※この作品はR-18です。

外法ってやつを見せてやろう   作:山上真

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第45話:もっと私を気持ちよくして!

「シスターです!」

「巫女さんです!」

「ナースさんです!」

『コンセプトは聖職者です!』

 

 シスター服に着替えた一之瀬、巫女服に着替えた千尋、看護服に着替えた網倉が、ポーズを取りながら宣言した。

 目的がセックスにあることを踏まえれば、異常なまでのハイテンションと言えるだろう。

 その一方で、だ(・)か(・)ら(・)こ(・)そ(・)と頷ける部分もある。ハイにならなきゃやってられない、というやつだ。

 

「佐倉さんと長谷部さんが動物をコンセプトにした衣装だったので、私たちは職業をコンセプトにしてみました!」

「私だけ趣が違う感はあるけど、現役女教師である星之宮先生を加えれば違和感はないかな~って……」

「『聖』の字を変えた、いわゆる『性職者』ってやつですね」

 

 三人が順に解説を入れる。

 

「ほう? 担任を仲間外れにすまいという精神。その上で、一貫性を求めながらも幅を広げた選択。何とも見上げた心意気よ!」

 

 それを受け、天嶺は笑みを浮かべて手を打ち鳴らした。

 

「さっき佐倉さんたちも言ってたけど、結局のところ、私たちってそれぞれが仲のいい同士で集まってのハ(・)ジ(・)メ(・)テ(・)同士だから、九角くんとしては差を付けすぎるわけにはいかず、結果として本番そのものは似たり寄ったりになっちゃうと思うのよね」

「私たちであれば『三穴責め』、佐倉さんたちであれば『二穴責め』にしないと、メンバー内で不均衡が生じちゃうし、グループが違うからこそ負けん気が生じちゃうだろうし……」

「担当箇所を変えるにも限度がありますしね。私の場合はともかく、それ以外を相手取る場合、初回だからこそ天嶺くんのポジションは固定されちゃいますし……」

「で、そう考えると、細かな部分で違いを出していくしかない、っていう判断になるのも已む無しと言うか……」

「いわゆるオプションだね!」

 

 三人が口々に解説を入れるのは、異常性に吞まれながらも一定の冷静さを保っている証左と言えるだろう。

 それから四人は再び性行為に勤しみ始めたわけだが――

 

「なんか、さっきと違ってあまり盛り上がりませんね……」

 

 暫くして、千尋がポツリと呟いた。

 

「……うむ」

「……うん」

「なんか、ねえ……?」

 

 間を置かずして、天嶺、一之瀬、網倉の三人も同意した。

 四人が四人、揃って微妙な表情を浮かべている。

 

「ちょっと訊きたいんだけど、天嶺くんてコスプレエッチするのは初めて?」

 

 原因が分からず悩む四人――正確には天嶺に対し、知恵がやや怪訝な表情で問いかけた。

 

「まあ、そうだな。性行為自体であれば、年齢を鑑みれば信じられぬほどに経験豊富な自負はあるが、基本的には村で若奥様連中を相手取ることが多かったのでな……。

 そりゃあ、純粋に性行為を愉しむこともあったが、どちらかと言えば『務め』としての部分が大きかったのも事実。

 また、『生活苦』だの『寂しさを埋めるため』だのと何やかんや理由を付けてすんなりと俺に抱かれることを是とする者がいる一方で、そういう者ばかりでもない。理論上は数多ある選択肢の中から結婚相手を選んだわけであるからして、如何に尤もらしい理由があったとしても、そうやすやすと他の男に抱かれることを是としないのは当然だ。

 だから、そういう相手とは本番以外を行うことで、向こうが納得しやすい状態に持っていく必要があったわけだな。

 或いは、未練からくる変生を防ぐためにも、強制的に抱いて想いの矛先を俺に向ける必要に迫られる場合もあった……」

 

 知恵の質問に答えながら、天嶺は最後に顔を顰めてそう締めた。

 

「あ~、理由を聞けば尤もだね」

 

 天嶺の返事を聞いた知恵は、そう言ってウンウンと頷く。

 これは全員に異なる誤算が働いた結果だった。

 天嶺が経験豊富なのは、この面子の中では周知の事実であるからして、知恵はコスプレエッチも同様だと思っていたのだ。

 ところが、いざ蓋を開けてみれば、天嶺にはコスプレエッチの経験が無いという。休日を和服で過ごしていることを鑑みれば、世間一般にとってのコスプレの一角である『和服エッチ』は経験があるだろうが、天嶺にはコスプレの意識などないだろう。

 当然、一之瀬、網倉、千尋の三人にも経験などあるわけがない。

 それは愛里と波瑠加も同様だろうが、なまじ向こうが盛り上がっていたものだから、それも知恵が勘違いした一因である。

 

「皆が自分で言っていたように、コスプレってあくまでも性行為を盛り上げるためのオプションでしかないのよ。『コスプレエッチ』なんて言葉があるように、行為の主役に据えられることもあるけど、そっちの方が例外。基本はオマケ要素であり付加要素なのよ。

 だからね? よっぽどの思い入れがない限り、衣装を着ただけじゃあ盛り上がらないのよ。

 会社でオフィスレディを抱く、病院でナースを抱く、学校で女教師や女学生を抱く。……そこには、衣装に対する思い入れはなくても、『職場でセックスをする』という背徳感が付き纏う。それが気分を盛り上げる後押しをするのよ。

 けど、ここって普通の一軒家でしょ? シスターにも巫女さんにもナースにも縁遠い。オマケに、全員が学生だから本職でもない。本当にコスプレでしかない。天嶺くんも、それらの職業に深い思い入れがあるわけでもない。――これじゃあ、盛り上がろうにも盛り上がらないわよ。

 佐倉さんと長谷部さんの場合は、佐倉さんが『雫』でもあったことから天嶺くん自身が『変わった服でのプレイ』と無意識に片付けてしまったか、コンセプト元が動物だったことから天嶺くんの獣性が刺激されたかだと思うわ」

 

 伊達メガネを着け、人差し指をピンと立てて、天嶺とはまた別の意味で経験豊富な知恵が解説を行った。

 確証も確信もないが、尤もらしい理屈ではあった。他に疑う余所がない以上、全員が納得するには十分だ。

 

「あっちゃ~、最初からチョイスを間違えてたってわけね……」

 

 網倉が顔に手を当てて天を仰ぎ見たかと思いきや、次の瞬間にはガックリと肩を落とす。……女性陣は誰もが似たり寄ったりな反応だった。

 これぞ! と判断して臨んだ結果が、そもそも判断ミスと分かったのだから無理もない。

 

「なに、それならそれよ。盛り上がらない原因が判明した以上、愉しむ術はある。

 単に『コスプレエッチ』という認識を変えればいいだけだ。決して似合っていないわけではないのだからな。

 そも、優しく他人思いな一之瀬と網倉には、シスター服とナース服はこれ以上ないほどにお似合いだ。人柄で考えれば、決して服装とマッチしていないわけではないのだ。

 千尋の巫女衣装も、四神が一角たる朱雀を信仰していると思えば違和感がなくなる。

 千尋の信仰対処は一之瀬と見るのが正しいだろうが、彼女は朱雀の宿星持ちだ。すなわち朱雀の代行者と言える。であるからして、一之瀬への信仰は転じて朱雀への信仰と見ることもできる。

 神を信仰する者が巫女衣装を着ていても、何の不思議もない」

 

 こじつけと言えばこじつけだが、それでも一定の筋は通っている。

 

「盛り上がるためにその服を着たのではなく、偶々着ていた服がそれで、性格や人柄に相応しい服だった。そう考えればいいだけのことよ」

 

 さっきまでは、前提がズレていたから盛り上がることが出来なかった。

 知恵の指摘でそのことに気付けた。

 そしてその『前提』は、考え方ひとつで変えることが出来る。

 本来ならそう簡単なことではないだろうが、余裕綽々の天嶺に導かれる形で、女性陣もゆとりを持っていく。

 

「しかし、巫女か……」

 

 巫女服を着ている千尋を見て、不意に天嶺はある神社を思い出した。その名も『織部神社』である。

 織部神社は鬼道衆との繋がりが深い。初代天戒の代には、当初こそ龍閃組に味方して江戸の氣脈を乱す鬼道衆と矛を交えた織部神社だが、その建立理由は初代天戒の父親である『九角鬼修の死と御家断絶を悼んで』というものだ。

 後に鬼道衆と龍閃組が手を取り合った以上、当然ながらそこら辺の理由は初代天戒にも伝わった。以降、現在に至るまで織部神社とは昵懇の仲だ。村にも分社がある。

 

「九角くん?」

「いや、何でもない」

 

 首を傾げる一之瀬に対し、天嶺は首を横に振って答えた。今は、眼の前の少女たちに向き合うことの方が重要である。

 カッチリとしたイメージのあるシスター服とナース服だが、これもまた『エロ目的』で作られただけあって、印象ほどお堅くはない。

 

「さて、一之瀬謹製のジュースを頂くとするかな」

 

 言って、天嶺は一之瀬のスカートの中に顔を潜り込ませた。

 作られた目的が目的だけあって、一之瀬の着ているシスター服は採光性に優れているようで、暗闇で視界が閉ざされることもない。

 これ幸いと、天嶺は一之瀬の秘所へとむしゃぶりついた。

 

「あん、もう❤ 九角くんってば……❤」

 

 天嶺を咎めているようで、その実はも(・)っ(・)と(・)も(・)っ(・)と(・)とせがんでいる。その証拠に、一之瀬は天嶺を自らの秘所に押し付けている。

 乞われたならば、答えないわけにはいかない。天嶺はその舌技で以て、クリトリスを始めとした性感帯を責め立てる。

 

「ぬぐ……っ!?」

 

 だが、程なくして一之瀬を責めている筈の天嶺が驚愕の声を洩らした。その理由は簡単で、彼の閻羅王に刺激が齎されたからだ。

 視界は一之瀬の股間部で埋まっているために詳しい状況は分からないが、異なる刺激が押し寄せているのは間違いなかった。この状況では、下手人は網倉と千尋以外にはあり得ない。

 ムワリとした花の匂いに包まれる一方で、己の股間にはまた別の刺激が押し寄せる。その快感は、筆舌に尽くしがたい。

 同時に、苦しくもあった。一刻も早く種付けさせろと、男の本能が騒ぎ立てるのだ。――無論、鬼道を用いて避妊の術式は掛けているわけだが、それはそれである。

 そも、セックスとは『子作り』を根幹としたものだ。子が出来る出来ないは別にして、相手の膣内に出さないことには真の意味で衝動が治まる筈もない。

 そのため、天嶺としてはいい加減に挿入れたいわけだが、一之瀬が力強く押さえつけているためそれも叶わない。

 

(まずは、一度イかせて力を抜かせないことにはどうにもならぬか……)

 

 冷静に結論付けた天嶺は、股間に押し寄せる快感に耐えながら、一心不乱に一之瀬を責め立てる。

 

「あ……❤」

 

 目論見通りに一之瀬をイかせることに成功した天嶺は、己が頭を押さえている力が弱まった瞬間を見逃さず、一之瀬のスカートから抜け出した。そのまま叫ぶ。 

 

「ええい! もはや我慢がならぬわ!」

 

 その叫びに網倉と千尋が驚いたのか、股間に押し寄せる快感が止んだ。

 やはり、天嶺はそのチャンスも逃さない。一刻も早く一之瀬へと挿入するべく体勢を整えた。

 

「一気に挿入れさせてもらう! 悪く思うなよ!」

 

 言うや否や、天嶺は絶頂を迎えたばかりでしとどに蜜を垂らしている一之瀬の秘所へと、一気に閻羅王を突き入れた。

 今だけでなく、それ以前にも散々とイっていたためだろう。滑りは凄く良く、然程の抵抗を受けることもなく処女膜を貫通することに成功する。

 

「イギ……ッ!?」

 

 だが、それは天嶺側の言い分である。一之瀬はシッカリと痛みを覚えたようで顔を顰めている。

 

「……いて。動いて、天嶺くん! もっと私を気持ちよくして!」

 

 しかし、痛みに顔を顰めながらも、或いは痛みが押し寄せる故か、一之瀬は天嶺へと動くように嘆願した。

 

「ああ、存分に責め立ててやるとも! 帆波よ、今この場は快楽に身を委ねるがいい!」

 

 願いを受け入れた天嶺は、積極的に帆波の性感帯を刺激する。

 

「帆波ちゃん、私も受け入れてください!」

「こっちも挿入れるよ!」

 

 その傍ら、千尋と網倉も口々に叫んで、身に着けたペニスバンドを帆波へと突き入れた。千尋は口、網倉が肛門だ。

 自分が気持ちよくなるべく。その一方で帆波を気持ちよくするべく。

 意思だけは共通して、動きは不揃い。だが、結果的にはその不協和音が、これ以上なく帆波を責め立てて快感を与えていた。

 

「ふぐ……❤ むぐ……❤ むごぉ……❤」

 

 人工男性器で埋まった帆波の口から奇妙な悲鳴が零れ落ちる。 

 

「ああ……❤ 気持ちいいんだね、帆波ちゃん! 何て言ってるのかはよく分からないけど、顔は思いっ切り蕩けてるよ! 帆波ちゃんが喜んでくれて、私も嬉しいよ! もっと気持ちよくしてあげるね!」

 

 歓喜の表情を浮かべた千尋が、一心不乱に腰を動かした。必然、身に着けたペニスバンドは、容赦なく帆波の口内を責め立てる。

 

「お尻の方も、動かすのが楽になってきたよ! もしかしたらって思ってたけど、帆波ちゃんはMなんだね! 責任感の強さ故かな!? 苦難を与えられることに喜びを見出すタチになっちゃってるんだよ! 山中鹿介幸盛と同じだよ!」

 

 こちらは、帆波の尻へのピストンを続けながら網倉のセリフである。

 ちなみに、山中鹿介幸盛とは戦国武将の一人である。尼子氏の家臣で、『願わくば、我に七難八苦を与えたまえ』と三日月に祈った逸話が有名だろう。

 自らにあらゆる困難や苦労を課してでも大きな目的を成し遂げたい。本来は、そんな強い決意を表す言葉であるのだが、いつしか『山中鹿介幸盛=逸話=ドM』という解釈がされるようになったとか……。

 まあ、人間が楽に溺れやすい気質であることを鑑みれば、敢えて苦難を望んだ彼に対し、そういう解釈がされたとしても不思議はないだろう。

 

「網倉の言う通りだな! 俺の逸物をキュウキュウと締め付けてくるぞ! それだけ気持ちがいいのだろう!?」

 

 返答は絶頂で返された。

 

「ぬお……っ!?」

 

 堪らず、連鎖する形で天嶺も絶頂を迎えた。帆波の子宮へと精液が放出される。

 

「はぁ……はぁ……。搾り取られるかと思ったわ……。大した名器よ……」

 

 息荒く閻羅王を抜いた天嶺は、感嘆の言葉を洩らした。

 

「それじゃあ、お掃除するね……! ほら、千尋ちゃんも!」

 

 もはや慣れたのだろう。網倉が千尋を伴って天嶺の股間へと顔を寄せる。

 そして二人の少女は、精液と友人の蜜に濡れた天嶺の逸物を舌で舐め清めるのだった。




世の中、成功もあれば失敗もあります。

前話がコスプレの成功例なら、今話はコスプレの失敗例です。
どれだけ経験豊富でも未経験の分野はあるものですし、そこに関しては失敗をしてしまっても不思議はありません。

その一方、一言に『失敗』と言っても、『取り返しのつかない失敗』と『取り返しのつく失敗』に分かれるのも事実です。
今回の主目的はエッチなので、そういう点では後者になります。

前半の失敗があったから、後半では余計に盛り上がる。
今話ではそんな演出を描写してみました。

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