※この作品はR-18です。

制服資産の減価償却録 〜終わらない絶望のタイムライン〜   作:naomasa

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第1章・第6話:不祥事の供述調書

 

 

監察特務査問室の空気は、どこまでも平熱の、冷徹な静寂に支配されていた。

 

窓のない白い壁、容赦なく室内のすべてを白日の下に晒す蛍光灯の明かり。

 

『精神の去勢』の只中にある大沢美波は、パイプ椅子の上で、かろうじてその上半身を起こしていた。

本日二回目、通算で四回目となる凄絶な『脳内補完自発絶頂(脳逝き)』の過剰な負荷は、エリート刑事として鍛え上げられていた彼女の肉体から、あらゆる運動機能を奪い去っていた。

額から滲んだ脂汗が、かつて凜とした美貌を誇った頬を伝い、糊の効いた官給品カッターシャツの襟元へ、また一滴と染み込んでいく。

対面に座る監察指導官・藤田美沙の音声には、一切の情緒が含まれていなかった。

 

事務机の上に置かれた卓上時計がカチ、カチと時を刻む。藤田は、厚さ数ミリに及ぶ無機質な再生紙の束――『不祥事供述調書』を、美波の眼前に滑らせた。

この日2回目となる壮絶な「脳逝き」に達した直後で、身体面、精神面共にまだ回復していない状況でありながら、眼前にある『不祥事供述調書』の文面を読む。

 

そこに記載されている文字の内容は、息を吞むものだった。

更にに藤田は言う。

 

「あなたの声で記述に間違いがないか確認しなさい。一言一句、省略せずに音読することを求めます」

 

「……っ、お、音読、ですか……?」

 

美波は、その冷徹な要求に明確にうろたえ、視線を泳がせた。

活字として視認するだけでも精神を削られるその文字列を、自身の公的な声として発音させられることの残酷さ。

生真面目なエリートとしての理性が、その社会的去勢のステップを前に拒絶反応を起こしていた。

だが、ここで拒めば、自分の立場がどうなるかの理解は出来た。

 

病気休職扱いという名目での「籍の維持」すら剥奪されるだろう。

 

美波は震える拳を握り締め、唇を噛んだ。

 

(――耐えるのよ。これは、公式な監査手続き。私はまだ、警察官としてここに踏みとどまっている……)

 

(―—処分を受ける事になっても…まだ警察官としての立場は…守れるはず…)

 

脳内で必死に大義名分を再構築し、何とか自分の中で「これは職務の一環なのだ」と納得のロジックを完成させ、覚悟を決めて調書へ視線を落とした。

美波がその、最初の凄惨な一文字目を紡ごうと唇を開きかけた、その時だった。

 

「ああ、待ちなさい」

 

藤田がおもむろに手元から、黒く無機質な小型のデジタルカメラを取り出した。

そして、美波の顔面と調書を同時に画角へ収めるように、事務机の端へと無造作に設置した。レンズの奥で、作動を示す小さな赤色LEDが明滅を始める。

 

「……それは……っ」

 

「記録の為よ。あなたが自身の意志で、この事実を認めたという客観的証拠を残す必要があります。……さあ、早くしなさい」

 

逃げ場を完全に塞がれ、カメラの冷たいレンズに銃口を突きつけられたかのような絶対的な圧迫感。美波の優秀な脳髄は、自身の声と絶望に歪む表情が「証拠」として電子的に記録される恐怖に、内側から防壁を爆破されていく。

 

「……わ、私……大沢、美波、は……」

 

涙が濁った網膜から溢れ出す。

 

美波は震える声を絞り出し、言葉を途切れさせながら、最悪の文字列を自身の唇で公的に出力し始めた。

 

「……犯人に、拘束を、される失態、を……受け……っ、顔面に……十四回を、含む、合計……二十四回の、精液を……受け……っ。……こっ、国家の財産である……制服を、汚損させて……犯人の、加害行為を…補佐し…。……に、二十四回もの精液を……顔、および、制服で……受領、したのは……っ、ひとえに……避妊を、大義名分…とした…自己保身…に…基づく行為だけで、あり……ここに……変態女……大沢美波の……致命的…な…失態を……認めます……っ」

 

尊厳を根元からすり潰すセカンドレイプの文字列を、カメラの前で完全に唱えさせられた。

拒絶の気力を完全に削がれたまま、朱肉をつけられた親指を調書の末尾へと押し当てさせられ、決定的な「証拠」が完了する。

呆然自失となり、瞳から完全に光を失った美波の背後へ、藤田が音もなく回り込む。

その手には、鮫島警部が押収し保管していた、美波自身のシリアルナンバー入り官給品手錠が握られていた。

 

――カチャン。

重厚な金属音が密室の白壁に反響し、細い両腕が背後に引き回され、手首の皮膚へ硬質な金属の冷たさが噛み合わされる。

カチ、カチ、カチと、遊びを一切許さない極限のタイトさで後ろ手手錠が施錠された。

両肩を強制的に割られ、美波は胸元を大きく反らすような、逃げ場のない『屈服の型』を強制される。

その姿勢に固定された瞬間、下着の薄い生地を通して、胸の先端が官給品シャツの硬質なポプリン生地へと直接押し付けられた。

 

(――あ……っ、衣服が、擦れて……っ) 幾度もの蹂躙と非接触型の絶頂を繰り返してきた美波の身体は、嫌悪とは裏腹に、極限まで過敏に肥大化している。

後ろ手で緊縛され、身動き一つ取れないからこそ、呼吸で胸が上下するたびに、国家権力の記号である制服の繊維が、その過敏な頂点を執拗に削り取っていく。

男の手で触れられてすらいないのに、自身が誇りとしてきた『衣服』そのものが、美波の肉体を内側から恥辱的に開発していくのだ。

 

「これで手続きはすべて完了よ、大沢巡査長」

 

藤田は平熱のトーンのまま、美波の美しい黒髪を掴み上げ、その顔面を上方に跳ね上げた。

拒絶を紡ごうと開かれた唇へ、藤田の冷徹な舌が強硬に侵入する。

それと同時に、藤田のもう片方の手がタイトスカートの裾へ無造作に伸びた。

一切の躊躇いもなくパンティストッキングを引き裂くと、剥き出しになった下半身の最奥へと、細く冷酷な指先を事務的な手つきで沈み込ませる。

「あ、は……っ、そ、こ、は……だめぇッ!」

 

既に開発され尽くしていた熱く濡れた肉壁へ、異物が容赦なく突き入れられた瞬間、美波の身体が大きく跳ね上がった。

後ろ手に手錠を施錠され、胸元を極限まで反らされた無防備な姿勢のまま、逃げ場のない内臓の最奥を強引に掻き回される物理的支配。

藤田は平熱の表情を崩さぬまま、美波の内部の柔らかな粘膜を、まるで無機質な医療器具のように執拗に、かつ乱暴に抉り、掻き回した。

グチュ、と指先が肉壁を擦る生々しい愛液の摩擦音と、指を曲げて最奥の性感帯を直接えぐるような過剰牽引の衝撃が、美波の脳髄をダイレクトに直撃する。

 

「ひ……あ、あ、う、あ……ッ! 中、中を、そんなに……奥、は……ダメぇぇっ!」

 

上(口腔)は冷徹な監察官の舌に蹂躙され、下(中)は容赦のない指によって執拗に掻き回される絶望的な事実。

理性を置き去りにしたまま、極限まで調教された自律神経系が、凄絶な感情の波となって津波のように押し寄せてくる。

背後で手錠を激しく軋ませ、四肢を弓なりに硬直させる美波。

 

しかし、両手を後ろ手に縛られ、叫びすらも口内を塞がれて行き場を失った彼女の感情の濁流は、もはや逃げ場をどこにも持たなかった。

恐怖、嫌悪、そして指先で中を執拗に掻き回される圧倒的な快楽の波のなかで、今の美波が唯一縋れるものは、自身の口内を執拗に犯している藤田の冷たい舌、ただそれだけだった。

 

(――もう、嫌……、助けて……っ。んむ、うぅ……っ!)

 

美波は自ら理性を投げ捨てるようにして、口内に入り込む藤田の舌を、縋り付くように自ら激しく吸い上げた。

その拒絶を放棄した自動服従の吸音と同時に、脳髄の回路が完全にショートする。

 

(うっ…ん…んんん…っ!!!)

 

本日三度目(通算五度目)の凄絶な絶頂(脳逝き)。

タイトスカートの内側を、自律神経の暴走がもたらした大量の強制分泌液(愛液)がぐずぐずに濡らし尽くしていく。

 

「――ん、ふ……」

 

ようやく藤田が唇を離したとき、美波の魂の防壁は木っ端微塵に圧殺されていた。

 

しかし、舌という物理的な拘束から解放されてもなお、美波の肉体の異変は収まらなかった。

限界を超えた神経負荷により、彼女の細い四肢はパイプ椅子の腕の中で、未だガタガタと激しい痙攣を刻み続けている。

 

呆然自失の表情を浮かべ、後ろ手に縛られた手首をガチガチと金属音を立てて震わせる姿は、規律ある元エースの面影を完全に剥奪されていた。

藤田は、身悶えを続ける美波の無残な姿を、まるで精巧に仕上がった工芸品を検品するかのように、満足げに冷たく口角を上げて見下ろした。

そして、自身のポケットから純白のハンカチを流れるような動作で取り出すと、美波の唾液と強制絶頂の泡で濡れた自身の口元を、事務的に、平熱の動作で拭い去った。

 

「本当に、いい仕上がりね。大沢巡査長」

 

カッターシャツの襟元と、引き裂かれたストッキングの隙間から溢れた体液が、国家の記号を内側から不可逆的に汚染していくグラデーション。

醜悪に開発し尽くされた元エースの震えを、机の上の小型カメラが無機質な電子の網膜で記録し続ける中、密室の蛍光灯だけが、その地獄の光景を白々と照らし出していた。

 

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