――アークエンジェル
ミリアリアたちの四人部屋を出て、日が沈み始め気持ち薄暗くなった艦内の通路を歩いていたエニルは、角を曲がったところで不意に見知った顔と出くわした。
「エニス」
「ナタル……お疲れ様。どうしたの、そんなむっつりとした顔をして」
立っていたのは、アークエンジェルの副長であるナタル・バジルールだった。
ナタルは周囲に人がいないことを確認すると、僅かに眉をひそめてエニルを睨むように見上げた。
「……少し話がある。私の部屋へ来い」
それだけ言い残し、ナタルは足早に背を向ける。
エニルは小さく肩をすくめると、その背中を追って士官用の個室へと足を踏み入れた。
部屋のロックがかかるや否や、ナタルは無言のまま軍帽を脱ぎ捨て、上着のボタンを外し始めた。
「えっと……ナタル? 話って……」
「そこに座れ」
ナタルが顎で示したのは、壁際に備え付けられた簡素なシングルベッドだった。
エニルをベッドに座らせると、ナタルは上着に続いて、あろうことかタイトな軍服のスカートまでも脱ぎ捨ててしまう。
下着とブラウス、それにストッキングという随分と無防備な格好になったナタルは、エニルの隣にどっかりと腰を下ろした。
そして、備え付けの机からグラスを二つ取ると、一つをエニルの手に握らせて、無言で琥珀色の酒を注ぐ。
「……飲め」
「あ、うん……いただきます」
有無を言わさぬ迫力に押され、エニルがグラスに口をつけ、少しだけ喉を鳴らす。
それを見届けたナタルは、自らもグラスを呷ると、ふう、と熱っぽい吐息を漏らした。
「……随分と、ご無沙汰ではないか」
「え……あー、まあ、色々と立て込んでいたしね」
誤魔化すように笑うエニルに対し、ナタルはするりとその太ももへ手を這わせた。
布越しに伝わるナタルの手の熱に、エニルがわずかに身体をビクつかせると、ナタルはそのままエニルの肩にコトリと寄りかかってきた。
「私だって……溜めることはあるんだ」
いつもは軍規に厳格で、隙を見せない副長の姿からは想像もつかないような、拗ねたような甘い口調だった。
そのギャップと、太ももを撫でる際どい手つきに、エニルの下腹部にもジワリと熱が集まり始める。
「あなたが元気になってよかった」
「なに?」
エニルの言葉に、ナタルが怪訝そうな顔をする。
「最初は酷かったわよ。あたしに縋りついてきたとき、まるで幽鬼だったもの」
エニルに言われて、ナタルは初めて抱かれた時のことを思い出していた。
「あの時は、悪夢のせいでヘリオポリスからずっと眠れずにいたからな。
お前と、その、してからは存外気分がいい。お前が横にいるときはもっといいのだが」
「それであの要求? ……まあ、いいけど」
エニルは照れくさそうに顔をそむけるナタルに、半ば呆れたような、それでいて愛おしむような表情を向ける。
<毎晩あの男に、銃で撃ち殺される夢なんて言えるわけがない。
だが、こいつと寝るときは忘れられるんだ。
……そして悪夢の舞台を私が奪って、この悪夢を終わらせる>
ナタルは内心で黒い決意を反芻しながら、視線をエニルに戻す。グラスがまだ空いていないことに気が付いた。
ナタルはじっと、エニルの手にあるグラスを見つめていた。早く飲み干せと急かすような視線だ。
「ふふっ……仕方ないわね」
エニルが観念したように残りの酒をあおり、空になったグラスを机に置いた瞬間だった。
「んっ……!」
ナタルが顔を上げ、エニルの唇を塞ぐように口づけをしてきた。
ほんのりと香るアルコールの匂いと、ナタルの熱い舌が絡み合う。
「……もう、いいだろう」
唇を離したナタルが、潤んだ瞳でエニルを見つめ、強引にエニルの服の中に手を入れてくる。
「ちょっ、ナタル……そんなに焦らなくても」
「うるさい……っ」
ナタルはエニルの服を乱暴に脱がせにかかると、そのまま勢いよくエニルをベッドへと押し倒した。
シーツに沈み込んだエニルの上に馬乗りになったナタルは、再び覆いかぶさるようにして、今度はより激しく、貪るようなキスを落としていった。
ナタルはエニルの顎に手をやると唇をこじ開け舌を絡ませる。
ぴちゃぴちゃとぬめる音が部屋を満たす。
一息つくようにナタルが起き上がるとブラウスとブラを脱ぎ去る。
そして、我慢できないとばかりにエニルの制服をはだけさせる。
露になるエニルの肌にナタルが吸い付くと、赤い模様がつく。
「ちょっと、ナタルどうしたの」
「……いいから、やらせろ」
ナタルはエニルの上半身を脱がせると、乳房の頂きに吸い付き、舐め転がす。
「ああっ」
エニルの吐息が漏れると、ナタルの手が連合兵士のスカートの中に入る。
不自然なスカートの膨らみに隠されていた下着を抜き去ると、ナタルの手が血管が浮き出た怒張をスカートから出す。
「ふふっ」
ナタルがそれを見て満足そうに微笑む。
再び乳首に吸い付いたかと思うと、舌を這わせながらナタルは下腹部に向かっていく。
時折吸い付き、赤い印をつけていく。
ベッドの高さを利用して怒張の前に座ったナタルは、涎を垂らす鬼頭にキスをする。
傍ら、スカートの中ではエニルの女の穴をナタルが責め始めていた。
漏れ出た愛液を指で掬い取り、膣口からゆっくりと責める手は徐々に動きを大きくする。
「ちょっと、やばいから」
「んふふ」
ナタルは、エニルの声と血管沿いに舌で舐め上げ、口で啄む怒張の熱さを感じながら笑みを浮かべる。
「んちゅ、んちゅ、んべー」
わざとらしく音をさせながら、エニルを見ながらナタルは黒光りする肉槍に自分の唾液を塗りたくる。
やがて鬼頭にもどると、それを口に咥えて手でしごきながら口内で舌で舐る。
「んっ、んっ」
水音が激しくなり、エニルは腰を細かく動かしてしまう。
「ちょっ、まって、ナタル!」
「んんっ! ん、ぶっ、ぼぼ」
エニルが最後まで言う前に、二か所を攻められたエニルは絶頂に達し、ナタルの口内に大量の精子を吐き出す。
ベットにエニルの愛液のシミができていた。
ナタルは目を白黒させながらも、それを口内で迎え入れると、ゆっくりとだが喉が動き飲み干していた。
「はあはあ、本当に、どうしたのナタル」
エニルは今日何度目かの問いかけをした。
「今日、お前を迎えにいったら、ミリアリアに先を越されたからな……」
ナタルはそんなことを言いながら自らの服をすべて脱ぎ去る。
「今日は私がお前のものだと身体に刻んでもらうからな。
それに、まだ元気じゃないか」
ナタルはそういうと、エニルの上に跨ると唾液と精液で濡れた黒槍をつかむ。
「あなた、そうとう酔ってない!?」
「大丈夫だ、わたしは普通だ」
エニルが真っ赤になっているナタルに行為をやめさせようとするが、ナタルはそれよりも早く自分の肉穴に黒槍をいれてしまう。
「ああっ、これ、これが欲しかった」
ナタルは話も聞かずに腰を振り始める。
「ちょっ! んぶぅ」
やめさせようとするエニルにナタルが伸し掛かるように唇を奪うと、下を絡ませる。
<だめだ! 絶対に悪酔いしてる。さっさと水飲ませて寝かせないと>
「はぁん、いいのぉ、もっとぉ」
全身が真っ赤になるなか、ナタルの動きは止まらない。
エニルはナタルをさっさとイカせようと、ナタルの身体を愛撫する。
ナタルがその度に小さな絶頂を迎えているのか、身体が痙攣する。
「エニル!」
「んぶっ」
ナタルに無理やり唇を奪われたエニルは、そのままナタルの肉穴の奥で射精する。
それに合わせたかのようにナタルは激しく痙攣しのけ反ると白目を向いて意識を失った。
エニルはナタルの状態を確認すると、二人の体液で汚れていたがベッドで寝かせ、タオルでナタルの身体を綺麗に拭いていった。
「ナタルの酒量には注意しないと」