※この作品はR-18です。

外法ってやつを見せてやろう   作:山上真

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第49話:私は平田くんの共犯者です

 やってることはどうあれ、天嶺らが割と和気藹々と過ごした一方、そうでない時間を過ごした面子もいた。平田たちである。

 場所は確保されているし、最低限の設備も整っている。1-Dは学力不振の生徒も多いため、自然と――半強制的に平田の勉強会に参加する面子の方が多く、協力して無料品を買い込めば食事の問題もない。

 いやまあ、どうしても自炊を迫られることになるが、寮での独り暮らしを余儀なくされることにより、さしものDクラスも最低限の自炊能力を身に着けている生徒は多かった。特に女子。

 そして、主に平田、桔梗、千秋、王の四人が教師役を務めたわけだが……。

 

「不味い。本当に不味い……。危機感が足りていないにも程がある……」

 

 初日の夜。

 夕食を終え、その後の勉強会も終え、参加者たちが寝静まった時間帯。

 リビングの椅子に腰かけた平田は、頭を抱えて項垂れていた。

 

「右に同じく。……これ、本当にヤバくない?」

「同感。いや、この状況で誰に教わりたいとか、そんなこと言ってる余裕なんかあるわけないでしょうに……」

 

 王の手前、どうにか叫ぶのは堪えた桔梗だったが、三人だけだったら間違いなく叫んでいただろう。

 女子の大半は平田に教わることを求め、男子の大半は桔梗に群がったのが実情だった。

 そのくせして、まともに勉強をする様子もなく、教師役との距離を縮めることに躍起になってマウントの取り合いに精を出す始末である。

 

「いや、割と私教室でも天嶺くんにべったりだと思うんだけど……。それで何で自分に脈ありと思えるわけ……?」

 

 桔梗は心底不思議そうに首を傾げている。

 

「私と松下さんが受け持った人たちは比較的真面目でしたけど……」

「比較対象が悪いのも事実だしね。学力不振であることに違いは無し。端から見れば十分に劣等生よ。――それでも、真面目に勉強に向かってくれるだけ十分にマシではあるんだけど……」

 

 苦笑いを浮かべながら王が告げれば、千秋は同意しながらもバッサリと切り捨てた。

 これで中間を問題なく乗り越えられるほどの学力を有しているのなら、四人がここまで頭を悩ませることもない。

 だが現実問題、受験問題より二段階は難度が低い問題が揃った小テストで、退学になる生徒が数人は存在するとのこと。

 とはいえ、ラストの三問が難題すぎたが故の点数でもある。つまり、元から15点を捨てた結果、という見方も出来る。

 問題の難度を鑑みると、三問分の問題に費やせる筈の時間を宛がってこの結果というのは、正直に言ってあまり喜べたものではない。

 これで小テストが受験問題と同等の難度で構成されていたのなら、心情的にはまだマシだっただろう。それだけ応用が出来ている、という見方も出来るのだから。

 しかしながら、現実的には二段階ほどの落差がある。それすなわち、それだけ基礎が覚束ない、ということに繋がってしまう。

 中学の範囲でそれだ。より問題が難しくなる高校の問題を鑑みると、習熟には余計に時間が掛かることになる。中学範囲という基礎部分が覚束ないのに、高校範囲という応用部分に手を出して、まともに覚えられるわけがないのだ。

 この学校では、定期テストで一科目でも赤点を取った場合、その時点で退学だという。

 そして、その最初の試練は僅か三週間後だ。

 時間がないのである。

 

「赤点の基準は定かじゃないけど、ハッキリ何点と定められているようだと、クラスの格差が余計に酷くなることは眼に見えている。……少なくとも、僕はそう思う」

「私も同感。基準点で想像しやすいところだと25点とか50とかになると思うけど、ここが名門校であることを踏まえると25点は低過ぎる。

 かと言って、この難度の小テストでこの点数じゃあ、50点なんか夢のまた夢でしょ。普通に考えてさ。

 いくら過去問という裏技があって、それを使うのが学校の想定する救済ルートだとしても、基礎が足りてないんじゃあ丸暗記も難しい。普段本を読まない人が読書に難を示すように、解答を目にしても呪文にしか思えないでしょ」

 

 平田の推測に千秋が補足を付けて同意する。他二名もそれは同じだ。

 だからこそ、赤点の基準点は全クラスで同一ではなく、各クラスで変動するものだと予想できる。

 

「分かりやすいところだと、クラスの平均点。――だと高過ぎるから、更にその半分が妥当なところかな……?」

「それが妥当なところだと思います。謳い文句を考えれば、ある程度退学者が出るのは学校側も許容しているでしょうが、それでもここが教育機関である以上、過度に退学者が出るのは望んでいないでしょうから……。

 そう考えると、周りが納得しやすい部分に基準を求めるのは十分にありでしょう」

「クラス平均の、そのまた半分にも満たない学力、ってことになるからね。クラス毎に生徒の出来に差があるとしても、これならクラス内の出来映えになる。クラスメイト、運営、スポンサー、どの立場でも退学に理解を示さざるを得ないでしょ」

 

 桔梗が推測を挙げると、王と千秋が同意した。言葉には出さないが、平田も同意見だった。

 そして、だからこそ危機感が募る。

 基礎学力の低さに授業態度が相俟って、余計に時間が足りていない。

 挙句、丸々一ヶ月間分の授業を教え込む一方で、中途半端に覚えている部分を矯正しなくてはならないのだから、尚更面倒になっている。

 

「いや普通さ、ここまで条件が重なったらもうちょっと真面目に臨むもんじゃないの? そりゃあ今の時点でAクラスを目指すのは高望みのし過ぎにしても、もう少しお小遣いほしかったり、退学が嫌だったりするんならさ……」

「千秋ちゃんの意見には完全に同意だけど、それが出来ないからDクラスに配属されてるんだろうね……。

 いやもう、マジで勘弁してほしいかな。そりゃあさ、『可能性に目を向ける』っていう学校の方針は分かるよ? 分かるけどさ、実際に手を差し伸べて引っ張るのはクラスメイトの私たちっていうのはおかしくない?

 そりゃあ、こっちだってお小遣いが欲しいからやらざるを得ないけどさ。肝心の引っ張られる側にやる気がないんじゃ、こっちがいくら手を差し伸べても無駄なんだけど!

 それで結果が伴わないからって、手を差し伸べた私たちの努力は評価されず、足を引っ張った連中の不真面目さだけが表に出るって、マジでこっちのやる気が駄々下がりなんですけど~……」

 

 もはやグダグダだった。

 千秋と桔梗のやる気も下がっている。桔梗に至っては擬態すら辞めている。王にバレようがどうでもよかった。と言うか、この状況で、それでも投げやりにならずにいられるのなんて、よっぽどの聖人君子だけである。

 

「ねえ、平田くん? 天嶺くんじゃないけど、もういっそのこと損切りしちゃってもいいんじゃない? 比較的真面目な子たちにだけ手を差し伸べてさ~」

「同感~ん。所詮は出会って一ヶ月ちょっとの相手。こっちが骨を折ってもいいと思えるほどの良さも見出せてはいないのよ。なら、敢えて骨を折る必要もないでしょ。

 理論上、損切りして、ペナルティ食らって、たとえCPがゼロにまで落ち込んだとしても、不真面目な生徒が減れば、それだけCPを取り返すのは容易になる。

 これは足手纏いを切り捨てるんじゃないわ。自発的努力の足りていない生徒がついてこれないだけなのよ。

 そも、須藤くんなんてほとんど寝てたじゃない。あの小テストで一番点数の低かった須藤くんこそ、本来なら一番真面目に取り組まなきゃならないわけでしょ? でも現実はこれ。

 そして、一番点数の低かった須藤くんがそんなだから、周りも『アイツよりはマシだ』と真面目に取り組まない。――これはもう、学校のシステムの欠陥でしょ。私たちじゃあどうしようもないわ……」

 

 桔梗と千秋の意見は、冷たくはあるが道理だった。

 元よりやる気は低く、それでも平田への付き合いで教師役を引き受けた二人だったが、今日一日だけで下限を突破していた。

 全てではないにしろ、学校直々にネタ晴らしをされ、その直後でこれなのだ。勉強会に参加してこそいるものの、本当に参加しているだけで実になってはいない。ポーズだけでしかないのである。

 そんな面々のために骨を折るのは、文字通りの徒労、くたびれ儲けでしかない。

 桔梗と千秋のその言い分を平田は否定することが出来なかった。平田自身、そう思っている部分が無いわけではないからだ。

 それでも、かつての経験が、そう簡単に彼らを見捨てることを平田に是とさせない。

 

「櫛田さんと松下さんの言うことは尤もだ。僕自身、それが利口な行動なんだとは思うよ。――でも。それでも、見捨てられないんだ。

 だから、明日になったら僕は行動に出る」

 

 顔を上げた平田に、先程までの焦燥は既に無かった。――浮かんでいるのは、覚悟を決めた表情だけだ。

 

「……マジでやる気なの?」

 

 それを見て、千秋は恐る恐ると問いかけた。

 事前に聞いてはいた。聞いてはいたが、信じられない方法である。成功すれば効果的だとは思うが、成功するビジョンが千秋には思い浮かばないのだ。

 

「いったい何をするつもりなんですか?」

 

 釣られるように、王もまた恐る恐ると問いかけた。

 

「簡単に言えば、誰か一人を見せしめにするんだってさ。クラス内で最も癌な人物を物理的にボコボコにすることで、他の面々に対して『こうなりたくなきゃ真面目にやれ』って暗に恫喝するの」

 

 王の質問に答えたのは桔梗だった。こちらも、成功するとは思っていないのが丸わかりな反応だ。

 

「それって……」

「そう。対象は自然と須藤くんになる。現状、うちのクラスで最も癌なのは彼だからね。身体能力の高さは認めるけど、それ以外が酷すぎる。むしろ、身体能力の高さと喧嘩っ早さが結び付いてマイナスになっている」

 

 氣に目醒めた今の平田なら、やってやれないことはないだろう。少なくとも、桔梗自身は成功の目があると踏んでいる。

 その一方、非常に微妙なラインなのも事実なのだ。場合によっては、天嶺と敵対することになる可能性も否めない。

 そもそもにして氣を用いなければ天嶺と敵対することもないだろうが、素のままの平田が須藤に喧嘩で勝てるイメージが浮かばないのも事実だった。

 

「止めてください、平田くん! それを行うのが効率的であって、誰かがやる必要があるのだとしても、私は平田くんに誰かを傷付けてほしくはないです!

 そして、平田くんが傷付くのも嫌です! そんなことをすれば平田くんが傷付くだけです! 心も! 身体も!」

 

 内容を理解した王は、平田に縋りついた。

 それを嬉しく思い、平田は微笑を浮かべる。――けれど、平田の意思は定まっていた。

 

「ありがとう、王さん。君がそう言ってくれるのは嬉しい。――だけど、もう決めたんだ。

 中学の頃、僕はクラスの分かれた仲のいい幼馴染みがイジメられているのに気付きながらも、何やかんやと理由を付けて見て見ぬ振りをした……。

 その結果、幼馴染みは飛び降り自殺を図り、何とか一命は取り留めたけど、今でも植物状態だ。

 そして、イジメは一時的に止んだけど、ターゲットを代えて再び行われた……」

 

 宙を眺めながら、平田は口を開いた。

 

「ッ……!?」

 

 王は驚愕に目を開き、両手で口元を抑え込む。

 

「今回のはそれとは違うけど、誰かが歯止めを掛けなきゃならないことなんだ。

 確かに騙し討ちじみた学校のやり方には思うところがあるけど、一定の筋が通っているのは間違いないんだ。それに、この世の中、事前に何から何まで明らかにされることなんてそうもない。建物の外観からでは内部を想像しきれないように、中に入って初めて分かることもある。

 僕たちはこの学校に入学して、初めてこの学校の制度の厳しさを知らされた。それは事実だ。――けれど、不明な部分があると分かってて、甘いだけじゃないと想像がついて、それでもこの学校に入学を希望したのも僕たち自身なんだ。

 である以上、どれだけ学校側が厳しくとも、生徒として最低限の筋を通す義務が僕たちにはあるんだよ。

 同時に、そうしなければ、せっかく出逢えた友人たちと早々に分かれることになってしまう……。

 小テストの成績を鑑みると、クラスメイトの多くは中間や期末で退学することになるだろう。僕はね、それは嫌なんだ。たとえ傷付けてでも、それで怖がられても、可能な限りは一緒にいたいと思う。一緒の時間を過ごしていけば、やがては互いに受け入れられる可能性もあると思うから……。

 それにほら! 『拳で語る』って言葉もあるからさ! たぶん、須藤くんみたいなタイプには言葉だけじゃ届かないんだ……。一番いいのはバスケで会話することなんだろうけどね、僕はバスケはそこまででもないから……。そうなると、次点の方法を取るしかないんだよ……」

 

 どうにか平田を止めたいと思う王だったが、平田の決意は固かった。

 平田が言葉を紡ぐたび、王は止めるための言葉を一つずつ失っていく。聡明な王だからこそ、平田の言い分に筋が通っていることを認めざるを得ないのだ。

 無論、それでも反論することは出来るだろう。平田の言葉に筋が通っていることは確かだが、絶対というわけでもないのだから。――だけど、そうすることの無意味さをも認めざるを得ない。

 そもそも、誰がすき好んでそのような強硬手段を取りたいと思うものか。王の知る平田であれば尚更だ。

 そんな平田が、強硬手段に活路を見出すしかないほどに、クラスメイト達は出来が悪いのだ。

 もちろん、細かな部分を見ていけば良い部分もあるだろう。それらの全てを王は把握しきれてはいないが、短所ばかりの人間などいやしない。見方次第では、どこかしらに長所を持っているのが人間という生き物だ。要はそれに気付けるかであり、上手く使えるかの問題だ。

 だけど今回の問題は、そういう部分とは関係がない。『学力』という絶対の指標があるのだ。小テストで自分たちの学力の低さを叩きつけられたばかりなのだ。

 その上で、どれだけ壁が高くとも、乗り越えなければ退学一直線なのだから、退学したくないなら真面目に勉強を頑張るしかないのだ。それが前提なのだ。

 だと言うのに、勉強よりも意中の異性とお近付きになることを望む生徒のなんと多いことか……。恋愛感情よりもミーハー意識の方が強いだろうが、そこに大差はない。

 須藤はそんなミーハー意識とは無縁のようだが、バスケに意識を向ける余りに勉(・)強(・)か(・)ら(・)眼(・)を(・)逸(・)ら(・)し(・)て(・)い(・)る(・)という点では同じである。

 これまでにも、散々と言葉では注意喚起をしてきたのだ。言葉以外の方法も取っている。

 それでも変わらずに、変われずにいるのが現実なのだから、相当の筋金入りである。――これをどうにかしようというのであれば、確かに強制的に筋金を断つような強硬手段も否めないだろう。

 

「須藤くんがバスケに向ける熱意はクラスの誰もが認めています。同時に、スポーツ以外に対する彼の不真面目さ、短気さ、喧嘩っ早さも。

 そんな彼だからこそ、平田くんの策を取るに当たって、ターゲットとして最適なのも理解は出来ます。

 普段は温厚な人物ほど怒らせると怖い、なんてのはよく言われることです。柔和な平田くんが須藤くんをボコボコにする様を目撃すれば、クラスの皆も平田くんに向ける目が変わるでしょう。下限を踏み越えないように気を付けるようになるとは思います。

 理屈では筋が通っているのを認めざるを得ません。――けれど、本当にそれが可能なんですか?」

 

 もはや王に出来るのは、理屈を並べ、その難しさを伝えることで、平田が思いとどまるように図るしかなかった。

 身体能力に優れ、それでいて喧嘩っ早い人物をボコボコにする。そんなのは、どう考えたって現実的ではない。

 

「ありがとう、王さん。僕を心配してくれて。……大丈夫、勝算はあるよ。

 さっきは言わなかったけどね。中学時代の僕は、イジメの再発をきっかけにして行動を起こし、鉄拳制裁を行うことで学校を支配下に置いたんだよ」

「ッ……!?」

 

 再び、王は息を呑んだ。

 言うだけなら簡単だ。だけど、それを実行しようとすればどれだけ茨の道であることか。王には想像もつかない。

 そして想像がつかない以上、もはや、王には止めることなど出来なかった。

 あとはもう、平田が行動を起こし、その結果が出るのを待つしかない。

 止めようと動くことは出来るし、実際に止めることも出来るかもしれないが、その果てに待つのは中間乃至は期末でのクラスメイトの退学だ。

 平田はそれを防ぐために強硬手段に出ようとしているのだから、王がそれを止めようとするなら代替手段を提示するのは必要不可欠だ。

 そして王には、そんな手段は思いつかない。現実的な手段は既に実行され、それが功を奏さなかった故に今があるのだから。

 

「分かりました。もう止めません。止めるための方法が、私には思いつきませんから。

 ただ、これだけは言わせてください。それを知り、止めることを諦めた今この瞬間から――私は平田くんの共犯者です」

 

 表情を歪めながらも、その眼は真っ直ぐに平田を見据え、王は宣言するのだった。




天嶺たちと比較しての、平田たちの現状です。

いやホント、1-Dのまとまりのなさは一年生の中でも屈指ですからね。
ネタ晴らしを食らった直後のやり取りなんか、特に際立ってます。

「だけど須藤くん、いや皆の協力がなければポイントを得ることが出来ないのは事実だ」
「……お前が何やろうが勝手だけどよ。俺を巻き込むな。わかったな」
「須藤くんほんっと空気読めないよね。遅刻だって一番多いしさ。須藤くんが居なかったら少しくらいポイント残ってたんじゃない?」
「だよね……もう最悪。なんであんなのと同じクラスに……」

原作一巻で描写されてる一部なんですけど、『連帯責任制』と『クラス評価制』のネタ晴らしを食らった直後にコレですよ。
まともなのは平田だけで、須藤は論外です。この時点で、既に須藤の行いに周りを巻き込むことが明らかになってるんですからブーメラン発言でしかありません。
しかも、平田が提案しているのは『授業態度を改めよう』っていう至極妥当で基本的なことですからね。それに反発してる時点で問題児でしかありません。
下の二名はある意味では正論ですが、自分を棚上げしている時点で、やはり説得力はありません。せめて自分にも非があることを認めていれば、心証的にはまだマシなんですが……。
いや、原作だと下のセリフを誰が発言したかまでは描写されてないんですが、1-Dの生徒という時点で棚上げセリフにしか思えないのです。
この一ヶ月間、周りを放置していたという点では平田にも問題があるという見方は出来ますが、改善するべく動いている時点で相殺されます。

この後、原作では平田が改善の話し合いに清隆と鈴音を誘うわけですが、二人とも断ってます。
まあ、断るだけなら問題はないんですが、その断り方ですよね。

「話し合いは得意じゃない。意味のないことに付き合うつもりはない」

端的に表せば、これが鈴音の言い分です。決して間違ってるわけじゃないんですが、『どうして意味がないと感じているか』を説明していないので、自己完結のコミュニケーション不足なのは明らかなんですよね。

「あー……パスで。悪いな」

これが清隆の断り文句です。言葉は柔らかいですが、内容的には鈴音以上に酷いです。 

こんな奴らの間に立ってクラスの和を図ろうとする平田と桔梗は、その理由はさて置いても、間違いなく屈指の優等生ですわ……。
で、原作だと、こういう組織の健全な維持管理には必須の『縁の下の力持ち』タイプの扱いがトコトンまで悪いという……。

個人的意見として、こんなんで国を良くする人材を輩出できるとは思えません。
いや、国家を良くすることは出来るかもしれませんが、そこに住まう国民が幸福を感じられるとは思えないんですよね。
感じられるとしても、一部の上流階級に限られると思います。
まあ、だからこそ平田とか桔梗を優遇しがちなんですが。

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