「ったく。結局やっちまったし」
「いやー、詠子かわいかったわー」
「やかましいわ」
ふきふきした後、もそもそと下着を履く詠子。
それを傍目に、美香はつやつやとした表情で聞く。
「で? 受けはどうだった?」
「えぇぇ……? それ聞くぅ……?」
「そういう話だったじゃん」
「あー、まぁ、そっか……」
言いだしっぺは詠子である。
「……良かった、です」
ので、素直に感想を述べた。
「詠子さ」
「……んだよ」
「やっぱ私らの中で一番かわいいんじゃないかな」
「うっせーやい」
と、そんな時だった。
「お」
「来たか」
トタトタトタ、という軽い、だが急いでいる足音が美香の部屋目掛けて近付いてきた。
そして、
「ただいま……っ!」
スパーンっ!とふすまが勢いよく開かれた。
椎奈だった。椎奈が合流したのだった。
が、
「遅かったじゃん」
「ゆっくり開けれ」
非常に塩対応された。
「むぅーっ。た、だ、い、まっ」
ので、やり直しを要求した。
「はいはいおかえり」
「おかえり椎奈」
「んっ」
満足したらしい。
ので、
「おかえりのちゅー……っ」
更に要求した。
「はいはい。んっ」
「んー」
「んっ。んー。んっ!」
満足したらしい。
「というか遅かったじゃん」
「椎奈ともあろうもんが珍しい」
「電車が遅れたの……」
そう、今日は久しぶりに美香の家に三人集まる約束をしていたのである。
「あーまぁ椎奈の大学かなり遠いからな」
「少しの遅れがすごく響きそう」
「そうなの……」
季節は巡り、大学生の夏。
三人とも無事に進学する事ができ、しかし三人とも別々の大学に進む事となった。
だがそれでも彼女達の関係は変わる事なく、いや、彼女達の関係は変わったまま進んでいく。
詠子。
ちょっぴり露出度が下がった金髪褐色ギャルオナニスト。
どうやら、大学生になったから、とほんの少し大人っぽい服装をするようになったのだとか。
なお一人暮らしをするようになって、ある程度思う存分声を出せる環境になったため、オナニーライフが捗るようになったのだとか。
美香。
相変わらずの普通っ子擬態型オナニスト。
正直自宅を出たいがために大学に行ったまである。
その最たる理由は一人暮らし。つまりいつでもアナルオナニー出来る環境を手に入れるため。
椎奈。
以前よりは声を出せるようになってきた清楚系性欲モンスター。
二人と離れ離れになりたくはなかったが、それで進路を曲げるのはいかなるものか、と考えた結果、第一志望の大学は変えなかった。偉い。
なおアパートは無論、防音性の高いもの。
「どうだ? 友達できたか?」
「ナンパされてない?」
「お母さん達にも同じこと聞かれた……」
それだけ心配なのである。
なにせ、
「その性格じゃあなぁ……」
「その身体付きだしねぇ……」
「むぅぅっ」
なのである。
正直今までは近くでガード出来ていたが、これからはそうではないのである。
だから心配にもなるのだが、
「大丈夫」
と、椎奈は言い切った。
「大好きな彼女が二人もいるって言ってるから」
「おま」
「おぉもぅ……」
その二人は天を仰いだ。
それ言うか普通、と。
それ通じるのか、と。
「……? 詠子と美香は私のこと言ってないの?」
「言ってない」
「言ってない」
「なんでっ⁉」
椎奈はとても食って掛かった。
「え、聞かれないし」
「言う機会ないし」
「聞かれなくても言うよっ……!」
「えぇぇぇ」
「えぇぇぇ」
どうやら椎奈の周辺では、詠子と美香の名は知れ渡っているらしい。
「それでねそれでね……っ」
それから最近あった出来事、大学での出来事、友達の事。
今までの椎奈からは想像出来ないほどのいろんな話が飛び出してくる。
そんな彼女を見ながら、どこか感慨深いものを感じる詠子と美香であった。
だが、彼女はどこまでいっても椎奈なのだ。
「でもそれよりそれより……っ」
詠子はもう笑っていた。はいはい、と。
美香はもう笑っていた。でたでた、と。
椎奈は笑っていた。二人とも大好き、と。
「どんなオナニーしてた……っ?」