因習ハンターのアルガくんは嫁探しばかりに精を出している。 作:山雅将暉
R-18に移動しました。
「制・・・・・・約?」
アルガが呆然と反芻した言葉を抜雲斎は首肯する。
「はい。元々“行雲流水・八咫巴”を生み出すには多大な労力がかかります。その上“八雲蛟”が生み出す雲と同等の効果を齎す空間を作る関係で大きな制約が三つあります」
① 念空間は雲で囲んだ範囲にのみ生成できる。
② 念空間に取り込める生命体は二体まで。
「そして③囲んだ対象が生命体二体であった場合、どちらかが死ぬまで念空間は解除されない。私はこの制約を私自身と犯罪者が心置きなく闘うために利用してきました」
特に致命的な③の制約。“行雲流水・八咫巴”は閉じ込めた対象にデスマッチを強いる能力。
「いやなんで使った? 俺はあくまで調査対象だったんだろ!?」
「今は大分軟化してますが、元々私は殺す気満々でしたので」
自分を戦闘狂と誤解(ある意味間違ってはいない)し続けた拗らせハンターが生み出した念空間の厄介さは尋常ではなかった。
「え、どうする? 放出系の転移能力とかもこの空間内じゃ使用できないんだろ?」
ニッコリ(口角下がり)と気持ちのいい笑みを浮かべて抜雲斎は肯定した。
「はい。『具現化系』以外の『発』は問答無用で弾きます」
「ですよね〜」
外からの救援も期待できない。仮に運良くこの状況を打破できる『具現化系』能力者が来ても、雲に包まれた部屋に違和感を感じて能力を使ってくれる可能性なんて0.1%もないだろう。
「それにこの空間内は雲に囲まれているように見えますが、念空間を作った雲は“八雲蛟”に収納されていて、さっきまでいた場所には“八雲蛟”が転がっているだけ」
違った小数点すら必要無かった。0だ。一切の希望のない0%だ。
「ちょっと待て。抜雲斎おまえ、念空間内でも“八雲蛟”使ってたよな?」
「ううん、あれは頑丈さとオーラ伝達率の高さが売りのレプリカを具現化したもの。本物は今言った通り、雲を収納して外に転がってますよ」
そっか。本物の“八雲蛟”にこの念空間の雲を吸収してくれることもできないのか。抜雲斎本体の戦闘力を武芸のみに絞り、相手の戦闘能力を肉弾戦限定に落とし込む。おそらく抜雲斎の単純な戦闘能力は念空間でない方が強い。そのうえデスマッチのリスクを背負ったからこそ、これだけ破格の能力を作れた。だが・・・・・・。
なんとなく理由はわかるが、アルガは聞かずにはいられなかった。
「・・・・・・なんでこんな能力作った?」
「ずっと斬り合える環境への渇望・・・・・・かな?」
ンフフと照れ臭そうに笑った。
この鹿取抜雲斎の念能力には欲望のブレーキが無い。薙刀で斬りたいという欲求をずっと抱え続けた結果、合法的に斬り合える空間を作る発想に着地し、合法的に欲を満たしつつ社会奉仕を果たす。そこには一切妥協がなかった。社会に馴染める狂人の究極系だろう。
「そうか。よく頑張ったな」
因習という狂気に呑まれた人間を知っているがゆえに、アルガは自然とその言葉を口にしていた。
「・・・・・・っ、あ、ありがとう」
抜雲斎が左腕を愛おしげに摩った。そこにあるのは止血した傷口。アルガの氷槍に貫かれた深手。摩るたびにズキズキと甘美な刺激が抜雲斎の脳を焼き、濡れた舌が唇を艶かしく舐めた。
(あとちょっとぉ♡あとちょっとの我慢で・・・・・・“全てが手に入る”)
彼女が普段黒袴の上から羽織っている白装束には極楽鳥花の刺繍がその背に刻まれている。花言葉は“全てを手に入れる”。
「よっと、お互い傷はもう止血できたし、ぼちぼち出るための作戦考えようぜ」
その仕上げをするために抜雲斎はあくまで戦う姿勢を見せなければならない。
「それじゃあ斬り合いましょうか。生き残った方が外に出ていくということで」
「そんな物騒な解決案は求めてない」
(うん、いい流れ)
「と言っても出れないのは決定事項ですし・・・・・・心中でもしますか? アルガくんとならいいですよ」
「待て、今考える!」
考え込んでいるアルガの横顔を恍惚と眺める抜雲斎は待ちきれないそのときを想像して濡れた視線を無意識に送っていた。
「ん?」
その視線と積み重なった違和感がアルガに確信を与えた。
「おかしいぞ。制約と恩恵の数が合わない」
「へ?」
碧眼から送られる疑惑の視線によって雲行きが怪しくなったことを悟った抜雲斎。だがアルガの考察は止まらない。
「というよりデメリットを背負い過ぎている。特に③がおかしい。おまえの一対一で斬り合いたいという欲求は②で充分に叶えられている。なのになぜわざわざ③を作る?」
抜雲斎の頬に冷や汗が浮かぶ。歩み寄ってくるアルガに出来うる限り自身の顔色を見せないよう、俯きながら次の嘘を考える。
「①で念空間の作成。②で雲の効果を念空間に浸透させる」
逞しい指が抜雲斎の華奢な顎を掴んで持ち上げた。彼女は疑心を抱いた碧眼に静かに睨まれていた。
「③でどんな恩恵を得るんだ?」
迷う。このまま言い訳を重ねるか、それとも求めるものを口にしてしまってアルガからそれを貰うか。抜雲斎はどちらもダメだと結論付ける。
(だってそれだと、手に入れたことにならない)
だからこそ不敵な愛想笑いを浮かべて対抗する。
「フフッ、私の身体にでも聞いてみますか?」
開き直ったのだ。口角を上げ、豊満な胸を堂々と張って、オーラを漲らせる。
「じゃあそうする」
アルガも同様にオーラを溢れさせる。本来の目的から随分とズレてしまったが、これはこれで良しと考えて抜雲斎も闘争心を湧き立たせた。
「ンフフ、では存分に斬り合いま———ンゥ?」
殺気も闘争心もまるで無かった。気がつけばアルガの顔が眼前にあり、眼鏡を額に上げられた影響で抜雲斎の視界が僅かに歪んでいた。
「チュル♡ レルゥ♡」
それは愛する意志の発露。くびれた腰を抱かれ、唇を突き合わせるだけだったはずのそれは抜雲斎も同意したことでよりディープに高められていく。
「ンヂュゥ♡ ・・・・・・ンンンレァ♡ チュズ♡・・・・・・チュパァ♡・・・・・・ハァ♡ハァ♡あぁんッ♡」
ムギュッと安産型の尻を無造作に掴まれたことで飛び出した生理的な喘ぎが念空間に響き渡った。
「これ以上身体に聞かれたくなかったらとっとと教えろ。抜雲斎・・・・・・なんで嘘をついた? 念空間は解除できるんだろ?」
「で、できな———♡」
ギュッと掴まれた腰帯に言葉が詰まった。これを引っ張られるだけで帯は抑えていた衣服を容易に解放し、服越しでも下品な輪郭を描いていたそれがまろび出るだろう。
「おまえは決定事項と言ったな? 確定じゃねえってことは抜雲斎の意志で念空間から出さないのだと解釈する。誤解されるのが嫌なら俺の質問にちゃんと答えろ」
「ハァ♡・・・・・・ハァ♡」
そして彼のズボンを持ち上げる卑猥なシルエットも瞬く間に顔を出し、彼女の身体を貫くだろう。
「このままじゃ俺は②の制約を破るために“三人目の対象者”を生み出さないといけなくなる。破ると重い誓約は組んでいるか?」
その心遣いが抜雲斎の胸と下腹部をより一層熱く燃え上がらせた。
「く、組んでない♡」
「そうか、それは良かった。心置きなくやれるな?」
「あ♡ あぁぁ♡」
小さな見栄が生んだやらざるを得ないという体裁。コツコツと積み重ねた小賢しい企てが今身を結ぶ。
(あぁ♡計画通り♡あとはアルガくんになにをされても念空間を解除しなければ私の望みは叶う♡)
ほくそ笑んだ顔を碌に隠さないまま抜雲斎の右手がアルガの胸元をくすぐった。
「じゃあ質問だ」
答えはNO一択。
「俺のことは好きか?」
アルガの鎖骨から衣服の中に入り、這っていた抜雲斎の手の動きが止まった。
「え・・・・・・?////」
抜雲斎はその問いをNOと言えなかった。
ムギュッ!♡
「オッホォォッ!?♡」
罰としてその巨乳に乱暴な愛撫が施された。黒袴の外から力強く乳輪ごと握り潰し、過剰な快楽に耐えられなかった抜雲斎が反射的に背を逸らし、後退しかけた身体を腰を掴むことで止めた。
「答えられないか?」
「ハァ♡ ・・・・・・だって♡だってぇ♡」
グイッと引き寄せられた抜雲斎の股には衣服越しに魔羅が添えられていた。硬く大きく、仮に膣に入ってしまえばどこまで犯せるのかが正確にわかってしまう。
「そんな質問にぃ♡なんの意味がぁ?♡」
「気持ちの確認だ。外界の情事は一方通行な好意だと気持ち良くなれないんだろ?」
快楽に呑まれた脳でどうにか話を逸らそうとしたが、それは逆効果だった。火照った身体はアルガの言葉で現金に震え、都合のいいことを聞いた抜雲斎は自身が聞かれる側の立場にいるにも関わらず問いただす。
「わ、私がッ♡その質問にYESって答えたらどうなっちゃうのぉ?♡」
「②の制約を破って一生おまえを愛するよ、抜雲斎」
プシッ♡と深く破れた黒袴の裾から覗く越中ふんどしに収められた膣が愛液を放った。言葉だけで目一杯分泌された幸せホルモンが欲求に素直な身体を唆して「イグッ♡」と下品に叫ばせながら深い絶頂に誘った。
「・・・・・・おい、答えはYESかNOだ」
「あん♡」
ムギュッ♡と再び豊かな乳房に手がかけられた。今度は随分と優しい手付きで乳輪付近をくすぐり、抜雲斎が物足りないと感じる愛撫を施す。
「あ、もっとぉ♡」
さっきのように強く握られたいと思った抜雲斎は、ガクガクと快楽に震える脚を前に進めてアルガの手を胸に吸い込ませた。
(えへへ♡残念だったねアルガくん♡どのみち交わることが変わらないなら♡私が答える必要はないんだよ♡)
ファサ。
結局、腰帯は自ら解いた。アルガがわざと手を離したことで黒袴の前が開き、肉感的な乳房と太腿に半端にかかる黒い衣服が却って彼の情欲をそそった。少々割れた腹筋が今までの女性にはなかった戦う女の美しさを感じさせ、アルガの性的欲求は高まり、無意識のうちに腰を抱く左手を引き寄せていた。
「・・・・・・♡」
それでも抜雲斎は答えない。
(さあ抱いて♡アルガくん♡半強制的な情事で私の身体に溺れるあなたが見たいの♡)
全ては退廃的な欲求を叶えるため。
「またダンマリか?」
「うん♡」
抜雲斎の視界が回る。ガクガクと震える脚はアルガの左手に引っ張られるまま動き、向き合う体勢から一転して、安産型の尻を彼に向ける体勢になった。
「脚ガクガクだな?」
「え?♡いきなり
成立しない会話のキャッチボールに湧き上がる黒い性欲を最大限抑えていたアルガは苛立った。
「左腕をまともに動かせないおまえは右腕だけで抵抗しないといけないわけだ」
「ンフフ♡抵抗なんてしないよ♡」
グイッと臀部をアルガの腰に押し付けた抜雲斎は荒々しい情事がはじまると疑ってなかった。だから最初に自身の膣に入るものがアルガの指とは欠片も思わなかった。
グチュ♡グチ♡グチュッ♡グチャッ♡
「あっ♡・・・・・・おっ♡待っれぇ!♡もう濡れて———イギィィィッ!?♡」
無抵抗を貫いた弊害で、アルガの右手に容赦無く膣壁を抉られた抜雲斎はあっという間に潮を飛ばした。それははだけた衣服に遮られることなく宙を舞い、念空間の床を扇型に濡らした。
ジャプンッ♡
そして、ようやく右手指が膣を抜け出して解放されると、支えを失った抜雲斎はガクガクと震える脚を一歩二歩と後退させ、その身体を背後にいるアルガに預けた。
「ハァ♡・・・・・・ハァ♡なんれぇ?♡」
「質問に答えないからに決まってんだろ。同意を得られない以上、辛くなるまで前戯をしておまえに念空間を解かせる」
あまりに予想外な答えに抜雲斎は蕩けたままの瞳で振り返った。
「そんなお預け———へ・・・・・・ぇ?♡」
そこにはすでに全ての衣服を取っ払ったアルガがいた。絶頂に呑まれた抜雲斎の後ろで片手間に脱いだせいか、ズボンは足首に引っ掛かり、鹿の革製ジャケットも裏返って床に広がっている。
「筋肉すごぉ♡」
なにより目を惹かれたのはその肉体美。理想的な凹凸が絡み合った腕と脚の筋肉、いつも曝け出していた割れた腹筋、そのどれもが引き締まって戦うための肉体を為していた。
ビキビキッ!
「っ♡」
あまりにも大きな剥き出しの男根が天に向かって伸びていた。臍まで反り返ったそれは今すぐにでも暴れ出したいと言わんばかりに置いてけぼりにした皮の先で血管を浮き立たせている。
「これでもかなり気を遣ってんだぜ? 本当は速く抱きたくてしょうがない」
モニ・・・・・・ムギュッ!♡
「おッ!?♡・・・・・・じ、じゃあ抱けばいいじゃないですかぁ♡ ンゥ」
誘い受ける様を隠さなくなった抜雲斎にチュッと触れるだけのキスを落とした。情欲ではなく、情愛を宿した接吻に抜雲斎も戸惑った。
「ぁ・・・・・・////」
胸の愛撫がまた優しくなり、左手は腰ではなく頭を撫でていた。心地良い感覚に目を細めた抜雲斎。
「抜雲斎。俺はおまえが好きだ」
「はぇ?////」
豊かな乳房を優しく揉んで、下げられた三つ編みをなぞったアルガは続ける。
「おまえは本当に綺麗だな」
片方の手付きは変わらずいやらしかったが、その視線は抜雲斎の顔を捉えていた。
「笑うたびにどんどん綺麗になっていく」
抜雲斎は自然と自身の頬に触れていた。口角は下がっていた。抜雲斎は今、確かに喜んでいたのだ。
「これからも俺の隣でずっと笑っててほしいんだ」
「な、なんでそんな恥ずかしいこと言えるの!?////」
心臓が煩く脈動していることを感じながらも抜雲斎は降って現れた不条理に、ものを言わずにはいられなかった。
「好きだから」
「っ////」
(それが言えなかったから私は・・・・・・私はぁ////)
『具現化系』は神経質。はじめて向き合う恋心と失恋の不安。それが彼女に歪んだ欲望を抱かせ、
「いじわる」
とっくの前から自身の思惑と恋心に気づかれていた事実を今更理解した抜雲斎は頬を染めて口角を下げながら答えを口にする。
「私があなたにゾッコンだって、もう知っているくせに////」
しゅる。
黒い袴とともに付き物が滑り落ちた。凛としているように見える鋭い面持ちはアルガにとって誰よりも綺麗に笑う美女だった。
「アルガくん・・・・・・鹿取抜雲斎はあなたを愛しています」
身体を介して気持ちを交わらせる腹積りだった。自身の恋心を巧みに隠しながらアルガの恋心を引き出す当初の予定は御破算。しかしそのおかげでただ身体を交わらせるよりも深い関係に至れた。今の彼女は人生最高の幸福を味わっている。
「そして私は、②の制約を破るまで絶対に念空間を解除しません」
「え、マジで?」
だが、それはそれとして本懐は遂げる。
———
「ちゃんと笑いなさい」
幼少から言い聞かされた母の言葉が身体に染み込んだと感じたのは5歳くらいのとき。名家である鹿取の姓を受け継いでも、筋金入りの武家屋敷は男を効率良く運用するためのしきたりがあった。
女は男をたてる。
男は女を守るために戦う。
当たり前のことが嫌で嫌で仕方なかった。中庭で太い巻藁を斬る男たちが羨ましかった。両手のなかにある四つ足膳よりも刀を握ってみたかった。あの巻藁を爽快に斬り捨てたい。
欲求は留まることを知らず、いつしか料理番を任されるようになって包丁をまな板で叩く際に言いようのない気持ち悪さを覚えた。
脆い。
どんな野菜も、まな板でさえ豆腐のように脆かった。一度だけ好奇心で試した本気の一刀は、まな板を斬り裂き、調理台に深々と見えなくなるまで包丁が埋まってしまった。どのように説明するか悩んだ末になにも言わず、バレたら罰せられるつもりだった。でも家の者たちは真っ二つに斬れたまな板だけをどうするかと悩み、調理台の包丁の埋まる傷口については元々あったのだろうと気にしていなかった。
10歳の頃に私は至福を味わった。女に許された護身術の訓練。男児に混ざる形で参加するそれは志願する者のみ受けられたから、私は誰よりも早く志願し、給仕係のみんなに奇怪なものを見るような目で見られた。
薙刀が特に合っていた。持って3日も経てば、2年間刀を振るい続けた男児たちの剣技とその弱点がわかり、負けることがなくなった。・・・・・・家の者を20人ほど倒すと、鹿取の次期当主候補の男児が私に立ち会えと命令した。勝てばその身を寄越せと宣い、強欲な誓いを受け入れさせられた。
どうしようもなく斬りたくなった。
だから斬った。そのとき私は絶頂していただろう。今日受けた愛撫のときほどではないが、それなりに服が濡れてしまった。慌てふためいた家の者たち。一刻も早く排除したいと喚く殺気。されど立ち合いゆえになにもできずに下唇を噛むその姿・・・・・・絶景だった。
合法的に斬る快感が病みつきになってしまった。
家を出て、合法的に斬れる職種を探した。用心棒は退屈で合わなかった。暗殺依頼はもう一つだった。あとは犯罪者と正面から堂々と斬り合うことしか思いつかなかった。これが一番良く合った。
小さな挫折も数多くあった。斬り続けて3年、誰もが私を恐れるようになって賞金首が逃げるようになってしまった。そこで私はようやく『発』を作る気になった。決して逃がさず、能力戦闘をさせないための『発』。“八雲蛟”は私が孕みにくくなるうえ生成した雲に攻撃力を持たせない制約こそあったが、『具現化系』以外の『発』を完全に無力化できるため使っててとても楽しかった。能力が通用しないとわかるや否や逃げられない賞金首はこぞって私に肉弾戦を仕掛けてきた。それを返り討ちにする快感は果てしない。社会奉仕もできてこの上ない自己肯定感が私を包んだ。
賞金首ハンターのシングルを得て7年。つまり先日、国家レベルの調査依頼があった。マークしてたターゲットもほとんど仕留めて暇だった私は気紛れでそれを受けた。対象は彗星の如く突然現れ、オチマ連邦の地区を落としたという情報以外をまるで出さなかった。
でも実際にアルガくんを目にすると、上京したての腕利きという印象を受けた。熱いのが苦手なのかジャケットの下はシャツも着ないし、漁師の手伝いに出かけたときは冷却の能力を駆使して魚の保存状態をよくしたりと情報を隠す重要性を感じているように見られなかった。
博打は見ていておもしろかった。カッコつけた口上でやってることはあまりに品性に欠けていて、でも誰よりも楽しそうに賭けていた。そんな彼に惹かれかけている自分に気づいて・・・・・・けれどそれを認めて任務に支障をきたすのが嫌だったから、私は彼を斬りたいのだと思い込もうとした。
(なんてことはありません。私はただストレスを感じると不愉快なものを斬りたくて薙刀を振るった。でもそれだけが理由ではなかった。アルガくんが薙刀を振るう私に宿る愉しみを見出してくれたから。それを否定しないでくれたから、私は今人生で最も幸福なときを生きている)
———
ドチュッ♡ズチュッ♡バチュッ♡
「イグッ////イッグゥゥゥゥ!!////」
プッシィィィッ♡
対面で抜雲斎の両足を持ち上げ、アルガが思うままに腰を突き出す体位。アルガの巨根と自身の体重を膣奥で受け止めなければならないハードな体位だったが、彼女の表情は力という言葉を失くしたように弛緩し続け、跳ね上がられるたびに三つ編みが暴れて涙と口の端から零れるよだれでダラダラになっていた。
「あんっ////しゅきッ////あいしてるッ!////もっとイかしぇて////わたしの膣にいっぱいだしてぇ!////」
「ッ、しっかり受け止めろよッ!」
完全に孕ませるための腰使い。
ドチュゥゥゥッ♡
「お"っ!?////」
それが抜雲斎の膣奥で止まった。逃がさぬよう尻肉を掴まれ、頸に甘いキスを落とされながら、亀頭が膨らんでいくのを中で感じた。
ドボッッビュウウウウウウッ♡ビュルルルルル♡
「おほお"お"お"お"っ!?//// お"っ!////あ"っ!////イギュッ!////イってるウウウウ!!////」
すでに膣壁を貼り付いていた精子たちがその射精によってより奥に押し込まれた。断続的に走る液体と固体入り混じる愛しい刺激に抜雲斎は40回目の絶頂へと昇る他なかった。
「ぎも"ぢいぃ"〜っ////」
舌を放り出しながら喘ぐ抜雲斎。彼女は幸せホルモンの分泌を肌で感じ取って最高の幸福を享受していた。仰け反った背を愛しい人の手に捕まえられて、荒い息遣いとともに上下する爆乳を彼の口元に捧げる。
(これがぁ////女としての歓びィ////)
ガチッ♡
「んお"っほおおお!?////」
痛いと感じるほどに歯で強く噛まれても、彼から与えられるものは全て快楽に変換された。遅れてやってきた口淫に絶頂がさらに引き延ばされていく。
(それをアルガくんに教えられてるって事実だけでイクッ////)
プシップシャアアアアアア♡
吹き出す愛液とともにごぽっと溢れた重い精液が男根の側を伝って床に“ピチャン”と落ちた。
「あ////もったいない////」
「安心しろ。また詰めてやるよ」
「ン"ッ!////言葉には気をつけてよアルガくん////私今すっごくイキやすいんだから」
ンチュ♡レロォ♡ンムチュウウ♡
どちらからともなくディープなキスに走った。二人とも自身が負傷者であることも忘れて、夢中で腰を振ったあとの愛情を確かめるようなキスは最早恒例となっていた。
「ンハァ////好きィ////」
あれほど躊躇っていた好意を表す言葉も今は簡単に言えるようになった。しかしそれは言葉が軽くなったわけではない。むしろ重く、アルガの心に刷り込ませるような強烈な愛情をもって発していた。
「孕んだか?」
「ううん////まだ////危険日だけど制約で身籠りにくくなってますから////もう少し時間がかかるかもしれません////」
ドチュッ♡
「ンイィィィッ!?////」
乱暴な腰遣いが抜雲斎の膣奥を突いた。
「おい、聞いてないぞそんな話」
「言うタイミングがなかったのッほォォォ!?////」
彼此八回は出された抜雲斎の膣は下腹部を膨れさせるほどに精液を溜め込んでいる。膣奥を突いて膣全体が弛緩して間もなくアルガは腰を引いた。
ドロォ♡
緩くなった締め付けが精液を留めておけるはずもなく、アルガの巨根が膣の外に出れば、栓を開けられた浴槽のようにドロドロと溢れ出した。
「あぁ!?////どうしてそんな酷いことが———」
狼狽する抜雲斎はことの深刻さを全く理解していなかった。じょじょに引っ込んでいく下腹部ばかりに目を奪われてアルガがどういった意図でその行為に及んだのかを全く考えていなかったのだ。
ドズチュッ♡
「———あ"お"ッ!!??////」
だんだんと慣れてきた今までの快感を大きく上回る衝撃。それが起こった理由は駅弁の体位を続けていたアルガが突如、抱えていた抜雲斎の両足を手放したから。高い身長と豊かな肉を伴った体重がアルガの硬い魔羅で貫かれる。その衝撃は全て子宮に届いた。
ジョロロロロロ。
「あへぇ?////」
それによって抜雲斎の尿道口がぶっ壊れた。茹だる脳で齎されたあまりにもあんまりな尊厳破壊に抜雲斎は・・・・・・この上ない快感を得ていた。
「抜雲斎。やっぱ外出ようか? そろそろ水分不足になってきただろ。一旦休憩にしねえか? な、ほら念空間解け」
その優しさが脳に染みて、もっと味わいたいと思ってしまった。
「いやだぁ////もっとするのぉ!////」
そしてあの尊厳破壊が却って彼女の態度を開き直させた。ここまで恥ずかしい姿を見せたのだからとことんやらないと勿体無いと、債務者がさらに借金を重ねてギャンブルに耽るような心持ちでアルガを煽る。
「どれだけ辱められてもぉ////絶対にぃ念空間は解かないんだからぁ!////」
「・・・・・・・・・・・・言ったな?」
———
1時間経過。
ムギュウウウウウウ♡バチュッ♡ズチュッ♡
「お"っ♡お"っ♡お"お"ん!?♡」
ようやく寝転がってオーソドックスな正常位に変化したが、爆乳を握りながら腰を突き出す様は野獣のように荒々しく、女を屈服させるという意志を微塵も隠さなかった。
「おいッ! 速くッ解けッ! 俺もやめられなくなるッだろうがッ!」
「あ"!♡そ"れ"ぇッ!♡もっどしでぇ♡」
それが逆に彼女をさらにヨガらせる結果になった。
———
2時間経過。
「そろそろ喉が限界だろ? ここ噛んどけ」
「うんっ////」
喘ぎ声をあげすぎて抜雲斎の喉が限界を迎えて、体位は松葉崩しに移行した。右脚をアルガの左肩に抱えられた抜雲斎にこれ以上喉を酷使させないために彼女は自分が傷つけた傷口を甘噛みすることになった。
(甘い?)
鉄の味がしなかったことに疑問を抱きながらも、繋がったままの腰がまた動き出す。
「ン"ッ!?////ン"ッ、ン"ウウウウウウ!?////」
抱かれている最中、抜雲斎はアルガがなぜ口付けでなく噛ませることにしたのか悟った。
(こ、これぇ////身体の力抜かないと噛んじゃううううう////)
全身を精一杯弛緩させると担がれた右脚がより柔軟に曲がって、膣もまた柔らかさを持ってアルガの巨根を緩やかに刺激を与えた。
———
そしてさらに30分。
ヌチュッ♡・・・・・・ズチュッ♡
「あっ////はぁん////」
「この速度でも気持ちいいか?」
「いっ////気持ちいいよぉ////」
愛情の込められた口付けが頬に落とされた。対面座位のゆっくりした腰使いのせいか、離れていく唇を追いかける余裕が抜雲斎にはあった。
「レチュゥ////チ"ュウウウ////」
右手は自然とアルガの頬に添え、引き寄せられた。舌で軽く唇を舐めると容易に開かれたから、唇を押し付けつつ、舌を彼の口内に押し込める。
「プハァ////こ、今度こそ受精卵完成させるからぁ////」
「あぁ、何度でも出す。愛してるぞ抜雲斎」
スッと、豊かな尻を握られたことで子宮がキュンと疼いた。今までとはなにかが違う感覚を覚えながら、男根が膣に押し込まれる予感に思考が蕩けてゆく。
ズッチュウウウウウウ♡
「イィィィッグウウ!!////」
また一際強い一突きが抜雲斎の膣奥を突いた。抜雲斎もアルガの腰に足を回してそれに応じる。
「あっぐぃいぃ!!////」
より深く呑み込んだ男根を尻を左右に振ってグリグリと膣奥へさらに押し込んだ抜雲斎を確信的な予感を感じ取りながら叫ぶ。
「だしてえええええ!////」
「っ!!」
腰が止まると同時に甘い抱擁に包まれた。深く密着しながらも豊かな乳房を右手で握ることは決してやめなかった。そして腰が僅かに脈動すると亀頭の先が口を開いた。
ドビュルルルルルウウウウウウ♡ドピュッ♡ドピュウウウウウウ♡
「イグッ!////イィィィィィィッ!?////」
抜雲斎から無意識に広がったオーラが『円』さながらにそれを感知した。孤独に放り込まれた卵子に数々の精子が四方八方から食い破ろうと襲いかかる様を。
ツプン♡
「あはぁ////きたぁ////」
堅牢なそれが食い破られた。
バツン!
“行雲流水・八咫巴”。三人目の対象者が生まれたため強制終了。
夜空から降り頻る満月の月光が二人を祝福するように照らしていた。サカヒロ大江山の山野草が風に揺られて彼らの肌をくすぐった。
「はぁ、はぁ////できたねアルガくん////」
満足。抜雲斎はそれ以外の何物をも感じなかった。温かい下腹部が斬りたいという欲求も、傷口の痛みも、全部忘れさせてあまりあるほどに満ち足りた気持ちだった。彼もまた同じ気持ちだろう。
「あ、アルガくん?」
しかし、肝心の愛しい彼は荒々しい息遣いで肩を何度も上下させながら抜雲斎の尻を握っていた。
「どうしたのアルガくん? もしかして、血が足りないの!?」
抜雲斎はアルガを病院に連れて行こうとすぐさま震える足に力を入れて立ち上がろうとした。
ガシッ! ドチュウウウウウウ♡
「あぇっへええええ!?////」
しかし、立ち上がろうとした足をアルガが掴んで腰を落とさせた。抜雲斎の腰は無情にも巨根の上に落ちていった。それが膣奥を深く突き上げた。
「イ"ッ!?////外に出たのに———あっ////なんれまた中に———ンチュ////」
全ては彼女の計画通りに進んでいた。突発的に抱いた感情を成就させるのにこれ以上ないアプローチをかけたと言える。
「あと一回・・・・・・あと一回だけ付き合ってくれ抜雲斎ッ!」
ただ彼女は、アルガが生まれてはじめて抱く一個人への純情を焦らしすぎた。
「ま、ま"っれ"ぇぇぇ!!////」
抜雲斎の喉は完全に壊れた。その後あまりにも長い情事を経て、サカヒロ大江山の山野草に抜雲斎の身体が転がっていた。丸眼鏡を外された顔は快楽に蕩けた表情を晒し、何度も吸われ、乱暴に掴まれた乳房は真っ赤に染まり、膣と尻の穴から止めどなく愛液入り混じる精液が溢れ出していた。
「あ"、あ"い、してるよ。アルガ、くん////これでわたしは、あなたのお嫁さんだから・・・・・・ね////」
伝えたいことを真っ直ぐに伝えて、抜雲斎は立てなくなった身体をアルガに擦り寄せた。