加藤がホテルの部屋から出ていかず、こちらに歩み寄ったのは正直驚いたとしか言えなかった。以前も別荘の時言っていた二番目でいいという発言がパッと脳裏に思い出された。
一歩、また一歩とおそるおそる近づいてるのがわかった。加藤は、こちらからみてもすこし緊張が見えるのが目に見えてわかる。
加藤は、数十センチの距離まで近づいた。視線は合わなかったが、もじもじとし、可愛らしい仕草をしていた。ちふゆの方を少し見ると、目を閉じて顔をこちらに向けた。
なにをしろというのは野暮だった。こちらから唇を重ねた。徐々に、徐々にだが互いの熱を交換し合うように、激しく求めた。
舌を絡ませ、唾液を交換する。お互いのものが混ざり合った液体は粘性を高め、口の周りを汚していく。
「はたから見ると激しめのキスってこんな感じなのね……」
そう、ちふゆに言われるまでキスは続いた。すこしだけ距離を離すと、加藤の口から透明な糸のように互いの唾液が混じったものが連なっていた。
「んっ、先輩。ごめんなさい、激しくしすぎました」
「いや、こっちも変わんないからな……」
「そ、そうですか。でも、先輩とキスをしたの初めてなのでうれしいです」
「そうだっけか」
「はい、そうですよ」
加藤と二人話してると、会話に入れていなかったちふゆがいつの間にか背中越しに手をまわしていた。服の上から、指先で遊ぶようにするとある点でそれは止まった。
「そういえば以前から思っていたのだけれど、あなた。乳首弱いわね?」
「そ、そうなんですか、先輩」
「みてなさい」
そう言うとちふゆは爪先でひっかくようにして乳首に刺激を与えてきた。カリカリと刺激を与えられると、口から声が漏れる。
「わぁ……先輩の感じてる顔、かわいいです」
「こちらからはどんな顔をしてるかわからないけど弱いのは確かなようね」
ちふゆは乳首に刺激を与え続ける。最初は、乳首だけを刺激する形だったが、両手の人差し指で周囲をなでるようにすると、それを見ていた加藤は、ベルトを外し、デニムを下す。あっというまに下半身だけ下着の状態になった。
先走りで先端にシミができていた。それを見た加藤は、自分の鼻先をそれに押さえつけるようにして深呼吸を数回した。
「んっ❤先輩、ちょっと変なにおいしますね」
「だったら顔を離してくれると」
「いやです❤」
加藤は、鼻先を下着から離すと、下着の上から亀頭を咥えた。両手は太ももに置かれ、唇をすぼめ、数回キスをする。それは、マーキングなのかはたまた捕食する前の仕草なのかわからなかったが、なんにせよ刺激はこちらにも伝わってくる。
「先輩、どうですか?」
「うっ、きもちいいっけど、同時に刺激されて……やばいっ」
「ふふ、よかったです」
加藤はいたずらが成功した子供のように笑った。その顔は妙にそそられて、さらに大きくなっていく。
「どうする?ここでするの?それともベッドに行く?」
ちふゆにそう言われ、奥にあるベッドルームに行った。三人並んで、ベッドに横に座ると、服をすべて脱がされる。部屋には、全裸になった男が一人と、それをはさむようにしてまだ服を一枚も脱いでいない女二人がいる。そんな状況になっていた。
「さて、どうする?さすがに私も三人でしたことはないから手順がわからないのだけれど」
「そ、それもそうだな」
「先輩、わたしもわからないです」
そう、三人ともそんな経験はなかった。大学で探せばそう言った経験をしているやつもいるかもしれないが、聞こうにもそういった話は聞けないだろうし声高々には話さないと思う。
「ひとまず、お風呂にお湯は貯めてあるわ」
「そ、そうだな。じゃあ、一人づつ入れば」
「あ、あの先輩」
「な、なんだ?」
「その、みんなで入りませんか?」
「あ、ああ。いいけど……」
「わたしもかまわないわ」
すでに服は脱いでたので先にシャワールームに入って、シャワーを浴びていると扉が開いた。先にちふゆが入ってきて、あとに加藤が入ってくるかたちになった。加藤は、手で前を恥ずかしそうに隠していたが、ちふゆは堂々としているようだった。
二人並ぶと、身長差もあるが両者ともにきれいな体をしているなと思った。まじまじと見ていると、ちふゆはじろっとこちらを見た。
「あまりじろじろと見られるとさすがに恥ずかしいのだけれど」
「うぅ……自分で言っておきながらですがちょっと恥ずかしいです」
「そう?あなたの身体もきれいなものよ」
「そ、そうですかね?」
二人がさきほどより話しているのを横目にみながら、湯船に浸かる。お湯は程よく温かく、気持ちがいいい温度だった。二人は髪は濡らさないようにし、身体を素手で洗っていた。
「どうする?ここでするのかしら」
「そうだなー……さすがに三人だとせまいな」
「そうですね……」
「もうすこし湯船浸かったら先に上がるよ」
「あら、そう」
「わかりました」
そのあと、しばらく湯に浸かり、身体を温めた後、先に風呂を出た。色々とやることもあるだろうし、あの空間にいたらそれこそ我慢ならない状況になりそうだった。
湯冷めしないように備え付けてあったガウンを羽織り、ベッドに座る。しばし、一人でいると、浴室の扉が開き、バスタオルを胸に巻いた二人がこちらに近づいてきた。
「さて、しましょうか」
「そ、そうですね」
二人に挟まれるようにして、ベッドに座る。じわじわと、距離が近づいていく。
風呂上がりのボディーソープの香りは一緒なのに、全く違う匂いだと思ったのは気のせいだったのか。
それはわからなかったが、二人、ほぼ同じタイミングで頬にキスをされた。
それが、口火を切った合図だった。
ちふゆと加藤、どっちが好みだい?
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ちふゆ
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加藤