た君!
君は喜んで我がサーカスに招待しようじゃないか。
ほらっ、ドラムロールが聞こえてきたろ? ……それじゃあ、楽しんで!!
「Welcome to!The Amazing Digital Circus!!」
ネイティブな英語を大声で話す男性の声に驚き、『貴方』は目を開く。
瞼を開けた瞬間、貴方の視界には光と共に人型の何かが映った。
「やぁ!私は
「HAHAHAHA!!」とアメリカンな笑い声を上げるその人型を前に、貴方は驚きのあまり何も反応が出来ない。
理由は簡単。声の主である彼の頭部を見たからだ。
彼の首から下は真っ赤なタキシードスーツを着たスマートシルエットの男性であった。ここまでは良い。問題は彼の顔である。
彼には顔がなかった。本来人の頭があるべき部分には、大きな歯と歯茎だけが乗っかっており、歯の間からはギョロリとした2つの目玉が貴方を見つめていたのだ。
これまで普通の人生を送って来たであろう貴方は、初めて見るバケモノの姿に顎が外れて心臓が止まるくらいに驚愕した。…奇しくも目の前のバケモノは言った事と同じ現象が起きかけていた。
「おいおい、何を驚いているんだ。君はこのサーカスに来たいが為にヘッドセットを着けたんだろう? おめでとう!君は我がサーカスの最初のお客様だ!!」
戸惑う貴方をよそにバケモノ…ケインが話を続ける。
ケインから発せられた『ヘッドセット』という単語。その言葉に貴方は心当たりがあった。
そうだ。確か自分は新作VRゲームのテスターに当選したらしく、自宅にヘッドセットが届けられていたと貴方は思い出した。
応募した覚えもないのに何故届いたのだろうと少しだけ訝しんだあなたであったが、せっかく当選したのだからと試しに頭にヘッドセットを装着して…
貴方の記憶はそこで止まっている。そう考えた瞬間、貴方は『あぁ、ここはゲームの中か』と自然と口にしていた。
「
貴方の反応を見てケインが肯定の言葉を口にする。
その言葉を聞いて貴方は少し安心する。まだ色々と飲み込めていないが、どうやらなんらかの事件に巻き込まれているわけではなく、目の前のバケモノもゲームのキャラの様だ。ならば過度に恐怖感や心配を感じる事はないと貴方は結論付けた。
少し精神的に余裕が出来た貴方は周りに景色を見渡す。
貴方達がいる場所からはカラフルな壁や天井が見え、ここが何処かの建物の中である様だ。それもとても大きく、広い建物の様で、距離的にここからでは小さすぎて何があるのか分からないモノがある事も分かった。
更に観察を進めると、天井にはどのような原理で浮いているのかわからないボールや植木鉢の様なものも見える。ここは本当に現実ではない、ゲームの中なのだと貴方は改めて実感した。
その事を実感した貴方はふと思う。ここがゲームの中なのは分かったが、一体なんのゲームの世界なのだろうかと?
目の前のキャラクターや景色だけでは何のゲームジャンルなのか分からない。というかアメイジング・デジタル・サーカスという(おそらく)ゲームタイトル(?)も先程初めて聞いたくらいなのだから。
一体ここはなんのゲームの世界なのだろうか? 気になった貴方はケインにその疑問をぶつけてみる。
「おぉ! 原作のポムニ達と違ってこの場所に強い興味を持ってくれた様で私は嬉しいよ!喜んで教えようじゃないか!! ……っと、その前に君の名前を決めないとね」
前半部分は何を言っているのか分からなかったが、後半の『名前』と言う単語に、貴方は違和感を覚える。
名前…そう、確かに自分には名前があったはずなのだ。しかし、いくら考えてもそれが思い出せない。今まで数十年近くその名で呼ばれていたはずなのにも関わらずだ。
急に発生した異常現象に、貴方は軽いパニックを起こしそうになる。
だが、そんな貴方の反応を見越してか、いきなりケインが貴方の頭を“ガッ!”と掴む。
「あ~、OKOK! 名前を思い出せないんだろ? 大丈夫、このゲームの仕様さ!というわけでサーカス内の君の名前を決めなくちゃいけないんだけど…う~ん、流石に前置きが長いと読者が退屈してしまうからね。今のところは(仮)として
そう一方的に言われた貴方。
ケインの言っている言葉の半分は理解できない。しかし、貴方は奇妙なくらいにその言葉を受け入れ、気分が落ち着いていく感覚を覚えた。まるでケインの手から直接言葉が送られ、理解を促してくるような不思議な感覚だと貴方は思った。
…だが、そんな状況でも
「HAHAHA! 名前なんて後でいくらでも変えるといい。私は寛大だからね!! さて、早速だがこのゲームについて解説しようじゃないか」
名前についての話題を半ば強制的に切り上げたケインは、そのまま貴方が先程訊ねた質問に回答を始めた。
「このサーカスは、私が作り出したデジタル空間! ここではプレイヤーが望んだことは何でも出来る! デジタルの湖で泳いだり、デジタルな乗り物に乗ったり、私が用意した冒険の世界へ旅だったり…そりゃもうバラエティ豊富な楽しみがあるぞ! 他のプレイヤーがいない事に寂しさを感じているのなら、話し相手としてNPCを作り出す事も可能だ! ここの私は原作の私と違ってその辺の管理はできるタイプだからね!!」
嬉々として説明をするケインだが、だいぶ早口での説明であった為か、貴方はその内容について漠然と理解するのが限界であった。
説明の断片を繋ぎ合わせ、とりあえずこのゲームには決まった目的はなく、とても幅広い自由度が与えられている様だと貴方は結論付けた。
「しかしまぁ、自由に何でも出来ると言ってもいきなり投げ出されても困るだろう? だからまずはこのサーカスがどういう場所なのかを知って欲しいと思うんだ。だが、私にもやる事が色々あるからね、案内役のNPCを作ろうと思う」
ケインはそう言うと「そうだなぁ…」と顎(?)を手で覆い、考え込む仕草を見せる。
どうやら案内役を付けてくれるらしいと理解した貴方は内心ほっとする。いくら自由度が高いとはいえ、説明書もチュートリアルもなく投げ出されるのは遠慮したい所だ。
しかし、案内役のNPCか…まぁ、この場所がサーカスと呼ばれているくらいだし、ピエロとか何かの動物とかだろうかと貴方はなんとなく思った。
「そう言えば君、最近Vtuberにハマってるらしいね。よしっ、それを元にNPCを作ろう」
そんな事を考えていた貴方は、ケインの言葉に驚く。
確かに貴方は最近、Vtuberの動画を見る事がお気に入りで、よく切り抜き動画や配信などを見ている。しかし、あまり一般受けする趣味ではないので周りには内緒にしており、誰にもその趣味を話したことはなかった。
だが、ケインが貴方の隠し事をあっさりと当てたのだ。この場所に来てからVtuberの話題すら出していないのにも関わらずそんな事を言い当てられたら、驚愕するのも当然であろう。
「なんで知ってるのかって顔をしてるね? 当然知ってるさ!だってさっき君の脳をスキャ……全知全能たる私に分からない事なんてないのだよっ!!」
「なんて!?」と貴方は思わず叫んだ。全部は聞き取れなかったが、脳が何とかと聞こえ、危機感を覚えての行動であった。
一瞬だけ聞こえた物騒な言葉に貴方は思わずケインに詰め寄る。
「大丈夫大丈夫! 命に別状ないさ。 …………そんな事言ってる間にほら完成~」
詰め寄る貴方を軽くあしらったケインはそう言って“パチンッ!”と指を鳴らす。
すると、先程まで何もなかった空間から、突如2人の人影が現れた。
その人物達はとても個性的な特徴を持っているのが分かる。
一人はバニーガールのスーツによく似た白い服を身に着け、頭には本来人間には生えている筈のないウサギの耳が生えている少女であった。あと、三つ編みにしている髪には何故かニンジンが突き刺さっているのが分かった。
もう一人は海賊の様な帽子をかぶっている赤髪の少女(…少女?)で、身体付きが服の上からでも分かるくらいに凹凸がはっきりとしている豊満ボディに持ち主であった。
その人物達を認識した時、貴方は驚愕した。
何故なら、彼女達の姿はあなたにとって。とても見覚えがあるものであったからだ。
「こんぺこ!こんぺこ!こんぺこ~!ホロライブ3期生の兎田ぺこらぺこ~!どうも~どうもぉ~」
「Ahoy! 宝鐘海賊団船長、宝鐘マリンですぅ~!」
貴方が戸惑っている間に、ウサ耳の少女はアイドルの様にウインクをしながら、海賊風の…お姉さんは胸を強調するかのようなセクシーなポーズを取りながら自己紹介を済ませた。
そう、この2人こそ、貴方が最近夢中になっているVtuber達―――――『兎田ぺこら』と『宝鐘マリン』であったのだ。
「ん~? マリン~、こいつせっかくぺこーら達が生挨拶を披露してやったのに無反応ぺこよ~?」
「ふふっ、大方、船長の大人の色気にやられてしまったんでしょ♡初々しいなぁ~♡」
突如現れた憧れのVtuber達に唖然とする貴方の様子をからかう様に笑う彼女達。
だが、そんな童貞丸出しの醜態を晒してもなお、貴方は動けない。ただただ頭の中で「えっ、嘘、なんで!?」と答えの出ない疑問を繰り返すのが精いっぱいであった。
「どうかな、私の作り出したNPC達は? 中々本物に似てるだろう?」
そんな貴方に対し、今度はケインが言葉を投げかけて来る。
その言葉の中にあった『NPC』というワードに、貴方は「あっ」と思い出す。
そう言えば、彼女達はケインがNPCを生み出すと言った瞬間に現れた。
つまりは……『彼女達は本物ではなくNPCという事なのか?』と貴方は考え着いた。
「
「思考回路もあらゆる設定をツギハギ状にしただけだから多少再現度のエイムが低い部分もあるかもしれないが我慢してくれよな。……決して私がにわか知識過ぎて中途半端な再現になったとかではないぞ?」と続けるケイン。
目の前の彼女たちが本物ではない事に貴方は少し落ち着きを取り戻す。しかし、普段からあまり女性との接触がない貴方にとって、美少女が近くにいること自体が緊張の対象になる為、心臓の高鳴りは収まらなかった。つまるところ、まだ緊張していたのだ。
「さて、私はこれからの冒険について計画を練ったりエビの街でロブスターサンドにバターは必要かどうか考えたりと忙しいからもう行くよ。何かあれば呼んでくれたまえ!」
そう言うとケインはその場で一回転し、気が付いた時にはその姿は跡形もなく消えてしまっていた。
その場に取り残された貴方は呆然と立ち尽くす。
色々と情報量が多すぎて脳が処理しきれずにいるのを感じ、全身に重い倦怠感が覆いかぶさって来るのが分かった。
……とりあえず疲れ果ててしまった貴方はこのゲームをやめるために頭にかぶっているであろうヘッドセットに手が伸―――――
「それじゃあ早速案内するぺこよ!」“にぎゅ♡”
「キミもマリン船長の一味なら出航するしか選択しないっしょ!」“ぎゅ♡”
―――――伸ばそうとした貴方であったが、右手をぺこらに、左手をマリンにホールドされる。
これはVRゲームのはずなのに、両手から様々な情報が脳へと伝わって来る。
女性の柔肌の感触、人間でしか味わえないであろう丁度いい体温、そしてホールドされた事によって腕に当たっている2人の膨らみの弾力。
………まぁ、ログアウトはいつでもできるし、今は楽しもう。
貴方はそう自分に言い訳をしてゲームを続けることにした。…決して性欲に負けたわけではないよね?
「あ~♡今エッチな目で船長たちを見たでしょ~♡ キミは一味の中でも特にエロガキなんだから♡」
「マリン~、その話は後にして早く行くぺこ~。…………その話なら後でゆっくり詰めればいいじゃん♡」
「それもそうね♡それじゃ、ヨーソロー!」
そう2人に急かされ、貴方は歩き出す。
行先は何処か。そんな疑問なんて貴方の頭には浮かばない。
何故なら、きっとこの2人とならばどこへ行こうと楽しめるであろうという根拠のない自信が貴方にはあったからだ。
こうして貴方はサーカスへの一歩を踏み出したのだ。
―――その一歩が、破滅への一歩だと貴方は夢にも思わないだろう。
HAHAHA! 楽しんでもらえたかな?
残念ながら今回はパイロット版、つまりはここまでだ。続きは今後の私のやる気に期待してくれよな!
もし、このお話を応援したい場合は是非感想欄等に応援メッセージを送ってくれ!今なら何とこの私ケインが直接感想返しをするぞ!!……こらそこっ!痛いとか言わない!私にも中の人なんて存在しないんだっ!!
……失礼。少し取り乱した。そう言うわけで私は次回の冒険について考えなければいけないからもうこれで失礼するよ。
それじゃあ、諸君と再び相まみえる事を願っているよぉ!!
ここまでご拝読ありがとうございました