(うぅっ・・・・なんでこんなことに・・・・よくもっ!あの人間め!)
モンスターボールの中で、俺は悪態をついていた。先程町を歩いていたら、人間に反吐が出るほど強烈に殴られ、このボールに押し込まれたのだ。
(なんとかしてここから出たいけど・・・・これじゃもう無理か・・・・)
あきらめて今はもう寝よう、そう考え横になる。するとコツコツと誰かが近づいてくる音が聞こえる。現れたのは帽子をかぶった黒ずくめの男だった。
「お前の願い、叶えてもいいぞ。」
俺は男を睨みつける。すると男はそのまま両手を広げて敵意のない事を示す。
「威勢がいいな。だがこのままだと先がないぞ。いっそうちの組織に入らないか?」
(組織?)
「なに、革命を起こすのさ、この世界にな。その為には優秀なポケモンが欲しい。協力して欲しいのだがどうだ?」
「・・・・・・・・・。」
「お前は明日、ポケモン研究所に引き渡される。研究員がお前をに調べさせるつもりだ。体をバラバラにしたりとかしてな。」
「・・・・・・・・・・。」
「さぁ、どうする?」
男の言葉に俺は小さく頷く。
「良い判断だ。私はサカキ。ようこそ、我が組織、ロケット団へ。」
それから数日、自分と似た境遇を感じた俺は、すっかり意気投合して誘われるがままマフィアの一員となる。
俺はサカキと組んで沢山の悪事を重ね、血も涙もない冷酷無比なやり口で裏社会に名を轟かせ、ロケット団の中で存在感を着実に大きくしていった。そんなある日・・・・・・
「すー。すー。」
いつものように公園で日課の昼寝をしていると・・・・・・
ザッ
目の前に人間が現れ、モンスターボールを構えている。ヤレヤレ、懲りないな。俺は起き上がり、戦闘態勢を取る。ボールを投げ、ポケモンが姿を現した。
「コラッタ、かみつく!」
トレーナーの命令で、コラッタが襲い掛かってきた。俺はギリギリで相手をひきつけ、攻撃をかわす。そして自慢の爪で、切り裂いた。
(恨むんなら、お前を嗾けた御主人様を恨むんだな!)
心の中でそう思いながら、倒れた相手を見つめる。人間はコラッタをボールに戻した後、金属製のバットを取り出す。ポケモンが敵わないと分かると、今度は実力行使か。どうやっても俺を捕獲したいらしい。俺は再び戦闘態勢に入る。予想通りバッドを振り回しながら、襲い掛かってきた。すると・・・・・・・
「お辞めなさい!!」
声がしたので振り返ると、そこには着物を着た女がいた。そしてこれが俺と彼女、エリカとの出会いだった。