俺の知らないMODが適用された『ZERO Sievert』の世界に転生したようだ。 作:シコルスキー・ジョボジョボヴィッチ
「Zero Sievert」はとても面白いですよ。
興味がある方は、是非遊んでみてください。
脱出地点の近辺には、必ず「荷物を満載したハンターを狙う、ハイエナ野良ハンター」が湧いている。…っていうのを知っていないと、脱出直前で油断したところを狙われ、ぶっ殺されたりして、心折れるかもしれませんが。いや~!お慈悲~!
この世界に慈悲なんて無いよ。
*
シャオシュンから色々と、本当に役立つ・有益な情報を聞いていた最中、ふと「そう言えば、なんかやたらと売春しようとしてくる感じがあるけど、アレは何だ?」と聞いてみた。
「えっ、まさかアンタ、その見た目とガタイで…?」
…?……!?
は、はあ~~~~!?!?
どどっどどど、童貞ちゃうわ!!
せめてそう呼びたいなら素人チェリーと呼んでほしいところだ。
…いや、記憶をたどると、「今の俺の身体」は、マジで童貞らしい。うおっ…。
まあ、まあ。ここは童貞ではないとだけ弁明しておこう。
そもそも童貞かどうかは関係ないっていうか、ホイホイと売春しようとしてくる奴が居るのが気になったという話だ。それこそ、シャオシュン含めて。
「ああ、なるほど、他じゃ珍しいってこともあるっちゃあるのか。…世の中がこんな事になってからは、割とどこでもこんな感じだと思ってたけどねぇ…?」
シャオシュンは、中国の端っこから、大移動しながらここまでやってきたという経験があり、そのため他所の一般的なベースキャンプの事情や世の中の需要というものに結構詳しい。
そのシャオシュンが言うのだから、売春行為は本当に特に珍しいことではないということなのだろう。
もう少し深堀りして、ここ…ゼロ・シーベルトでの売春のルールについて詳しく聞いてみる。
「おお、なんだいなんだい、随分と興味津々だねぇ…♡ フフ、アタシはこんなナリだからオマンコに挿れさせてあげるのは難しいけど…ほら、こっち(胸)がこんなにあるからね。 オマンコ出来ない代わりに割安にしてあげるから、いつでも買ってくれよな~…♡」
シャオシュンは「にひっ」と含み笑いを溢しつつ、両手でその爆乳を持ち上げ・ユサユサとと揺らしてみせた。おほっ…。
うん、うん。
ちょっとすえた臭いがするけど、さっきの殺人マンコよりは圧倒的にマシと言うか、単純にちょっと皮脂の臭いが濃くなってるくらいだから、ヤる前と後で身体を綺麗にできるなら買っても良いかもな…。
うっすら・半ボキキくらいチンポが反応したが、しかし流石にちょっと小汚すぎるシャオシュンをこの場で買う気までは湧かず、ともかく今は詳しく話を聞かせてくれるようにと催促しなおした。
*
ゼロ・シーベルト内での「売春」のルールは、大きくは3つ。
1,取引方法について。
個人同士の取引に限定し、仲介や娼館の経営はNG。
顔役たちは、売春行為に関してルールを守っている限りは基本的には関与しないが、拠点内の規律や風紀を重大に乱すと判断された場合は、忠告を行う場合もある。
…実のところ、緑軍は「士気の維持や風紀のため、施設内に慰安エリアを用意してほしい」と希望していたらしい。
だが、当の緑軍は「軍が娼館を経営するわけにはいかないので、他の組織がやってくれ。できれば、医療に明るい奴がバックについて、役に立たないスカベンジャーを娼婦にしよう。」などとかなり横暴な要望まで出し、ハンター側の顔役であるバーマンと、科学者チーム側の顔役であるドクターと呼ばれる男が揃ってブチギレて、ご破算になったという経緯があるのだそうな。
そんな事があったため、娼館経営がNGと明確にルール化されてしまった。
もしも娼館を作りたい・経営したいというやつが居るなら、最低でもその2人の顔役の許可とルールの改定は必須となる。
2,行為する場所について。
場所は通路のド真ん中とかじゃなければどこでヤッても良いが、緑軍の区画と科学者チームの区画では、それぞれの区画の代表・顔役の許可がない限りNG。
なお、ハンターが利用する区画での行為の許可は、バーマンが出している。
拠点内のほとんどの区画・部屋には防音環境がないが、バーの個室だけは防音環境が整っている(ネットワーカーがそれを望み、改造を施した結果)ため、どうしても個室でやりたいならバーマンに部屋代を払うと良い。
…それは売春行為の仲介や、実質的な娼館なんじゃあないかって?
いや、いや。あくまで、バーマンは部屋を貸すだけ。
バーマンが紹介してくれる人物は、基本的に「傭兵」としてだけの扱いであり、売春相手ではない。…という言い分で通っている。
雇った・雇われた傭兵が勝手に売春行為を働く分には、バーマンは知らぬ存ぜぬというスタンスなのだそうな。
3,取引の価格について。
取引は、お金の場合は「ルーブル」に限定し、ルーブルが用意できない場合は物でも良いとする。
価格設定や相場は個人によるので、文句があるなら買わない・売らないか、各自に値下げ・値上げ交渉など行う。
なお、傭兵の中には「お金がないから、売春を代金代わりにしたい」などと言うやつも稀にいるが、売春行為を「傭兵として雇うための報酬」というカタチにすることは、バーマンが認めていないのでNGとなる。
傭兵として雇うための報酬は、前金(傭兵側が希望する場合に限り、物資でも良い)と成果報酬で行うという、厳格なルールがある。それは、売春のルールとは別のものだ。
もし仮に、そのようなやり取りが発生していたとバーマンが知ったら、バーマンからの評価がダダ下がりになり、結果としてすべての組織からの評価が右肩下がりになるので、結果的に大損をすることになるだろう…と、シャオシュンは語る。
「ちなみに、アタシはパイズリなら1発500ルーブルだよ。 他のやつは、オマンコで1発数千ルーブルとか…吹っ掛けるような奴だと10000ルーブルを越えたりもするだろうから、手軽に抜きたいならアタシにしなよ…ね?♡」
シャオシュンはもう一度爆乳を持ち上げ、ユサユサと揺らし、アピールしてくる。おほほ…。
よく見れば、チラチラと俺の股間に視線を向けており、うっすらムクムクと膨らんでいるソレをちゃんと認識しているらしい。
うーん。
俺としてはその爆乳でパイズリしてもらえるというなら、是非にとお願いしたいところではあるのだが…。
いやあ、やっぱあの殺人マンコを見た(嗅いだ)後じゃあなぁ…。
別に、めちゃくちゃ綺麗好きってわけでもないが、あんなのが居る環境で不潔なまま行為に及ぶのは、ちょっと遠慮したい…。
とりあえず、いつか買いたいという意思表示として、「まあ、身体とか綺麗にできる備品が手に入ってからなら、買おうかな…」と、用意ができたら買いたい旨だけ伝えることにした。
「ちぇ…。じゃあ、石鹸とか手に入ったら、石鹸代も上乗せになるけどさ、その時は買っておくれよぉ…? あっ、石鹸を持ち込んでくれるっていうなら、そのとき400ルーブルにオマケするからね」
…ああ、意図せず実演する形になったけど、値下げ・値上げ交渉って、こういう感じなのか。
まあ、要するにお互いの希望条件のすり合わせの結果、値段が上がったり下がったり、必要な物が増えたりするってことね、理解したわ。
*
…さて、色々有益な話が聞けたし、これ以上はこちらかか聞くことも、シャオシュンから特別に教えたいという話もない様子なので、そろそろお開きにする頃合いだろう。
俺はシャオシュンに、「役立つ情報を、色々教えてくれてありがとう」と心からのお礼を述べつつ、予定より多めの報酬となる200ルーブルを手渡した。
100ルーブルの上乗せ分には、バーマンから聞くべきだった・知らなかったルールを教えてくれたことのお礼の他に、爆乳をユサユサと揺らして見せてくれたことの感謝の気持ちも含まれる。言わんけど。
シャオシュンは「いいのかい!?返さないよ!」と言いながら、とても嬉しそうにその200ルーブルを受け取った。
「…それにしても、本当に、随分と羽振りが良いね。 アンタ、ここに来たばっかりのはずだろ?そんなに手持ちがあるってのかい?」
シャオシュンが、本当に不思議そうという様子でそんなことを尋ねてきた。
まあ、そうだな…。
そのことを隠すべきかどうか迷ったが、秘密主義は信用を失うだけだろうし、シャオシュンは子供みたいな見た目に反して事情通で優秀そうだから、諸々話してしまうことにしよう。
俺の手持ちに余裕があることについて。
ここに来るまでの仲間…ヴィクトルのおかげもあって、ここに来るまでの道中に盗賊どもから装備を剥ぎ取りまくってこれたということ。
あと、ソレとは別に狼やグールを捌いて剥ぎ取った「生肉」が思っていたより高値で売れた(食糧不足の状況なので、買取相場が上がっていた)こと。
それから…俺の目が異常に良くて、誰かが地面に穴を掘って埋め直したみたいな「隠しスタッシュ」が結構見つかり、そこからオタカラが結構入手できたこと。
…そんなことを説明した。
「…へぇー!アンタ、その場で肉の解体とかできるのか!丸ごと持ち帰るとかじゃなくて!」
ヴィクトルからも、似たような反応が返ってきたな…。
俺自身、前世で本物の動物の解体作業を行った経験なんて無いが、「俺の身体の持つ記憶」みたいなものによって、今の俺ならナイフ一本あればサクサクと解体できてしまう。
…そういえば、俺ってナイフは持ってるんだよな。
なら、戦闘用として使えるんじゃないか?…と、一瞬考えたが、銃撃戦がメインになる環境で、ナイフを持って突撃というのは、明らかに自殺行為でしか無い。
生物型アノマリーの近接攻撃なんて、明らかに人間が反応できる速度を越えているので、近接攻撃で戦おうとするなら被ダメ覚悟になる。
そんなことを覚悟するくらいなら、はじめから近接戦は考えず、逃げたほうが良い。
俺が少しばかり物思いに耽っていると、シャオシュンがおずおずといった様子で声をかけてきた。
「…な、なあ。アンタ、アタシのことを荷物持ちとして雇ってみない? …それでさぁ…今は手持ちがないけど、絶対お礼を用意するから、解体技術とかそういうの、アタシに教えてくれない…?」
続けて、シャオシュンが話してくれた内容によると…この拠点では解体技術の需要がそれなりに高く、いわゆる「手に職」というものになるらしい。
この拠点内では、解体技術に精通しているのは主に科学者チームになるのだが、彼らは生肉を「食料」ではなく「研究サンプル」と認識しており、例えば丸のまま獣の死骸を持ち帰って解体を頼むと、半分は取り分として渡す形になってしまうのだそうな。
彼らは研究欲が最優先にある者たちなので、金を支払うカタチでの解体は受け付けず、絶対に研究サンプルとして肉を半分ほど渡す形になる。
拠点内の食料問題についても恐らく把握しているはずなのだが…彼らはそれでも、研究を最優先にする。本当にイカれた奴らである。
科学者チーム以外には、実は「解体が得意」という人物がほとんど居ない。
いや、実を言えば「居た」のだが、今はもう居ないのだ。
元は狩猟を生業としていたハンターの男が居て、みんな彼に持ち帰った獣の解体を頼み続けた。
そんなことを長年続けたせいで、フィールドワークを行う腕や勘が鈍ってしまったのかもしれない。
…ある時、解体依頼が減った時期に、久しぶりにハンター稼業を行おうと外に出て、そのまま帰らなくなってしまった。
後日。
そのハンターの遺留品が、盗賊たちの小拠点で見つかったそうだ。
殺され、奪われたということなのだろう。
シャオシュンが語る通りであれば、解体技術一本で食いつなぎ続けることは不可能である。
いつか需要は落ち着き、依頼が来なくなる…凪のときがやって来ることもある。
だが、そうなるまでは需要があり、日々の生活に困らないほどに稼ぐことは出来るようになる。
現役ハンターとして活躍し続けたいなら、その状況になることは避けるべきだという前例があるが…体型の問題があってスカベンジャーとしてしか在り続けられないであろうシャオシュンにとっては、ほとんどメリットしか無い話になる。
「アンタから解体技術を教えて貰う代わりに、アタシからも…こんなことを今から想定するのはあんまり縁起が良くないと思うけどさ、アタシから出せるのはこんなものしか無いから…スカベンジャーとして生きるための、物拾いの目利きや勘を教えてあげるよ。 もちろん、そんなのに大きな価値があるわけじゃないってのはわかってるから、ちゃんと稼げるようになったら、そこからお礼の分を見繕うよ。 …だから、頼むよぅ。精一杯頑張るし、絶対裏切らないから…お試しでもいいから、アタシを雇って連れて行っておくれよぅ…!」
シャオシュンはそう言いながら、俺の身体にしなだれかかるように…その爆乳をムニュゥゥっと惜しげもなく押し付けてきて、上目遣い(目が隠れていてほとんど見えていないが…)の猫なで声で頼み込んできた。
くっ…流石に密着されるとボキキッしてしまう…。
あっ、あっ、シャオシュンのちっちゃい手指が、ズボン越しにカリ首をカリカリ擦ってきて…おっおふっ…ボキキキキッ!!ギンッギンッ!!
「うおっ…♡ やっぱり、1発ヤッとくかい…?」
や…り、いや、やら、ない…っ!
やはりどうしても、殺人マンコが脳裏をよぎる…クソッ、早く石鹸が欲しい…!!
*
シャオシュンを雇用するための費用はかなり手頃で、前金で300ルーブルだけで良いとのことだった。
さらに成功報酬としては、シャオシュンが持ち運び・持ち帰った荷物の3割に相当する金銭か物品での支払いとなる。
「スカベンジャーなんてもんをやってるやつには、ソレをされると嫌がるやつもいるけど…高いものは自分で持ち帰って、ゴミクズみたいな安い物ばかりをスカベンジャー運ばせて持ち帰らせるってのが、一番安く済むことになるね。 アタシは全然嫌じゃないから、遠慮なく荷物の入れ替えはしてくれて構わないよ」
シャオシュンはどこまでもユーザーファーストな姿勢を示し、わざとふっかけて大きく稼ぐような真似をしない姿勢を見せ続けている。
お金の面で考えると、確実にお得だと言えるだろう。
…ただし、その代わりシャオシュンにはまったく戦闘能力が無く、銃器の1つも持っていない。
「アタシに銃なんか持たされたところで、絶対に役に立たないからね。 なにせ、アタシの手足はこんなにちっちゃくて、なのに胸ばっかり大きいせいで、ピストルの反動でもひっくり返るか取りこぼしたりするんだからね…。 まあ、両手が空いてさえいれば逃げ足だけはそこそこあるから、荷物持ちとしてはちゃんと役に立つつもりだよ」
そう言って、射撃訓練場のスペース内を、爆乳をバルンバルンと左右に振り乱しながら走り回って見せる。うおっ…えっち…。
…しかし、一見するとかなり奇妙な走り方に見えるが、爆乳を重しの様に使うことで急制動を実現しており、ほとんど減速せずにジグザグに移動したりと器用な動きを披露して見せてくれている。
かと言って、特別に素早いということでもない。
身長が低い・脚が短い事もあって、最高速度は俺の全力疾走よりも格段に劣るだろう。
シャオシュンの動きから予想するなら…狼やグールなどからはギリギリで逃げられないくらいの速さに見える。迎撃できる武器や力がなきゃ、ほぼ確実に食い殺されるだろうな。
「まあ、それこそ、アンタに期待するしか無いね…。 アタシはあくまで荷物持ちしかできないから、襲われそうになったらアンタの近くに寄って迎撃してもらうしかない。これは、アタシだけじゃなくてスカベンジャーならみんなそうすると思うよ」
…つまり、スカベンジャーを雇うと、絶対にトレイン(敵を引き連れて、他の誰かになすりつける行為)してくるってことか。
敵を引き寄せたいというときなら便利なのかもしれないが…ゲームのゼロ・シーベルトでは、敵を引き寄せたいと思う場面・状況は限りなくゼロなので、トレインしてくると聞いてしまうと流石に雇うのを躊躇いそうになってしまうな…。
近づかれるだけ不利にしかならないというか、エネミーによってはそもそも接近されたら死ぬしか無いような火力を持つやつも存在する。
結局、相手の視界の外からヘッドショットをキメるのが一番効率がいいのだ。
…それでも、実質的な拡張スロットである荷物持ち役が雇えるというメリットは破格なので、ここはせっかくだからシャオシュンを雇わせてもらうことにしよう。
「えっへっへ…毎度ありぃ!」
シャオシュンの連絡先を登録し、シャオシュンに操作の手順を教えてもらいながら、デバイス同士を操作して雇用契約を完了する。
登録された雇用情報には、シャオシュンの名前と、空腹状態・水分状態・疲労状態といったメーター、HPとスタミナ、…そして、身長・体重・血液型・年齢、さらになぜか3サイズと経験人数まで表示されている。うおっ、おっぱいでっかぁ…。お尻ちっちゃぁ…。
…まてよ。なんかめっちゃパーソナルな詳細情報が載ってるけど、これってどうやって調べたんだ?
「半年に一回、健康診断があるから、そのときだね。 知られたくないっていう女は、バーマンに言えば非公開設定にしてもらえるらしいけど…非公開にしたところで別に役に立たないし、男はそういうの見るの好きなやつも居るから、基本はみんなオープンなんじゃない?」
なるほどぉ…。
ゲームじゃ当然ながら、健康診断なんて行わなかったけど、ゲームの世界が現実になると、そういう俗っぽいイベントも発生するのか…。
ちなみに、俺とヴィクトルもそのうち健康診断の案内が来るはずだ、ということらしい。
さて、傭兵雇用枠の1つはシャオシュンで使うとして…もう1つの雇用枠は、あとでヴィクトルにお願いしてみることにしよう。
…本当は今すぐに声をかけるべきなのかもしれないが、流石に疲労が限界過ぎて、もう眠い。
俺は、シャオシュンに「今日のところは、どこで寝るのが良いと思う?」と聞いてみた。
そのうち、自分専用の区画に寝泊まりするためのベッドを用意するつもりだが、それまではどこか別の場所で寝泊まりするしかない。
「アンタなら、このエリアの入口に近い方に寝泊まりすれば良いんじゃないかい? ま、見ての通り扉なんて無いからね。どこだろうが、寝ている間に金か持ち物か、その両方を盗まれてるってことになる可能性はあるから、自前の金庫を持っているような奴じゃなきゃ正直どこも変わらないけど…あっ、いや、バーマンから借りれる個室だけは、盗まれる心配がないよ。 もちろん、部屋代を支払う必要があるけどね」
…バーマンも言っていたが、本当にスリなんかするやつが居るんだな。
うーん。
今は手持ちに余裕があるとはいえ、それは確実に全額を無事に使えると想定した場合のものだ、盗まれた場合のことなんか考えてはいない。
…あっ、なるほど。
つまりあれか、スタッシュに人を雇うって、整理担当じゃなくて金庫番ってことなんじゃないか?
試しに、その枠にシャオシュンを雇ってみようか…と思ったが、シャオシュンは睡眠を終えた後に外に連れ出す予定であり、一緒に睡眠を取って疲労を回復しておいてもらう必要がある。
つまり、金庫番を任せてしまえば疲労回復する余裕がなく、外に連れ出せなくなる。…じゃあ、ダメだな。
俺が少し悩んでいると、シャオシュンが「…どうしても個室を使いたいなら、アタシに一回だけタダで借りれるアテがあるよ」と切り出してきた。
「まあ、アタシもここでの生活が長いおかげで、バーマンには小さいけど貸しがあってね。 そんなにだいそれたことは願えないだろうけど、1回だけ・1部屋借りるくらいなら、借りを返すってカタチでチャラにしてくれると思うよ。 …その代わり、今日はアタシもその部屋で寝させてもらうよ。正直、久しぶりに外に出ることになるから、できるだけ調子を万全にしておきたいしねぇ…」
それは、それは…正直、とてもありがたい申し出ではある。
…しかし、久しぶりの探索って、その相手に俺を選んで本当に良いのか?
言い方は悪いが、今の俺はちっぽけな装備しか持たない、かなり弱っちい部類のハンターになるぞ。
そう確認してみたら、「だからだよ。そんだけしょぼい装備なら、無茶だけはしないだろ?」と返された。
なるほど、ここでの生活が長いというのは伊達ではないらしい。
確かに、俺は無茶をするつもりはない。
最初は隠しスタッシュ探しや動物狩りなどしつつ、人間の死体が見つかったらハイエナしようと考えていたくらいで、いきなり対人戦闘で切った張ったを行うつもりは微塵もなかった。
俺の思惑を見抜いたのか、それとも俺の装備を見てそんな行動を選ぶと読んだのか…どちらにせよ、やはりシャオシュンは見た目に反して、かなり優秀なようである。
*
シャオシュンと共に、バーにやってきた。
道すがら、ヴィクトルとすれ違うことができれば、もしくはまだバーに居てくれたら傭兵雇用について相談するつもりだったが…どうやら今は別の場所に移動しているらしい。
一応、デバイスを利用したメッセージ機能で、「傭兵雇用の件で相談があるから、都合の良いときに話をさせてくれ」と送っておいたが、そちらも今のところ返信はない。
まあ、出発まではまだ時間があるし、返信は気長に待とう。
バーマンは居てくれたので、早速個室を借りる相談をするため、声をかける。
「よっ、バーマン。 なかなかイイ感じの新人が来たじゃないか」
「やあ、シャオシュンじゃないか。 …アダムと一緒に出歩いてるってことは、もしかして彼に雇われたってことか?」
「うん。 ちょっとお人好し過ぎて不安だけど、この人なら無茶はしないだろうと思ってね」
「ははあ…まあ、アダムが無茶をしないかどうかは…うん、まあ、うん…。 俺としても無茶をしてほしくないと思うが…せっかくだから、森の歩き方みたいなのをシャオシュンの方から教えてやってくれ。 俺としちゃあ、アダムの戦闘技術とかには疑っちゃいないんだが…ちょっと抜けてるところがあるっぽいから、不安だ」
「…どうしよう、アンタに雇われたのって、もしかして失敗だった?」
2人から、猛烈に不安視されている。主に、人格面で。
くっ…確かに身体と記憶はハイスペックなのだろうという自覚・自認はあるが、中身は極普通の一般人でしか無かった、ただのゲーマーなのだから、何も反論できねぇぜ…!!
一応、バーマンからは「戦闘技術に疑いはない」という謎の太鼓判を貰っているので、俺としてもそれを信用してもらうしかないな…。
まあ、間違いなく無茶だけはしない。
俺の持つ「ゲーム知識」についてを正直に話すつもりはないが…チュートリアルエリア(推定)で自身の持つ透視能力や、各要素(武器やアイテムの持つ機能など)とゲーム知識との類似性を鑑みるに、無茶をしなくてもイイ感じにアイテムを持ち帰ることが出来る算段はあるのだ。
バーマンは俺の様子を見て、「自信があるのは良いことだ、ソイツで自分の足を掬わない限りは」とだけコメントした。
頃合いを見て、シャオシュンが個室を借りるための交渉を始めた。
「ま、そういうわけで、アダムの初めての探索と、アタシの久々の荷物持ちになるから、出来る限り万全に調子を整えたい。だから、ちゃんと休める場所を借りたいんだ」
「ほう? まあ、空いてはいるが…金はどうするんだ?アダムが払うのか?」
「それなんだけど…ほら、ちょっとした貸しがあっただろ? 2人で1部屋でいいからさぁ、部屋代でチャラってことにしてくれない?」
「む? …うーん、まあ、良いだろう。シャオシュンが外に出る気があるっていうのは喜ばしいことだし、君ならちゃんと利益を出せるくらい持ち帰ってくるだろうから、ちょっとした投資だと思っておくよ。 ただし、個室用のサービスドリンクとフードは無しだぞ? いくら貸しだって言ったって、本当にちょっとしたもんだからな、そのくらいでいいだろう」
「ちぇっ、ケチンボめ…。 まあいいよ、運良く飯代を稼いだところだからね。部屋さえ借りれりゃあ、十分さ」
「ははっ、景気のいい話だ。 シャオシュンが景気のいい話をしてくれると、まだお前が元気に外へ探索に出てた頃を思い出すよ。 …うん、そうだな。シャオシュンの復帰祝いだと思って、軽食のサービスくらいは出してやるよ。 …死ぬなよ、シャオシュン」
「相変わらず、ちょっとしたことで湿っぽくなるなぁ、アンタは…。 アタシがそう簡単に死ぬわけねえだろ、じゃなきゃこんな(ロリ爆乳)になってまで生きてねえ」
「そりゃそうか。なにがなんでも絶対に生きて帰ってくるっていうのが、シャオシュンの良いところだったもんな。 …ほら、部屋の鍵だ。寝て起きてから、部屋を出てバーカウンターに俺が居ない時は、適当に店番を立ててるはずだからソイツに鍵を返しといてくれ」
…なんだか、絶妙に死亡フラグみたいな会話が繰り広げられ、ちょっとだけ不安になってしまうな。
ともかく、無事に個室の鍵を借りることが出来たようだ。
シャオシュンが鍵を受け取り、シャオシュンについていくカタチで、俺も個室に向かう。
…その途中で、バーに屯していた女ハンターの1人から、俺に向かって「そんな気味の悪いチビを買うなら、私を買っておくれよ。アンタのデカマラだってパックリ咥え込むムッチリオマンコだよ~?」と声をかけられた。
「気味の悪いチビ」などと言い捨てられたシャオシュンは、強く言い返すようなことはせずに、「今日はアタシの客なんだから、粉かけるなら別の日にしてくれ」とだけ言って、さっさと来いと言わんばかりに俺の手を引き、早足で個室へと潜り込んでいった。
…個室の扉をくぐり抜ける直前に、「ああ、ゴミ漁りしかできねぇようなスカベンジャーの中でも、それすらできなくなったとびっきりのろくでなしなんて、どうせ性処理くらいにしか使えねえだろうからな」という、心無い言葉が投げつけられた。
*
▼プロフィール_06:オリヴィエ(ハンター)
・カテゴリー:人間(北欧人)
・所属:中立(傭兵)
・性別:女
・年齢:32
・身長/体重:199cm/105kg
・スリーサイズ:112cm-68cm-99cm
・経験人数:32人(302回)
・一人称/二人称:私/あなた
・好き/嫌い:食事・セックス/料理・勉強
・備考:激臭殺人マンコを持つ、北欧生まれの大巨人。
凄まじい巨身を持ち、見た目通りのタフさが自慢の中堅ハンター。
しっかり性病持ちであり、ある意味本当に殺人マンコになってしまっている。
本人が苦しそうでないのは、見た目には分かりづらいものの、自身の打たれ強さにかまけて数多の受けた傷が原因で、かなり深刻なレベルでミュータント化が進んでいるため。自分だけ性病への耐性を獲得してしまっている、一方的殺人が可能な毒マンコ女だ。
バツイチ・子持ち(1児・16歳)。
子供は流石にハンターになれるような実力・筋力がないのでスカベンジャーとして働いているが、毎回オリヴィエがその子を雇うカタチで連れ出しているため、親子ともどもそこまで生活苦というわけではない。
ここ1年ほど、オリヴィエの体臭…とくにマンコから放たれる臭いがあまりにもキツすぎて、子供からすら避けられていることに、結構ショックを受けている。
臭いの改善のために、制汗用品・消臭対策が可能なアイテムがあれば、他より割高で買い取ってくれる。
かなりの大食漢でもあり、そのおかげで胸もお尻も脚もムッチンムッチンのブルンブルンになっている。なのに顔と腰回りだけスッキリ細いので、一部の女性からは明確に妬まれている。殺人マンコという欠点があるから許された。
いや、許せねえよ。
他にはもう目をつぶったって良いから、殺人マンコを早くどうにかしてくれ…。
傭兵として連れて行くと、ショットガンを両手に構えて突撃し、銃撃も近接攻撃も正面から受けて撃ち返し・ブチ殺すので、傍目から見ると恐怖を感じる。
普段はおっとりしているせいか、言われたい放題にされているが…だからといって、誰もオリヴィエに手だけは出さない。だって怖いから。
▼主な能力
1,ツーハンド・スタイル:主武器とサブ武器を両手で持ち、両方を構えて乱射できる。リロード速度が超大幅に低下する代わりに、実質的に火力が2倍になる激強スキル。ただし、マークスマンライフルとスナイパーライフルは2丁持ちできない。本当は両手に貫通力と命中精度を高めたサブマシンガンやマシンピストルを持ったほうがこの能力を活かしやすいのだが、本人の資質として銃を取り扱うスキルが低く、命中精度がそんなに高くないので、近づいてブッ放しさえすれば適当に撃ってもブチ殺せるショットガンを愛用している。
2,巨大化(ミュータント化):ミュータント化の影響で胴体・胸・足腰が、異常なまでに肥大化・巨大化してしまっている。ミュータント化の程度としてはシャオシュンよりも深刻であり、生物型アノマリーの「ビッグ」と呼称される怪物に近づいているような状態。尋常ではない耐久力はミュータント化のおかげでしかなく、過信し続けていれば…いずれ、完全なバケモノに変貌するだろう。両手にショットガンを持って乱射できるのも、ミュータント化によって獲得したスキルのおかげ。
3,騒音体質:完全なデメリット能力。足音が大きく・消せず、肉が揺れたり衣擦れによりこすれ合う音が鳴り続け、その存在を隠すことが出来ない。奇襲することが全くできなくなるということになる…のだが、オリヴィエの戦闘スタイルは「相手に突っ込んで正面から撃ち合う」というだけなので、本人はまったく気にしていない。
4,大食漢:「空腹・水分・疲労」の最大値が、常人の2倍になっている。食い貯め・休み貯めができるということであり、一回の探索で超長時間の活動が可能。ただし、食料アイテムによる回復が70%に低下するというデメリットもあり、完全回復するために凄まじい量の食事が必要となる。これは、「チョコレート」などの疲労回復アイテムによる「疲労値の回復」もデバフの対象となっているため、オリヴィエの疲労を回復させるなら、睡眠を取らせたほうが良い。