※この作品はR-18です。

​【エロマンガ先生】正宗、秒で出ます。〜紗霧の感覚過敏を『徹底イチャイチャ』で治そうとしたら、妹の締め付けが凄すぎて兄の理性が即死した件〜   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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まどろみの海と約束の結末

過酷かつ完璧な感想戦を終え、緊張感から解放された室内に、どこまでも静かで柔らかな沈黙が広がっていた。

 

エアコンのかすかな送風音が響く程度で、外の騒音は二人を邪魔しないように防音壁によって完璧に遮断されている。室内の温度は理想的な22度に保たれ、快適な環境が維持されていた。熱狂を極めた二人の体は激しい興奮のピークを脱し、穏やかな安らぎを取り戻すための降下曲線を描き始めている。

 

俺——和泉正宗は、手にしていたノートとペンをサイドテーブルへと静かに戻した。カチャリと小さな音が響き、それが反省会——感想戦の明確な終わりを告げる合図となった。

 

あの日、両親を事故で亡くし、この家にやってきた幼い妹。部屋に引きこもり、一枚のドアを隔てて孤独と戦っていた時間。「エロマンガ先生」として顔も合わせないまま俺の小説を支え続けてくれた愛おしい日々。そして、「一緒に最高の一冊を作る」という幼い頃の約束を果たし、数々の試練を乗り越えて恋人として心も体も結ばれ合った歴史——。

 

そのすべての過去が、いま俺たちの目の前に穏やかな実りとして広がっていた。

 

俺はベッドの脇に立ち、呼吸を整えながら乱れた掛け布団を引き上げた。そして、熱がまだ冷めやらぬ和泉紗霧の華奢な肩口まで、優しく、すき間なく丁寧に覆い直した。

 

「……正宗、兄さん……」

 

毛布のすき間から、紗霧の甘くかすれた声が漏れ出た。

 

二回にわたる濃密な愛し合い、そして溢れ出る熱量と感情の爆発を経た紗霧の体は、いまや極めて良好で深いリラックスした状態へと移行していた。

 

俺は紗霧の表情や呼吸をそっと見つめる。

 

紗霧の胸の上下動は極めて緩やかで、呼吸のテンポも安定している。激しかった鼓動は落ち着きを取り戻し、熱くなっていた肌も心地よい温もりへと帰還していた。かつて抱えていた不安や緊張は完全に消え去っている。

 

「身体は大丈夫か、紗霧。どこか痛かったり、無理したところはないか?」

 

「ん……全然……。身体がぽかぽかして……すごく重タクて……とっても気持ちいいの……」

 

紗霧は重たくなった瞼を半分だけ持ち上げ、毛布の中から細く白い腕をすっと伸ばした。そして、俺の服の裾を小さな指先でキュッと掴んだ。

 

その指先に込められた力加減はとても優しく、繊細だった。かつて紗霧が外界に対して向けていた「接触への恐怖や拒絶」とは明らかに異なる、純粋な甘えと絶対的な安心感の証明だった。

 

俺は紗霧のその手を優しく包み込むと、自らもベッドの上へと身体を横たえた。密着した体温が毛布の中で再び交じり合い、二人だけの空間に小さな温室を作り出す。俺は紗霧の華奢な身体をそっと抱き寄せ、自らの腕の中に収めた。

 

「不安も強張りも、もう全部消えたな。……今日の愛し合いは、これにて完璧に大成功だ」

 

「ふふ……兄さん……またそんな難しいこと言ってる……。でもね……兄さんの胸の音……トントンって聞こえるのが……世界で一番落ち着くよ……」

 

紗霧は俺の胸元に小さなおでこを押し当て、深く、満足そうな息を吐き出した。

 

かつて外界の刺激を恐れ、二階の部屋に閉じこもり、扉を閉ざして世界を拒絶していた少女。紗霧の繊細すぎる心と身体は、いまや俺という絶対的な存在と完全に結ばれ合ったことで、どんな不安も立ち入れない不可逆の安全地帯をその胸の奥に獲得していたのだ。

 

「……すごく眠そうだな。そろそろ限界か?」

 

「うん……もう、目があかないよ……。ねえ、兄さん……どこにも行かないでね……? 離れちゃダメだよ……?」

 

「当たり前だ。お前が目を覚ますその瞬間まで、俺はずっとお前の側にいる」

 

俺は紗霧の汗ばんだ前髪を指先で優しく払い、無防備に晒された丸い額へと静かに唇を落とした。柔らかい皮膚の感触と、穏やかな体温が唇を通じて伝わってくる。

 

紗霧の呼吸音は「すぅ……、すぅ……」と規則正しく、深く緩やかなリズムへと変わっていった。指先から力が抜け、掴まれていた服の裾がゆっくりと解ける。紗霧の顔からは一切の強張りや警戒心が消え去り、世界で最も穏やかで無垢な安らぎに満たされていた。

 

俺自身もまた、緊張し続けていた頭のスイッチを静かにオフへと切り替えた。紗霧の体温と、トントンと刻まれる一定の鼓動に自らの意識を委ねていく。

 

まどろみという名の深い海へと溶けていく意識の中で、二人の心拍と体温は、どこまでも深く、永遠のサイクルを描きながら重なり合い続けていた。




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