まあ、堀北兄妹とか、BCの時任とか、CDの園田とか、場合によって例外もありますけど。
伊吹澪と松下千秋が最初から名前表記で他のキャラが名字表記なのはそれ故です。
「でさ、流れでついてきちゃったけど、何で私まで泊まる流れになってるわけ?」
用意された食事を食べ終えたところで、ハッとしたように口を開いたのは神室だった。
彼女に関しては詳しい事情を知らぬ他の面々も気になっていたようで、一斉に視線が天嶺の方に向く。
「ああ、そうだったな。……コイツは1-Aの神室真澄というんだが、端的に言えば破滅願望の持ち主だ」
天嶺が何の気なしにアッサリと割と重いことを言うものだから、聞いていた面々は驚かずにはいられない。
「破滅願望の?」
「ああ。なんせ、コイツはコンビニで万引きをしようとしていたし、坂柳はそれを端末で撮影してコイツを脅そうとしていたからな。
まあ、それだけならこの環境の氣にアテられただけという見方も出来なくはないんだが、コイツの場合、万引きが常習化しているようでな。しかも、一切の罪悪感がないならまだしも、キチンと罪悪感は持っているくせして止められないんだ。もはや、重度の破滅願望と見做すしかなかろうよ」
食後のお茶をちびりちびりとやりながら、天嶺は言う。なお、天嶺は番茶やほうじ茶などの方が好みだ。
「ぶっちゃけた話、万引きという行為を除けば、これといって珍しい話ではない。喧嘩、飲酒、喫煙……何だかんだ、やっちゃいけないとされていることに手を付ける学生は多いからな。単に理由と方法が異なるだけだ。
スリルを求めて、ストレスを解消するため、分かりやすいのはここら辺だが、中には愛情を求めてなんて例もある。わざといけないことをやって、発覚して叱られて、叱られることで愛情を確かめようとするわけだな。
極論すれば、どれもこれも『満たされない』と感じているからだ。そして、満たされようとするが余りに、一般的には禁止されていることに手を伸ばす。授業をサボることだってその一例だ。
で、何だってこれらの行為が止まらないかと言えば、これまた極論になるがおざなりな対処しかされていないからだ。法律に反しているから、校則に反しているから、ただそれだけを理由にして る。それが決して間違っているわけではないが、個別に『なぜ』を追究して止めない限り、何度だって再発するだろうよ」
天嶺の言葉は、本人の言う通りに確かに極論ではあるのだが、決して否定しきれない一面があった。
「で、神室の場合だが、万引きの常習という部分から見えてくるものがある。そも、校則違反と万引きとでは、必然的に罪の大きさだって違う。発覚した場合、影響を及ぼす範囲は明らかに違う。
その上で、常習化していることこそが問題だ。普通に考えて、よっぽどの才能がない限り、常習化する前に発覚するだろうよ。実際、コイツは坂柳に撮影されようとしていることに気付いていなかった。……その時点で、事実と技量が矛盾している。
その矛盾を解消しようとすれば、可能性なんざ限られる」
「親、乃至は家による揉み消しか」
天嶺の言葉に対し、真っ先に意見したのは綾小路だった。
「ああ。その上で、その行為に対して親や家族は叱りもしていない。ただの火遊びで済ませているわけだ。
おそらく、社会一般的にか地元限定かはともかく、神室の家はそれだけの影響力を持っているのだろうな。我が家だって、村の中では絶対に等しい権力を持っているわけだから、別におかしなことではない。
重要なのは、ごく限られた範囲での影響力と権力を持っていることだ。
神室の故郷では、神室の家は絶対に等しい権力と影響力を持っており、然るに神室の万引きが問題視されることはなかったと見るべきだろう。
盗られた店のスタッフは、そのことを問題化しようとし、上に報告を上げ、更に上から揉み消された。店舗側の上層部にしてみれば、店を構える地との結び付きは大切だからな。盗られた分の費用が払われ、在庫調整の手数料も頂けるなら、多少手間ではあってもすり合わせは十分に可能だし、店側には問題がないことになる。
スタッフの心情はまた別だろうが、それとて給料に上乗せされるなら、口止めに同意だってするだろうよ。
問題として取り沙汰されなければ、そもそもにして問題になることもない。
だがそれは、叱られることで愛を確認しようとする神室にとっては、決して望んでいることではなかった。それによって神室は余計にストレスを溜めることになり、結果、神室は自身の万引きが発覚していることに気付くこともなく、その解消やらも含めて余計に万引きに傾倒し、常習化し、手癖の悪さと、盗る技量だけは向上していった。
発覚して叱られて愛を確かめたいという思いもあれば、発覚=面倒をかけることであるため、それによって更に見放されることへの恐怖もあったんだろう。それらが入り混じった結果、否定しようのない悪循環となってしまった。
まあ、今言ったことはあくまでもただの推測でしかないが、然程的外れでもないと個人的には思っている」
「……」
神室は黙して語らない。……が、それがまた、天嶺の推測の信憑性を高めてならなかった。
「親や家族が絡む以上、神室の症状の根本的な解消は難しい。しかし、代替手段による解消は十分に可能だろう。要は、神室が愛されていることを、自分が必要とされていることを実感できればいいのだからな」
「……なるほど。人が愛情を受け取るに当たって、最も身近な相手は家族だ。だけど、決してそれだけじゃない」
ポンと手を打って頷いたのは平田だった。
「だから神室、俺に抱かれる気はないか? 要はセックスをしようというお誘いだが」
そして、天嶺が神室に対してそう言った直後、そこかしこで飲み物を吹き出す姿が頻出した。
「ちょ、ちょっと貴方ねえ! イキナリ何なのよそれは!?」
「何かおかしなことを言っているか? 俺の推測が正しい場合、神室は愛情を求めている。自分が必要とされている実感を得たがっている。それも、火遊びという手段を取ってまでだ。
普通に考えて、そこまで重度になってしまえば、ちょっとやそっとの方法で解消できる筈がないのは分かるだろう?
だからこそのセックスだ。己が熱情を、より直接的にぶつける。そこに愛情があるかはさて置き、欲情は確実にある。少なくとも、セックスをしているその瞬間において神室を必要としているのは、神室が必要とされているのは、間違いがない事実だ」
堀北が食って掛かったが、天嶺は肩をすくめて受け流した。
「ぶっちゃけ、必ずしも一夫一妻に拘る必要があるかという話だ。愛情を交わして結婚した筈なのに、離婚をしたり浮気や不倫をしたりなんて話は枚挙に暇がないだろう? 根本的に、人という種の性質と噛み合ってないんだよ。
そりゃあ、中には愛を貫ける夫婦もいるだろうが、そんなのは例外と考えた方が正しい。浮気や不倫、離婚はしていないが、愛情は冷めている夫婦関係なんて珍しくもないのが現実だ。
人の欲に変に枷を付けるものだから、俺たちの仕事がなくならない一面もある」
「実際、天戒様――天嶺の父親にもうちの父親にも、普通に妾はいるわよ。家名は違うけど異母兄弟や姉妹も何人かいるし。私は天嶺と婚約関係にあるわけだけど、天嶺も村内の未亡人を何度か抱いているし」
「なっ……!?」
同性である澪が気軽そうに言ったのが信じられないのだろう。堀北は驚愕の余りに絶句し、顔を赤らめながら口をパクパクと動かしている。
「自己弁護するわけではないが、立場的な勤めでもあるのだよ。俺たちの仕事は危険が付き物だ。内容によっては、一度に何人何十人と亡くなることも珍しくはない。
その一方、一種の技能職であるが故に人材補充も容易ではない。
そして、働き手を失った女が、満足に生活していけるかという話だ。金があっても心が満たされなければ意味はないし、その逆も然りだ。旦那との間に子供が出来ていれば、更に負担は大きくなることだろう。
それ故に、村内における『幹部の妾』という役割を宛がうことで、そこら辺を補うわけだ。一村人相手であれば支援するにも限度があって面倒な手順を踏む必要もあるが、妾相手であればその手間も一気に軽減されるからな」
「私らの村は、村全体が『一つの家族』と言えるほどに強い結び付きを持っているのよ。
その一方で、血の閉塞による危険性も十分に認識しているため、外から人を招くことも厭わない。別に、退魔関連での仕事が出来なくても、村で農作物を作るだけでも十分な戦力になるしね」
「……」
環境や事情を鑑みれば仕方のないことかもしれないが、それでも一般的に考えればあり得ない実情に、天嶺と澪以外は絶句するしかなかった。
「……九角。オレは少しばかり面倒な事情を抱えているわけだが、オレをお前たちの村に引き取ることは可能か?」
そんな中、真っ先に口を開いたのは綾小路だった。
「事情次第だな。こちらとしても、お前を引き取ることで村にデメリットが齎されるのであれば、十分に考慮しないわけにはいかない。
その一方で、俺は次期村長にして次期頭領でもあるので、メリット次第では俺の一存で引き取ることも十分に可能だ。
極端な話、女性であれば『子を宿せる』というその一点だけで村に引き取るのもだいぶ容易なのだが、男となれば途端にボーダーは跳ね上がる。基本、男に求められるのは怨霊怪異への対処係だからな。
そして、怨霊怪異への対処は、単純に身体能力が高ければいいというものではない」
「お前たちの言う、氣を扱えること辺りが最低条件というわけか?」
「それも事情次第だな。さっきはああ言ったが、村の維持管理には男手が必要なのも事実なのでな。結局は引き取る相手の背景事情が物を言う」
天嶺の言葉に、綾小路は暫し考え込んだ。
「オレが氣を扱うことは可能か? いや、氣を扱えるようになるのは可能か?」
「可能性だけはある、としか言えんな。そも、氣は天然自然の一部だ。持つだけなら、人は誰しもが持ち合わせている。だから怨霊怪異の犠牲になる面があるわけだからな。そも、一切の共通点がないのであれば、怨霊怪奇の方も干渉自体が不可能だ。
その一方、氣に目醒め扱えるようになるのは、努力だけでどうこう出来るものでもない。――いや、努力でどうこう出来る者が決していないわけではない。しかしそれは、その者の宿星により、予めそう定められていたが故だ。
ゲームを例に出すが、ゲーム内イベントで初めてチカラに目醒める者もいれば、チカラに目醒めた状態で仲間になる者もいるだろう? 要はその程度の違いでしかない」
綾小路の質問に対し、天嶺はそう返すより他にない。
どれだけ高い実力を持っていようと、人には干渉可能な範囲というものがある。分かる範囲というものがある。――そこらの軛を関係なしに出来る者は、それこそ黄龍の器くらいなものだろう。
「ゲーム云々はよく分からんが、要は契機ということか?
警察では未解決な事件が起こらなければ、探偵は必要とされない。だが探偵が探偵として認識されるには、事件に関わる必要がある。そして、その一番最初の事件に関わるまでは、どれだけ探偵としての能力を持ち合わせていたところで、チカラを振るう機会がない。チカラを振るう必要性が認められていない。然るにチカラを行使できない……」
「まあ、その考えで概ね間違いではない。俺や澪が教えようと教えまいと、そんなことは関係ないのだ。重要なのは、お前の宿星に定められているかどうかであり、お前の決断の果てに目醒める可能性があるかどうかだ。
そして、そればかりは俺にも見通せん。俺とて、誰しもの宿星が分かるわけではないのだ。分かる場合は分かるし、分からない場合は分からない。実際、自分自身や澪の宿星も知らんのが実情だ」
「なるほどな……」
呟いた綾小路は顎に手を当てて再び考え込む。
「ま、綾小路を村に引き取る云々はさて置いて、今重要なのは神室が天嶺とセックスする気があるかでしょ。しないならしないでこっちは構わないけど、それでまた万引きやって、今度こそお縄についてもこっちの知ったこっちゃないわよ。
未成年ではあっても高校からは義務教育じゃないし、ここだと揉み消しも出来ないだろうから、間違いなく裁かれるでしょうし。それ次第じゃ、愛のあるお叱りを受ける前に勘当されてもおかしくはないわね」
「ッ……!?」
肩をすくめて澪は言うが、その可能性は決して否定しきれないものだった。
今回は天嶺と澪が介入することで未遂で止めたが、神室自身はもはや万引きが常習と化しているのだ。再度行わない保証はないし、次もまた止められる保証もない。
「ま、一人で抱かれるのが怖いんだったら私が混ざってもいいし、何だったら前以て実演してあげてもいいわよ。相手は天嶺でもいいし、童貞だろうそこの三人でもいいし」
再び、音を立てて飲み物を吹き出す連中が続出した。
「ちょっと伊吹さん! 貴方ねえ!」
「爛れてる! 育った環境を踏まえれば仕方ないのかもしれないけど、この二人、性的倫理感が爛れてるよ!」
「婚約者はああ言ってますが、旦那になる身としては如何思います?」
堀北は澪に詰め寄り。
櫛田は身を震わせながら、それでも興味津々な眼差しで天嶺と澪を弾劾し。
千秋はテレビのリモコンをマイク代わりに、天嶺の口元へと差し出した。
「勤めの一環ではあるが、俺自身が澪以外の女も抱いているわけだからな。澪が他の男に抱かれたところで文句を言う筋合いはないだろうよ。妊娠の心配も無いわけだしな」
肩をすくめて天嶺は言ったが、それを聞き捨てられなかったのは女性陣だ。
「え~と、今、妊娠の心配がないって言った?」
「ああ、そう言ったな」
「それは、伊吹さんが妊娠できないとかそういう?」
「いや、別にそんなことはない。やることやってれば、普通に妊娠するだろう」
矛盾が如きその内容に、その場の全員が首を傾げずにはいられなかった。
「要は天嶺の鬼道による効果ってわけよ。天嶺は鬼道を以て相手の宿星に干渉することすら出来るのよ。それは彼の技量あってのものではあるけれど、その一方でそういう術式を組まれているからでもある。術式自体がそういう効果を持っているから、たとえ相手の宿星を視認できずとも、正しく術を発動することさえ叶ったなら、効力を発揮することができるのよ。
言い換えれば、避妊の術式を構築した上で正しく発動させれば、効力を発揮している間は妊娠の心配はないってわけ。
分かりやすく言えば、イカサマ付きのギャンブルってわけ。ギャンブルを楽しむこと自体は出来るけど、必ず外れるように設定されてるのよ。
だから、私はこれまでにも何度か天嶺とやってるけど、毎回生でやってるし」
妊娠の心配がないという衝撃の告白!
性欲なんてものは男女問わず誰もが持ち合わせているものであり、この年頃は性行為に興味津々なものであるからして、話を聞いた面々が手のひらを翻すには十分だった。
「質問です! 言いようから問題ないとは思うんですけど、それは九角くん以外の男性を相手取っても効果を発揮しますか?」
挙手をして質問したのは軽井沢だった。
「ああ。でなければ、澪を他の男に抱かせる筈もない。最後の一線で絶対の安全が保障されているから、こちらも許容できるのだよ」
「はい! だったら、私は抱かれたいです! ぶっちゃけ、私は中学時代にイジメを受けていて、左脇腹にはそれが原因で消えない傷痕があります! 高校でまでイジメられたくはありません! だから庇護を求めます! だけど、私はバカだし特に優れた能力もありませんので、身体で取り入るしかありません! こんな私でもオーケーですか!?」
軽井沢による、唐突なまでの爆弾発言。しかし、当然ながらこれには絡繰りがある。
軽井沢もだが、櫛田も平田も抱える陰氣が凄まじいのだ。正直、渡した装飾具だけではどこまで機能するか怪しいのも事実である。学生が持っていてもおかしくはなく、それでいて精神力を高める効果を持つ装飾具など限られているし、その効果も微弱なのが現実だ。
そして人間という生き物は、秘密を抱えていたり、本音を出せずに生活しているだけでもストレスを抱える生き物だ。
だからこそ、この拠点内には『本音を吐き出しやすくする』術式を展開している。教室で使ったものとはまた違うが、これも一種の結界だ。
軽井沢の爆弾発言は、それによるものだ。彼女にとっては、抱かれることよりも、再びイジメられることの方が忌避感が強いのだろう。だからこそ、抱かれることでイジメられなくなるのであれば、相手次第では許容する。
天嶺が張った結界の効果により、彼女のそんな意識が吐き出されたのだ。
「なるほど、イジメをな……。俺が抱く分には構わんが、それだけだと効力が弱いな。
綾小路、お前、軽井沢と交際する気はあるか? この学校を卒業後であれば俺の一存でどうとでもなるが、在学中はそうもいかん。俺以外にも防壁となり得る存在が必要だ。
いやまあ、平田や幸村でも構わないと言えば構わないのだが、最後の一線では暴力を行使できる存在であるのが望ましいからな」
(何かしら抱えているのは分かっていたが、イジメだけならまだしも、消えない傷痕とはな……。これでは、自分の身体を見る度にイジメられた過去を思い返さずにはいられない。陰氣が強いのも納得だ)
そんな内心をおくびにも出さず、天嶺は綾小路へと声を投げかけた。
「構わないぞ。彼氏彼女という関係にも興味がある。最初は偽装でも、関係を続けていけばもしかしたら本物になるかもしれん」
天嶺の質問に、綾小路は肯定で答えた。
「九角くん、一つ質問がある。君の鬼道とやらで、脳死状態の人間を目覚めさせることは出来るのかな?」
次に、真剣な面持ちで問いかけてきたのは平田だった。これまた、唐突な内容である。
「試してみなければ何とも言えんが、可能性はあるだろう。鬼道の中には、身体を健康な状態に戻す術法もあるのでな」
「この学校を卒業したら、その術の行使をお願いできないかな。
軽井沢さんが告白したから僕も告白するけど、中学時代の僕はイジメる側の人間だったんだ。――と言っても、最初からそうだったわけじゃないんだけどね。
僕には杉村という仲のいい幼馴染みがいたんだけど、中学に入学して別のクラスになったのを機に、徐々に疎遠になっていったんだ。
そんなある日、僕は杉村がイジメのターゲットになっているのを知った。だけど、何だかんだと理由を付けて、僕は見て見ぬふりをした。――してしまったんだ。
結果、杉村は飛び降り自殺を図った。一命は取り留めたけど、言った通りの脳死状態さ。
ここまでなら僕の後悔話だけど、話はこれで終わりじゃない。
飛び降り自殺者を出しておきながら、ターゲットを変えてイジメが再発されたんだよ」
昏い笑みを浮かべて平田が言った。
その内容に、周辺も顔を顰める。
「僕がイジメを行ったというのはそれからさ。僕は原因の如何を問わず、次から次へと鉄拳制裁を下した。そうして気付いた時、僕は暴力で以て学校を支配していた。
杉村の二の舞を防ぐための行為は、一つの学年を機能不全に陥れ、学校から活気と笑顔を失わせることに繋がった。――繋がってしまった。
それは学校側の介入を余儀なくし、全クラスが強制的に解体・再編された上、卒業まで厳しい監視体制が取られることになった。
何が正しかったのか、どうするのが正しかったのか、僕はもう分からない。――それでも、杉村に目覚めてほしいという思いは変わらないんだ。許されなくてもいいから、せめて一言、僕の愚行について彼に謝りたいんだ」
「そうか……」
平田の過去話を聞いて、天嶺は瞑目した。
(ええい! 軽井沢もそうだが、平田も別の意味で重すぎるぞ! 学校にほとんど通っていなかった俺が言えることではないが、昨今の中学生はどうなっているのだ……!?
この調子だと、櫛田も中々に重い過去を背負ってそうだな。櫛田の人柄を鑑みればストーカーか……? いや、周囲から頼られまくって限界を迎えたが故の学級崩壊でもおかしくはないな……。
見たところ、櫛田は自分に自信を持つが故にか、責任感も強すぎる。仮に学級崩壊が起こっていたとして、彼女のことだから『前は失敗した。次は上手くやる』なんて思っていたとしても不思議はない。
自身の恥と捉えているが故の抱え込みならば、衆目の前で語ることはないだろう。あとで、二人きりになった際にでも訊いてみるか……)
その内心は困惑が強かったが、やはり表情にはおくびにも出せない。次期頭領、次期村長としての修練の賜物である。トップたる者、誰も彼もに易々と本心を悟られてはならないのだ。
「軽井沢、お前、悪女の誹りを受ける覚悟はあるか?」
「私に、九角くんと綾小路くんと平田くんの間を行ったり来たりしろってこと?」
「ああ。事情を知ってしまった以上、俺はお前も平田も放ってはおけない。鬼哭村は、見捨てられた者たちが集って興った村だからな。お前たちに一切の非が無いとは言わないが、お前たちの傷付いた過去を知って、それでも蔑ろにするようでは、俺は先祖に申し訳が立たなくなってしまう。
しかし、ただ甘やかすのも違うだろう。俺は俺なりに、可能な限りお前たちに助力する。だから、お前たちもまた覚悟を示せ」
「分かった」
「それで、杉村が目覚める可能性に繋がるのなら」
天嶺の言葉に、軽井沢と平田は頷くのだった。
別名、『天嶺の苦悩』です。
天嶺らにしてみれば仕事に関わっても来ますので、陰氣を解消できるならそれに越したことはなく、その方法も問いません。
何せ、『魔人』設定が絡む以上、過剰な陰氣を取り込んでしまえば異形に変生してしまいますので。
彼らだって人間ですので、知人友人を手に掛ける事態は望むところではありません。
なので、変生を防ぐためであれば、鬼道による思考誘導やセックスだって厭いません。
その一方、未だ入学して間がないのも事実であり、能力や人柄を把握できているわけではありません。
そのため、過剰に気を配っている部分もなくはありません。
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学校生活で演じる清隆の性格路線について。クール系の天嶺と、温和系の平田とは別路線を歩みます。基本的には自身の社交性を鍛えるためですが、対象やその周辺人物との友好関係や実力、五月のCPに影響が出ます。
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チャラ男ルート。対象は池。CP上昇大。
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オレ様ルート。対象は佐藤。CP上昇小。
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その他。具体的にはリクエストを。