※この作品はR-18です。

俺の知らないMODが適用された『ZERO Sievert』の世界に転生したようだ。   作:シコルスキー・ジョボジョボヴィッチ

5 / 7
食料問題を解決しよう①:宿舎エリアとヤバイ奴ら

 

 

 

ゼロ・シーベルトというゲームは、結構な高難易度ゲームとして知られ・親しまれていた。

 

 

かくいう俺も親しんでいたプレイヤーの1人で、MOD利用についても十分理解・知識があると自負している。

 

MODと聞くと、もしかしたら「違法改造」という印象を持つ人もいるかも知れないが…このゲームに関しては、ちょっと事情が異なる。

 

というのも、内部値を変更するようなMODを前提としない場合、武器のバランスや敵の攻撃力などがピーキーすぎて、ちょっと索敵をミスっただけで一瞬で溶けて死ぬのである。

 

そして、開発者はそのピーキーさも愛しているようだったが…同時にユーザーの自由な楽しみ方も愛していたようで、なんと公式からMODの利用を推奨するような情報提供や、MODを導入しやすくする公式アップデートまで行うほど、MOD利用に肯定的なのである。

 

 

ビジュアル的には「2頭身キャラたちがウロチョロして豆鉄砲みたいな弾丸を撃ち合うだけ」といった感じで、昨今の超ハイクオリティ3Dゲームに慣れた人たちにはショボく見えるかもしれない。

 

だが…味のあるドット絵を受け入れ・楽しむことが出来るのなら、ピーキーすぎるデフォルト環境もこれはこれで面白いし、武器や防具などのバランスを上手く調整して自分だけの楽しみ方を探し出すなり、ともかく「噛めば噛むほど味があるガム」みたいな面白さがあるのだ。

 

…まあ、新しいステージやクエストが追加されるたびに「バランス調整がクソすぎる!もう完全にアーマーの意味ないやん!」などと界隈内で騒がれるくらい、やっぱりちょっとデフォルト環境がヤバイんだが…。

 

 

…そんな事を考えながら、ずらりと並ぶMODリストにもう一度目を通す。

 

「傭兵MOD」「拠点拡張MOD」「アーマー改造MOD」なんかは、まあ良いと思う。

詳細は不明だが、名称から察するに便利系のMODだろう。これについては問題ないどころか、むしろありがたい。…まあ、アーマー改造は敵も恩恵を受けている可能性があるから、喜びきれない部分かもしれないが。

 

「売春MOD」「変態MOD」「妊娠MOD」あたりは…まあ、エロMODなのだろう。

元のゲームが2D・2頭身のミニミニドット絵のキャラが動き回るゲームだというのに、そんなものにエロを導入するためのMODを作り上げるなんて、ようやるわと思うけどな。

 

そして、「ミュータントヒューマンMOD」「人体改造MOD」「サイバネティックMOD」とかいうヤバイ名称のMODたち。

恐らく、メリットもあるのだとは思うが…こんなん絶対に「敵としてそういうのが出てきますよ」ってことやん?恩恵よりも恐怖の方が勝る。

 

どうにか、ヤバめのやつだけでも良いからオフに出来ないか…と弄くり倒してみたが、やはり無理だった。ぐぬぅ…。

 

 

逆に、何らかのMODの開発やインストールができないかとも探ってみたが、これもダメ。

 

少なくとも、デバイス単体では、このメニューはただの「MOD名称リスト」としてしか機能していない。

 

このデバイスそのものの解析やプログラムのインストールができる環境が無いと話にならないようだが…。

うーん、それが出来そうな人に何人か心当たりはあるものの、最初から協力してくれるとは思えない。

 

それが本当に出来るかどうかを確かめるには、結局今の状況・環境のまま、信頼と評価を上げるために探索に出なければならないということか…。

 

 

嘆いてばかりいても仕方がない。

 

ともかく、できるだけ早めに拠点の拡張・開発を進め、並行して経験値稼ぎなどしてスキル習得ができるか確かめねばならない。

 

拠点の拡張・開発も、経験値稼ぎによるレベルアップやスキル習得も、ゲームの仕様通りなら基本的には「プレイヤーキャラをパッシブ強化する」ということに直結している。

 

この世界で生き残るためにも、どちらも強化しまくって損はない…というか、デフォルト環境のシステム数値が適用されてるなら、それらの強化を前提とした武器火力になっているので、早く用意しないといつ死んでもでもおかしくない。

 

 

ただ、拠点設備の開発のための資材が全く集まっていないこともあり、この場でうだうだと悩み・考えてばかりいても何も進まない。

 

そんな逸る気持ちのままに、今すぐにでも装甲列車に飛び乗って資源集めに向かいたいところなのが…今の俺の疲労具合では、辿り着いた先ですぐに疲労が限界に達し、ろくに歩き回れなくなるだけだろう。

 

ちなみに、どういう理屈かは知らないが、デバイスには俺の「空腹状態」「水分不足状態」「疲労状態」「被爆状態」が数値化・メーター化して表示されており、いつでも自分の正確な健康状態が把握できる。

 

その表示情報によると、俺の疲労度は大幅なマイナスにまで達している。

これは、ゲームの仕様そのままなら、だいたい8時間以上の睡眠時間を要する、大疲労状態という扱いで、全く走ることができなくなり、ノロノロ歩くだけの射撃の的になってしまう。つまり、この状態で外に出たら死ぬ。

 

 

ここはいったん睡眠を取って、しっかり疲労を回復しきってから…睡眠時間が経過した分の空腹や水分不足状態も発生するだろうし、その後にバーマンのところで食事をとって、それから出かけることにしよう。

 

そうと決まれば、さっさと寝るに限る。

 

俺はバーマンの説明を思い出しながら、ハンターたちが寝泊まりする部屋まで拠点内をキョロキョロ観察しつつ移動した。

 

 

 

 

ハンター用の区画の中でも「宿舎」と呼ばれているエリアにやってきた。

 

 

ハンターが寝泊まりする部屋は、基本的に1部屋につき2つの2段ベッドが組まれている、4人部屋のようだ。

 

ちなみに、部屋ごとの扉というものはなく、中を見放題どころか、止められない限り入り放題となっている。セキュリティがガバガバどころではない。

 

各部屋の構造はどれもほぼ同じで、そんな部屋が廊下の左右にずらりと並び、ざっと数えたところ40部屋ほどある。

 

…ただし、その中でも、なぜか一番手前の2部屋だけは1人用の個室となっており、チラリと目線だけ送って覗き見た限りでは、(他の部屋と比べたら)もの凄く快適そうな部屋づくりとなっていた。

 

片方の部屋には空いた酒瓶が散乱していて、もう片方にはダンベルなどの筋トレグッズが散らかっていて、どちらの部屋の住人もなんだかクセがありそうな感じが凄い。今は不在のようで、その姿は確認できないが…。

 

 

エリアの通路を少し進み、誰か居ないかと見て回る。

 

ゲームでは、どのベッドでも自由に練ることが出来る仕様になっていたが…先程の個室のようなものがあったあたり、ベッドごとに使用者が決まっている可能性があると考え、その確認のためにも誰かに少し話を聞きたいと考えてのことだった。

 

…寝入ってしまっている人は見かけられるが、話しかけられそうな人はなかなか見つからない。そんなことを考えていた矢先である。

 

やっと部屋で起きて過ごしている人を見かけたと思ったら、上裸で胸をモロ出しした女が、自身の汗を拭き取っている最中というところに出くわしてしまった。

 

 

女の身体つきは、細いくびれ・ヘソ回りをしていながら、とても大きなデカパイを備えており、ヴィクトルと違って…というと失礼かもしれないが、風船のような張りと瑞々しさがあり、汗を拭こうと腕を回したり腰を捻ったりするたびにブルンブルンと暴れまわっている。

 

そして何より目を引くのは、デカパイに備わっているさらにバカデカい乳輪だろう。

デカパイの直径の半分以上の面積は有りそうな乳輪がアンパン型にもっこりと盛り上がっており、あまりにも盛り上がりすぎて乳首が乳輪に埋もれて締まっており、完全に陥没乳首と化している。

 

地肌は色白で、乳輪はちょっとだけくすんだ桃茶色といった感じだ。

首より上はうっすら日に焼けており、髪は金髪でほんのりウェーブがかかっている。

ただ、その金髪は微妙にくすんでいるというか、よく見ればゴワゴワとしている感じで、髪の手入れというものはしていないような様子もある。

 

顔については、とろりと垂れるような目尻・垂れ目が愛嬌さを醸し出しているが、目元や口元、そのデカパイやヘソ回りなど、いたるところに小さなホクロが見えている。

 

…そんな、全身くまなくエロの塊みたいな女が、そこに居た。

 

 

「…あら?私に御用ですか?」

 

ジッと見入ってしまっていたら、相手に気づかれてしまい、向こうから声をかけられた。

 

汗を拭いている姿からは粗野な振る舞い・人物のように見えたが、しかしその口調や声音の柔らかさは、ある意味見た目通りというか、おっとりとした様子がある。

 

「…えーっと、どなたでしたっけ?私、あなたと知り合いだったかしら…」

 

女は、俺に見られていることについて少し困惑している様子だったが、しかし見られていることを恥ずかしいと思っている様子はなく、なんならそんなことを言っている間も汗拭きを続けている。

 

なんというか、図太いというか、マイペースすぎるというか…この人もまた、クセが強そうだとは思った。

 

 

 

 

「ああ、よかった。はじめまして、で、合っているんですね。 すみません、私、人の顔と名前をあんまり憶えられないので、忘れているのかもと思って…」

 

上裸だった女は、上裸のまま会話を始めた。

 

何だったら、汗拭きを辞めること無く、そのままズボンとパンツまで脱ぎ始めて、ツルツルのパイパンマンコすらモロ出ししている。…あ、マンコにもホクロがある…え、えっちだ…。

 

 

いや、眼福ではあるが、流石に意味がわからない。何やってんだコイツ…?

 

思わずそんな言葉が漏れ出そうになったが、グッと我慢して、「あの、全部見えちゃってますけど…?」と、一応確認する。

 

「ええ、まあ。脱がなきゃ拭けませんからねぇ。 あ、オマンコしたいですか?お金か、虫よけスプレーとか汗拭き用の石鹸やタオルとかもらえるなら、いっぱいオマンコ頑張りますよ! 回復薬をくれるなら、痛くしないなら好きなだけヤッてくれてもオーケーです」

 

そう言って、上裸の女は全裸の痴女に進化し、脚をM字に開いて自分のマンコを両手で広げて見せてきた。

 

…こんなのはもう、間違いなく売春MODの影響なのだろうが…それにしたって露骨すぎるだろ、常識改変系のエロかよ。もしくはそういうバラエティ系AV。

 

 

頭の中でそんなツッコミを入れたものの、身体の方は正直で、俺のマイサンは元気よくボキキッと張り切ってしまっている。

 

こんなエロい身体つきの女を抱けるなんて…そう思い、頷いてしまいそうになったが、その直前に俺の鼻腔に凄まじい激臭が滑り込んできて、ビックリしすぎて身体がビクンッと跳ね上がってしまう。

 

…な、なんだ?この臭いは、どこから…。

臭いをただろうと、一回だけ鼻をスンとならしてしまったのだが、そのせいでより濃厚な激臭が鼻の穴を通り抜けていくことになり、今度は盛大にむせ返った。ヴォエエッ!!

 

 

「あ、ごめんねぇ。ちょっと体臭がきついかもだけど、でもオマンコの具合はいいと思うよ~。 ほら、そんなに相手したこと無いから、色も綺麗でしょ?」

 

そう言いながら、アピールのつもりなのか、さらにクパァと大きくマンコを広げてみせようとしてきたが…その瞬間に、さらに臭いがキツくなった。

 

もう間違いないだろう。

コイツのマンコが、俺の脳が警鐘を鳴らしまくり、身体が拒絶反応を起こすほどの、凄まじい激臭を放っているのだ。

 

 

…よく見れば、広げられたマンコの肉と肉の間に、ねっとりとした糸が引かれている。

 

アレは絶対、愛液とかそういう類の粘液じゃない。

納豆菌みたいなやつがマンコで繁殖し、納豆の糸みたいな粘ついた細い糸を伸ばしているのだ。

 

確かに、言われた通り、マンコの色艶やカタチは凄く良いと思う。

むっちりプリプリの肉厚さと、キュンキュンと弾むようにひくつきながら窄まる様は、エロすぎて飛びつきたくなってしまう。

 

そのくらい、この女の見た目は間違いなく凄まじくエロいのだが…流石に糸引き激臭マンコにチンポを突っ込む気なんて湧くわけがない。

先程まで元気ビンビンの臨戦態勢だったはずの息子も、すっかりシオシオとなってしまっている。

 

完全にヤる気を無くし、冷静になったところで、だからと言ってあまりにも臭すぎるのでこれ以上会話する気にもなれず、「あ、ああ…また今度ね…」とだけ言って、この場はさっさと離れてしまうことにした。

 

 

その女との別れ際に、「うん、今度はオマンコしようね~」とかふざけたことをぬかしやがりながら、マンコの拭き掃除を始めだした。

 

──直後。急に激臭が拡散され、部屋の外まで臭い始めていき…

 

「…ヴォエッ!」

「うぐっ…おい、くっせえぞオリヴィエ!外でやれや! …オェエッ!」

「ウップッ…せ、せっかく食べたもんが、全部…で、出るっ…!」 オロロロロ…

 

…近くの部屋から、そんな阿鼻叫喚の声が湧き上がり始める。

 

 

俺は、この激臭に巻き込まれたくなくて、宿舎エリアの奥へと脱兎の如き駆け足で移動した。

 

背後では大惨事が繰り広げられている気がするが、絶対に俺は悪くないので、ここで逃げ出すことを許してほしい。

俺はたまたま居合わせただけで、あの女は俺があの場に訪れる前から、もうあの激臭マンコをあの場でオープンする気マンマンだったはずだ。

 

俺に売春アピールしようとしたせいで、あの激臭が解放されてしまった可能性が脳裏を過ったが、そうだとしても俺のせいにはしないでほしい。あんなマンコを持ってるほうが悪いだろ、どう考えても。

 

 

ああ、出来ることなら、あの女とは離れた部屋を寝床にしたい。

 

ぐっすりと眠って、しっかりと疲労を回復して、それから拠点開発のための物資集めに出かけたい。

それこそが、この宿舎エリアへと足を運んだ、本来の目的なのだから。

 

 

 

 

宿舎エリアの奥へと進んでいくと、どんどん薄暗く、そして少し淀んだ空気とすえた臭いが立ち込めてきた。

 

…それでも先程の女のマンコから放たれた激臭より100倍はマシだと思えるので、まあ耐えられるが…。

 

 

この当たりの部屋の構造も、先程までの各部屋の構造と変わりない様子なのだが、一部屋につき4人以上の人が密になって寝転がっている様が見られた。

 

中には、一部屋に10人以上がギッチリ詰まっていて、その部屋の中の目が一斉にギョロリとこちらに向かってきたりして、ほとんどホラーな部屋まである。

 

その部屋の中にいる人たちは、総じて身なりがボロく、ちらりと見えた腕や脚は細く、中にはその腕や脚のどちらか、もしくはその両方が無いという人まで居た。

 

…この人たちが、バーマンが言っていた「スカベンジャー」たちなのだろうと察せられる。

 

 

少し各部屋の様子を見てみたが、宿舎エリアの奥側はスカベンジャーたちのたまり場になっていて、それより手前側がハンターたちの寝床という感じで分かれている感じなのか。

 

…うーん。

こりゃあ、奥側じゃあ寝泊まりできそうにないな…。

 

スカベンジャーたちの中に混ざりたくないとかではなく、単純にすし詰め状態の部屋ばかりで、今の俺の巨漢っぷりを考えると、ゆっくり寝られるようなスペースがなさそうに思えるためだ。

 

 

そんなことを考えていたら、前方・やや低い位置から、声がかけられた。

 

「なあ、ニイチャン。アンタ、もしかして新人かい?」

 

周囲を観察しながら、そして考え事をしながら歩いていたせいで、むしろ前方の注意が疎かになり、声をかけられるまでその存在に気づかなかった。

 

頭の位置が、俺の鳩尾辺りの高さまでしか無い。

…ざっくりと、120cm前後ってとこだろうか、身長だけなら子供にしか見えない。

 

髪色は真っ黒で、ボサボサどころかゴワゴワであり、目元や顔の輪郭などがほとんど隠れていて、顔立ちから年齢や性別を想像することはできない。

 

 

が、しかし。

その胸部には中々に大きなボールが詰まっているようで、2つ合わせて頭とほぼ同じ大きさとなるほどの肉塊がユサッユサッと揺れながらその存在を激しく主張しており、それが偽乳でないなら確実に女だろうということだけはわかる。

 

アーマーなどは着込んでおらずボロキレのような布を貫頭衣として着ているだけのようなのだが、その下は明らかにノーブラで大きな乳首がプックリと布を突き上げているのが、凄くえっちだ…。

 

…対して、腕も脚もハッキリ見えているからよくわかってしまうが、四肢が棒切れのように細い。

骨と皮だけ…とまではいかないが、それでもその四肢の細さから察するに、確実に痩せ過ぎである。

 

 

小柄な女は、俺がじっくりとその様子を観察しているのを黙って待ち、嫌がるようなことはなく、ただ俺の視線を受け入れ続けた。

 

むしろ「なんだ、アンタ、もしかしてこんなチンチクリンでも買ってくれるのかい?」と言いながら、ボロキレの裾の部分をたくし上げ…細すぎてちょっとだけ骨が浮き上がった鼠径部と、面積は狭いがしっかりとしたマン毛が生えた、小ぶりなマンコを見せつけてきた。

 

…売春MODのせいだとは思うが、ここにいる女どもはみんなこうなのだろうか?

 

ちょっと観察していただけで、次には売春だと思ってマンコを見せびらかすって…いや、見るだけなら、眼福だからいいんだが…最初にそうやってきた女のマンコがアレすぎたから、どうしても警戒してしまうな…。

 

 

しかし、誰かに話を聞きたいと思いつつ、スカベンジャーたちがギチギチに詰まっている部屋に突入する勇気はなかったので、話しかけてくれる人がいるというのは本当にありがたい。

 

売春についてはいったん横に置くとして…俺は、「ああ、新人ってことになる。ちょっと話を聞きたいんだが、いいか?」と尋ねた。

 

「へへ、そうだろうなと思ったよ、見たこと無い顔な気がしてたからね。 いいよ、アタシで良ければ、何でも聞きなよ。 …その代わり、ちょっとだけでいいから小遣いをくれよ。腹が減っちゃってさ、な?いいだろう?」

 

女がそう言った直後、「キュークルル…」という可愛らしい腹の虫の音が鳴り出し、女は照れる様子もなく、ただ困ったような声音で「…ほらな?」とだけ言った。

 

 

 

 

小柄な女に先導され、宿舎エリアの通路を抜けた先にある、射撃訓練場までやってきた。

 

弾代がもったいないのでほとんど誰も使わないが、それなりに防音性に優れているし、かなり開けた空間なので悪さもしづらい。

 

お互いに信用しきれる関係じゃないのだから、このくらいの場所で話すのがちょうどいいだろうと、女は語る。

 

 

俺に色々と教えてくれると買って出てくれたこの小柄な女は、名前を「シャオシュン」といい、黒髪や名前の響きの通り、中国人だそうな。

 

この見た目で、年齢は20歳だと言い、なんなら元はもっとスリムで身長も高かったのだという。

 

「ここ数年で、アタシみたいになにかしらの体型の変化が現れる奴らがどんどん現れたんだ。身体が縮んだり、逆にデカくなったり、獣みたいに毛深くなったり、そもそも人じゃなくなったり…。 ああ、医者とか研究者に見てもらうべきとか、そんな余計なおせっかいは考えないでよね。 そんなことを言って、科学者チームに体のことを見せに行ったやつもいたが…それ以降、ソイツの姿を見かけなくなったよ。 アタシは、こんな見た目になっちまったが、生きられるなら生きたいんでね」

 

…科学者チームの連中というのは、聞けば聞くほどマッドな奴らというか、とにかく評判が悪いことだけはよくわかった。

 

 

それにしても、肉体の異常な変化というのは聞き捨てならない。

 

身体がデカくなるくらいなら、成長と思えなくもないが…縮むというのは明らかに異常だし、人でなくなるというのはもはや体型の変化どころじゃあないだろ。完全に、某・バイオでハザードな感じの世界観じゃないか…。

 

俺自身は…パッと見た感じや、自覚症状的なところで言うなら、そういう感覚はまったくないんだが…数年前から多くの人々に発生しているということは、実は俺自身も既に何かしら影響を受けている可能性だってあるのかもしれない。

 

まあ、メタ的に考えると、プレイヤーはゲーム開始時点ではニュートラル状態で始まるだろうし、多分体丈夫なんだろうけど…。…大丈夫だよね…?

 

 

ともかく、シャオシュンは生まれや育ちの事情などで、世界がこうなる前のとても幼い頃からゴミ漁りをして過ごしていたようだ。

 

そして、世界が荒廃したあと、難民キャラバンに紛れて移動するなどして中国から陸路でここまで辿り着き、まだこの拠点がここまで巨大化するより以前…緑軍が助けに来たり・ハンターたちに助けられたりしていた混沌とした時期に、運良く避難民を装って紛れ込んで、その後にちょっとしたトラブルもあったが、正式に仲間に加えられたのだそうな。

 

流石にバーマンほどじゃないが、この拠点の生き字引と言ってもいいくらいに長く過ごし・生存しており、この拠点での生活のことなら何でも教えられるという。

 

そういうことなら、本当はさっさと寝てから探索に出るつもりだったが、このシャオシュンから色々と話を聞かせてもらってからにしようと、予定を変更することにした。

 

バーマンに色々と聞けたらよかったんだが、あんなに大勢の人が集まる場所で、しかもバーマンが注文を受けて忙しそうにしているところに何度も質問を浴びせるのはなぁ…なんて引け腰になってしまっていたので、まさに渡りに船と言って良い。

 

 

…と、話を聞く前に、シャオシュンは見返りに食料が欲しいということだが、大体どのくらいを求めるつもりなのだろうか。

 

「出来ることなら、100ルーブルも貰えたらありがたいけどね、贅沢は言わないよ。売り物にならないような食料クズでも良いんだけど、なにか無いかい?」

 

……そんなもんでいいのか?

それなら、先に100ルーブルを手渡し、「俺が満足できるだけの話を聞けたら、もう100ルーブル出すから、色々教えてくれ」と頼むことにした。

 

「…! アンタ、お人好しすぎるんじゃないかい? 話を聞く前にこんなに渡しちまって…こいつはもう、返せって言われたって返さないよ? なんなら、もうアンタに何も話さなくたって、これだけありゃあ腹は膨れるんだ。そう考えりゃ、アンタとの話はこれで終わりだって言っても良い状況なんだよ?わかってんのかい?」

 

シャオシュンは、酷く呆れたというような様子で、説教をするように俺の行動を咎めてきた。

 

…この感じ、そう言えばヴィクトルからも似たようなことを言われてたな…食料は大事なんだぞって…。

 

 

シャオシュンは、気前よく金を出してくれた俺の質問に、本当になんでも答えてくれた。

 

ただし、「※シャオシュンが知っていることに限る」という注釈が付くような内容でもあり、緑軍やクリムゾン社のことについてはほとんど何も知らず、科学者チームのことについては「近づきたくもない…調べてこいって言われても、絶対嫌だよ」と言うので、実質的に聞けるのはハンターやスカベンジャーのことについてばかりになる。

 

 

ハンターやスカベンジャーの寝床について。

 

スカベンジャーだからといって、宿舎エリアの奥を使わなきゃいけないってわけではないらしい。

 

ただ、周囲から浴びる「見下すような視線」を避けるためだったり、なにかトラブルがあったときに真っ先に疑われるということを避けたくて、自然とスカベンジャー以外の連中から離れた場所を寝床に選ぶやつが多く、今じゃあんな状況になっているのだという。

 

スカベンジャーの中には、怪我などを理由に戦力にならなくなった元ハンターの人も混じっているが、そういう人も「お荷物扱いで接されることに耐えられない」という理由で、結局スカベンジャーたちが集まっている部屋に移住することが多いようだ。

 

 

ハンターの寝床のうち、最初の2部屋の個室について。

 

この拠点で最も実力がある2人が、それぞれバーマンの許可を得て個室に改造した結果、ああなったのだという。

 

この拠点内では、特別に実力があるとバーマンに認められた人には、ああして個室が与えられることがあるのだそうな。

 

…一見するとご褒美のように見えなくもないが、実態としては実力の差がありすぎて、トラブルが発生したときに一方的に虐待か虐殺などされる可能性があるので、隔離しなければ危険だというバーマンなりの判断らしい。

 

この拠点で長く過ごしているやつは、個室を与えられているやつは良い意味でも悪い意味でも特別であると理解しているので、やっかんだりしない。やっかんだやつは、たまに行方不明になっている。恐らく、死んでる。

 

 

筋トレグッズが並んでいる方が「ジャック」という男ハンターの部屋で、一見すると紳士的で理性的なように見えるのだが、人間同士での本気の殺し合いを好む異常者でもある。

 

こんな世界になってくれたことを、その心情を誰に隠すこともなく心底喜んでいるらしく、あとは筋トレグッズなどを見て分かる通り、日夜人殺しのための特訓に励んでいるらしい。

銃撃戦が基本のこの世界で、普通に対人近接格闘術を取り入れており、緑軍などから下ろされる暗殺任務の多くは、この男がこなしている状況にあるそうだ。

 

そんなヤバイやつでも、生活するための安全な拠点というものは必要なので…ゼロ・シーベルトの仲間や協力者のことは殺さないと約束し、この拠点で活動しているのだそうな。

 

 

もう片方の、空いた酒瓶が転がりまくっている方が「フランチェスカ」という女ハンターの部屋となっており、凄まじいまでのアルコール中毒で酒がないとまったく働かず…今日は珍しく不在のようだが、基本的には部屋でだらけてばかりいる。

 

ただし、酒を与えると神か悪魔の如くといった凄まじい実力を顕にし、難しい依頼でもしっかりこなして生きて帰ってくるという、酒神バッカスの化身のようなやつでもあるらしい。

 

部屋に居ないということは、酒を与えられてどこかに出向いているはずであり、部屋にいる時は凄まじいアルコール臭が部屋から漏れ出ているからすぐにわかるとも教えてくれた。

 

 

…予想はしていたが、あの2部屋の住人、どっちもクセが強いどころじゃなくてワロタ。

 

いやもう、笑うしかねえよ。

片方は完全に快楽殺人鬼じゃねえか。

 

その快楽殺人鬼が「生きるために拠点が必要だからここに居るだけ」って言ってるってことは、食料問題が深刻化したらコイツの手綱が握れなくなるってことなんじゃないか?

 

 

というか、ここまでどれもこれも原作のゲームにはなかった話・設定ばっかりじゃないか…。

 

こりゃあ、本格的にゲーム知識が信用ならなくなってきたな。

少なくとも、システム面の知識はまだ役に立つ場面もありそうだが、ストーリーや人間関係については、ゲーム知識通りじゃないと思っていたほうが良さそうである。

 

 

やはり、シャオシュンに声をかけてもらえたのは幸運だった。

 

特に、危険人物の存在を知ることが出来たのは大きい。

ジャックとかいう男ハンターとは、フィールドで出会っても絶対に近づかないようにしよう。

 

俺はシャオシュンに感謝の念を無言で送りつつ、他にも気になっていたことをどんどん聞いていくのだった。

 

 

 





▼プロフィール_05:シャオシュン/小春(スカベンジャー)

・カテゴリー:人間(中国人)
・所属:中立(傭兵)
・性別:女
・年齢:20
・身長/体重:121cm/26kg
・スリーサイズ:108cm-32cm-38cm
・経験人数:0人(102回)
・一人称/二人称:アタシ/アンタ
・好き/嫌い:お金・貯金/お酒・贅沢

・備考:見た目はロリ爆乳、頭脳はちょっとだけ大人。その名は、スカベンジャー・小春。

子供としか思えない低身長なのだが、頭の大きさは成人相当であり、胸も超爆乳であるため、周囲からはちょっと気味悪がられている。
表情はゴワゴワになった髪の毛で殆ど見えないが、切れ長の目尻がほんのり吊り上がり、きちんと手入れさえすればクールな美人になりそうな素材を持っている。

16歳頃までは身長が160台まであり、胸も控えめな大きさだったのだが、その頃から徐々に胸が大きくなり、代わりに身体が縮んでいくという奇病・怪現象が続いている。
本人はその原因にハッキリとは気づいていないものの、その頃に野外で生物型アノマリーに襲われ、命からがら逃げ帰った事があったので、あの時に自分の身になにか起きたのではないかと薄々感じている。

身体が縮んでしまい、筋力や体力が文字通り子供(小学・低学年)並になってしまったことに加え、頭と胸が重く重心が不安定で上手く走れなくなってしまった。
そのため、もう1年以上はまともにゴミ拾いのための野外探索すら行けておらず、これまで趣味と実益で頑張って貯め続けてきた貯金を崩し・使い潰しながらなんとか生きながらえている。

なお、性交経験はない(やっても素股まで)が、胸が大きくなったおかげでパイズリを買われることがそこそこあり、おかげでちょっと小銭稼ぎが出来ている。

今回、アダムから100ルーブルをポンと渡され、さらに条件はあるが追加でもう100ルーブルをくれるとまで言われた時、実は内心で犬のごとく大喜びしていた。

…が、それを素直に表に出したりはしない。
この世界では、それこそ比較的平和であるはずのゼロ・シーベルトという拠点ですら、弱みを見せれば付け入られ、残酷な目に遭うことは珍しくもないのだから。

アダムのことをカモろうという気持ちも無くはなかったが、それよりもキチンと親切にして友好関係を築けたほうが旨味があるタイプかも知れない…と、シャオシュンの嗅覚が嗅ぎ取ったようだ。


▼主な能力

1,スカベンジャーの心得・極:スカベンジャーとしてとても多くの経験を積んでおり、一見すると何もない場所でも「素材アイテム(クズアイテム)」を拾い集めることが出来るという才能・能力として発揮される。傭兵として連れ歩くと、ただ移動しているだけでどんどん素材アイテムを集めてくれる。ただし、自身が安全に移動できる限界の量(重量限界)を越えてまでは集めないので、もっと多く集めてほしいならこまめに集めたアイテムを回収・プレイヤー自身で持つようにしなければならない。

2,変態ボディ(ミュータント化):ミュータント化の影響で胴体・四肢が縮んでしまい、さらに胸だけ著しく大きくなってしまっている。どちらも実質的な弱体効果だが、そこそこ深刻なミュータント化となっているため、その影響により被爆耐性が向上し、アーマーなしでもレベル3までの放射能汚染を無視できる。それ以上~計測可能な最大値であるレベル5を振り切るような環境でも、いきなり致命的なダメージを負うようなことにはならない上に、アーマーを着用すれば自身の体質とアーマーの被爆耐性が加算されることになり、強靭な被爆耐性を維持しながらの活動も可能となっている。また、代謝が低いので空腹や水分不足の数値の減りが少しだけ遅くなる。代わりに疲労は蓄積しやすいので、やはりデメリットのほうが強い。

3,鑑定眼:お金が好きで、必要最低限のものだけ残し、他はお金に変えるということをずっと繰り返し続けた結果、店にあるリストを確認しなくても物の値段を言い当てることが出来るというスキルを身に着けた。傭兵として連れ歩くと、集めたアイテムの具体的な値段がいつでも確認できるようになる。

4,ノーハンド・スタイル:武器を持たない場合、移動速度や最大所持重量が上昇する。武器を持たずに出歩き続けた結果、身につけたコツのようなもの。素の身体能力が低すぎて、これでも他の標準的なスカベンジャーより役に立たないのだが…シャオシュンがお金を得て喜ぶ姿・セリフを見たいという人は、それでも愛を持って連れ歩いてあげよう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。