その後、二人重なるようにして30分くらい横になった。
結局やってしまった……少なくともあの場の正解は手を出さないが正しいのだろうが。隣で頭を預け眠っている加藤を起こさないようにし、一人考えた。
さすがにこれ以上身体を重ねるのはダメだろう。少なくとも、こっちは彼女がいる身だ。そもそも最初から手を出すなと言われたらそれ以上は何とも言えないが。そんなことをひとり考えていると、加藤が目を覚ました。
「んっ……先輩」
「起きたか」
「はい、なんというかこの多幸感っていうんですかね。ふわふわしててまだ慣れません」
「そうか」
「その……先輩。もう一度、しません?」
その提案は男だったらされたらうれしいが、これ以上はダメだ。さすがに人としてモラルとか色々欠けすぎてる。
「いやではないが、さすがにな?」
「……先輩、これ以上しても罪は変わりませんよ」
それはたしかにそう。だが、頭の片隅に彼女がいることは事実だった。加藤のほうをみると、何かを考えているようだったが何を思っているのか正直わからなかった。
「先輩、さっきしてた時にも思ったんですけど」
「……なんだ」
「なんでキスしてくれないんですか?」
それは最後の防衛ラインだと自分で引いていたのかもしれない。そもそも身体を重ねるのはいいのかと言われたらあれだがそれ以上はダメだと無意識に思っていたのかもと頭の中で会議が広げられた。
「ね、先輩」
「ダメだ」
「何も言ってないじゃないですか」
「結果が分かっているというか何を求めているのか今はわかる」
「じゃあ、いいじゃないですか。しましょう、キス」
そう言ってきた加藤は真剣な目をしていた。それにこたえたいのは山々だが、応えたらそれこそもう墜ちるところまで墜ちることになる。二人の距離はじわりじわりと近づいていき、逃げようにも逃げられない。
あと数センチに加藤が迫ったとき、台所に置いていたスマホの通知が鳴った。
みてみると彼女からだった。
これはさすがに出たほうがいいだろう。そう考え、スマホを手に取る。
「もしもし」
『あら、起きてたのね。そっちはどんな感じ?』
「あぁ、急に泊りになったけど明日には帰る予定」
『そう』
「急にかけてきたけどどうしたんだ?」
『そうね、なにか虫の知らせのようなものがあったのよ』
「虫の知らせ?」
彼女と通話をしていると、いつの間にか横にいた加藤はしゃがんで小さくなっていたペニスを手遊びし始めた。その弱弱しい刺激すらも今は大きくするきっかけになるには十分だった。
やめさせようと加藤を見ると、子供がいたずらをするときのような目をして、人差し指を口元に立てていた。
加藤は大きくなったペニスの先端にキスを数回し、口に含んだ。舌先で転がし、鈴口に刺激を与える。
正直、刺激としてはかなり危なかったが彼女との通話中だということを一瞬だが忘れていた。
『……大丈夫?さっきから吐息交じりになってる気がするけど』
「あ、あぁ。大丈夫」
『そう、もしかするとほかのだれかとしてたり、してね』
「んっ、そんなわけないだろ。あと聞くのもおこがましいがしてたらどうなるんだ?」
『あら、知りたいの?』
「後学のために知っておこうかなと」
『そうね、するとしてもわからないところでやってくれたらそれでいいと思ってるけどもしわかったら』
「わ、わかったら?」
『自分でもどうなるかわからないわね』
通話中にも加藤は手を辞めず、刺激を繰り返してくる。先端を刺激していた舌先を竿から根元まで上下に舐め、刺激をずっと与え続ける。
通話している彼女のことと加藤がもたらす刺激。正直、頭の中はぐちゃぐちゃになっていた。
「んっ、そろそろ、眠くなってきた」
『そう、わかった』
「あぁ、おやすみ」
『ええ、おやすみなさい』
通話を切り終えると、加藤は口をすぼめ、ペニスをしゃぶっていた。あえて、口内を見せるようにして、視覚的刺激も与える。
正直、限界だった。
加藤の後頭部を支えるようにし、喉奥へすすめると加藤は一瞬苦しそうな顔をしていたが、拒むようなことをせず受け入れるかたちをとった。
そこからはまるでオナホールのように、乱雑に、己の快楽に身を任せる形に腰を振った。何度も、何度も、腰を動かした。
しばらく続けているとどちらの限界だったのかわからないが、加藤の口内に思い切り射精した。先ほどよりも長く出ていた気がする。
押さえつけるようにしていた加藤の頭を離すと、加藤の口とペニスの間にきらきらとした粘性の橋のようなものができていた。加藤はそれを啜るようにして、口に含む。口の中で何度か咀嚼するようにし、ごくりとこちらにも聞こえるように飲み込んだ。
「んっ……ごほっごほっ、先輩、さすがにちょっと強引すぎます」
「……すまん」
「まぁ、いいんですけどね」
加藤と何度か行為に及んだが自分がこんなにサディスティックだとは思わなかった。彼女とそういった行為をしたことはあるが、こんなではなかったはず。
それは加藤がそういった行為を受け入れるだろうという打算もあるのだろうが、それにしてもだ。さすがに自重しようと思ってしまう。
「先輩」
「なんだ」
「私は二番目でもいいんです。私の身体を好きに使ってもいいです。ただ、お願いがあります」
「……お願い?」
「はい、私をきらいにならないでください」
それは加藤の願いでもあり、祈りでもあったのかもしれない。
それにすぐに答えられない己を憎んだ。
ちふゆと加藤、どっちが好みだい?
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ちふゆ
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加藤