スキル『マジックバッグ』で女性冒険者を悦ばせていたら伝説の男になった。 作:もすまっく
「……ここ、よね?」
「えぇ、話を聞いた限りだとここのはずよ?」
頭に大きな布を被り、誰か分からないようにしているエルダリアとミゼーレの二人は、店主であるガルドに聞いた場所へとやって来ていた。
「あ、ねぇ見てミゼ。私達が聞いた七桁の数字ってこれじゃない?」
「本当だわ……行く?」
「……ここまで来たんだもの、当然よ」
「わかった。それじゃあ、押すわね?」
「えぇお願い」
ミゼーレはガルドから聞いた七桁の暗号である『0721919』を扉に取り付けられている盤へと打ち込んだ。
―――カチャリ。
扉の鍵の開いた音がしたその一瞬だけ動きを止めたエルダリアを、ミゼーレは不思議そうな目で見つめる。
「? どうしたのエル?」
「……いえ、何でも無いわ」
一瞬だった。
ミゼーレの問いに何でも無いと答えたエルダリアだが、ほんの一瞬だけ今の音で子宮が強く疼いていた。
「……行きましょうミゼ」
「え?えぇそうね」
きっと気のせいだとエルダリアは自分に言い聞かせるようにそう言うと、鍵の開いた扉の中へと足を踏み入れた。
◇◇◇
「何なの……ここ……?」
中に入ったミゼーレが驚くのも無理はなかった。
家具などが少ない以外、一般的な家庭とほぼ変わらない内装だというのに、そこには本来有り得ないはずの防音魔法が掛けられ、扉にはこじ開ける事が出来ないように強力な防護魔法まで掛けられていたからだ。
「何なのよこれっ、これじゃ出られないじゃないっ……!まさか、嵌められた……!?まずわよエル!早くここから―――」
中の音は外には漏れず、逃げようとしても逃げられない。
そんな状況に思わず冷や汗をかいたミゼーレは、エルダリアに一刻も早くここから逃げるよう言葉を掛けようとしたその時だった。
「来ましたね。お待ちしていました」
若い男性の優しさに満ちた声がミゼーレの言葉を遮った。
「初めまして。お二人の事はすでに話を聞いています」
ミゼーレの瞳に映るのは黒髪の青年だった。
身長は自分達よりも頭半分ほど高く、筋肉はそれ程あるようには見えない。
冒険者という風体をしていない彼にミゼーレは警戒しつつ問い掛ける。
「……聞いてもいいかしら?」
「はい、どうぞ」
「私達の話を聞いているっていうのは?」
「店主ですよ。あの宿の店主ガルドさんです」
「……成る程ね。他にもいくつか質問しても?」
「答えられる事なら」
「……助かるわ。それじゃあまずこの部屋に掛けられている魔法について教えてもらってもいいかしら?」
「あぁ、それは作業の時に聞かれると色々と困る事があるっていうのと、あとはやっぱりお客さんの名誉の為、ですかね」
「……名誉ですって?」
「はい。ここで一体何が行われているか、それはお二人共に薄々気が付いていると俺はそう考えているんですけど、合っていますよね?」
「……えぇ、そうね」
「それでもここへ来たということは、お二人には叶えたい目的があり、そしてその目的はここに来ると達成出来ると、そう考えている」
「……それも、イエスよ」
ミゼーレの言葉に満足そうに微笑みを浮かべた黒髪の青年は、そこでついにその名を名乗る。
「そういえば名乗るのが遅れてすいません、俺はユウマと言います。冒険者達の目的を叶える手助けをする仕事をこの場所でやらせて頂いています」
「……ユウマ?」
「エル?どうしたの?」
ずっと黙っていたエルダリアが、青年が名乗ったその名前に反応した。
「はい、ユウマと言います」
「……ユウマ……ユウマ……ユウ―――」
「―――エルっ!」
何度もユウマの名前を呟いたエルダリアは突然その場に崩れ落ち、ペタンと可愛らしく座り込んでしまった。
「エル!大丈―――」
突然の事に心配そうな顔でエルダリアに近づいたミゼーレは、自分の見た光景に言葉を失った。
―――ジワァァ。
床に座り込んでいたエルダリアの中心から、大量の液体が広がっているのを目撃してしまったからだ。
「ぁっ♡……あぁっ♡……ユウマ……ユウマッ♡」
失禁していた親友の姿に呆然と立ち尽くしていたミゼーレは、頭が真っ白になったままエルダリアのあられもない姿を見つめていた。
そしてそんな呆然としているミゼーレの事などお構いなしに、エルダリアは失禁した状態のまま四つん這いでユウマに近づき彼の腰に抱き着いた。
「ちょ、一体何を―――っ!!」
突然の彼女の行動に流石のユウマも驚いたが、それよりも抱き着いて来た彼女の行動に更に驚く事となったユウマは言葉を失った。
彼女は抱き付いたその時から、ユウマの肉棒が収められているその場所へ頬をすり寄せていたからだ。
「あぁぁぁっ♡……あぁぁっ♡……これっ、これが欲しいのっ♡ ねぇ?今すぐ入れて?私に今すぐ貴方のこれを入れてっ♡ ねぇお願いっ♡」
履いているズボン越しにユウマの肉棒に頬を擦り続けながら、ユウマの瞳を見つめて懇願するエルダリア。
そこにいるのはかつて銀閃と呼ばれた美しき女冒険者の姿などではなく、男の肉棒を欲しがる一匹の雌だった。
「エル……貴女……?」
ライバルであり親友でもある彼女が雌となっている姿を、ミゼーレまるで別の生き物を見るかのような目で見つめていた。
「……ここまで酷くなってるなんて、本当にすいません」
「……え?」
ユウマと名乗った彼の強い後悔を滲ませた声色に、ミゼーレは思わずエルダリアから視線をユウマへと移した。
そこには声だけでは無く、心から申し訳ない事をしてしまったという表情でエルダリアを見つめているユウマの姿があった。
「……兎に角、彼女の状態は分かりました。今すぐやりましょう。貴女はここで待っていてもらえますか?」
「え?えぇ、わ、分かったわ」
「ありがとうございます。では二階で作業をするので二階に行きましょう?」
「ふぅ、ふぅ、に、二階……?二階って……行く……今すぐ行くわっ」
興奮して息が荒くなっているエルダリアは、頭は覚えていなくても体が覚えているのか、二階という言葉を聞いて何かを思い出したかのように立ち上がった。
しかし、腰が砕けていたエルダリアはすぐに座り込んでしまう。
「っと、大丈夫ですか?二階までは僕が抱えて行きますので、腕を首の方に回してもらえると……ありがとうございます」
エルダリアはユウマの言う事に素直に従い、彼の首に腕を回し抱きつくような姿勢のままユウマに抱き抱えられ、そのまま二人一緒に二階へと上がっていってしまった。
一連の様子を酷く困惑した状態のまま見つめていたミゼーレは、エルダリアが最初に座り込んだ場所へと目を向けた。
「……どうするのよ、これ」
そこには、エルダリアが失禁した事で出来た水溜まりが広がっていた。