一途な彼女がどうなるか実験 作:実験
傾きかけた西日が、無人の教室に長い影を落としていた。
委員会の残り仕事で、放課後にたまたま二人きりになってしまった時間。
教室には、プリントをまとめる紙の擦れる音だけが不自然なほど大きく響いていた。
「……プリントの束、これで全部だっけ」
「あ、うん。あとはそっちをクリップで留めるだけだから」
「そっか。……わかった」
会話はすぐに途切れ、重苦しい沈黙が降りる。
毎晩のようにインステのDMで卑猥な写真を送り合っている共犯者でありながら、現実の二人の間には気詰まりな空気が漂っていた。蓮はスクールカーストを気にする臆病な性格であり、莉緒もまた、大好きな彼氏を裏切っている後ろめたさがあるからだ。
やがて、最後のクリップがパチンと小気味よい音を立てる。
「終わった……」
莉緒が小さく息を吐き、背伸びをした。張り詰めていた空気が微かに緩む。
「意外と時間かかったね。お疲れさま」
「お疲れ。……なんか、学校で普通に話すの変な感じだよね」
莉緒が苦笑いしながらポツリとこぼした。
その、少しだけ警戒の解けた柔らかな表情を見た刹那、蓮の中で、DM上で見せている『傲慢で強気なオス』がふと顔を覗かせた。
「確かに。……DMだと、莉緒ってあんなエロいもんな」
「は? ちょっと、声大きい」
莉緒が慌てて周囲を見回す。その動揺が、蓮の背中をさらに押した。
「昨日の下着、可愛かったな。あれ、今日も着けてるの?」
口にした直後、蓮は
(やばい、対面で言うべきじゃなかった)
と一瞬顔を強張らせた。
だが、一度外れたタガは止まらない。
案の定、莉緒は冷ややかな視線を射抜くように向けた。
「馬鹿なの? 言っておくけど、見せないからね」
「え、やっぱりだめだった?」
「……本気で見る気だったの? 当たり前でしょ、ここ学校だし」
「でも前にトイレのやつ見せてくれたよね?」
「静かにしてよ、誰か来たらどうするの?」
「いやでも、莉緒……ここ、絶対誰も来なくない?」
「そういう問題じゃなくて!」
押し問答の果てに、蓮の頭の中で何かが完全にショートした。
一度火がついた欲望と、言い出してしまった手前もう後には引けないという焦りが、臆病な彼の判断力を奪っていく。
――カチャッ、ジリリッ。
無人の教室に、ベルトのバックルが外れ、ファスナーが下りる生々しい音が響いた。
「……だったら、俺のも見せるからっ」
理屈の破綻した捨て台詞とともに、蓮はズボンごと下着を乱暴に押し下げた。
「は……? え、ちょっと、何して……ッ」
莉緒は弾かれたように一歩後ずさった。悲鳴を上げたいのに、誰かに聞かれる恐怖が勝って喉がヒュッと鳴る。
「馬鹿なの!? 嘘でしょ、出さないで、お願いだからしまってってば……ッ!」
血の気が引くようなパニックに襲われながら、莉緒は慌てて目を逸らそうとした。
しかし、視界の端に現れたそれは、未だ完全な覚醒を待たずしてすでに常軌を逸した質量を誇る、暴力的なまでの熱の塊だった。大声で怒鳴りたいが、悲鳴を上げれば誰かが飛んでくる。『学校』という密室の縛りが、莉緒の逃げ場を完全に塞いでいた。
「マジでお願い! こんなことしてるって俺も誰にも言えるわけないし、莉緒だって彼氏いるし……お互いバレたら終わるんだから絶対秘密にできるじゃん。どうせ今日の夜も、また下着の自撮り送ってくれるんだろ? なら今、ここで見せてよ」
「あげるとは言ってないじゃん、何決めつけてんの……ッ」
強引な力で腕を引かれ、莉緒は冷たい木目の机へと押し倒された。
「え、ちょっと待って……」
綺麗にプレスされた制服のプリーツスカートが無惨にめくれ上がり、半ば強引に膝を開かされる。露わになった脚の間、ピンク色のショーツには、自分でも嫌になるほど隠しようのない濃い染みが滲んでいた。
「何度も写真で見たけど、マジでヤバイ」
蓮の熱を帯びた視線が、湿った下着に釘付けになる。その露骨な視姦に耐えきれず、莉緒が身をよじって脚を閉じようとした瞬間、蓮の手が制服のブラウスへと伸びた。
ためらうことなく乱暴に裾がまくり上げられる。豊かな胸がブラジャーごと上に押し上げられ、無防備な素肌が冷たい教室の空気に晒された。
「ひっ……だめ、服、さわらなっ……あッ!」
蓮の無遠慮な指が、こぼれ出た双丘を鷲掴みにし、敏感な先端を強く擦り上げた。
「やだ、っ、そこ……」
ビクッと背中を反らせて逃げようとする莉緒の小柄な身体を引き寄せ、蓮はさらにその顔を胸元へと埋めた。ちゅぷ、という生々しい水音とともに吸い上げられるたび、莉緒の身体がビクンビクンとあられもなく跳ね、下着の染みがさらに広がっていく。
(違う。ただの生理現象だ。わたしが悪いんじゃない。こんなの、身体が勝手に反応してるだけ……)
莉緒の脳裏で必死の言い訳が駆け巡る。
しかし、足の指は快感の予感にギュッと丸まり、ブラウス越しに波打つ心拍数が、隠しきれない発情を残酷なまでに証明していた。
莉緒が快感に蕩けているその隙に、蓮はズボンから解放した自身の熱を右手で激しく扱き上げた。
ギュッ、ギュッ、と粘膜を擦る湿った音が、教室の静寂の中で妙に際立つ。その悍ましいほどの重みを誇る熱源を、蓮は自ら激しくピストン運動させながら、莉緒の顔の前へと突き出した。
「近い、近いってば……ッ」
莉緒は視線を逸らし、「近づかないでよ」と口にしながらも、胸を嬲り上げられる快感に身体の芯を溶かされ、蓮が扱きしごくたびにドクンと波打つそれを盗み見てしまう。
「ごめん、マジで興奮する。……出していい?」
「は? え、待って、出すってどこに? ここ学校だよ!?」
「莉緒のパンツに出したい」
「ば、馬鹿じゃないの、だめに決まってるでしょ。あろ、そう、後始末どうするの、制服まで汚れたらどうすんの!」
「ティッシュで拭けばいいじゃん。マジで、もう我慢できないんだよ」
蓮はさらに勢いよくその熱を扱き倒すと、莉緒の抗議など気にも留めず、ショーツの最も濡れそぼった窪みへと怒張した先端を無遠慮に押し当てた。
じゅわ、と不快で甘い湿潤が肌に張り付いたかと思うと、直後に凶暴なまでの硬さと重みが、最も敏感な中心の膨らみをダイレクトに押し潰す。
「んッ……!」
押し当てられた箇所から、ドクン、ドクンという脈動が伝わってくる。自らの口元を必死に覆う莉緒を見て、蓮が低く囁く。
「気持ちいいのか?」
「ちがうッ……」
「その反応、わかりやすっ」
逃げ道を塞ぐように、さらに強く押し当てられる。
「馬鹿、それはさすがにダメでしょ」と抗議しつつ、周囲を気にする素振りを見せた、その隙だった。
手持ち無沙汰だった蓮の左手の指が、湿って肌に吸い付く下着の端を引っ掛け、素早く横へと引き退けた。
「あっ」という声すら上げる暇もなかった。
無防備に開かれた脚の間に、ぬるり、と巨大な先端が宛てがわれた。
(嘘……だめ、悠真くんがいるのに……っ)
抗おうと内腿に力を入れた、その刹那だった。
ちゅぷっ……と卑猥な水音が鳴る。溢れんばかりの彼女自身の体液が極上の潤滑油となり、抵抗が意味を成さないほどの滑らかさで、巨大な熱が最奥をこじ開けていく。
嘘でしょ、と頭が真っ白になった時には、もう取り返しのつかない深さまで異物が侵入していた。
膨満感、という言葉では足りない。彼という存在が、自身の身体を支配し、無理やり別のサイズに塗り替えていく感覚。
莉緒の意識は、拒絶よりも先に、その圧倒的な侵入にただただ呆然とするしかなかった。
蓮は浅く腰を引き、ずちゅっ、ずぶっ……と、馴染ませるように重く緩やかな往復を繰り返す。
押しのけようと足掻く莉緒の小柄な身体をきつく抱きすくめ、容赦なく最奥へと到達させた。
「~~~~~っ、まって♡♡」
静止の声など届くはずもなく、嵐のような律動が始まる。
「ひッ、あ……ッ、むり、むりッ、やめ……ッ」
異常なシチュエーションと絡みつくような柔肉の感触に、蓮は完全に理性を飛ばし、そのまま最奥へと吐き出そうとさらに深く腰を打ち付けた。
(いや、だめ、中にだされる……ッ!)
明らかな射精の予兆にパニックに陥り、莉緒は必死の力で蓮の肩を突き飛ばして強引に腰を引いた。その抵抗によって、蓮の巨大な熱が彼女の身体から強制的に引き抜かれる形となる。
だが、それが最悪の刺激を生んだ。
蓮の規格外に太く、暴力的なまでに反り返った『カリ』の段差が、抜ける瞬間に秘部の最も過敏な天井部分をごりごりと無慈悲に擦り上げたのだ。
「あ……ッ、いや、ひッ……♡」
寸止めされた状態からの、不意を突く強烈な一撃。限界まで張り詰めていた弦がプツリと切れ、莉緒の身体は大きく跳ねた。
同時に、行き場を失って蓮の先端から弾け飛んだ大量の白濁が、無防備な秘部へと激しく打ち付けられる。
「あ、あああッ」
ひどく汚されながら、抗いようのない深い絶頂へと突き落とされ、莉緒は激しく痙攣した。
頭の中が真っ白に焼き切れ、指の先からつま先まで高圧電流が走ったかのような痺れが抜けない。ガクガクと震える太ももからは完全に力が抜け落ち、ビクンッ、ビクンッと意志とは無関係に下腹部が跳ね上がる。ぶちまけられた熱い白濁が、とろけた柔肉を伝ってポタポタと冷たい机へと滴り落ちていく。
机の端で完全に腰が抜け、後ろ手にだらんと身体を支えたまま、ヒュッ、ヒュッと甘く熱い呼吸を繰り返すことしかできない莉緒。
小さく肩を震わせる彼女の無防備で淫らな姿を見下ろした瞬間、蓮の脳内で鳴り響いていた『見つかったらヤバい』という臆病な警報は完全に鳴り止んだ。
(なんだ、案外いけるじゃん……)
及び腰だった態度は消え失せ、ネット上で見せていた傲慢で底知れない支配欲が鎌首をもたげる。学園の人気者である彼女の理性を完全に壊したという事実が、彼のブレーキを粉砕してしまったのだ。
「……莉緒、ごめん。俺、やっぱりもう無理だわ」
「え……嘘でしょ、ちょっと、待って、なんで力入んないの……!」
恐怖と強烈な余韻に震えながら必死に首を振る莉緒を、蓮は逃がさない。彼女の細い太ももを再び両手で強引に捉えた。
「静かにしてよ、誰か来たら本当にヤバいだろ」
口ではそう言いながらも、蓮の声色はどこか楽しげだ。
莉緒の震える身体を再び自分の腕の中に閉じ込め、逃げ場を奪うように体重を重ねた。先ほど溢れ出たばかりの大量の愛液と、蓮が外に吐き出した生々しい精液。
それらが極上の潤滑油となり、凶暴な硬さを取り戻した巨根は、何の抵抗もなく、ぬるりと圧倒的な質量を持って再び莉緒の奥へと滑り込んでいく。
「あ……く、ああぁッ!」
一度引き抜かれたことでぽっかりと空いていた喪失感に、強引に熱がねじ込まれる。
絶頂を迎えたばかりで信じられないほど過敏になっている内壁に容赦ない摩擦が加わり、莉緒は声にならない悲鳴を上げた。
「……彼氏がいる子とするの初めてだけど、背徳感っていうの? マジやばいなこれ」
「ねぇ、もう……、だめ……」
「だめって言いながら、こんなに俺を受け入れてるくせに? 莉緒も、ホントはこういうスリルが好きとか?」
「ちがッ……! すきじゃ、ない……ッ、こんなの……体質なのッ、最低ッ」
(違う。わたしは元々感じやすくて、悠真くんとでも何回もイっちゃう体質だから……ただそれだけだ。蓮君が凄いわけじゃない)
(ただサイズが大きすぎて、刺激が強すぎるだけ……!)
必死に強がる莉緒の逃げ道を完全に塞ぐように、蓮の両腕が背中から腕ごとぎゅっと強く抱きすくめた。
豊かな胸がひしゃげるほど強く密着させられ、莉緒は身じろぎ一つ許されないほどの力で拘束されてしまう。
「ねぇ、悠真くんと俺、どっちが気持ちいい? ちゃんと声に出して答えてよ」
「……この、ばかっ……AVの、見過ぎ……ッ」
耳元で低く囁きながら、蓮はふと思い立ったように、小ぶりなピアスが光る莉緒の耳たぶを唇で食んだ。試しに耳の裏から内側の柔らかな窪みへと、ぬちゃりと生々しい音を立てて舌を這わせた瞬間――その効果は恐ろしいほど覿面だった。
「ひゃんッ♡♡ ぁ……あ゛ッ!?♡♡♡」
ビクゥッ! と、莉緒の小柄な身体が雷に撃たれたように大きく跳ねた。
下から急所を抉り上げるような突き上げに加えて、耳元に直接響く卑猥な水音。未体験の鋭い刺激が重なり、脳髄に強烈なノイズが走る。
蓮は莉緒をきつく拘束したまま深く押し込んだ状態をキープし、腰の筋肉だけを精緻に操って恐ろしいほど小刻みに打ち付け始めた。
最も敏感な粘膜の急所だけを、一切の休む間もなく、電動のバイブレーションのように連続して的確に削り上げてくる。
「あ、ひぐッ……ぁ、あぁぁッ! だ、めッ、おかしくなっ……あ゛ッ!」
声帯が引き攣り、甘く裏返った悲鳴が教室に響いた。拘束のせいで逃げることもできず、彼女は真正面からその致死量の快感を浴び続けるしかない。
必死に口を塞ごうとしていた両手はとうに力なく垂れ下がり、防音の役割すら果たしていない。快感の波状攻撃に呼吸が追いつかず、ヒック、ヒックと泣きじゃくるようなしゃっくりが混じる。
(むりッ、むりむりむりッ……! なにこれ、あたま、おかしくなるッ)
心では『悠真くんがいるからダメだ』と全力で拒んでいるのに、一番敏感な場所を的確に削られるたび、神経が勝手に凄まじい快感を拾い上げてしまう。
好きでもない相手であっても、圧倒的な快技で捩じ伏せられれば、身体は残酷なほどあっさりと陥落してしまう。それに、ただのクラスメイトならまだ突き飛ばすこともできただろう。けれど相手は、毎晩のようにDMで秘密を共有してきた男だ。現実では何もないと高を括っていたはずが、脳の奥底ではとうの昔に温まりきっていたのだ。
誰かに見つかるかもしれないという密室の恐怖。
悠真を裏切っているという強烈な罪悪感。
そのすべてが心臓が破裂しそうなほどのスリルとなって、蓮が与える快感を何十倍にも増幅させていく。
比較するどころか、思考そのものが機能不全に陥っていく。
大好きな悠真の顔も、ここが学校であるという危機感も、全てが真っ白な光の中に吹き飛んでいく。絶対に認めたくないが、彼女の柔らかな身体は、強制的に蓮の快感へと作り替えられていく。
「あ゛ッ、ひぃッ!♡ いくっ、まっていくッ!♡♡」
限界を超えた瞬間、ついに莉緒の口から恥も外聞もない嬌声が弾けた。
普段の彼女は、まるでアニメのキャラクターのように高くて可愛らしい、よく通る澄んだ声をしている。耳障りな不快感など一切ない、誰もが惹きつけられるような愛らしい声。
そんな彼女の整った可愛い顔と甘い声が、今は唾液に塗れ、快感に濁りきった下品で汚い喘ぎとなって教室に響き渡っているのだ。
学園の人気者である宇佐美莉緒が、理性を投げ捨てて卑猥な声を垂れ流している――その残酷で淫らなギャップが、蓮のサディスティックな興奮に致死量の油を注いでいた。
艶やかな黒髪を乱して首をガクガクと後ろに反らせ、莉緒は喉の奥を詰まらせたような生々しい絶頂の声を上げながら、息継ぎすら忘れて強制的に果てしない絶頂の渦へと引きずり込まれていく。
莉緒の中の、絡みつくような極上の肉襞が限界を超えて収縮し、蓮の巨大な熱をギリギリと締め上げる。
その狂おしいほどの快感に、蓮もまた、射精の限界点をあっさりと突破していた。
完全に雄としての本能に呑み込まれた今の彼に、途中で引き抜くという選択肢はとうに消え失せていた。
「莉緒っ、俺もう無理だッ! 中に、だすッ!」
「あ゛ッ!?♡♡ むり、だめぇッ、なかはっ……イクイクイクッ!♡♡」
必死に首を振る莉緒を見て、蓮の口角が歪に吊り上がった。
「そういえばDMで、彼氏のためにピル飲んでるって言ってたよな?」
「え? なんでっ、それっ♡」
彼氏である悠真が中に出すための、絶対の安全網。
それをただのクラスメイトである自分がそっくりそのまま利用してやるという、歪んだ優越感。
蓮の瞳から、最後の理性が完全に吹き飛ぶのがわかった。
「莉緒っ、だすッ! 俺のでいっぱいにしてやるッ!」
「やだいやだぁ♡ あ゛あ゛あ゛ぁぁぁッッ!!♡♡♡ いやぁっ、あつい♡♡」
最も深い場所を無慈悲に抉り上げるような一撃。
それと同時に、蓮の先端からドクドクと、行き場のない大量の熱い白濁が、莉緒の最奥へと容赦なく吐き出された。
決して汚されてはいけない場所。悠真だけのもの。
大切に扱ってきた絶対の聖域が、別の男の暴力的な熱によってドロドロに満たされていく。
「あ゛ッ……♡ ひ、あぁっ……♡♡ なか、あついぃぃっ……♡♡」
直接注ぎ込まれる火傷しそうな体液の温度と、内側からパンパンに満たされる圧倒的な膨満感。
それは莉緒の防衛線を完全に粉砕する最後の引き金となり、彼女は白目を剥くようにして天井を仰ぎ見ると、今日一番の長く、深い絶頂に全身をガクガクと痙攣させた。
――やがて、激しい嵐が過ぎ去る。
「……っ、ふぅ……」
蓮が名残惜しそうに、ゆっくりと腰を引き抜いた。
「......っぁ♡ 」
抜け出す瞬間に響いた卑猥な粘着音とともに、注ぎ込まれたばかりの白濁が、だらしなく開かれた莉緒の秘部からとろりと溢れ出し、冷たい机の上へとポタポタと滴り落ちていく。
内側がふっと空っぽになる喪失感。
それでもなお、莉緒の下腹部にはジンジンと粟立つような強烈な絶頂の余韻が居座り続け、机の上で完全に腰が抜け、後ろ手にだらんと身体を支えたまま、甘く熱い呼吸を繰り返すことしかできなかった。
熱がスッと冷めた瞬間に襲ってきたのは、凄まじい自己嫌悪だった。
波が引くように少しずつ理性が戻ってくると、あとに残ったのは圧倒的な罪悪感と、「中にまで出されてしまった」という取り返しのつかない冷ややかな現実だけだった。
「…………」
「…………」
どちらからともなく、示し合わせたかのように重苦しい沈黙が降りる。
無言のままティッシュを引き抜き、気まずそうに目を逸らしながら、互いに乱暴な手つきで汚れを拭き取っていく。
カサカサという紙の擦れる音だけが、無人の教室に不自然なほど大きく響いた。
夢から覚めたような手つきで股間を汚した液を拭い、湿った下着をそそくさと引き上げて、ぐちゃぐちゃに乱れていた制服を整える。
先ほどまで快感に蕩けて生々しい声を上げていた表情は完全に消え失せ、そこには張り詰めたような硬い空気が戻っていた。
鞄をひったくるように手に取り、教室の扉の前でピタリと足を止め、振り返りざまに冷たい視線を蓮に向けた。
「……私が悪かった。隙を見せたのも、流されたのも」
声は微かに震えていたが、瞳には明確な線引きと激しい拒絶の色を浮かべたつもりだった。
「だから、もうやめよ。……こんなの、洒落にならないでしょ」
言い捨てるなり、莉緒は蓮の返事を待つことなく逃げるように教室を飛び出した。
バタンッ、と冷たく閉ざされた扉の音が空虚に反響する。
夕闇に染まる廊下を、足をもつれさせながら駆け抜けた。
息を切らし、震える手で鞄からスマホを取り出す。
画面を開き、大好きな彼氏である悠真のトーク画面をタップした。
『委員会の仕事やっと終わったよー』
『疲れたぁ』
タップする指先が微かに震えている。
自分がただ委員会の仕事をしていただけだと、何事もなかった日常を取り繕うための、必死の現実逃避だった。
すぐに悠真から『お疲れ 今から会える?』と返信が来る。
画面の向こうの優しい言葉に胸が締め付けられるが、今日だけは絶対に会うわけにはいかなかった。
『ごめん、今日は疲れちゃったから家に帰るね』
そう打ち込んでスマホをしまう。
下腹部には、まだ蓮から注ぎ込まれた生々しい熱と白濁がたっぷりと居座り、歩くたびに粘り気のある違和感を主張してくる。
一刻も早く家に帰り、シャワーを浴びて、悠真以外の男の痕跡を物理的にも精神的にもすべて洗い流したかった。
しかし――ふとした瞬間に、脳裏にフラッシュバックするのは、あの暴力的で常軌を逸した快感。
あんなにも激しく身体の奥を削られ、作り替えられてしまったような快感が、歩くたびに下半身の熱い疼きとなって蘇り、莉緒を絶望的な自己嫌悪へと突き落としていくのだった。