エニルが割り当てられた自室の隣、キラの部屋のドアに手をかける。
ノックに返事はなかったが、ロックはされていなかった。疲れ果てて鍵をかける気力すらなかったのだろう。
静かにドアを開けると、照明が落とされた薄暗い部屋のベッドで、キラが膝を抱えてうずくまっていた。
「……エニス、さん」
顔を上げたキラの瞳は赤く腫れ上がり、ひどく憔悴しきっていた。
自分がストライクで戦ったから、ヘリオポリスが崩壊してしまったのではないか。
友達を戦争に巻き込んでしまったのではないか。
そして何より、人を撃ち落としてしまった感触。極限のプレッシャーと罪悪感が、15歳の少女(少年)の心を無残に引き裂いていた。
「フレイたちから聞いたわ。眠れないそうね」
エニルはベッドの縁に腰を下ろし、優しくキラの頭を撫でた。
キラの肩がビクッと跳ねるが、その手の温もりにすがるように、ぽろぽろと大粒の涙をこぼし始める。
「僕のせいで……ヘリオポリスは……。みんなの家が、なくなっちゃった……っ」
「あなたのせいじゃない。ザフトが襲撃してきた時点で、あのコロニーの運命は決まっていたわ。あなたはよくやったのよ」
「でも……っ、怖いんです……! あんな風に、人を撃つなんて……!」
嗚咽を漏らすキラを、エニルはそっと抱き寄せた。
華奢な身体が小刻みに震えている。制服越しでもわかるほど、筋肉は極度に緊張し、心も体も限界を迎えていた。
「……少し、力を抜きましょう。このままだと、心が壊れてしまうわ」
エニルはキラの耳元で甘く囁きながら、その首筋から背中にかけて、ゆっくりと指を這わせた。
大人として、そして同じ『特異な身体』を持つ者として、どこをどう触れればその強張りが解けるのか、エニルは熟知していた。
「あ……っ、え、エニスさん……?」
「いいのよ。今は何も考えないで。ただ、あたしに身を委ねなさい」
エニルはキラの制服を脱がすと、その柔らかな肌に直接触れていく。
男でもあり女でもある、特別な身体。
誰にも言えない孤独を抱えてきたであろうその肉体の熱を確かめるように、エニルは慈しむような口づけを落とした。
「ひゃっ……あ、ダメです、僕……そんな……」
「ダメじゃないわ。泣き叫んでもいい、声を上げてもいい。あたしが全部、受け止めてあげる」
恐怖と罪悪感で凍りついていたキラの心に、抗いがたい熱が注ぎ込まれていく。
やがて部屋の中には、すすり泣きと、甘い吐息だけが響き渡った。
エニルは、キラの秘所に眠る未成熟な男性部分を、優しく、しかし確かな手つきで責め立てた。
経験のないキラの身体が大きく跳ねると、あっという間に白濁を射精し、エニルの豊かな胸や顔にそれが飛沫となってかかる。
「あ……っ」
「ふふっ。まだ、これからでしょ?」
エニルが妖艶に微笑むと、まだ硬さを保っているキラの肉棒を、自らのたわわな胸の間に挟み込んだ。
これ見よがしにエニルが艶かしい唾液を垂らし、胸の谷間で肉棒を滑らせてしごきあげる。
「ああっ、だめぅ……っ」
「何も考えなくていいの。いまはただ、気持ちよくなってしまいなさい」
そういってエニルが絶頂へと責め上げると、キラは再び達し、濃い精液を放つ。
それをエニルは顔を寄せて口で受け止め、最後の一滴まで丁寧に吸い上げた。
「ああ、すごいい……っ」
キラは熱に浮かされた瞳でその様子を見ながら、無意識の内に僅かに腰を動かす。
エニルの口の中で三度目の射精をすると、エニルはたっぷりと白濁を含んだ口の中を見せつけ、ゴクリと飲み込んで見せた。
エニルはにやりと笑うと、キラを仰向けに寝かせ、自分が上になる格好で跨った。
キラの熱い肉槍を、自らの濡れそぼった雌穴にあてがう。それと同時に、エニルは素早い手つきで避妊具を取り出し、興奮で怒張している自らの肉棒に被せていく。
「ふふっ、キラは初めてかな? あたしが初めてを貰うけど、キラの処女のほうには手を付けないから安心してね」
そういって、エニルはゆっくりと腰を下ろし、キラの肉槍を最奥まで飲み込んでいく。
「ああっ、いい大きさだよ、キラ……っ」
「んっ……ふぁっ……」
キラが甘いキスをねだって来たので、エニルは深く舌を絡め合わせる。
部屋の中に、ゆっくりと肉がぶつかり、水音がぬらつく音がこだまする。
やがてエニルの腰が激しく動き始めると、キラも本能のままにその腰を掴み返した。
「エニスさん……もうっ、出、ます……っ」
「いいよっ。好きな時に出して!」
キラの切羽詰まった声に、エニルは歓喜の声をあげてその熱情をすべて受け入れた。
エニルの吐き出した白濁は、避妊具へと溜まっていく。
エニルが見せつけるように腰をあげると、ボトリと音が聞こえるように体液がキラの腰に落ちる。
「んふふ、まだ元気ね。時間もあまりないし、続き、しましょうか」
そういってエニルはキラに抱きつく。
* * *
何度もエニルと交わり、すっかり泣き疲れ、エニルの腕の中で泥のように眠るキラをベッドに寝かせると、エニルは静かに部屋を出た。
ベッドの端には、エニルが吐き出した精液で膨らんだ避妊具がいくつも散乱していた。
汗を流すため、艦内のシャワー室へ向かう。
深夜の誰もいないはずの空間だったが、シャワーブースには先客がいた。
豊かな肢体からお湯を滴らせていたのは、マリュー・ラミアスだった。
「……あら、艦長も眠れないクチ?」
「エニスさん……。ええ、少し」
振り向いたマリューの視線が、エニルの女性らしくふくよかな胸元から、その下で猛々しく自己を主張する男性器までをしっかりと捉える。
マリューは少しバツが悪そうに、けれどどこか熱っぽく見惚れたように視線を逸らした。
艦長として気を張っているものの、彼女もまた前回の歴史の重圧と贖罪意識に苛まれているのだろう。
シャワーの湯気に混じって、マリューの吐息から僅かに酒の香りが漂っていた。
先ほどエニルが渡したボトルに手を出したらしい。
「彼女は?」
「ぐっすりよ。泣くだけ泣いて、体力も使い果たしたわ。明日のシフトまでは起きないでしょうね」
エニルが事もなげにそう言うと、マリューは深く息を吐き出した。
「そう……。ありがとう、エニスさん。あなたに任せてよかったわ」
「お礼を言われる筋合いはないわ。
あたしはあたしのおいしい部分をいただいたんだから。
それに、あれで根本的に解決したわけじゃない。
戦いが続けば、またあのコはすり減っていくわ」
エニルはシャワーの湯を浴びながら、冷徹な事実を口にする。
「わかっているわ。だからこそ、私たちが大人の責任として、少しでも彼女の負担を減らさなければ……」
マリューのその言葉には、前回の歴史を繰り返さないという強い決意が込められていた。
「ま、お手並み拝見といかせてもらうわ。……さて、あたしはパイロット控室で待機任務があるから、先にあがるわね」
「ええ。お疲れ様」
エニルはシャワーを止めると、濡れた髪をかき上げながら更衣室へと向かった。