※この作品はR-18です。

外法ってやつを見せてやろう   作:山上真

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第33話:九角くん、結婚してください!

 事情聴取が終わった後、どうせだからと一之瀬たちや森下も一緒に帰ることになった。

 もっとも、まっすぐ帰るような真似はしない。天嶺としては佐倉のストーカーに対する挑発を兼ねているのだから、敢えて向こうが襲いかかってきやすいように、人通りが少なく監視カメラも少ない場所へと向かう。

 条件だけを聞けば危険なようにも思えるが、だからこそ都合がいいのも事実。相手に一端の危機感があるのなら、監視カメラのあるところでは仕掛けてこないだろう。

 一行が向かったのは、キチンと手入れのされた並木道。脇には花壇が置かれ、色とりどりの花を咲かせている。ポイントを使うような場所は時折存在する自動販売機くらいだが、自然を楽しむ上では文句のつけようがない散歩道だ。

 

「やりますね、九角天嶺。貴方もこの道の存在を知っていましたか」

 

 上から目線で、感心したように宣うのは森下藍。植物の声を聴き、その助力を受けることが出来るチカラを持った少女。

 そのチカラを鑑みれば、上から目線になるのも頷ける。彼女にしてみれば、まさしくここはホームグラウンドと言えるだろう。

 

「まあ、入学して最初のうちは敷地内の方々を歩き回ったからな。未だ全てを回ったとは言えんが、それでも休日には現地の調査を継続している。

 俺は山の中の小さな村で生まれ育ったのでな。昔(・)な(・)が(・)ら(・)が今でも色濃く息づいていることもあり、都会都会とした場所よりは、むしろこういう場所の方が落ち着くというものよ」

 

 今朝と同様、両腕に佐倉と長谷部、背には一之瀬を纏わりつかせた天嶺は、周囲には更に澪、網倉、白波、森下を侍らせている。

 事情を知らぬ男が見れば――いや、たとえ事情を知っていようとも、嫉妬と無縁ではいられない光景だろう。

 そんな光景を繰り広げていることを気にも留めず莞爾と笑った天嶺は、森下の上(・)か(・)ら(・)目(・)線(・)にも腹を立てることなく、己が個人事情の一端を説明する。

 散歩道を進んでいるうち、休憩スペースとして点在している四阿の一つに辿り着いた。

 

「どれ、あそこに腰を下ろすとしようか」

 

 繰り返すが、今回は散歩を楽しむのが目的ではなく、佐倉のストーカーへの挑発が目的だ。

 そして、四阿には監視カメラが仕掛けられてはいない。この散歩道はいくらかのルートに分けられているのだが、監視カメラはあくまでも分岐点に仕掛けられているだけなのだ。

 である以上、四阿に腰を落ち着けて会話に興じても、十分に目的を果たすことは可能だ。

 

「どれにする? ここまで付き合わせた礼だ。支払いは俺が持つぞ」

 

 備え付けの自動販売機の前に立った天嶺は、女性陣を振り向いてそう言った。

 最初は遠慮した面々だったが、澪と森下が遠慮なく頼んだことで圧し負けた。それぞれが希望のドリンクを口にする。

 誰ともなく封を開けて、中身を口に運んでいく。

 そうしてホッと一息吐いたタイミングを見計らって、天嶺は口を開いた。

 

「ところで、一之瀬と森下は将来の進路について考えていたりするのか?」

 

 これだけの面々がいて、問われたのは一之瀬と森下のみ。誰もが裏事情を察するのは容易かった。

 

「おや? よもや私たちに対するスカウトですか? 九角天嶺」

「まあ、そうだな。そう受け取ってくれても構わんよ。朱雀の宿星を持つ一之瀬、植物と心を通わせる森下、個人的にはどちらも捨て置けん存在よ。次期村長として、次期頭領として、招くことを考えても不思議はないだろう?」

「今であれば、天嶺の第二、第三夫人の座は手堅いわよ。――あ、櫛田がいたから第三、第四夫人になるか……」

 

 森下の確認に天嶺が答えれば、直後に澪が茶々を入れた。

 

「澪ちゃん、それってどういうこと!?」

 

 焦ったように問いかけたのは佐倉である。

 

「私らの仕事は才能職にして技術職だからね。その上で、場合によっては危険も大きく、亡くなる人も多い。そして、早々容易く人材の補充は利かない。

 で、最も手堅い人材の補充法は子作りに他ならないわけ。才能職の面がある以上、遺伝という希望が持てるのは間違いないからね。

 根本問題として、私らの仕事は従事できる人材が非常に限られているのが実情なわけよ。技術を学ぶことでいくらかは対応できるけど、才能を芽生えさせた者には遠く及ばないのが現実。それでも、国内全体で対応できる人材が限られていることもあり、自分たちが安定して暮らしていくためにも、危険度に関係なく仕事を受けざるを得ない。

 結果、実力の及ばない者が再起不能になることも珍しくはない。五体不満足でも生命があるならまだマシで、最悪は仕事の途上で生命を落とす。……否定しようのない悪循環ね。

 私らなりにどうにかしようとはしているけど、根本的な人材不足は一朝一夕では如何ともしがたい。

 技術の発展に伴い人の生活は利便性を増したけど、その一方で人同士の付き合いは減少傾向にある。顔を会わせずに会話できるのが当たり前になったから、上辺に騙されることも増えている。すなわち、昔に比べて人の陰湿さが全体的に増しているわけ。

 詐欺だの何だのは昔からあったけど、時代の流れと共に巧妙さも増している。気軽に犯罪行為に走る人間が増えた。その現実に、御国は対応できていないのが実情。

 分かりやすく言えば、『コ○ン』くんね。あの世界だと犯罪行為が日常化しているけど、こっちだとそれに加えて怪奇現象が日常化しているわけよ。軽重問わずね。

 そして、それに対応できる人材は、国内規模で見ても非常に限られている。

 そんな状態で、法に従って馬鹿正直に『一夫一妻』を貫く余裕なんてないわけよ。こっちにもないし、御国にもない。そんな真似をすれば、今以上に人材が枯渇するのは眼に見えているからね。

 結果、うちの村だと幹部格は正妻、側室、妾を持つのが一般化しているわ。そうしないと村が成り立たないのよ。無論、次期村長にして次期頭領である天嶺もその例に洩れない。

 その都合上、正妻は村民からチカラの使い手が選ばれる。側室は村民や外部からのスカウトを問わず、これまたチカラの使い手が。必然、チカラの使えない女性は妾ね。

 ただまあ、組織運営の都合上、立場を分けざるを得ないからそうしているだけであって、基本的にそれぞれの仲は良いわよ。極論すれば、『経緯はどうあれ同じ男を選び、同じ男に選ばれた』って共通項があるわけだし……」

 

 佐倉の疑問に対し、澪は淡々と説明した。

 それは、一般社会で生きてきた少女たちには受け入れがたい内容だった。

 その一方で、一定の筋が通っていることは認めざるを得なかった。

 

「ふむ……。九角天嶺の側室になるかはさて置き、スカウトは受けても構いませんよ。この現代社会において、私のチカラが異質なのは明らかですからね。そこら辺で植物の声を聴いているだけで、周りからは『不思議ちゃん』扱いです。正直、堪ったものじゃありませんよ。

 チカラに対する理解があるのなら、九角天嶺の村での暮らしは今までよりは遥かにマシでしょう。それに、自然の中で暮らせるのは私としても願ったり叶ったりです」

 

 澪の説明を聞いた森下は、然程悩むことなくスカウトを受けた。

 

「え~と、ちなみにお給料なんかはどのくらいかな~?」

 

 やや気まずげに訊いてきたのは一之瀬だ。

 

「そうだな……。一概には言えぬが、『鬼道衆』の実戦役として従事するのなら、最低でもこのくらいは堅いだろう」

 

 天嶺は己が端末を取り出して計算機アプリを起動。そこに数字を打ち込んで一之瀬へと提示した。

 

「え!? こんなに!?」

「澪が言ったばかりだが、根本的な人材不足であることに加え、実戦役ともなれば危険手当が付くからな。

 無論、最初は簡単な仕事から行ってもらうことになるから、その間は貰える額も少ないだろうが、実力のある人材を遊ばせておく余裕がないのも事実だ。

 極論、知識なんてのは後からでも身に着けられるし、周りがフォローすれば良い部分でもあるからな。

 知識があるに越したことがないのは事実だが、この分野は、知識があっても対応できない、なんてのもザラなのだよ……」

 

 驚きを露わにする一之瀬に対し、天嶺は事情を説明した。最後には頭を押さえて溜息を吐く始末だ。

 

「その代表格が私ね。一応、これで天嶺の婚約者だから立場上は知識を修めているけど、私ってバリバリの肉弾戦担当だから。力任せに吹っ飛ばすことは出来るけど、繊細な作業なんかは無理なのよね」

 

 肩をすくめて言うのは澪だ。

 

「ちなみにちなみに、側室になったりすれば、支給額が変わったり?」

「するな。子を成すのも立派な仕事だ。その点で手当が付くのは間違いない。まあ、正妻、側室、妾に関係なく一律だった筈だが……」

「その点では一律だけど、生まれた子供の才覚次第で補助金は違うわよ。村を回す人材は確かに大切だけど、それ以上に『鬼道衆』としての仕事が出来る人材が求められているのも間違いないから。

 村の安穏とした暮らしは、『鬼道衆』が矢面に立っているからこそ成り立っているのよ。それを思えば不思議なことじゃないわね」

 

 村の内向きのことに関しては、天嶺以上に澪の方が詳しい。夫は外を、妻は内を、それが昔からの役回りだ。

 

「……だ、そうだ」

「更にちなみに、家族揃っての移住なんかも可能だったり?」

「まあ、不可能ではないな。ぶっちゃけて言えば、土地はかなり余っている。そこまでする必要がないからしていないだけで、拡張の余地もだいぶある。

 難点としては、山中の村であるが故に移動が不便なこと。村内には学校が無いため、どうしても麓の学校に通わざるを得ず、通学にかなりの時間が取られることか。村でも送迎は行っているが、ある程度の誤差が出るのは已むを得ない。

 あと、冬は雪に困らされるな。立地を鑑みれば仕方がないことではあるが……。

 ああ、仕事の幅は割と広いぞ。麓に店を構えて、色々と販売しているからな。村で農作業に従事するもよし、そちらの販売に携わるもよしだ」

 

 一之瀬の度重なる確認に、天嶺は気分を害することもなく答えていく。

 天嶺としても、これで朱雀の宿星持ちである一之瀬を村に引き込めるのであれば、それに越したことはない。

 先の事情聴取の際、一之瀬の家庭事情は軽くだが理事長の口から語られた。

 母子家庭で、母と妹の三人暮らし。妹の誕生日プレゼントの購入費用を捻出するため、母は無理をして仕事を増やし、それによって身体を壊して入院することになった。

 誕生日プレゼント代どころか、余計に出費が増してしまったのだ。それぞれの理由から苦しむ母と妹を一之瀬は見ていられず、それが彼女をも苦しめ、追い詰め、結果として万引きに走らせることになった。――なってしまった。

 そのような事情を聞いてしまえば、一之瀬が何を目的にこの学校に来たのかは自ずと察しが付く。『学費の免除』、そして『推薦の確約』を利用していい仕事に就くことだろう。

 ならば、自分たちが頂いても構わない筈だ。

 なお、麓での販売は実に幅広い。物品だけでなく、武道教室だったり、茶道教室だったりを開いてもいる。なので、そういった教室の事務作業に従事するのもありだ。

 これであれば、一之瀬の母も何かしらの仕事には就けるだろう。

 もしくは、朱雀の宿星持ちである一之瀬の母ということを鑑みれば、村の幹部の誰かしらがお手付きにする可能性もある。それは妹もまた然りだ。

 

「ただ、家族での移住を考えているのであれば、お前の母が誰かしらのお手付きになる可能性も無くはない。将来的には妹もか……。妹に関しては、ともすれば俺が手を付ける可能性もあり得る。

 その点も検討材料にしてくれ」

 

 なので、天嶺はキチンとその旨も伝えた。

 こればかりは、個人の一存でどうにかなるレベルの話ではない。それほどまでに、四神の一角である朱雀の宿星持ちという事実は重要視される。

 

「あ~、その可能性もあるのか……。でも、無理矢理じゃないんだよね?」

「それはもちろん。あくまでも合意の上よ」

「なら、構わないかな。お母さんも私たちの世話ばかりだし、そろそろ自分の幸せを新しく求めても構わないでしょ。私自身、お父さんがほしくもあるし……。

 妹に関しても、ヘタな男に引っ掛かるよりは、九角くんにもらわれた方が幸せかも……。それに『姉妹丼』だっけ……? に興味がなくもないし……」

 

 俄かに自分の願望を織り交ぜつつ、一之瀬は条件を吟味する。姉妹丼などという言葉が出てくる辺り、性行為に興味津々なのは間違いなかった。

 

「うん、決めた! 九角くん、結婚してください!」

 

 そして、結論を出した一之瀬は天嶺に対して頭を下げた。実に潔い態度である。

 

「承った。まあ、先も言ったが正妻にすることは出来ぬ。その点は理解と納得をしてくれ」

「分かってる分かってる! まあ、そこはしょうがないよね!」

 

 天嶺の確認に対し、一之瀬はカンラと笑って受け入れた。

 

『ちょ、ちょっと待ってください!』

 

 直後、同時に発せられる二つの声。声の主は佐倉と白波だった。

 二人は顔を見合わせあい、取り敢えずは佐倉が白波に先を譲った。

 

「帆波ちゃんは、本当にそれでいいんですか!?」

「うん。まあ、私がこの学校に来たのって、卒業特典でいい会社に入って、家族を楽にするのが目的だったし……。

 そもそも、本来なら中卒でどこかに働きに出るつもりだったし……。もっとも、家族と先生の双方から反対されちゃったけどね。

 そんな私にしてみれば、これほどの好条件を逃す手はないかな。先延ばしにして選択肢を増やすよりは、サッサと締結しちゃった方がこれからの学校生活でも精神的にゆとりが持てるようになるしね」

 

 悲壮な顔で詰め寄る白波に対し、一之瀬は笑顔で答える。実にサバサバとしており、選択に不満はないようだ。

 

「そんな……!? 私だって、私だって帆波ちゃんが好きなのに!」

「ほう? 何なら白波よ。お前もうちの村に移住するか? 俺の側室なり妾になるのであれば、一之瀬と性行為を愉しむことも可能だぞ」

「……え?」

 

 面白そうに告げる天嶺に対し、白波はギギギと首を動かした。

 

「先ほど澪も言ったろう? 立場の違いはあるが、そんなのは名目上のことだけで、基本的に女同士の仲は良いと……。

 で、健全な男である俺としては、複数プレイなんかも普通に興味があるわけだし、レズプレイもそれは同様だ。お前がキチンと俺の子作り相手を務めてくれるのであれば、村に引き取るに不都合はない。

 お前が一之瀬を好きなのであれば、あとは一之瀬の気持ち次第だな」

「ん~、まあ、私は構わないかな。側室になろうって言うのに、ここで一般常識を持ち出すのも違うと思うし……。現状ではあくまでも友達としてだけど、私も千尋ちゃんが好きだし……。

 あ! 何なら麻子ちゃんも一緒にどう? 私、せっかく出来た友達との付き合いを高校で終わらせるのも勿体ないと思うんだよね! 末永く、三人仲良く暮らしていかない?」

 

 一之瀬は顎に人差し指を当てて答え、次いで網倉へとキラーパスをブン投げた。

 

「うえっ!?」

「ちなみにだけど、天嶺は鬼道で100%の避妊が可能よ。表沙汰にならない限りは、在学中も思う存分にセックスを愉しめるわね。――生の中出しも含めて」

 

 驚く網倉に対し、澪がニヤニヤとした笑みを浮かべて追撃を放った。

 その追撃は、網倉のみならず、その場の女性陣を刺激するには十分過ぎた。女子だって性欲はあるし、性行為への興味関心もあるのだ。 

 

「え~と、じゃあ、今度お試しで……ってのはあり?」

「俺は構わんぞ。俺とて健全な男だからな。美女・美少女を抱けるとあれば昂るというものよ」

 

 恐る恐ると問いかけた網倉に対し、天嶺は腕を構えて鷹揚に答えた。

 

「じゃあ、それでお願いします……」

 

 頬を真っ赤に染め、顔を俯かせながら、それでも網倉は答えた。性行為への興味関心には勝てなかったようである。

 

「じゃあ、その時に私たちも一緒に相手してもらおっか、千尋ちゃん」

「そうだね。男に抱かれるのには嫌悪感があるけど、必要経費と考えれば受け入れられる筈だし……。受け入れなきゃ帆波ちゃんと愉しめないし……。女は度胸です!」

 

 己が方針が定まったからか気楽に誘う一之瀬に対し、白波は二の足を踏みながらも覚悟を決めて宣言した。

 

「あの! 私も九角くんに抱いてもらいたいです! ――あ、よければ波瑠加ちゃんも一緒に」

 

 そこに手を挙げたのが佐倉だ。何気に長谷部も巻き込んでいる。

 

「ちょっと愛里!?」

「見てれば分かるよ。波瑠加ちゃんも九角くんに惹かれてるんでしょ? ならもう、常識なんか取っ払っちゃおうよ! ここで尻込みすると、二度と機会があるかどうかも分からないんだよ!?」

 

 驚く長谷部に対し、佐倉は優しい眼差しで告げ、かと思えば、その言葉は徐々に勢いを増していく。さながら『暴走超特急』である。

 佐倉の言葉に、長谷部は否応なく過去を思い出さずにはいられなかった。

 過去に気になった人はいたが、話しかける勇気が出ず、結局、その感情が恋だったのかも分からずじまいだ。そして、そのことに対して後悔した筈だった。

 今また自分は、同じ後悔をしようとしている。いやまあ、内容自体は当時に比べると一足飛びに過ぎるけど、『踏み出せずに後悔する』――しようとしている――と言う点では同じだ。

 

「……そうだね。じゃあ、愛里と一緒に。――いいかな?」

「構わんとも。――しかし、これはどうしたものかな……?

 同じ日に全員を相手にするか……。それとも、日を分けて一之瀬たちと佐倉たちを別に相手取るか……」

 

 何とも切実で、何とも羨ましい悩みが天嶺を襲う。

 

「お前えええぇぇ……っ!」

 

 その場に無粋な叫び声が響き渡ったのは、まさしくその瞬間だった。




個人的に、入学時点での一之瀬の優先順位って、『家族を楽にさせること』が一番で、『自分の犯した過ちの払拭』が二番。
で、本人の元々の気質もあるんでしょうが、それが尾を引いた結果、余計に『進んで苦労を背負い込む』性格が形成されていると解釈しています。
そもそも、一之瀬本人は『中学を卒業したら働くつもりだった』ことが原作で明言されてますし、この優先順位はあながち間違いじゃないと思います。

で、そんな一之瀬に対して、この時点で卒業後のスカウトを持ちかけて、それが割かし好条件だったら、受け入れても不思議はないと思うんですよね。
一之瀬自身、追い詰められた結果として万引きに及んだ過去があるので、ちょっと常識に目を瞑るだけで好待遇が受けられるなら、受ける余地はあるでしょう。
話を聞く限り、御国の方針により公に認められない事情があるだけで、国としては黙認せざるを得ないのが現実なので尚更です。
いわゆる『魔法使い』だの『超能力者』だのが関わってくる内容なので、御国が公に認められないことにも一定の筋は通っています。
ここまで条件が重なれば、一之瀬としても受け入れるに不都合はないでしょう。

その上で、一之瀬も健全な高校生なので、性行為や何かに一端の興味関心があって然りです。
そこに、友人からの『実は同性愛者』というカミングアウトが重なれば、『郷に入りては郷に従え』の精神で性的倫理感が緩んでも不思議はありません。
理由と目的は異なれ、網倉と白波の性的倫理感も同様です。
……と、こんな理論武装で以て、一之瀬、網倉、白波のセックスシーンへの筋道を付けました。
それに引きずられる形で、佐倉と長谷部も立候補しました。
まあ、無理繰りなのは承知してますが、ある程度の筋は通っていると思います。
なお、実際に行為を行うのはまだ先で、時期的にはゴールデンウィークを想定しています。

あと、森下はスカウトにこそ応じましたが、天嶺のヒロインと決まったわけではありません。
常識で考えれば、こんなやり取りに対してはツッコミを入れて然るべきだと分かっていますが、チカラの使い手であるからこそ、常識の心許なさも身を以て知っています。
常識が守ってくれるのは常識の範囲内だけであり、そこにチカラが関わった瞬間、完全には守ってくれなくなります。
なので、自分にセックス対象としての矛先が向かってこない以上はスルーしています。

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