夕食を終えたアステマは二番隊の一人ケルミーの部屋を訪れる。
アステマ「ここですね」
コンコン
アステマはドアをノックする。
アステマ「すみません!ケルミーさん、訓練を受けに来ました!」
アステマが呼ぶが、部屋からは何の反応もない。
アステマ「あれ、お留守かな?」
アステマはドアノブに手を掛け捻る。すると扉が開く。
アステマ「開いてる。失礼しま・・・ッ!」
ドアを開けて部屋に入ったアステマは、部屋の中を見て唖然とする。壁には大量の縄の束が架けられ、机の上には布や革製の猿轡、ボールギャグ、バイトギャグといった口枷、手錠、足枷などが置かれ、天井からは大量の縄が垂れていた。
アステマ「な、何なんですかこの部屋・・・・・っ?」
異様な光景に恐る恐る入るアステマ。すると視界の端に異様なものを捕らえる。
アステマ「え、なに?」
アステマは恐る恐る近づくと息をのんだ。そこには赤いロープで縛られ、瘤付きの猿轡を噛まされた、腰まで伸びた黒いロングヘアの女性がいた。
???「うう!うう!」
アステマ「だだ、大丈夫ですか!?」
アステマは驚きつつも、縛られた女性の猿轡を外す。
???「ぷはっ!」
アステマ「大丈夫ですか!?何があったんですか!?ま、まさか侵入者が!?」
???「ち、違います!これは訓練なんです!」
アステマ「・・・・・へ?」
女性が言った言葉にアステマはポカーンとなる。
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その後、アステマは女性の拘束を解き、話し始める。
???「はぁ、驚かせてすみません。縄抜けの練習の最中だったんです」
アステマ「そうだったんですね。ビックリした・・・。あっ、そういえば、貴女がケルミーさんですか?」
ケルミー「はい。ルミエール騎士団二番隊の団員にして捕縛員の『ケルミー・アナスタシア』です」
この縛られていた女性こそ、ユーマ率いる二番隊のメンバー『ケルミー・アナスタシア』(イメージCV:早見沙織)である。
アステマ「捕縛員?」
ケルミー「捕縛員とは、犯罪者や投降した敵兵を縄などで縛る団員の事です。戦闘にはあまり参加せず、団員達が倒した敵を捕縛するのが主な仕事です。各隊に一人ずつ配属されています」
アステマ「なるほど・・・。という事は、訓練は相手を縛る訓練ですか?」
ケルミー「その他に、縄抜けの訓練もします。これは騎士団において必須科目です。万が一敵に捕まった際、自力で抜け出せる訓練もしとかなくては」
アステマ「なるほど・・・」
ケルミー「では話はこれぐらいにして、これより訓練を始めます。まずは相手を縛る『捕縛術』を教えます。実際に私を縛って練習しましょう」
アステマ「い、良いんですか!?」
ケルミー「構いませんよ」
アステマ「わ、分かりました・・・」
ケルミーはアステマに縄の束を渡す。そして両手を背中に回す。
ケルミー「では工程手順を教えるので、その通りに縛ってください」
アステマ「はい、わかりました」
縄を受け取ったアステマはケルミーの教え通りに縛り始める。
ケルミー「まずは両手首を縛って下さい」
アステマはケルミーの両手を縛る。
アステマ「出来ました」
ケルミー「次に胸の上下、肩、腰を縛って下さい。順番はどちらでも構いませんから」
アステマは言われた通りの胸の上下、肩、腰を縛っていく。
アステマ「で、出来ました」
ケルミー「ん、んん・・・」
縛られたケルミーは体をくねらせる。
ケルミー「なかなか良い感じです。ただ縛り具合が少し足りませんね。相手を縛るにあたって一切の自由を残さないのが基本です。これではすぐに解けて逃げられるか、逆に縛られてしまう可能性があります」
アステマ「そうですか・・・」
ケルミー「次は縄抜けの訓練をしましょう」
そう言うとケルミーは体を少し体をひねると縛っていた縄が緩んでほどけ落ちた。
アステマ「えっ!一瞬で!」
ケルミー「これぐらいの拘束であれば簡単に抜け出せます。では今から貴女を縛ります。初心者なので少し緩めに縛りますね」
アステマ「あ、あの・・・」
ケルミー「何ですか?」
アステマ「緩めではなく、少しキツめで・・・」
ケルミー「それで良いですか?」
アステマ「はい・・・その方が練習しやすいと思うで」
ケルミー「分かりました。ではその様に」
アステマに言われてケルミーは少しキツく縛り始める。そんな中、アステマはケルミーにある事を聞く。
アステマ「そういえば、ケルミーさんはどうして捕縛員になったんですか?」
ケルミー「・・・誰にも言わないでくださいね」
アステマ「えっ?はい・・・」
ケルミー「実は私・・・・・
相手が縛られてる姿が好きなんです!!」
アステマ「・・・・・え?」
アステマはまたもポカーンとした顔になる。
アステマ「ど、どう言う事ですか?」
ケルミー「昔、幼少期に騎士団が犯罪者を捕らえる場面に遭遇した際、その犯罪者が縛られている姿を見た時に、心の中が妙に興奮していたんです。それからと言うもの、相手が縛られている姿を見て興奮してしまうようになったんです!世に言う“性欲”です!」
アステマ「は、はぁ・・・」
ケルミー「そん性欲もあって私に宿った特殊スキルは、蜘蛛の糸を生成して相手を拘束する『蜘蛛縛《スパイダーネット》』なんです」
アステマ「そうなんですか・・・。もしかして騎士団に入団したのも、相手が縛られている姿を見れるからですか?」
ケルミー「そ、そうなんです。お恥ずかしながら・・・。それから捕縛員として活動して、犯罪者や捕虜を縛ってはその姿を見ては心が躍る、そんな日が続きました。私にとってこの捕縛員という役職は、私に最も似合っていると思いませんか!?」
アステマ「は、はい。思います・・・」
熱烈に語るケルミー。それを聞いたアステマは若干引いていた。
アステマ(まさか性欲でこの団に入団してたなんて・・・)
ケルミー「今でも忘れもしません、ユーマ様を縛った時の事は!!」
アステマ「そうですか・・・って、え!?」
ケルミーから出たとんでもない一言にアステマは驚く。
アステマ「いいい今なんて言いました!?」
ケルミー「え?ユーマ様を縛った時の事は・・・」
アステマ「ちょちょちょっと!何でこの国の王子様を縛ってるんですか!?」
ケルミー「・・・じ、実は少し前にマネキンを使って縛り方の練習をしてたんですが、生の人ではないのか心がトキめかなくて・・・それで無理を承知でユーマ様に「練習台になって欲しい」っと頼んだんです。そしたらユーマ様は「良いぞ」と言ってくれて・・・」
アステマ「そ、それで縛ったんですか・・・?」
ケルミー「最初は抵抗がありました、ですかやっていくうちにどんどんエスカレートしていき、気づいた時にはユーマ様の全身を縛り上げていたんです/// それで一切の自由を失いモゾモゾとしているユーマ様はを見て、今までにない性欲の鼓動を感じてしまいまして・・・それが今でも忘れられない思い出になったんです」
アステマ「えぇ・・・」
まさかの衝撃発言にアステマは驚愕しながら引いていた。そんなこともありつつ、ケルミーはアステマを縛り終える。
ケルミー「さっ出来ましたよ。それでは縄抜けの訓練開始です」
アステマ「は、はい」
それから一時間後、アステマは苦戦しながらも縄抜けに成功する。
アステマ「な、なんとか縄抜けできた・・・」
ケルミー「よく出来ました。これで訓練は終わりです。お疲れ様でした」
アステマ「お疲れ様でした・・・」
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ケルミーとの訓練を終えたアステマは廊下を歩いていた。すると支柱の裏からユーマが現れる。
ユーマ「無事に終えたみたいだな」
アステマ「ユーマ様!?」
ユーマ「その感じ見るに、苦戦したようだな」
アステマ「は、はい・・・。ところでユーマ様、ケルミーさんに縛られたそうですね?」
ユーマ「ぐっ、聞いたなアイツから・・・」
アステマ「縛られてどんな感じでしたか?」
アステマはニヤリと笑いながらそう聞く。ユーマは赤面しながらこう言う。
ユーマ「・・・悪くなかった///」
アステマ「!!」
ユーマ「誰にも言うなよ!?」
そう言うとユーマはそそくさと去っていった。
アステマ「ユーマ様も、そう言う年頃ですか・・・」
アステマは頬を赤くしながらユーマを見つめるのであった。
続く
ー次回ー
第八話『鬼蛙を討伐せよ!』
お楽しみに。