※この作品はR-18です。

息抜きロドス   作:ね。@skeb募集中

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ここからpixivと同時に投稿する新作になります。

原題「оттепель」

skebよりご依頼いただきました、ロサのえっち小説です。
最近はタイトルを100文字以内のあらすじとしております。
ロサのように日常では清楚で大人びた女の子が、ドクターのつよつよ牡ペニスを前にすると本音がダダ漏れになってくれると私は嬉しい。あと幸せになって……。

遅筆ですがskebはいつでも募集中です。
興味がある方はプロフィールに記載したURLよりご確認ください。
※無断転載厳禁※
※AI利用厳禁※


顔を真っ赤にしながら色仕掛けをしてきたロサとなんだかんだで恋人になったドクターは、仕事中に疑似フェラをして挑発してくる小悪魔彼女を戦術卓越絶倫ペニスでオシオキックスをする日々を送る

「ん゛ッ♡ ん゛ぉ゛♡ お゛ふ゜ッ♡ お゛ぇ゜♡」

「仕事中にあんなことして……ナターリアは悪い子だね……!」

 

 暗い倉庫の奥。陳列された棚の間に隠れるようにして、二人の男女が熱に浮かれている。まだ仕事時間の真っ最中だというのに。

 

 大きく開脚したまま腰を下げ、蹲踞の姿勢をしているのはロサ。貴族精神を手放したとはいえ、礼節に順ずる少女に似合わぬふしだらさ。

 

 そんなロサの頭部を鷲掴み、顔面にまたぐらを押し付けているのはドクターだった。

 

 ロドスの代表者が麗しい少女を慰み者にしている。

 

「お゛~~~ッッッ♡♡♡ ん゛ぉ゛……こ゛っ♡♡♡」

「喉奥をちんこをガンガン突かれるだけでイクなんて、すっかり慣れたね」

 

 女性としての尊厳を踏みにじるような行為。

 だというのに――

 口腔を道具に見立てたように腰を打ち据えられる度に、野太い喘ぎ。腕っぷしなら圧倒的にロサが優位だというのに……。

 

 抗えぬ魅力に憑りつかれたように牝犬同然の扱いに甘んじている。

 

 あまつさえ、腰をカクカク前後に震わせている。

 ベッドの上で自慰に耽る少女が一種の昂揚へと達し、その余韻に浸る時とまったく同じ動作で。

 

 

 

「イラマチオしてるナターリアは可愛いね……! あ~……喉まんこ最高……!」

 

 下品な褒め言葉を連発しながら『可愛い』と評するドクター。口の中で野太い棒と唾液が絡まり、摩擦し、粘ついた効果音が頭蓋に反響していても、聞こえているのか。

 

 ロサは――

 

 ナターリアは。

 

 喜ぶべきではないワードを授かる度、ドクターのボトムに縋りつく両手を力ませる。

 

射精()すから、飲んでっ!」

 

 喉への刺突は危険な行為だというのに、牡の横暴さは加速の一途を辿る。ロサの唇が乱暴に捲れ、押し込められる。その度に唾液が零れ、白い制服を濡らす。

 

「お゛~~~~~~っっっ……♡♡♡」

 

 制服に濡れ痕。

 床に蜜液の飛沫。

 

 下の口、つまりは開脚する股の中心。膣口から漏れ出た愛液が、ショーツを貫通し、タイツの中もぐちゃぐちゃにしている。

 

 ぐっしょり濡れたタイツから滴り落ちた牝の涙が床を濡らす。密室に、夜を彷彿とさせる香りがむわりと広がる。

 

 

 

「ぜんぶ飲んだ?」

 

 白い汚れが一つも零れなかったのはナターリアのおかげだ。

 ドクターに問われた少女は「あえっ……♡」と口を開けた。歯医者に口の中を見せるように。

 

 少女の口の中には汚れ一つ残っていない。

 今やすべてが食道を通りながら胃袋へ落ちている。

 

「偉いね」

「ふふっ……♡」

 

 頭を撫でられて恍惚の笑みを浮かべるナターリア。

 

 仕事中のドクターを唆し、ここまで誘導した計算高い少女は、ザーメンの臭いで完全に頭をやられている。

 

 

 

   ◇

 

 

 

 回想――

 

 

 

「ソニア、そこの綴り違うわよ」

「なんだよナターリア。アタシの家庭教師のつもりか?」

「後方支援部だった頃の癖よ。許してちょうだい」

 

 ふふっ、と柔らかく微笑むロサ。

 なんとなく通りがかった執務室に友人がいたから顔を出しただけなのだが、当の友人は煙たそうな表情だ。

 

「ズィマーはまだスペルミスが多いからなぁ……」

「おいドクター」

「今度からは二人セットにしようか?」

「ぶっ飛ばすぞ」

 

 ロサに綴りの指摘を受けたからか、間違えていた箇所を直した上で頭から読み直すズィマー。セットにするならイースチナの方が良いのかもしれない。

 

 字面と睨めっこする苦労を知る大人として同情するドクターはコーヒーを啜りながらちらりとロサへ視線を向け――

 

 危うくコーヒーを吹きかけた。

 

 

 

「良かった。まだまだ集中力はあるようね」

「分かったから、とっとと帰れ」

「夜ごはんには遅れちゃダメよ、ソニア」

 

 顔を下にしたまま手で追い払うジェスチャーをするズィマーにくすりと笑い、ロサは退室した。

 

「…………ズィマー、ちょっと用事を思い出したんだ。少しここを任せていいかな」

「なんだよ。サボるのか?」

「私の椅子に座っていいし、給湯室に隠してある『へそくり』を使っていいよ」

「今日は気分がいいから乗ってやる」

 

 冬将軍の許可を得て息抜きへ出るドクター。

 彼の真の狙いは気づかれていない。

 

 廊下へ出る。ロサの姿はとっくに見えなくなっているはずなのに、彼女が曲がり角の向こうへ消えるのを認める。

 

 ドクターはそのまま後を追う。追って、追って――

 

 彼女が人気のない倉庫の中へ消えていくと、ドクターもその中へと消えたのだ。

 

 

 

   ◇

 

 

 

 現在――

 

 

 

「私は一度も触っていないが」

「いわないで……♡ ひあんっ♡」

 

 壁に手を突き、恭しく臀部を突き出す元お嬢様。

 ひらひらのスカートは捲り上げられ、水気で重くなったタイツと滲みきったショーツが一緒くたにずり下ろされている。

 

 若々しく瑞々しい柔尻。チェルノボーグ事変における過酷な生活で栄養失調に陥っていた学生たちは、ロドスでの生活の中でゆっくりと『健康』というものを思い出していった。

 

 ナターリアの素肌は健康そのものだ。

 淫靡な濡れ方をして、暗闇の中でも薄く煌めいている。

 

 精神の方は、まだ不安定さが残るものの――

 

「執務室であんな悪戯をした時から濡れていたのか?」

「これは、ドクターのせい――」

「言い訳しないの」

 

 無慈悲な平手が弁明を遮る。

 

「あうぅぅぅんっ♡♡♡」

 

 ドクターの手形が赤く残る。

 

 人権を無視した扱いをされても、かえって喜ぶ程度には、ナターリアはこの関係性に慣れていた。

 

 

 

 先ほどのズィマーを交えた会話の中で、ナターリアはあるジェスチャーを露骨に送っていた。

 

 棒状の物を握る仕草。

 口を大きく開け、舌先をちろちろと動かす。

 物欲しそうな疑似フェラチオ。

 

 だからドクターは、倉庫に入った途端に「おすわり」と命じ、問答無用でナターリアの口腔を犯したのだ。

 

 

 

 彼女の両親が生きていたならば、きっと白目を向いて仰天していただろう。

 

 自分の娘がお尻を引っ叩かれるだけで淫らに叫び、股の間から悦びを示す生理反応を漏らしてしまうと知ったら。

 

 そういう意味で、ナターリアはすっかり生まれ変わっていた。

 

「自分からおっぱい押し付けて色仕掛けしてきた変態のくせにおまんこは弱いよね」

「ド、ドクターだって、私のこと、えっちな目で……」

「ナターリアがえっちなのが悪いんだよ!」

「ほ゛お゛ぉ゛ッッッ♡♡♡」

 

 手の平二つ分は離れていた距離からの密着。

 

 唾液まみれの牡マラがズドンッと挿入され、ドクターの下腹部が赤く腫れあがった肉山へ抱き着く。

 

 涎をたらりと垂らすヴァギナはひきひく疼きっぱなしだった。無意識の動作ですらドクターを誘惑していた。

 

 亀頭を軽く押し当てる合図すらもなしに、刺突。シャベルのようなものが穴をくぐったと脳味噌が判断した次の瞬間には、子宮口をゴツンと押し潰されていた。

 

 

 

「お゛~……♡♡♡ ほ゛、ほ゛ぉ゛っっっ……♡♡♡」

 

 貴族らしさを叩きこまれてきた少女は。

 

 頭をもたげ。

 オホ声をまき散らし。

 腰の痺れを抑えきれず。

 膝がガクガク笑いっぱなしだ。

 

 尿道からは見事な一直線のお漏らし芸。

 

「勝手にイっちゃだめでしょっ」

「あ゛ォ゛ん゛♡♡♡ ごめっ、ごめにゃひゃいぃ~……♡♡♡ あ゛ぁ゛ン゛♡♡♡ たたかないでぇ♡♡♡」

 

 追加のスパンキング。

 

 ナターリアの方がやや上背があるのだが、鋭い痛みを覚える度に背中を震わせるせいで、ドクターの方が圧倒しているようですらある。

 

 

 

 そのまま二の腕を掴んで強引な立ちバックへ。

 

 愛液がドクターを汚していった。おかげで二人の肌が重なる度に地の底を滑るような雨水の音が姦しく響く。

 ナターリアの喘ぎ声は加減を知らない。野を越え、谷を越え、山を越え、空に響き渡るほど。ドアの向こうを通り過ぎる誰かにうっかり聞こえてしまったら誤魔化しようがない。

 

 あえて照明を消したままにしているのに意味が無い。

 

「い゛く゛っ♡♡♡ い゛く゛う゛ぅ゛ぅ゛~♡♡♡」

 

 瞼をキュッと瞑り、眉間に皺を寄せながら絶頂。

 

 反射的につま先立ちをして快感を逃がそうとするも、ドクターの猛攻は続く。キュウと襞肉でペニスを搾り上げながら、少女の視界が明滅する。

 

 と、そこで。

 ドクターはおもむろに腰を引き、突起物を引き抜いた。

 

 

 

「あぶなかった……」

「あっ……♡ ……私は、それでもいいけれど……♡」

「だめだめ。ほら、腰降ろして」

「んっ……♡ はい……♡」

 

 このまま膣内射精(なかだし)で終止符を打ちそうな雰囲気から一転。

 

 さっきと同様の蹲踞。今度はナターリアが甲斐甲斐しくペニスを含み、「ぶぼっ♡ んっ♡ にゅ、ぶぶぅ~……♡♡♡」と倒錯的な縦笛を吹くようにはしたない音色を奏でていく。

 

 ドクターが腹底から安堵と恍惚が交じり合わさった重苦しい溜息を吐くと、演奏は止み――

 

 ごきゅごきゅ喉を鳴らしてから、今度は清掃の楽を静かに鳴らしていった。

 

「ぺろっ、くぷっ……♡ ちゅう、ちゅぅ~~~……♡ っは……♡ はぁ……♡ 見て、綺麗になったわ♡」

 

 高得点が取れた答案用紙を親に見せるように報告するナターリアの頭を撫でる。それでもナターリアが悪いことをした事実は消えず、ドクターの怒張は相変わらず怒り狂っているが……。

 

 二人は一旦、それぞれの日常へと戻った。

 

 ナターリアはタイツを脱いで自室へ戻ったおかげで多少の目を引いたが、それ以外の変化に気づかれることはなかった。

 

 

 

   ◇

 

 

 

 回想――

 

 

 

 ナターリアがオペレーターに採用されてまもない頃――

 二人の関係性の変化は、ナターリアの自覚を契機とする。

 

――……見られている、わよね? 

 

 狙撃オペレーターとして前線に赴くようになったとはいえ、ナターリアは学生だ。保護された経緯もあり、任務ごとの間隔は広めに設定されている。

 

 よって、ドクターの秘書当番を任されることも少なくない。

 

――他の誰かからそういう話を聞いたことはないけれど……。

 

 女という性別は不利に働きやすい。

 それは命のかかった極限状態においてでさえ。

 いやむしろ、だからこそ、下賤な視線を集めやすい。

 

――もしかして……私だけ?

 

 かつての大事件を経験した当事者としてはそういう視線に敏感なのも仕方ない。ナターリアは最初は気のせいだと言い聞かせていたが……。

 

――気のせいじゃなさそうね。

 

 なにげなく廊下ですれ違った時。

 食堂の少し離れた席にいる時。

 作戦のブリーフィングの時。

 

 ナターリアは確信した。

 ドクターは自分を見ている。

 自分の、オンナの躰を服の上から視姦している、と。

 

 普通なら嫌悪感を抱いていただろうが……。

 

――嬉しい……。

 

 ペテルヘイム高校での凄惨な経験から大きな自己嫌悪に陥っていたナターリアにとっては、自分への注目は肯定的な意味を為していた。

 

 例えそれがどのような欲望を孕んでいようと。

 

 彼女の承認欲求を満たしてくれる。

 

――ドクターがその気なら……少し、試してみようかしら♡

 

 その日から、ナターリアはさりげないボディタッチを増やしていくこととした。

 

 

 

 例えば書類を手渡す時はわざと指を触れさせる。

 例えば書類を見せてもらう時は胸を当てる。

 例えば臀部に視線を感じたら殊更強く突き出す。

 例えば物を拾う時はスカートが翻るよう勢いよく。

 

 もちろん二人きりに限って。

 他の誰かに同じようなことをしようとは微塵も思わない。

 ドクターだけ。

 

 ドクターが相手となると不思議と媚びてしまうのだった。

 それを恋と呼ぶことを彼女は静かに否定していた。

 自分には恋などする資格はない。

 それでも一時の遊戯として……。

 

 少しだけ、異性の香りで酔っていたい。

 

 

 

   ◇

 

 

 

 ある日、酔いから醒めた。

 

 ドクターに胸を押し付けながらすり寄ったナターリアは力加減を間違えてしまったのだ。相手が他の男であれば転倒などするはずもなかった。

 

 しかしこの瞬間まで、ナターリアはある種の美化をしていた。ドクターは自分から遥か遠くにいる素晴らしい大人であると。

 

 現実は、女一人も支えきれない貧弱な男が下敷きになるだけだった。

 

 

 

「ご、ごめんなさいドクター! その、わざとじゃなくて……!」

「いや、大丈夫だよロサ。大丈夫、問題ないから」

 

 間違えた。

 嫌われる。

 ごめんなさい。

 

 自省と謝罪の言葉が脳内で嵐となる。

 同時に、昏い興奮。

 あのドクターを押し倒していることへの倒錯的達成感。

 

 かわいい……♡

 

「あー、その……問題はないんだが、問題というか。誰かに見られたら騒ぎになるから、降りてもらえると助かるよ」

「…………」

「……ロサ?」

 

 

 

 恋は盲目と言うべきか。

 力など欠片も込めていないのに。

 身じろぎ一つできないドクター。

 非力な男。

 

 だから、その気になればロサは――――――

 

「…………ねぇ、ドクター」

 

 ドクターを。

 

「私の胸、いつも見ているわよね?」

 

 食べ散らかすことだってできてしまう。

 

 

 

「な、なにを、急に……」

「それにお尻だって見ているでしょう?」

「ロサ、待って、どうしてそんな」

「怒っているわけじゃないの。そうじゃなくて……感想を聞かせて欲しいの」

 

 ドクターに馬乗りになったまま、彼の右手首を軽く握る。

 それだけで生殺与奪の権利を奪った気になってしまう。

 そのまま胸の膨らみへ誘い、手の平を押し当てさせた。

 

「っ……」

「……あ。えと………………。……どう?」

 

 日頃のボディタッチとは一線を超える明確な、痴女行為。

 

 一歩遅れ、自分もまた、ドクターと超至近距離にいることを自覚する。顔が熱に塗れる。背中がじっとり汗ばんでいく。今だけは絶対に鏡を見たくないほどだ。

 

「……さ、最近……わざと、ボディタッチを繰り返して……あと、わざとしゃがんだり、お尻を突き出したり……その、わざと、なのであって……気づいていたかしら……?」

「……てっきり、ここでの生活に慣れて、気が緩んだのだとばかり……」

「あなた以外に、あんなこと、しないわ……」

 

 

 

 それから六〇秒の沈黙。

 誰も執務室を訪れなかったのは幸運だった。

 

「それで、その……」

 

 ナターリアは自分の本番の弱さを初めて知った。

 全校生徒の前へ登壇した時でさえ、これほどの息苦しさ、脳内で思い描いた文字を音に変換する行為が稚拙になったことはない。

 

 同時に、過去の学生生活では決して味わえなかった感情の高ぶりも。

 敢えて言うなら、小説の中で描かれる男女の『健全な』触れあいに悶えていた時に近しいか。

 

「……どう、なの?」

 

 鼓動のうるささは生まれて初めてだ。

 

「……やっぱり、大きいな、と……」

「っ~~~……」

 

 正直な告白に悶々とした返事をする。

 口を閉じたまま、短く、甲高く、叫ぶように。

 

 

 

 それでも、火がついた乙女心は止まらない。

 ドクターに勝てる要素があると知ってしまったから。

 

「これ、ブラジャーの、だから……硬いでしょう?」

「それは……まあ、でも――」

「……知りたい……?」

「……………………え」

「……………………無い時の、感触」

 

 ドクターのこと、犯せちゃうかも♡ なんて余裕綽々に猥雑な未来図を思い描いた少女の衝動はない。

 

「部屋に来て。その……何分か、遅れて。ドクターは……紳士なら、レディを待たせたりは、しない……しないでしょう?」

 

 ハンドルが壊れブレーキも壊れ、壊滅的な加速度だけを誇る暴走機関車が黒々とした黒煙を濛々と吐いている。

 

 執務室から出ていったナターリアはそうとしか言いようがなかった。

 

 

 

   ◇

 

 

 

 意を決して、ドアをノックする。

 

「……ロサ」

 

 生まれて初めて遭遇する外国語をたどたどしく発音するように、呼び慣れたコードネームを口にする。

 

「……どうぞ」

 

 ドアの向こうから聞こえた声は、初めて舞踏会に参加する娘のようにぎこちない。

 

 誰もいないことを確認して、颯爽とドアの隙間へ身を滑らせ、素早く静かに、閉める。

 

 深呼吸をして、数秒。

 意を決して部屋の主へと視線を向けると、ナターリアは先ほどと変わらぬ姿で佇んでいる。

 

 姿は変わらないが……。

 

「……いらっしゃい」

 

 片手に握られている真っ白い布切れに視線が釘付けになる。

 

 

 

「ロサ、あの……こんなことは……」

「間違っている?」

 

 言葉を被せられ、ドクターは喉を詰まらせた。

 それならどうしてここに来たのか。

 間違いを正すためならもっと堂々とすればいいはず。

 

「でもあなたは……知りたくて、来たのでしょう?」

 

 なにを?

 

「これ、わかる……わよね。ブラジャーは脱いだから……いまなら……本当の揉み心地、わかるわよ……」

「ロサ、あの、嫌なら無理しなくても」

「嫌ならわざわざこんな誘い方しないわよっ……!?」

 

 変な熱暴走に陥ったのか、ナターリアはらしくない癇癪を起こした。癇癪とは言っても年ごろの娘相応の可愛らしい怒り方だ。

 

 顔を真っ赤に染め、目じりにはちょっぴりの涙が。

 耳まで赤く、ウルサス人の象徴たる頭部の耳はぴくぴく痙攣している。

 声音も怒鳴るのではなく、うわずり、甲高い。

 歌唱中に音程を外してしまったような喋り方だ。

 

 

 

「それで、その、どうなのかしら……!」

 

 ずんずんと、どうしてか目つきを鋭くして迫る。

 

「私の体は観賞用で、触るに値しないとでも……!」

「いや、そんなことは……むしろ嬉しい……ああ、いや、まってくれ、いまのは――」

 

 ドクターはしどろもどろに口を動かしていた。

 明晰な彼が初めて見せる醜態だ。

 ナターリアはむしろそれが嬉しかった。

『こんな自分』でも、ドクターを狼狽させられるのだと。

 

 

 

 その謎の達成感のまま、掴んだ手首を引き寄せる。

 

 

 

「っ……………………」

 

 服越しに、節くれだった指の硬さを知る。

 書類を手渡す時に軽く触れるだけでは知りえなかった細部まで。

 

「……どう、かしら……」

「……柔らかい、です……」

「そう……」

 

 片手だけだったのを、さらにもう一方も。

 両手を誘惑し、堪能を強いる。

 ドクターは心ここにあらずといった表情でありながらも、指先の稼働は正直だった。

 

 

 

「……私の体を見ながら、いつも……こうなっていたの?」

 

 問いかける少女の指先は、男のボトムに生じた異様な隆起を這っていた。パンパンに膨れ上がったテント。普段は上手く誤魔化していたが、ここでは隠し事などできない。

 

「頭の中で私のことをぐちゃぐちゃに犯していたのかしら」

「そういうわけでは……」

「いいのよ、ドクター。正直に言って。おっぱいを揺らして、スカートをひらひらさせて、お尻の輪郭を見せつける私の体のせいで、ここ……この硬くて、凶暴な獣が、涎を垂らしっぱなしで苦しいのよね?」

 

 指先の動きに合わせて皺を作るシャツを凝視しているドクターに滔々と語る。どことなく自虐的だった。あるいは、自分を悪に見なすことで、より大きな悪事を正当化する論調でさえある。

 

「私ね、あなたの視線に気づいてから……それなりに勉強したのよ……♡」

 

 この時点でナターリアの中では一つの枷が吹っ切れた。

 

「ベッドに寝てちょうだい……楽にしてあげるから……♡」

 

 

 

   ◇

 

 

 

「よく見てて……」

 

 ボトムもパンツも脱がされ、ベッドに仰向けに寝かされたドクターの足の間に座り込んだナターリア。太腿の上に彼の足を乗せ、股間よりそそり立つ隆起が彼女の眼下へと献上される。

 

 力では抵抗できない。

 ドクターは大人しかった。

 実のところは、ナターリアの一挙手一投足に目を奪われていただけ。

 

 ぷち、ぷちと音が鳴る。

 シャツのボタンを一つずつ外しているのだ。

 すべてを外し終えたナターリアは一瞬の無言の後に……。

 

「……じゃ~ん……」

 

 慣れないおどけ方と共に、御開帳。

 ぷっくり膨れる尖がった乳首がご挨拶をした。

 赤く火照る顔と同じく、乳輪はぷっくり熱を帯びる。

 

 ドクターの手の平からはみ出ていた質量が露わとなる。

 

 だぷんっと産声を上げるように露わとなったデカ乳は、若々しい張りを宿しているものの、抗いがたい重力に屈し、わずかに垂れ下がっている。

 

 

 

「……綺麗だよ」

「ありがとう……でも、今は駄目よ。まずは……」

 

 ビキビキと血管が浮き出るグロテスクなソーセージを掴む。

 

「むっつりすけべさんにお仕置きする時間だから……♡」

 

 ベッドに寝かされる際、ドクターはバイザーを脱がされた。露わとなった顔はどことなく切なさを帯びている。直接触りたいと言いたげに。

 

 その子犬のような表情が、そそる。

 

 

 

「イイ子にしていてちょうだいね……」

 

 犬に骨をあげるように、ナターリアは先ほどの布切れをドクターの顔に被せた。

 

 ふわりと乗せられ、途端に咽返るような甘い香りがドクターを包み込む。

 

「これ、ブラジャー……!」

「さっきまでつけていたものよ。……好きに使っていいから♡」

 

 雑音のない部屋ではただの深呼吸がひどく大きく聞こえる。ナターリアは人生で初めて拝む牡の生殖器を掴む。努めて優しく。

 

 真上から見下ろす、キノコのような頭。

 中央に割れ目が走る突起物に向けて涎を投下する。

 

 白く透明な唾液がツツーと糸を伸ばしながら落ちる。

 ボタッ、ボタッと音を立てて落下する度、ドクターが「おっ……」とか細い吐息を漏らした。それすらも、ナターリアの心臓を昂らせる。

 

「おっぱいが好きなドクターのことだから……こういうの、好きなのでしょう……?」

 

 慣れない潤滑油供給作業を終えて、柔乳の谷間へと引きずり込む。大きさの基準が不明だが、イチモツは、肉渓谷に飲まれると全身が埋もれた。

 

 パイズリの始まりである。

 

 

 

 たんっ、たんっ、たんっ。

 

 一定のリズムでボールが跳ねている。

 弾んでいる。

 二つのボールが。

 

「きもちっ……あっ……」

「ふふっ、可愛い声を出すのね……♡」

 

 側面から乳房を手で押さえ、谷間の中で厳かに直立する炭のような巨根を包み込む。

 

 日々の肩こりの主な原因となり、下らない男たちの視線をも寄せつけてしまう邪魔くさい牝果実。

 

 この瞬間においては自慢の武器として振るっている。

 

 乳肉を下へ叩きつける。少し乱暴にズってあげるくらいが丁度いいのだと、すでに見抜いていた。

 

 だぱんっと肉で肌を叩く。

 

 その度に、自由を求めるように赤黒い亀頭が顔を覗かせる。未成年にしては規格外。ロドスにいる同世代の中ではずば抜けたプロポーションだ。

 

 それでも、動いてしまうと隠し切れなくなる。

 

「まだ出しちゃダメよ、ドクター♡」

 

 

 

 生意気ね。

 

 そう叱りつけるように乳房を持ち上げる。内側の肉がずるるると形を変えながら牡マラを撫でつけ、やがて飲み込む。

 

 そうしてまた、束の間の呼吸を許す。

 

 生まれた時から備わっていて、発育と共に勝手に大きくなっただけの贅肉で挟んで、動かしてあげる。

 

 それだけで、戦場で辣腕を振るう大人が甘えるのだ。

 自分のブラジャーの匂いを嗅ぎながら、おっぱいにされるがまま。

 

「はい、ぎゅぅ~……♡」

 

 優しいお母さんのように声をかけながら殊更に腕に力を込める。そのままぐにぐにとおっぱいをこねくり回す。中に呑み込まれたペニスは乳肉によって舐め尽くされる。

 

「おっ……おぉっ……」

 

 頭の後ろに悪い質感の熱が充足していく。

 じんじんと、満たされる。

 ドクターの情けない声を聞いていると脳がくらくらする。

 

 ふと、悪いことを思いつく。

 

 

 

「ねえ、ドクター。私の胸、なにカップだと思う?」

 

 見ていいわよ、と囁く。

 ここまで来た以上、ドクターにはプライドなど残っていないのだろう。

 視界を真っ白に染め上げていたブラジャーを持ち上げ、タグを確認する。

 

「……Hカップ……」

 

 ぎゅむりと締め付けてくる肉厚さを体感するだけでも十分で、嗅覚すらもおっぱい臭に染め上げられたというのに。

 

 ここまで記憶を刻み込まれてしまっては、もはやドクターはナターリアの魅惑から逃れようがない。

 

「実を言うとね、私……この無駄に大きな胸が嫌いだったのよ。だからわざと小さいサイズにしてもらっているの」

「それって……まさか……」

「ふふっ……ドクター、実を言うとね、私のバストサイズは――」

 

 

 

      「Iカップよ♡」

 

 

 

 びゅーーーーーーーッッッ!

 

「きゃっ……♡」

 

   びゅるるるrrrrr~~~……

 

 ブラジャーのタグを確認した時点で興奮は最高潮に達していた。

 

       びゅく……びゅくぅ……

 

 今日の今日まで女の気配など微塵もなく、仕事一辺倒。

 

 蕩けた牝の眼差し。未成年と成年の狭間で揺らぐ、オンナの吐息。濡れた唇からまろび出たバストサイズ報告は、ドクターにとって猛毒だった。

 

 

 

「はぁっ……! はぁっ……!」

 

 たったの一段階の差だ。

 それでも、一段階。

 自分が今日まで舐め尽くすように凝視していたのは意図的に抑え込まれていた大きさだった。

 

 自分だけが本当の意味で、ナターリアのデカパイを見て、知って、味わっている。

 

 その充実感のせいで堪えきれず、ドクターは足をぴーんと伸ばしながら、谷間の中へ白濁液をまき散らしていた。

 

 

 

「すごい匂い……ねえ、見てドクター♡ ドクターの精子ったら……ほら♡ 私の胸の中でネバネバして、糸を引いているわよ……♡」

 

 デカ乳を下から持ち上げ、内側にどれだけ吐精したのか確かめさせるナターリア。わざと乳房を横に広げるおかげでザーメン色の橋が無数に伸びて、崩落する。

 

「気持ちよかった?」

「……あぁ」

「それはよかったわ」

 

 くすくす笑い、痴女行為による集大成を脳に刻む。

 男の射精を生まれて初めて拝んだ興奮も相まって、今のナターリアは無敵だ。熱が冷めれば反省と後悔と自責に駆られるだろうが、今はまだ、肌の触れあいによる悦びで満たされている。

 

 そして、熱は当分、冷めそうになかった。

 

「……男の人って、一回出したら終わりって聞いていたのだけれど……」

 

 栄養を吐き出したはずの巨木は、すでに活力を取り戻していた。

 

「……せっかくなら……このまま最後まで、どうかしら?」

 

 しかし次の一言が、ドクターに理性を取り戻させる。

 

「あなたの役に立てるなら……私のこと、使ってほしいの」

 

 

 

   ◇

 

 

 

「ロサ……いま、なんて?」

「だから、使ってほしいの。こんな私でも……あなたを満足させられれば、少しは存在意義があるでしょう?」

「……そんなことを言ってはダメだ、ロサ」

「……どうして?」

 

 空気が凍りつく。

 熱欲の宴が陰る。

 

「違うの? もし違うのなら……あなたはどうして、私にあんな視線を向けたの?」

 

 ナターリアはドクターに覆い被さった。そのまま拳を振り上げるような勢いで迫る。

 

「答えてドクター。あなたは私のことを――」

 

 

 

「一目惚れだよ」

 

 

 

「……………………」

 

 

 

 続きの言葉は喉元でつっかえた。

 目をぱちくりさせて、言葉を咀嚼し、意味を理解し、やがて……。

 

「……え?」

 

 性技を駆使していた時とは意味の異なる赤で、頬を染める。

 

 

 

「君を見て、綺麗だと思った。好きだと思った。これでは、君は納得しないだろうか?」

「……外見が、好みだから……?」

「だから、内面も知りたいと思ったんだ」

「……私の内面なんて、知らない方が良いわ。だって、私は――わたし、は……」

 

 思い出したくない記憶。

 忘れたい凄惨な光景。略奪と、殺意の集合と、無邪気な笑み。暖かいのに恐ろしい炎と、燻っていた殺意を迸らせる大衆――

 

「……こんなにも醜いのに……」

「……君が経験した辛さを本当の意味で理解してあげることは、私にはできない。私はその場にいなかったからね」

 

 ドクターはナターリアのほっそりとした肩を両手で優しく掴み、上体を起こす。そうしてゆっくりと腕を伸ばし、抱きしめてあげた。

 

「だから、もしも君が誰にも見せたくない内面を持っているというのなら……見せたくない顔は、隠していい」

「……え?」

「例え家族でも隠し事をしたり遠慮したりするんだ。なにもおかしなことじゃない」

 

 それでも、と紡ぐ。

 

「私は君を知りたい。いつか君の中で折り合いがついた時は、それを曝け出してほしい。それまでは……君が見せたい君の側面を、私に見せてくれないか」

 

 懐にずっと隠していた冷たい塊が急に溶け出した。

 ナターリアの肩は震えている。

 

「   ナターリア   」

 

 こみ上げる嗚咽が涙と一緒にぼろぼろ溢れる。

 

「罪は捨てられないし、捨てるべきでもない。でないと、未来で同じ過ちを繰り返してしまうからね」

 

 

 

   ◇

 

 

 

 ナターリアは毎晩、虚空にむかって言い訳を繰り返した。

 

 終わりなき自問自答……自問自責だった。

 

 私は悪い女よ。でも一人だって殺していないの。仕方なかった。ああしないと、私が誰かに殺されていた。自分を守るのはおかしなことじゃないわ。贖罪のために、これからは自分にできることをするわ。嗚呼、でもナターリア、それは贖罪という名を被った偽善なのではないのかしら? でも仕方ないの。私は悪い女よ――

 

 自分の声が、壊れたレコードのように……。

 

 

 

「……おっぱいに射精したくせに……」

「それは……はい。気持ちよかったです」

「……ふふっ……」

 

 君は悪くないと慰められる度に、それを拒否する自分がいた。

 

 ナターリアにとって、ドクターの肯定は居心地がよかった。

 

 この特殊な状況も相まって……。

 

 

 

「……ねえ、ドクター」

「ん?」

「今の言葉は、本心なのよね?」

「もちろんだ」

「……それなら……」

 

 ナターリアは後ろへ倒れた。

 無力な少女を演じるように、両手を顔の傍に投げだして。

 

「リードしてほしいの」

 

 相手の顔色を伺い、率先して忠誠を演じていた少女はもういない。

 

「最後まで」

 

 ベッドの上にいるのは、年相応に我が儘なナターリアだった。

 その我が儘さは昏い熱に加熱されることで、危うい甘え方へと変貌していく。

 

 

 

   ◇

 

 

 

「ねえ、ドクター。本当に……撮影するの?」

「嫌、というわけではないのだけれど、でも……んっ♡ ちょっと、人が考えている途中でキスは……あっ♡」

「ん、だめ、だーめ♡ そうやって乳首かりかりするのずるいわ……♡♡♡ あっ、わかった、わかったから♡ 撮って良いから、首にキスはだめ……♡♡♡」

「初めて胸で挟んであげた時と比べて本当に意地悪になったわよね。……なぁに? 別に嫌いとは言っていないわ♡ ふふっ♡ それに……どうせ嫌って言ってもやめないくせに♡」

「あんっ♡ もうっ♡ そうやって乱暴に乳首を撫でるのやめてってば……♡ 最初の頃はお姫様みたいに扱ってくれたのに」

「え? 人前でフェラチオの真似をして挑発してくる悪い子にはお仕置きが必要? 間違った甘え方は矯正しないと駄目? ……じゃあ、もうああいうサービスは不要ってことかしら?」

 

 

 

「――ひゃあん!?」

 

 

 

「だから、急に指を挿れるのはマナーがっ……♡ びしょ濡れって、言わないでッ……♡♡♡ ほんっと、デリカシーのない人……♡♡♡」

「返答に困るとする体で訴えてくるのはあなたの悪い癖よ……あっ♡ あっ♡ あぁっ♡♡♡ だめ、だめってば、音、立てないでぇ………………ッッッ~~~♡♡♡」

 

「はぁ……♡♡♡ ぁ~……♡♡♡」

 

「……も~っ……♡ 指、見せないで……♡♡♡」

「わざと糸を伸ばすのもだめよ……♡♡♡」

「……じゃあ、お詫びにいつものシテあげるから――」

 

「脱がしてちょうだい♡♡♡」

 

 

 

――ドクターとロサの無数のハメ撮りより抜粋。

 

 

 

   ◇

 

 

 

 現在――

 

 

 

 ズィマーのすぐ傍での疑似フェラチオに対するお仕置きをした後、ドクターは何食わぬ顔で仕事を続けた。もちろん行為を『匂わせる』証拠は一切隠滅した上で。

 

 集中力は皆無だった。

 

 書き間違えやら聞き間違えやらケアレスミスを連発してズィマーに怒鳴られても朗らかな笑みを浮かべていたせいで気味悪がられた時でさえ、肉棒を咥えて頬をすぼめるナターリアの恍惚とした表情が瞼の裏でリフレイン。

 

 なんだかんだでなすべきことを終えて自室へ戻ったドクターは……。

 

「おかえりなさい。今日も大変だったわね♡♡♡」

 

『残業』を始めることとなる。

 

 

 

「画面の前のあなた、ちゃんと見ていたかしら? ドクターったらただいまも言わないで強引にキスして、しかもお尻ばっかり揉んできたのよ。最近また大きくなった気がするの。ドクターには責任を取ってもらわないといけないわね♡」

「キスしながらただいまって言ったし、お尻が大きくなるのは良いことだよ」

「他の男性の視線も集まるけど?」

「君がそれだけ魅力的だからね。嫌だけど誇らしいよ」

 

 

 

 ドクターはナターリアからの抱擁と労いのキスに甘んじている間にすっかり臨戦態勢になっていた。

 

 仕事の重圧からの解放感もあるが、それ以上に出迎えてくれた恋人の装いのおかげでもある。

 

 青。透き通った青空を思わせる濃いめの青が素肌を適度の隠し、適度に露出している。

 

 過剰なフリルで彩られたベビードールだ。

 

 スリップはバスト部分で紐が結ばれているだけの前開き。

 同じく青色のTバックはリボン付き。

 

 基本的に制服に身を包むためほとんど素肌を晒さないナターリアは、他の視線を気にしなくていい密室においてのみ、自由を謳歌する。

 

 特にタイツを常用する両足は、呼吸の自由を喜ぶように白雪のような素肌が生き生きとしている。

 

 

 

「それで、魅力的な私にこんな態勢をさせているのはどうしてなのかしらね?」

「友人の前で私を誘惑したことへのお仕置きだよ」

 

 二人は流れるようにベッドへ移動した。

 ナターリアはまたもや蹲踞の姿勢を強いられていた。

 

 ドクターはと言えば、ナターリアの背後に陣取り、スリップに包み込まれた肉果実をふにふにと堪能している。

 

 ビデオカメラは忠実にその様子を記録していく。

 

 

 

「あれは……だって……」

「だって?」

「……ソニアと二人きりなのが、ちょっと心配で……」

 

 いつものようにブラジャーをつけていない無防備な葡萄に張り付く指の動きが止まる。するすると滑り落ち、腰を柔く掴む。

 

「私が他の女の子と一緒だから焼きもちを妬いたと」

「…………」

 

 そのままするする、するすると。

 

「可愛いね、ナターリア」

「その可愛いには抗議したいところ――」

 

 ツンと突き出る乳首のように唇を尖らせ意固地を演じるナターリアの『急所』を指先が思いきり『舐める』。

 

「ひぃっ♡♡♡」

 

 そのままTバックを脱がさず、二本指をあてがって左右にスクラッチ。

 拗ねた子どもをあやすように、クロッチをよしよしする。

 

 

 

「そこ、触るのだめっ……♡ あ、あぁん♡♡♡」

「じゃあ機嫌直してくれる?」

「……いやっ♡ ドクターの思い通りになんてならな、あ゛ッ♡♡♡ いきなり、はげしっ♡ はっ♡ はぁぁぁ♡ んんぅ~~~♡♡♡」

「……ナターリア、それは無理だと思うんだ」

 

 クロッチを横へずらし、Tバック越しに愛撫していた割れ目を空気へ晒す。問答無用で指を滑り込ませれば抵抗は一切なく、にゅくりと音を立てて迎え入れてくれる。

 

「君は私のなに? いつも言ってるからわかるよね?」

「んっ、ん゛ん゛ぅ゛~……♡♡♡ およめ、さん……♡」

「ちょっと違うよね」

「はぁんっ♡ ちくび、だめ、つままないでぇ……♡♡♡」

 

 股を覆い隠すようにのっぺり張り付く右手の中指が襞肉をなぞる。掻き乱す。粘性を有する水が容器の中で混ざるようにくちゅくちゅと反響する。

 

 ついでのように左手は乳首を摘まみ、生意気な精神をこらしめるように強めに捻り上げる。

 

 耳元で囁き、ダメ押しの甘噛み。

 

 

 

「わ、わたしはっ、ドクターのっ……マゾ牝嫁、だからぁ……♡♡♡」

 

 

 

 降参の旗印を言語化する。

 このやり取りがあって、二人の夜は正式に始まるのだ。

 

「だから、もうっ、イク……っ~~~……♡♡♡」

 

 中指を突っ込まれた時点で両足はかくかくと開閉を繰り返していた。執拗な愛撫によってついに達したナターリアは、天井を仰ぎ見ながら股間に張り付く右手を太股で思いきり抱擁しつつ、倒れ込んで手をつく。

 

「じゃあ、勝手にイっちゃったお仕置きをしようか」

「……意地悪♡」

「意地悪な私は嫌い?」

「……言わせないで♡♡♡」

 

 再び舌を絡めて愛情を確認してから、本格的なお仕置きへと移行する。

 

 

 

   ◇

 

 

 

「ねえっ、この姿勢、動きづらいのだけどっ……♡」

「お仕置きだからね」

 

 仰向けに寝そべるドクターの上にナターリアは完全に重なっていた。体の向きは反対にして。つまりは互いの性器が互いの顔に当たるような重なり方。

 

 俗に69と呼ばれる体位。

 普通ならフェラチオとクンニで互いを高め合うのだが……。

 

「あ~、まんこ眺めながらおっぱいでズってもらうの最高だな……」

「ほんっと、私の未来の旦那様はいい趣味してるわっ……♡」

 

 ナターリアは口ではなく柔乳でご奉仕していた。

 相応の背筋がなければできない69パイズリである。

 

 

 

 夜はノーブラ。

 垂れ下がる豊満はずっしり。

 

 スリップ一枚で隠していた牝乳は、愛欲まかせに揉みしだく男の両手のおかげで、かえって支えられていた。

 

 スリップが軽く悲鳴を上げていたほどだ。

 両開きタイプにしていなければ完全に伸びていただろう。

 

 そして今、胸元の結び目を解かれ、露わとなった肉厚の乳山は、持ち主の細くしなやかな指先によって一定の形状を保っている。 

 

 跳躍の音はない。

 牝肉はドクターの下腹部に密着したまま、激しい動作は伴わずにぐにぐにと巨根を揉みしだいているのだ。ズリというより、マッサージ。

 

 大きく上下することもないので、ペニスが誇る猛々しさ獰猛さ凶暴さは完全に肉山の中に隠れている。

 

 全身を湯船に浸かってバブルシャワーを四方から浴びている感覚に近い。

 

「あっ、まん汁垂れてる」

「もぉ~っ……♡♡♡」

 

 しかも、牝臭い洞穴のリアルタイム観察サービス付き。

 

 幾度の蜜月による挿入によってすっかり艶を纏った膣肉。愛液によってふやけ、爛れてびらびらとなった唇。開発され尽くし、ドクターの存在が傍にいるだけでくぱくぱ物欲しそうにヒクついてしまう穴。

 

 もみゅ、もぬぅ、とおっぱいマッサージを浴びながら、両手で下の口を広げる。

 

 猥雑な様子を逐一実況する度に、ナターリアは照れ隠しのように両手の力を強めた。

 

 

 

「そろそろ舐めていい?」

「だ、だめっ……♡♡♡」

「舐めるよ」

「いまは、だめよっ……♡♡♡」

 

 フーッと吐息を吹きかける。

 視覚の外からもたらされる悪意のこもった人口の送風は、マフラーの隙間から首元へ入る木枯らし同然。

 

「ひっ♡」

 

 それは玄関の呼び鈴としての意味も含む。

 

「あっ、は゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛~~~♡♡♡ あ゛ーッッッ♡♡♡ やだ、はげひっっっ♡♡♡ ひィ゛ン゛♡♡♡」

 

 接吻。

 ドクターの唇がディープキスをお見舞いし、離れない。

 口の中から伸びる舌が一方的に侵略し、貪る。

 

 ぢゅるぢゅると無作法な吸い方。

 かつてのナターリアであれば聞くに堪えぬ騒音だっただろう。

 

「ひ゛~~~♡♡♡ やめ、だめ♡♡♡ だめぇ♡♡♡ どくたぁ、きこえてっ――は゛ぅ゛~~~♡♡♡」

 

 今のナターリアは。

 マゾ牝嫁の悦びに目覚めたナターリアは。

 

 己の体を楽器のように扱われ、骨を通じて頭蓋に響き、鼓膜を通じて二重に聞こえる艶めかしい演奏に合わせて歌うことができてしまう。

 

 二人はすっかり息がぴったりだった。

 

「い゛っっっ……く゛ぅ゛~……っっっお゛♡♡♡」

 

 ナターリアの両手はご奉仕を放棄していた。

 

 

 

   ◇

 

 

 

「ほ゛っ……♡♡♡ お゛ぉ゛~……♡♡♡ ほんと、きょうも、おっきい……♡♡♡」

「がに股で腰を下ろすナターリアは可愛いね」

「その褒め方、やめてっ……♡♡♡」

「髪で良い感じに背中とお尻が隠れているのが逆にえっちだよね」

 

 お仕置きは続く。

 クンニによっておっぱいマッサージを中断し、一人で勝手にイキ散らかしたことへのお仕置きとして。

 

 背面騎乗位――

 

 ドクターがペニスをまっすぐ持ち支え、ナターリアは両手を頭の後ろで組みながら、品性の欠片もないガニ股蹲踞で腹の中へとお出迎えしたのだ。

 

 Tバックは脱いであるものの、片足に引っかかったまま。

 本来の役目を放棄し、淫靡さを助長するための装飾へと成り下がる。

 

 真の意味で、おかえりのハグの完成である。

 

 

 

「今日もダンスがぎこちないね。どこか体調が悪いのかな?」

「お゛ッ……おなか、の、なか……あ゛ッ♡♡♡ なかが、へんなもの、のせいで……♡♡♡」

「へんなものねぇ」

 

 ベッドに手を突くことは許されない。

 マナーなどあるはずもない舞踏会には二人だけのルールが存在した。いや、ドクターが一方的に要求する不利な条件とでも言うべきか。

 

「ほ゛ン゛……♡♡♡ お゛……♡♡♡ ほ゛ぉ゛……♡♡♡」と情けないオホ声をか細く漏らすナターリア。

 

 膝のみを駆使して上下に動き、吐精を速めるように腰を前後して重厚なヒップを擦り付ける。動けば動くほど、接続部分からは透明な愛液が漏水し、べったりとした白い本気汁がペニスを汚す。

 

 ダンスの途中でふらつくレディを抱き支える紳士のように身を起こし、腕を回すドクター。

『紳士的な』両手はスリップごと乳房を包み込んでいる。

 

「私からすればこっちの方が『変』だけどね」

 

 揶揄うように耳元で囁きながら二本指で山頂をすりすり。

 布ごしに乳首を愛でる。

 デカ乳でペニスを包み込まれることを好むように。

 

「すりすり、だめっ……♡♡♡ あんっ……♡♡♡」

 

 間接的な接触がもたらす快感は別種の甘美を発揮する。

 

 

 

「乳首気持ちいい?」

「きもちいっ、けど、だめぇ……♡♡♡」

「ナターリアは我が儘だね」

 

 そうなるように仕向けたのはドクターだ。

 

「我が儘で、しかも悪い子だ。これはじっくりお仕置きしないと大変なことになる」

「……ふふっ♡ 大変なことって?」

「将来生まれる子どもの教育によくないって意味だよ」

 

 むしろドクターの愛し方こそ子どもにはよくないだろうが、ナターリアがそれを指摘する機会はない。

 

 肉厚な葡萄をいじらしく堪能していた両手が、狙いを下腹部へ変えてしまったから。

 

「お゛ッ……♡♡♡ まって、おなか、だめ♡ そこは、だめなの♡ もっと、だめ……♡♡♡」

 

 反射的にナターリアの両手がドクターの手首を掴む。

 普段ならむりやり引き剥がせるはず、なのに。

 

「お゛ッ……♡♡♡ お゛ほ゛~……♡♡♡」

 

 ぐにぐにと下腹部の中央を指圧されるごとに、ナターリアの背中が丸まっていく。

 

 

 

「ああ、本当だ。お腹の中が妙に硬いね。なにか変な物が入っているのかな?」

「しってる、くせにっ……ぃ゛~~~っっっ……♡♡♡」

 

 ベッドのスプリングは眠っていた。

 二人は一つの岩になってしまったかのように不動だった。

 ナターリアの華奢な肩はびくびく震えているが。

 

「自分から誘惑してきたあの頃が嘘みたいに敏感だね」

 

 ゴールデングローが来てからは手入れの手間が減った麗しい髪へと鼻先を埋める。ここだけはシャンプーの残り香が優位だ。

 

「ドクターがっ……こんな、飢えた獣だとは、思わなかったのぉ……♡♡♡」

「腕っ節では敵わないけど、それで君が油断してくれたなら……私の作戦勝ちってことかな」

 

 この会話の最中もぐにぐにぐにぐに。

 ナターリアのお腹に住み着くかのようだ。

 

 激しくはないが、終わりもない。滔々と流れる川の流れに似ている。日焼けとは無縁な陶器のようにすべすべの両足は、神経を伝達する悪い『気』を逃がそうと必死だ。

 

「ふ゛に゛ィ゛……♡♡♡」

 

 逃がしきれなかった残留物が溜まりに溜まって、決壊。

 体をくの字にしたまま、ドクターの腕の中で悶える。

 全身を軋ませる。

 

 

 

「ナターリア、今ので何回目?」

「わ、わかんにゃいわ……♡♡♡」

「私はまだ一度も射精()してないのに」

「ごめにゃはい……♡♡♡」

 

 こういう時だけ、二人の息は乱れる。

 ナターリアがついつい先行してしまう。

 

「ダメだよ」

 

 そんな彼女を引き留める。

 贅肉と無縁なくびれた腹部に腕を回す。

 

「口じゃなくてお腹で反省しよう、ねっ!」

「ふ゛に゛ェ゛お゛ッッッ♡♡♡」

 

 ナターリアもろとも後ろに倒れるドクター。

 そうして、膝を曲げ、発射態勢に移行する。

 ばすんっ、ばすんっと激しく上へ打ち上げる。

 お腹の裏側をぞりぞりなぞられる度、牝尿道からぶしゃぷしゃと噴水が。

 

「完全にとろとろだね! じっくり時間をかけた甲斐があったよ!」

「ほ゛ッ♡♡♡ お゛ーッ♡♡♡ ぉ゛ん゛♡♡♡ い゛く゛♡♡♡ い゛、いっちゃう゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛♡♡♡」

 

 冬眠から目覚めて春を謳歌するように金具が軋む。

 男らしさのない非力な指揮官は、ベッドの上でのみ、刹那の情欲に駆られて意外な持久力を披露するのだ。

 

 それは下腹部の辺りから訴える劣欲の花火を打ち上げるまでの、一瞬だが。

 

射精()るっ……!」

 

 視界が明滅するナターリアには、何十分ものパレードに感じられた。

 

「お゛~~~♡♡♡ でてる、でてりゅっ……♡♡♡ あついぃぃぃぃ~……♡♡♡」

 

 二人はぐっしょりと大汗をかいていたが、離れようとする素振りは僅かにも見せやしない。

 

 

 

   ◇

 

 

 

「ん゛ぅ゛き゛♡♡♡」

 

 どろどろの花火を打ち上げ終えた砲身が引き抜かれる。

 収まりきらない粘液は、コルク栓を引き抜いた逆さまのワイン瓶のように中身を放出していく。その際の引っかかったカリ首は、傷口への塩に等しいのだろう。

 

「やだ、とまんにゃい……♡♡♡」

 

 見事な噴水が弧を描く。ほぼ真上。天井には当たっていないものの――

 

「おぉ、カメラにまで届いた」

 

 掠るだけでも濃厚な牝臭がこびりつくお漏らしが、ビデオカメラと三脚に直撃した。

 

「だめじゃないかナターリア。あれは防水仕様だけど、君のえっちな匂いは簡単には離れないんだよ」

「そ、そんなこと言われても……♡♡♡」

 

 絶頂の余韻で、どこかふわふわとした喋り方。

 軽く振り向き、潤ったままの吐息をドクターの鼻先に吹きかけながら、ナターリアは弁明する。

 

「だって……ドクターのが、気持ちよすぎて……♡♡♡」

「……そうやって私に責任をおしつけるのは良くないなぁ」

「そ、そういう意味じゃ――」

 

 もちろんドクターもわざとだ。

 にやにやと意地悪く笑っている。

 

「お仕置きだね」

 

 言うや否や、ナターリアの太股を片手で掴む。

 そしてもう片方の手が、思いきり股の中央へと張り付いた。

 叩きつけられていく。

 

「い゛ッ♡♡♡」

 

 お尻ペンペンならぬ、おまんこぺんぺん。

 

 平手に精液と愛液とが混ざって、付着する。

 

「ごめんなさい♡♡♡ どくたぁ♡♡♡ どくたぁ~~~♡♡♡」

 

 痛々しくも甘美な悲鳴が木霊する。

 足を閉じようにも、片足は自由を奪われたまま。

 醜態を隅々まで、記録される。

 

 

 

   ◇

 

 

 

「ほ゛ッ……♡ ふ゛ッ……♡ お゛ぉ゛ッ……♡」

「お尻が止まっているよ」

 

 べしぃん♡

 

「ほ゛お゛ぉ゛~~~♡♡♡」

 

 今度は後背位。

 

 ベッドの上で四つん這いになり、涎をだらだら零すアヘ顔を晒しながらお尻を後ろへぶつけるウルサス美少女。

 

 北国由来の青白い素肌は至る所が赤い。

 それはもちろん興奮と運動による発熱に由来するが……。

 

「お尻叩かれて喘ぐなんてとんだ変態だね」

「言わな――あ゛ぁ゛ん゛♡♡♡」

 

 背後のドクターにぐりっと押しつけたままの臀部に焼きつけられた葉っぱ模様の赤みは、ひりひりとした痛みを伴っていた。

 

 

 

「じゃあド変態のナターリアも可愛いねって言おうか」

「やめてっ……♡」

「喘ぎ声もえっちで可愛いね」

「もぉ~……♡♡♡」

 

 デカ乳を真下へ垂らしながら体を前後に揺さぶる。

 筒状になった乳袋も揺れる。重力で変形した柔乳はいつだってドクターを夢中にさせていた。

 

「カメラを回している方は喘ぎっぷりがひどくなるのも可愛いよ」

「そ、それはっ……そういうわけじゃ……」

「じゃあ次からはカメラなしでやろうか?」

「えっ……」

「ハメ撮りしないって言っただけでそこまで悲しそうな顔をするのも可愛いよ」

 

 ドクターとしてはおふざけの一環のつもりだったが。

 

「そ、そうじゃないわ。ただ……」

 

 ナターリアも己の言動を自覚して、遅れて俯く。

 俯きながらも、少しだけ唇を尖らせつつ述べた。

 

「えっちしてる時って記憶があやふやだから……後で見返せる方が、思い出になっていいでしょう?」

 

 茶化すドクターにいじけるように。

 

 

 

「…………」

 

 ドクターは少女の考えを聞いて一瞬口を閉じたが――

 

「でも『鑑賞会』すると耳を塞ぐよね」

「だって恥ずかしいものは恥ずかしいもの!」

「可愛いね」

 

 結局は、歳の離れた彼女の可愛さへと収束する。

 性行為が必ず一つの結末へと辿り着くように。

 

 

 

「じゃあナターリアのためにえっちな思い出をたくさん作っていかないとね」

「別にそんな……ていうか、もっと優しくシテって意味で――」

 

 ナターリアのすべすべな肩を掴むドクターにその要望は聞こえない。

 聞こえたとしても聞こえないふりをするだろう。

 傲慢な領主のように。

 

「ほ゛あ゛ッ♡♡♡」

 

 肩を引っ張り、上体を反ることをナターリアに強いる。ナターリアは弓にさせられていた。文字通り弓なりに背中を曲げている。

 

 突き出されたままの臀部に、自ら下腹部を打ち据える。

 

 ロールスロイス――

 

 先ほどの打ち上げピストンのように、お腹の裏側の弱点、つまりはGスポットを経由して子宮口(ボルチオ)をど突く。

 

 

 

「お゛っ♡ お゛ぉ゛♡ い゛く゛~~~♡♡♡ い゛く゛い゛く゛い゛く゛♡♡♡ い゛く゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛~~~♡♡♡」

 

 肌がぶつかりあう度にばるんっと柔肉が跳ねる。もう跳ねっぱなしだ。避妊薬を飲んでいなかったらとっくに母乳が溢れる体になっていたことだろう。強制絶頂への不満を吐露するように乳首は突き出ている。

 

「どくたぁ、もう、ゆるひっ♡ イ゛ッ♡♡♡ ひいぃぃぃ♡♡♡ イクの、とまらないの♡♡♡ ゆるしてぇ♡♡♡」

「えー、じゃあ……」

 

 むしろ潤んだ顔、媚びへつらう喘ぎ、汗をふりまく淫らな舞が見たい。

 

 ドクターにはお仕置きをやめるつもりは毛頭ないが――

 

「熱烈なキスをしてくれたらすぐ射精()してあげる」

「……えっち♡♡♡」

 

 にへらと笑ってから、唇をぶつける。

 最初に出迎えた時よりも激しく舌を絡め合う。

 

「ほ゛ッ♡♡♡ ほ゛~~~♡♡♡ い゛く゛い゛く゛い゛く゛イ゛ク゛イ゛ク゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛~~~♡♡♡」

 

 実際、そのまま射精した。

 濁った白い牡汁をびゅるびゅる吐き出した。

 何度目か分からぬ潮吹きがシーツを濡らす。

 どくどく注がれる襞壷は、それを飲み干すようにきゅうきゅう締まり。

 それでも結局、ペニスが抜ければ逆流して水溜まりを描く。

 

 

 

「どくたぁ……♡♡♡ すきぃ……♡♡♡」

 

 舌の舞踏は続く。

 唾液の橋を作っては壊れ、何度も何度も、唇を重ねた。

 

 

 

   ◇

 

 

 

 回想――

 

 

 

 逢瀬を重ねるのは夜の方が断然都合が良い。

 

 けれどもナターリアがベビードールを着用するようになったのは、二人の秘密の関係が始まってしばらく経ってからのことだった。

 

 偶然にも、ドクターの外勤任務の護衛にナターリアが選出された。危険度が低い街ということもあった。もちろんドクターの個人的な思惑も。

 

 かといって露骨なおさぼりデートに興じる訳でもなく、仕事のついでに街を散策して軽い気晴らしにしようと思っただけ。

 

 実際、ナターリア以外にもオペレーターが数名いたわけで。

 

「あっ」

 

 それでも上手いこと別行動の口実を作り、二人きりで大通りを歩いていた時のこと。

 ナターリアは珍しく立ち止まり、窓の向こうのマネキンを見つめていた。

 

 

 

「っ……コホン。ごめんなさい、ちょっと」

 

 しかし己の振る舞いを恥じ入るように、いつもの真面目モードへ。

 

「あれが欲しいのか?」

「ちょっと眼を惹いただけで、別に……」

 

 見れば、それは年頃の少女が好みそうな愛らしいワンピースだった。ナターリアが普通の女の子であれば別段、立ち止まって食い入るように見つめることもなかっただろう。

 

 しかし彼女は生まれてからあの日まで――

 

「よし、買おう」

「えっ、ちょ、ドクター!?」

「合流時間までに済ませれば問題ない。迷っている方が作戦の失敗に繋がるよ」

「言い方はそれらしいけれど……!」

 

 

 

 そしてやや強引にドクターが買い物を済ませた。

 ナターリアは終始申し訳なさそうだったが、試着して鏡を見た時の表情を見て、ドクターは己の行いに満足すらしていた。

 

「私は君の望みを全て叶えてあげることはできないよ」

 

 でもね、と続ける。

 

「君に綺麗でいてほしいと願うのは恋人として当然のことだ。これはプレゼントだよ」

 

 紙袋を手渡されたナターリアは、なにかを噛みしめるように口を閉ざしていた。やがて……。

 

「……私の物ってことかしら?」

「君の物だ。他の誰の物でもないよ」

「……そう」

 

 降雪の溶けた大地から咲き誇る花びらのように笑顔をほころばせ、ドクターの腕を引いて歩き出した。

 

「荷物持とうか?」

「いいわ。自分で持ちたいの」

「喜んでもらえて良かったよ」

「だって、これは私の物なのよ」

 

 自分の所有へ帰結するプレゼントは、初めてだったのか。

 

「ありがとう、ドクター」

 

 

 

 このやり取りもあって、ドクターはどんどんナターリアに『可愛い物』をプレゼントしていく。それはやがて夜の営みで用いる服飾にまで及び――

 

 故に、蜜月におけるナターリアは、彼女好みの『可愛い』で満ちあふれるようになったのだった。

 

 ちなみに、初めてベビードールを贈った時は「すけべ♡♡♡」と言い放ったため、執拗なお仕置きをされたことは想像に難くない。

 

 

 

 そんな一夜も、今では思い出である。

 

 

 

   ◇

 

 

 

 現在――

 

 

 

「服、汚れちゃったから……そろそろ着替えようかしら」

 

 透明な糸をつぅーと伸ばしながら唇を離し、問いかける。

 お互い汗まみれだ。

 

「次はなにを着てほしい?」

「君はなにが着たい?」

「あなたに選んでほしいの♡」

 

 買いそろえたものはどれもナターリアの趣向が反映されている。もう彼女は親の操り人形ではない。

 

 であれば、選定の基準となるのは――

 

「次はどんな私と戯れたいのかしら……♡」

 

 しばしの逡巡。じゃれつく愛撫。飽きることのないキスを繰り返しながら悩みに悩んで――

 

 

 

「次は――――――――」

 

 二人の夜は続く。

 

 

 

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