高望みしない彼は今日もゴミ女とセックスする 作:しゃしゃしゃ
―――グォォォ……ガハッ……ッ!
重苦しい地鳴りのような地響きのごときイビキがピタリと止まり、自分の喉の奥に溜まった極厚の脂肪の重みで気道が完全に塞がれた紗羽は、「フガッ!?」と下品で豚のような悲鳴を上げて跳ね起きた。
寝返りを打とうとするだけで、特注された補強済みのキングサイズベッドの木枠がミシッ、メリメリッと嫌な悲鳴を上げる。
肉厚な二重まぶたを擦りながら起き上がると、一階のキッチンへ向かう前から、巨大な胃袋がグウゥゥと飢えた猛獣のように不快な音を鳴らしていた。
「ふあぁぁ……お腹空いたぁ……。朝ごはん何かなぁ……」
脂肪で埋もれた二重アゴ、いや三重に重なった首元の肉を揺らし、100キロを余裕で超過した醜悪な巨体をドシンドシンと廊下に叩きつけながら、豪邸の吹き抜けの階段を下りていく。
当然のように、豪華なリビングに両親の姿はない。
父親も母親も、この豚のように肥え太り、醜悪を絵に描いたような娘を視界に入れることすら忌み嫌うように、早朝から仕事や社交へと逃げるように出かけていた。
だが、親から徹底して冷遇され、見捨てられている当人の紗羽は、そんな冷淡さなど微塵も気にしていない。
広々としたキッチンのテーブルの上には、雇いのお手伝いさんが用意してくれたラップ済みの朝食が山のように積み上げられていた。
大きな大皿に溢れんばかりに盛られた特大スクランブルエッグ、油を滴らせる厚切りベーコン十数枚、食パン一斤分のトースト、そして特大のどんぶり鉢一杯に注がれた濃厚なコーンポタージュ。
紗羽はそれらを一切の躊躇なく電子レンジへ放り込み、温め終わった端から、まるで養豚場の肥育ゲージに繋がれた豚のようにガツガツとむしゃぶりつき始めた。
「んむ……っ! じゅるっ、んちゅ……っ! ふぅ、美味しぇ……っ!」
一口でトーストの半塊を口内へ放り込み、ベーコンのギトギトとした油脂で唇と二重アゴをテカテカと光らせながら、お皿を片端から空にしていく。
本人の脳内認識では今の風景は『朝の光の中で優雅に朝食を楽しむ、可憐で愛らしいお姫様』そのものだったが、第三者から見たその光景は、ただの巨大な肉塊が餌を貪り喰らう凄惨な現場に過ぎなかった。
首回りの肉は襟元を押し潰し、脇腹からはみ出た脂肪の層が椅子からはみ出し、座面を覆い隠している。
満腹になり、満足げに「ブヒッ」と下品な息を吐き出した紗羽は、自室に戻って学校へ通うための身支度を始めた。
ハンガーにかかった特注サイズの制服に腕を通そうとするが、膨らみ切った腕の脂肪と、背中に分厚く覆いかぶさった肉の壁に阻まれて生地が悲鳴を上げる。フウフウと脂くさい荒い息を吐きながら、強引にボタンを留めようとするが、一番上のボタンは肉に埋もれ、胸元のボタンははち切れんばかりの圧倒的な脂肪の張りに耐かねて、糸が今にも弾け飛ばんばかりにピンと張り詰めていた。
紗羽の身体は、まさに「脂肪の塊」そのものだった。
胸元の乳房は、美しさやハリといった概念とは無縁の、ただただ重力に従って垂れ下がりつつ肥大化した巨大な肉塊。
左右合わせて十数キロに達するであろうその超重量級の胸肉は、制服の上からでもその圧倒的な圧迫感を主張し、谷間というよりは肉と肉が固く押し潰し合う深い溝を形成している。
ブラジャーの太いストラップは食い込み、肩の皮膚を真っ赤に変色させていた。
腰回りから臀部にかけての肉付きはさらに凄惨だった。
お尻は丸みを帯びた美しさではなく、横にも後方にも無節操に肥大化した巨大な肉の塊であり、歩くたびにぶるん、ぶるんと鈍い揺れを全身に波及させる。
腰骨のラインなどとうの昔に肉の海へと没し、背中から腰、お尻にかけては幾重もの重厚な肉の段(ロール)が重なり合っていた。
太ももに至っては丸太どころか巨木のごとく太く、擦れ合う内ももの皮膚は歩くたびにペチペチと重い音を立てて、下着のゴムは肥大化し続ける腰回りと内ももの肉に容赦なく食い込み、ギチギチと血流を止めるほど皮膚を締め上げている。
普通の女子生徒であれば、鏡に映るこの醜悪な肉の化け物のような姿を見た瞬間、絶望で顔を青ざめさせ、悲鳴を上げて泣き出すところだ。しかし、紗羽の受け止め方は真逆だった。
「もぉー……またおっぱいとお尻が、こんなに大きく成長しちゃった……。制服がまたキツくなってるよぉ……」
鏡の前で、油脂でギトギトと光る肉厚な頬を両手で包み込みながら、紗羽は恍惚とした歪んだ笑みを浮かべた。
「こんなに女の子らしくエッチに成長しちゃったら困っちゃうな……。私は卓郎以外の男の人に色目を使うつもりなんて全っ然ないのにっ! また学校の男子からいやらしい目で見られたり、女子から嫉妬の視線を向けられちゃうじゃん……。罪な女だなぁ、私ってば……」
自己評価の軸は、完全に根底から崩壊し、狂いきっていた。
幼い頃から、彼女は卓郎に『紗羽は豊満で魅力的だよ』『そのお肉は女の子としての可愛さと優しさの証なんだから、もっと食べて大きくなりなよ』と甘い毒のような言葉で甘やかされ続けてきた。
太ることへの警戒心や羞恥心を完全に奪われ、醜く太れば太るほど「自分は愛されている特別で魅力的な美少女」だと錯覚するように、長年かけて徹底的に調教されてきた。
彼女は哀れなことに、自分が周りから避けられ、冷たい視線を向けられているのは「あまりにも魅力的で豊満な自分に対する男子の羞恥心と、女子の嫉妬のせいだ」と本気で信じ込んでいるのだ。
「待っててね、卓郎。今日も私のかわいくてエッチな姿、いっぱい見せてあげるからねっ♪」
パンパンに詰まった脂肪の塊を全身でぶるんぶるんと狂暴に揺らし、重い足音をドシンドシンと路面に叩きつけながら、紗羽は自分がヒロインであると疑いもなく信じ切って、学校へ向かって歩き出した。
☆ ☆ ☆
――登校中の道路は、私というヒロインを引き立てるためのランウェイみたいなもの。
すれ違う連中が「うわっ……」「なんだよあの腹……」「豚が歩いてるぞ……」なんて小声で囁きながら、目を剥いて避けていくのがわかる。
――そりゃあそうよね。こんなに豊満で、最高級のボディを間近で見せられたら、普通の人間なら圧倒されて当然だわ。
(みんな、私の圧倒的なボリュームに見惚れちゃって……。本当に罪な体だわ、これ)
重厚な二重アゴ、いや三重に重なった首元の肉を揺らし、100キロを余裕で超える巨体をドシンドシンと路面に叩きつけながら、紗羽は優越感に満ちた恍惚の笑みを浮かべて歩を進める。
実際には、すれ違う通行人や他校の生徒たちは、異様な圧迫感を放つ肉塊の接近に本能的な恐怖と嫌悪感を覚え、接触を避けるために慌てて路肩へ退避しているに過ぎない。
電柱の陰に隠れるようにしてすれ違うサラリーマンの引きつった顔も、目を丸くして母親の服の裾にしがみつく幼稚園児の怯えた視線も、紗羽の歪みきった脳内フィルターを通せば、すべて「息を呑むほどの美貌と魅惑の肉体に圧倒され、言葉を失っている愚民たちの姿」へと都合よく変換されてしまう。
(あーあ、可哀想に。こんなに素晴らしいお肉、普通の女の子じゃ一生かかっても手に入らないもんね。私のこの豊満さに嫉妬しちゃう気持ちも、分からなくはないんだけどなー)
自分の醜悪な姿が周囲に与えている惨状など露ほども理解せず、紗羽は肥大化した自尊心を丸出しにして学校の敷地へと踏み込んだ。
学校の校門を抜け、校庭の隅に差し掛かったところで、紗羽の油脂でギトギトと光る肉厚な顔が一気に華やいだ。
(あ! タクロー……っ!)
人ごみの中で、誰よりも背筋を伸ばし、爽やかなオーラを纏って歩く卓郎の姿を見つけたのだ。
周囲の女子生徒たちが憧れの視線を送り、男子生徒たちが一目置くクラスの人気者。そんな完璧な存在(紗羽視点)が、自分の「愛しいパートナー」なのだと思うと、誇らしさと愛おしさで胸がはち切れそうになる。
紗羽は全身の無駄肉を激しく揺らし、地鳴りのような足音を響かせながら突進し、猛烈な勢いで卓郎に抱きつこうとした――が、直前でぎこちなくブレーキをかけた。
(あ、危ない危ない……! うっかり忘れるところだったわ)
重い体重の急停止に耐えかねて、足元の砂利が鋭い音を立て、周りの生徒たちが「ひっ……!」と短く悲鳴を上げて飛び退く。
紗羽の頭の中に蘇ってきたのは、以前、同じように嬉しさのあまり卓郎に飛びつこうとした時の記憶だ。
あの時、卓郎は慌てた様子で真顔になり、すごく真剣で心配そうな瞳で私の肩をいつになく乱暴に掴んで言ったのだ。
『学校ではあまりベタベタするな。周りに変な目で見られるのは俺だけでいい。お前みたいな綺麗なやつが、俺みたいなのと付き合ってるってバレたら嫉妬で何されるか分からねえからな』
あの時の卓郎の迫真の表情と、どこか焦ったように揺れていた声。
(もう、タクローったら。私のことがそんなに心配? 独占欲が強すぎるのも困りものだわ。ふふっ、タクローったら♪ 照れ屋なのがタクローの唯一の欠点よね♪)
紗羽は自分の肉厚な頬を両手で包み込み、一人でポッと顔を赤らめた。
もちろん、卓郎の真意は全く別のところにあった。『100キロを超える化け物のような豚女と付き合っている』などと周囲に知られれば、学校内での自分の立ち位置や評判が根底から失墜してしまう。その破滅的な未来を回避するため、言葉巧みに紗羽の異常な自己愛を煽り、学校内での接触を制限したに過ぎないのだ。
だが、幼少期から卓郎によって『紗羽は特別に可愛い』『太ってるんじゃない。そのお肉は紗羽の心の豊かさの証明だよ』などと洗脳され続けてきた紗羽にとって、その保身の言葉は“自分を周囲の醜い嫉妬から守るための、深く尊い愛の誓い”として改変されていた。
――周りの生徒たちが、卓郎の完璧な容姿と、自分の圧倒的な美しさに嫉妬して陰湿な意地悪をしてくるのを防ぐために、彼はあえて学校では距離を置くという身を挺した愛を示してくれているのだ。
そう思い込み、自分を護るために必死になってくれる卓郎の深い愛に、紗羽の子宮の奥がキュンと甘く熱を帯びる。
(愛し合う二人には秘密がつきものだもんね♥)
卓郎に迷惑をかけないよう、遠くから熱い視線を送るだけに留めると、紗羽は再び前を向いて歩き出した。すれ違う生徒たちが「またあの豚、浅井のこと見てるよ……」「関わらないでおこうぜ」と引きつった表情で遠巻きに通り過ぎていく。
(ふふっ、みんな私とタクローの視線の交わし合いに気付いちゃったのかな? 羨ましそうな顔しちゃって、可愛いんだから♥)
るんるん気分の旋律を頭の中で奏でながら、重厚な身体を揺らして校舎へと向かう。
ドシン! ドシン! ドシン!
紗羽がステップを踏むたびに廊下の床がギシギシと嫌な悲鳴を上げ、周りの生徒たちが怯えて左右に割れていく。しかし、本人は自分が世界で一番愛されている美少女であると疑いもなく信じ切ったまま、歪んだ幸福な妄想の渦へとどこまでも深々と沈んでいくのだった。
☆ ☆ ☆
三時限目の体育の時間、女子更衣室の中は特有の熱気と着替えの衣擦れの音で満ちていた。
だが、紗羽が床を強烈に踏み鳴らし、重い足音を立てて足を踏み入れた瞬間、更衣室内の賑やかな空気が氷のように冷たく張り詰めた。
周りの女子生徒たちが一斉に会話を止め、引きつった表情でさっと壁際へ退避し、広大な空白地帯を作り出す。
(ふふっ、みんな私が入ってきたから緊張しちゃってる……。無理もないわよね、私というナイスバディの持ち主を間近で見せつけられるんだもの。同性として、圧倒的な格の違いを感じちゃってるのね。美しすぎるお姫様の登場に、みんな気後れしちゃってかわいそうに……♪)
紗羽は更衣室の真ん中で堂々と仁王立ちになると、見せつけるように制服のボタンを一つずつ外していった。
パツパツに張り詰めていた生地の圧迫から解放された瞬間、肥大化した巨大な肉塊が溢れ出す。左右合わせて十数キロに達する重厚な胸の肉、段々に重なった腰回りの重圧な脂肪のロール、そして丸太のごとく太い太もも。
紗羽は誇らしげに全角度へ自慢の巨体を晒した。
周囲の女子生徒たちが漏らすのは、冷ややかな失笑と、「近寄らないでほしい」という本能的な嫌悪感、そして言葉を失うほどの引き気だった。
「うわ……マジで?」「目の毒すぎるんだけど……」「見ちゃダメ、こっち見ないようにしよ……」
ひそひそと交わされる拒絶の囁き。しかし、紗羽の狂いきった脳内フィルターは、それを「自分というお姫様への尊敬と憧れ、そして激しい嫉妬の声」として誤訳する。
(そんなに目を丸くして見つめないでほしいわ。いくら羨ましがられたって、この最高級の脂が乗ったボディは、卓郎だけのものなんだから……♪ 女の子たちの嫉妬の視線って、ちょっとくすぐったいけれど、罪な女の宿命よね)
着替えを終え、全身の脂肪をぶるんぶるんと狂暴に揺らしながらグラウンドへ移動すると、日陰に集まっていた男子生徒たちがこちらを盗み見ながらひそひそと話し始めた。
「おい見ろよ、あの腹……」「気色悪ぃ……吐き気がするわ」「マジで邪魔だわあのデブ。女子に混ざんなよ……」
ドン引きしながら避ける男子たちに対し、紗羽は油脂でテカテカと光る二重アゴを引き、優越感に満ちた熱い視線を送った。
(ふふっ、男子たちったら……私の圧倒的な質量とエッチなボリュームに欲情しちゃって、目を引きつけられちゃってるのね。体が勝手に反応しちゃって、直視するのも恥ずかしいんだわ。でもダメよ? 私には卓郎という運命の人がいるんだから、そんな淫らな視線を向けないで頂戴♪)
授業が始まり、体育教師が「それじゃあ、二人組を作ってストレッチから入れ」と適当に指示を出した。その瞬間、周囲の生徒たちは蜘蛛の子を散らすように素早く互いの手を握り合い、紗羽の周りには見事なまでに半径数メートルの誰も近づかない完全防備の空白域が生まれた。
誰もがこの化け物のような巨体とペアを組み、重みで潰されたり巻き込まれたりするのを死ぬほど恐れていたのだ。
一人ぽつんとグラウンドの中央に取り残された紗羽は、特に傷ついた様子もなく、優雅に脂ぎった髪をかき上げた。
(あらあら……誰も私に声をかけられないのね。可哀想に、私みたいな美しすぎる高嶺の花とペアを組むなんて、みんな恐れ多すぎて気後れしちゃってるんだわ。気遣いができるクラスメイトたちで助かるけれど……美しすぎるって、本当に罪なことね)
結局、誰ともペアを組めないまま、一人で虚しく腕を回す紗羽。
続いてトラック周回のランニングが始まると、周りの生徒たちが汗を流しながら軽快に走り出していく中、紗羽は自らの脂肪の塊をぶるんぶるんと狂暴に揺らしながら、ひーひーと脂くさい荒い息を吐き、足腰を悲鳴させながらトラックをのしのしと走った。
重い足音が響くたびにグラウンドの砂利が跳ね、顔面からは油の混じった汗が滝のように噴き出し、二重アゴから首元へ、そして胸元の深い肉の溝へと流れていく。
荒い呼吸はブヒブヒと豚の断末魔のような下品な音になり、内ももの肉が擦れ合って不快な摩擦音を響かせていた。
客観的には目を背けたくなるほど凄惨で惨めな運動風景でしかなかったが、紗羽の頭の中ではまったく別の景色が広がっていた。
(見てるかしら、卓郎……。キラキラとした太陽の光を全身に浴びて、汗を弾かせながら健気に煌めく私の可憐でスポーティーな姿……。きっと私の圧倒的な美しさと躍動感に心を奪われて、思わず生唾を呑み込んでいるはずわ♥)
激しい自惚れと歪み切った幸福感に身を包まれながら、紗羽は自分が世界で最も愛され、求められている可憐な美少女であることを一切疑うことなく、地鳴りを立ててその重い身体を揺らし続けるのだった。