※この作品はR-18です。

制服資産の減価償却録 〜終わらない絶望のタイムライン〜   作:naomasa

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第2章・第4話:白濁の印

23時ちょうど、地下最奥へと続く重い防音鉄扉を押し開けた山本舞の耳底に、地上の喧騒は一切届かなかった。

静まり返った地下資料室の空気は冷たく、蛍光灯の青白い光が、スチール製の棚と無機質なコンクリートの床を冷徹に照らし出している。舞は、刑事課主任としての気高き自制心と、部下を守り抜くという強い意志を極限まで動員し、足を進めた。背後で鉄扉が「残響なき金属音」を立てて機械的に施錠される。

 

部屋の不気味な静寂を切り裂いて、監察指導官・藤田美沙警部補のヒールの音が、事務的なトーンで近づいてきた。藤田の目は、査問対象である舞を人間としてではなく、年度末の在庫棚卸しに臨むかのような冷徹な役人のそれであった。

 

「時間通りね、山本巡査部長。その生真面目さ、さすがは強行犯係の優秀な主任だわ」

 

藤田は完全に冷めきった丁寧語のまま、舞の正面に立ち止まった

 

「では、非公式特密査問の規定に従い、まずは証拠隠滅および録音機器の没収を執行します。上着を脱いで、こちらへ」

 

舞は感情を一切交えない三人称客観視点の規律に従い、無言で自身のジャケットを差し出した。しかし、藤田の事務的な手の動きはそこでは止まらない。手袋を嵌めた冷たい指先が、舞のブラウスの第一ボタンへと迷いなくかけられ、布地を容赦なく左右に割り開いた。

 

「え……っ、藤田さん、これは――」

 

「山本巡査。査問の全容を正確に隠蔽するための『身体検査』よ」

 

突如として規律の防壁を破られた舞の胸元に、激しい動揺が走る。抵抗を試みようと腕を動かそうとしたが、藤田の冷徹な眼光に気圧され、身体が硬直する。現役のシャツが乱暴に肩から引き剥がされ、次の瞬間には、舞の均整の取れたDカップの豊かな乳房を支えていた、純白のブラジャーのホックが冷徹に外された。

 

「だ、ダメ……そんな…。身体検査なら、同性の監察官として、もっと別の適切な手続きが……っ」

 

一人の女としての生々しい戸惑いと、引き裂かれた自制心が悲痛な拒絶の言葉を紡ぐが、豊満な胸はすでに地下の冷え切った空気に直肌のまま曝されていた。羞恥と、なす術なく奪われていく敗北感が、舞の背筋を冷たく濡らしていく。

藤田は舞の混乱を完全に無視し、証拠品パウチのジッパーを無機質な音を立てて開封した。中から取り出されたのは、1枚のくしゃくしゃに汚れた青い長袖のシャツだった。

舞はその衣服を目にして、一瞬、困惑の表情を浮かべた。全体に薄黒い泥が染み付き、襟元や胸ポケットの周りには、何か粘ついた液体が乾燥して固まったような、黄色く不気味なシミが不規則に広がっている。何よりも、3ヶ月間密閉されていたことで、男たちの古い体液や汗が発酵した、生々しく不快なアンモニアの異臭が、資料室の静寂の中に鋭く揮発した。

 

「藤田さん、それは……何なのですか? なぜそんな、汚れた布切れを、私に……」

 

舞の問いに、藤田は氷のような微笑を浮かべ、その衣服の襟元を指の腹でそっと撫でた。

 

「分からないの? 山本巡査。これはね、3ヶ月前のあの夜、あなたの判断ミスによってアジトの地下室に置き去りにされた、大沢美波が着ていた『本物の制服』よ。男たちに囲まれ、顔面や胸元に24発もの精液を叩き込まれて、ぐずぐずに汚された、あの子の誇りの残骸よ」

 

「美波の……制服……っ!?」

 

耳を疑う事実に舞の息が詰まる。調書に印刷されていたあの凄惨な数字が、今まさに目の前にある、男たちの体液が固着した衣服という物質的恐怖となって舞の網膜へ突き刺さる。

 

「さあ、それをあなたが着なさい」

 

「なぜ、私が……そんな、意味が分かりません……っ! 私は美波の処分を休職に書き換える代わりに、ここで査問を受けると……」

 

「まだ理解できないのね…」

 

藤田は温度のないお堅い口調のまま、舞の顎を冷たく見下ろした。

 

「あなたが彼女の『身代わり』となってすべての泥を被ると言ったのよ。大沢美波を救いたければ、あなたが彼女になり代わり、彼女が汚されたその制服を自らの素肌で受け止め、内側から同じように汚されなければならない……。これこそが、あなたが背負うべき『身代わり』という名の、最初の罰よ」

 

部下を救うための自己犠牲。その美しい感情が、藤田の言葉によって完璧に「逃げ場のない首輪」へと変えられた。舞は歯を食いしばり、

 

(これは私が受け止めなければならない罪の匂いだ……)

 

と自らを納得させ、ノーブラの素肌の上から、その汚れきった青いシャツへと自ら両腕を滑り込ませた。

しかし、美波の体型に合わせて仕立てられたB82の生地は、舞の均整の取れたDカップのボリュームに対して明らかに4センチも細かった。舞が息を殺してボタンを留めるたび、布地が限界までパツンパツンに引き絞られて突っ張っていく。

さらに舞の背後へと藤田が回り、彼女の両手首が背中の後ろへと強引に集められた。

 

「カチャン、ジャラッ」と冷酷な金属音が響く。三ヶ月前、美波の手首を肉厚に縛り上げていた、あの古い遺留品の手錠による背面への固定。

両肩が背後で限界まで割り開かれ、パツンパツンのシャツに包まれた舞の豊かな胸元が、極限まで前方へと無残に突き出された姿勢を固定された。

その瞬間、舞の全身の皮膚感覚が、逃れられない絶望の底へと叩き落とされた。

 

ノーブラの素肌を包む、細身のシャツの裏地。そこに、三ヶ月前に美波が男たちから浴びせかけられ、現在は乾燥してガチガチに変色してザラついた、白濁の不快な塊が直接、舞の胸の先端を猛烈に圧迫し、擦り始めたのだ。

鼻腔を突く腐敗した異臭と、肌を削るようなザラついた触覚──。その皮膚感覚が引き金となり、舞の優れた頭脳の中で、あの夜の惨状が鮮烈に逆算され始めた。

 

(ああ、美波は……あの子は、この不快な異臭とザラつきの泥濘の中で、拭う腕すら奪われたまま、何人もの男たちに顔や胸元を白濁でドロドロに塗り潰され、生き埋めにされていたんだ……っ!)

 

後輩の受けた凌辱のディテールが、自分の五感を通じて脳内で生々しく再生される。その想像を絶する罪悪感と自虐の恐怖に、舞の息が激しく乱れる。

精神は高潔な誇りに満ちていた。しかし、彼女の肉体は違った。

パツンパツンの圧力によってシャツの裏地に押し潰された、舞の豊かな先端(乳頭)。そこへ、アジトでの急襲に対する極限の恐怖と緊張が、彼女の毛細血管を本能的に収縮させ、先端の硬化(勃起反射)を強制的に引き起こす。なぜこれほど無残に尖っているのか──それは、頭脳の拒絶とは裏腹に、肉体が「これから始まる蹂躙」を本能レベルで察知し、裏切りの熱を帯び始めてしまっている事の、動かぬ事実の証明であった。

タイトに前へ突出させられた、その硬く色づいた先端へ、乾燥した精液のザラついた感触が容赦なく激しく摩擦される。

 

(――ひっ、熱い……っ。何、この、ザラついた擦れは……っ)

 

藤田美沙が、舞の突出した胸元へと近づいてきた。そして、手袋を嵌めた人差し指の腹で、パツンパツンに突っ張った布地越しに、その硬く尖った先端を、ピン、と冷酷に一弾きした。

「ピリッ……」と、理性の防波堤が決壊するような強烈な刺激が、舞の脳髄を直撃した。

 

「ひぅっ!? あ、はぁっ……あ、ダメっ……!!」

 

言葉による感情の決壊が、資料室へ直接出力される。

藤田は、舞のその「ひぅっ」という生の拒絶反応と、シャツの奥でさらにカチカチに硬化していく先端の挙動を、冷徹な目でじっと見つめていた。そして、その取り乱す様子を愉しむかのように、完全に冷めきった事務的なトーンのまま、再び指先をかけた。

 

ピンッ。

 

「んんっ、あぁっ……や、やめてっ……!」

 

ピン、ピン、と、藤田はまるで行政府の検品作業のように、硬くなった先端を何度も執拗に弾き、舞の肉体の反応を観察し続けた。

容赦のない反復一弾き。乾燥した精液のザラついた摩擦と、藤田の無機質な指先の愛撫がショートし、舞の脳髄が恐怖と快感で白く染まっていく。誰の手も介していない静寂な地下室の中で、穿いたままのショーツの内側から、意思を置き去りにした自律神経の不具合が疼き出し、不覚にも愛液が「とろっ……」と溢れ出し、布地をじっとりと濡らし染めていく。

 

部下を救うという美しい大義名分は、後ろ手手錠によるタイトな胸の刺激と、自身の肉体が漏出させた体液という事実、そして藤田の執拗な一弾きの前に、無残にも【屈服】への坂道を転がり落ち始めていた。

 

舞の優れた頭脳は、この先の地獄を、数時間の査問の手続きさえ耐え抜けば、また日常の刑事課主任の席へと戻れるのだと都合よく計算しようとしていた。だが、彼女はまだ気づいていない。

 

自ら足を踏み入れ、美波の遺留品の手錠で縛られたこの資料室の鉄扉の向こう側が、二度と光の当たる地上へは帰れない、組織の備品(苗床)へと収束する、永遠の地獄の入り口であるという事実を、今の彼女の知性はまだ、隠蔽された死角の中に置き去りにしていた。

 

 

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