「せーんぱい、どうしたんですかー?ほらほら飲んで飲んで~」
猫なで声で飲酒を催促するのはサークルの後輩の加藤だ。
なぜこうなったのか?
事情は先日までさかのぼる。
俺には彼女がいる。とても可愛げがある美人で、正直付き合っていることがいまでも信じられないくらいには美人だ。そんな彼女と花火大会に行く約束をしていた。ところが、彼女曰く、レポートの提出期限が思った以上に急に入ったらしく、もしかするといけないかもしれないと言われた。
まぁ、花火大会は諦めて家でゆっくりしていようとベッドに横になっていると、スマホがブルルと震え、通知音が鳴った。
宛先は後輩の加藤からだった。
【せんぱい、今度の土曜日ひまですかー?】
【予定があったが、キャンセルになった。急にどうした?】
【それだったらー先輩の家で宅飲みしません?ほかに何人か誘って】
【まぁ、いいけど】
【じゃあ、きまりで!また連絡しますねー】
そして今日。宅飲みをすることになったのだが……なぜか加藤と二人きりで宅飲みをしている。ほかのサークルメンバーはどうしたと聞くと、ほかに予定が入ったらしくすでにアルコール類を買っていたため、家に来たということだ。
そしてなんやかんや二人で飲み始めたが、一つ懸念事項を忘れていた。それは、加藤の酒癖が絡み酒でほかのだれか(同性の友人)がいないとずっとこちらに絡んでくるということだ。……正直、いろいろと我慢を強いられている状況は気分がよくなく、アルコールも身体に回ってよからぬことになりかねない。
そんなことを頭の中で考えていると、妙に部屋の温度が上がっているような気がしていた。エアコンを確認すると、電源は入っている。だが、冷たい風ではなく妙に生ぬるい風だけがずっと出続けている状態だった。
「おいおい、まさかこのタイミングでエアコン壊れたのか?」
リモコンで操作を何回かやってみたが、生ぬるい風は変わらずの状況だった。
……男の部屋に年頃の女の子がいるこの状況。サークルのやつらに知られたら面倒な噂が流れるのは必須。もしかすると、サークルを超えて学部の壁すらも超え、大学中に噂が知られてもおかしくない。
「加藤、悪い知らせがある」
「なんですかー?」
「エアコンが壊れたようだ」
「そうなんですかー」
「なので今日はこの辺でお開きにしないか?もちろん家までちゃんと送る」
「んー」
加藤は、まるで小さな子どもが親に甘えるように両手を広げていた。……正直、早めに行動したほうがよさそうであるので加藤の手首を軽く握り、立たせようとする。しかし、思った以上にアルコールが入っているのだろう。足元はおぼつかず、ふらふらとしていた。
「せんぱーい、立てないですよー」
「思った以上に飲んだみたいだな……、しかたない。ちょっと待ってろ」
一度リビングから出てスマホをポケットから出し、タクシーの配送サービスアプリを起動し確認していると、なにやら加藤がいる部屋が妙に騒々しい。いったい何事だと思い、見てみると加藤は寝室に入っていて、人目に見えないところに隠していたはずのオナホールを興味深そうに観察していた。
「おい、なにしてんだ」
「せんぱい、これ……」
興味深そうにしていた加藤の手からオナホールを回収し、すこしだけため息を吐いた。酔っぱらいの相手だ。怒っちゃだめだ。
そんなことを頭の中で考えていると、スマホのアプリから通知が飛んだ。どうやら、花火大会の影響で配車がだいぶ遅れるとのことらしい。そのことを加藤に説明すると、まるで東北の土産物のように首を振っていた。……正直、わかっているのかどうかどっちかわからない。
つまり、今の現状がしばらくは続くと考えたほうがよさそうだ。色々と考えていると、いつのまにか加藤が耳元で妙に甘ったるい声で囁く。
「せーんぱい。さっき、みちゃったあれってやっぱりそういうやつだったりします?」
「だからどうした」
「いやー、さっき色々見た時に部屋のゴミ箱になにも入ってなかったですよねー」
「そうだな、こないだゴミ出したばかりだからな」
「それはうそ。だって台所にあるゴミ箱はもうすぐいっぱいになるところだったのに部屋のだけ小さなごみ袋で処分したのはおかしいです」
「つまり、何が言いたい?」
「せーんぱい、最近ごぶさたじゃないですかー?」
正直痛いところを突かれた。彼女がレポートの提出になる前からもいろいろと重なり、少なくとも2週間以上は自己処理すらしてない状況だった。
加藤はにこっと笑い、こちらをみつめる。鼻を通る異性の匂いは、甘く、欲の炎を滾らせるのは容易だった。
「せーんぱい、その手に持ってるやつみたいにわたしを使ってもいいですよ?」
……は?こいつは何を言っているんだ?使う?手に持ってるこれはオナホール。つまり、そういうことなのか?
「……冷静になれ。今日のお前はおかしいぞ」
「えー、そうでもないですよー。いつもどおりです」
「いいや、おかしいね。冷蔵庫に水冷やしてるからそれを飲んで少し頭を冷やs」
そう言おうとする間もなく、加藤の右手が俺の腰に絡みつき、距離がぐっと知加地たかと思うと唇同士が触れた。先ほどよりも甘い香りが強く鼻にのこり、欲の炎がめらめらと燃え盛り、身体を侵食していく感覚が、理性を燃やし尽くすような感覚が、否応がなしに頭の中を支配していった。
拒もうにも、加藤が口内へ舌を挿れ、絡む。子供同士が遊びでするような口づけではなく、大人の男女が行為をする前の前奏のように一方的に、かつ普段の彼女とは思えないほど強情に行為は続いた。
しばらくあきらかに一方的だったが、力が弱まったと思い、加藤の肩を両の手で少しだけ力を入れ、離した。二人の間には、絡み合った唾が粘性を高め、まるで橋を渡すかのように糸状に垂れていた。
「おい、さすがに冗談が過ぎる」
「冗談じゃないですよ」
加藤は、もてあそんでいた左手を屹立したものに添えるようにした。直接は触らず、あえて服の上から触ることによってこちらから動かさない限りは生殺与奪を握られている感覚になった。
「ほーら、こんなに大きくなってます」
「……生理現象だ」
「すっきりしたくないですか?」
「……お前が帰ったあとに自分でどうにかする」
そう言うと加藤は右手の親指と人差し指で円を作り、そこから小さく短い舌をぺろりと出した。舌先はうねうねと動き、なにを言いたいのかは明確だった。
「れぇー、ほら、せんぱい。気もちよさそうでしょ?」
正直我慢の限界はすぐそこまで来ていた。加藤をベッドに押し倒し、すぐさまに行為に及びたい。頭の中は桃色に侵食されていた。
息も絶え絶え、腰もかすかに動き始め、添えられている加藤の手は動かなかったが逆にそれが妙に気持ちがよかった。
「ほーら❤がまんしないで❤きもちよくなりましょ?」
その言葉で頭の中の理性がぷつんと音をならし、獣欲が制御を不可能にした。
加藤をベッドに押し倒す形になり、動悸はさらに激しくなる。それを見ていた加藤は、にこっと笑いショートパンツを脱ぎ捨てるかたちでベッドの横の床に放った。上にはおっていたパーカーはめくりあげ、カップ付きキャミソールがあらわになった。
「ねぇせんぱい……、どっちがいいですか? 私の顔、ずーっと見てたいですか?……それとも、後ろから、めちゃくちゃにしたいですか……?」
加藤にそう言われ、悩まずして彼女の両手首を左手で握って抑え、右手は下着をずらし、大きくなり今にも暴発しそうなペニスを入口へなぞるように沿わせた。加藤の女陰も濡れ、いつでも挿れられるように準備はできていた。
「せんぱい……いいですよ」
挿入するとぬるりとした感覚と妙に狭く、生暖かい感覚。加藤の表情は読めなかったが、妙に苦悶の声があった。
「お前、もしかしてはじめてか?」
「……思った以上に違和感と痛みがありますっ……ね。でも、……くっ、せんぱい。せんぱいの、好きなようにっ、動いてい、いですよ」
加藤は枕元にあった掛け布団をかみしめながら言った。正直、相手がはじめてだったのは今まで経験がなかったが彼女をせめて痛みからごまかすために右手を股座のほうに挿しいれ、クリトリスを指先で愛撫するとすこし反応が変わった。
腰はゆっくりと、だがペースはスローで彼女が慣れるまでそうした。しばらくすると加藤は、痛みも慣れたのか軽い嬌声交じりの息遣いが聞こえだす。
そこからは、ゆっくりとだがペースをあげ、徐々にピストンのスピードが上がっていった。水音のようなものが部屋中にこだまし、さきほどよりも部屋の温度は上がっているように感じる。
加藤の腰を両手でつかみ、腰を当てつける。
「ん❤あっ、そこ、い❤きもちがっ❤いいです❤」
そういわれると、そこを重点的に刺激するように腰を動かすと、さらにわかりやく嬌声が部屋に響き渡る。その声を聞いていると、こちらも興奮し、さらに腰は激しく動く。
「あっ❤やっ❤せん、ぱいっ❤やば、いっ❤」
そう言うと加藤は身体を一度大きくびくっとけいれんさせた。どうやらイったようだ。だが、正直こちらも我慢できる状態ではなく、腰をさらにグラインドさせ、快楽に沈んでいく。達したばかりの加藤は、その行動は想定していなったようで、無意識にそのおおきな尻をこちらに寄せるように快楽に埋もれていった。
「やばい、もう出るっ」
「わたしも❤もう、や、ばいっです❤せんぱい、そのまま出していいですよ❤」
そう言われたがさすがに最後の理性がそうさせず、思い切り背中に勢いよく射精した。彼女のきめ細やかな背中に、熱いそれがかかると妙になまめかしかったのは覚えている。
「はぁ……はぁ……せんぱい、なんで中にだしてくれないんですか」
「はぁ……はぁ……さすがにそれはだめだろ……」
「もう……」
加藤の表情はわからなかったが、怒っているような感じではなかった。
◇◇◇
行為がひと段落し終わると、二人して冷静になり、自分たちがやった行動のやらかしがいやでも降り注いだ。
「……すいません」
「それはこっちもだ」
「……今日のことはせめてお互い忘れませんか?」
「奇遇だな、俺も同じこと考えていたところだ」
「ふふっ」
「なにがおかしい」
「いえ、なんでもないです」
そう言って笑っていた加藤の目は妙に輝いてきれいだったのを覚えている。
翌日、早朝にタクシーを配車し彼女を送り届けた。……やっちまったなぁ。そんなことを考えていると、加藤から連絡がきた。
【せんぱい】
【やっぱ昨晩のこと】
【わたし、忘れないです】
その文面を見終えると同時に、妙に大きなため息が口から吐き出た。
ちふゆと加藤、どっちが好みだい?
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ちふゆ
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加藤